魔法少女リリカルなのはＳｔｒｉｋｅｒＳの第１話
空への翼
００７１年４月２９日 ミッドチルダ臨海第８空港
スバル（ナレーション）「小さい頃の私は、本当に弱くて泣き虫で、悲しいこととか辛いことにいつも蹲って。ただ泣くことしか出来なくて」
消防隊員Ａ「うわっ！ダメだ、ダメだ！こっちはダメだ！」
消防隊員Ｂ「この先に子供が取り残されているんだ！何とかならないのか！」
消防隊員Ａ「さっき、本局の魔導師が突入した！救助は彼女がしてくれる！」
スバル「お父さん、お姉ちゃん。キャーッ！」
倒れてきたものの風圧で飛ばされる
スバル「痛いよ！熱いよ！こんなの嫌だよ！帰りたいよ！」
今にも像が倒れそうだ
スバル「助けて、誰か助けて！」
像が倒れてきた
スバル「あっ！」
間一髪でなのはが助けに来た
なのは「よかった！間に合った！助けに来たよ！」
像の倒壊を押さえスバルのところへ飛んでいく
なのは「よく頑張ったね、偉いよ」
スバル「うっ・・・うっ・・・」
なのは「もう大丈夫だからね。安全な場所まで一直線だから！」
レイジングハート「Ｕｐｗａｒｄ ｃｌｅａｒａｎｃｅ ｃｏｎｆｉｒｍａｔｉｏｎ」
なのはは構える
レイジングハート「Ａ ｆｉｒｉｎｇ ｌｏｃｋ ｉｓ ｃａｎｃｅｌｅｄ」
なのは「一撃で地上まで抜くよ」
レイジングハート「Ａｌｒｉｇｈｔ，ｌｏａｄ ｃａｒｔｒｉｄｇｅ」
カートリッジをロードする
レイジングハート「Ｂｕｓｔｅｒ ｓｅｔ」
なのは「ディバインバスター！」
なのははスバルを抱きかかえて脱出した
なのは「こちら協同体01、エントランスホール内の要救助者、女の子一名を救助しました」
スタッフ「ありがとうございます。さすがは航空魔導師のエースオブエースですね」
なのは「西側の救護隊に引き渡した後ですぐに救助活動を続行しますね」
スタッフ「お願いします！」
スバル（ナレーション）「炎の中から助け出してもらって、連れ出してもらった広い夜空。冷たい風が優しくて、抱きしめてくれる腕が暖かくて。助けてくれたあの人は強くて、優しくて、かっこよくて。泣いてばかりで何も出来ない自分が情けなくて。私はあの時生まれて初めて心から思ったんだ。泣いてるだけなのも、何も出来ないのももう嫌だって」
００７５年４月 ミッドチルダ 臨海第８空港近隣 廃棄都市街
スバル（ナレーション）「強くなるんだって！」
スバルは張り切っているようだ
ティアナ「スバル、あんまり暴れてると試験中にそのオンボロローラがいっちゃうわよ」
スバル「ティア、嫌なこと言わないで。ちゃんと油も差してきた」
リィンがモニターに現れた
リィン「おはようございます。さて、魔導師試験の受験者さん２名、揃ってますか？」
スバル、ティアナ「はい！」
リィン「確認しますね。時空管理局陸士386部隊に所属のスバル・ナカジマ二等陸士と」
スバル「はい！」
リィン「ティアナ・ランスター二等陸士」
ティアナ「はい！」
リィン「所有している魔導師ランクは陸戦Ｃランク。本日受験するのは陸戦魔導師Ｂランクへの昇格試験で間違いないですね？」
スバル「はい！」
ティアナ「間違いありません！」
リィン「はい、本日の試験官を務めますのは私、リィンフォースⅡ空曹長です。よろしくですよ」
スバル、ティアナ「よろしくお願いします！」
この様子をフェイトとはやてはヘリで見ていた
はやて「お、早速始まってるな。リィンもちゃんと試験官してる」
時空管理局 二等陸佐 八神はやて
フェイト「はやて、ドア全開だと危ないよ。モニターでも見られるんだから」
時空管理局本局 執務官 フェイト・Ｔ・ハラウオン
はやて「はーい」
ドアを閉める
フェイト「この二人がはやての見つけた子達だね」
はやて「うん。二人共、中々伸び代がありそうなええ素材や」
フェイト「今日の試験の様子を見て、行けそうなら正式に引き抜き？」
はやて「直接の判断はなのはちゃんにお任せしてるけどな」
フェイト「そっか」
はやて「部隊に入ったらなのはちゃんの直接の部下で教え子になるわけやからな」
なのはは試験コースのセッティングをしていた
レイジングハート「Ｔｈｅｒｅ ｉｓ ｎｏ ｌｉｆｅ ｒｅｓｐｏｎｓｅ ｗｉｔｈ ｔｈｅ ｒａｎｇｅ．Ｔｈｅｒｅ ｉｓ ｎｏ ｄａｎｇｅｒｏｕｓ ｏｂｊｅｃｔ ｅｉｔｈｅｒ．Ｃｈｅｃｋ ｏｆ ｔｈｅ ｃｏｕｒｓｅ ｗａｓ ｆｉｎｉｓｈｅｄ」
なのは「うん。ありがとう、レイジングハート。関接用のサーチャーと障害用のオートスフィアも設置完了。私達は全体を見てようか？」
レイジングハート「Ｙｅｓ，ｍｙ ｍａｓｔｅｒ」
リィン「二人はここからスタートして各所に設置されたポイントターゲットを破壊。あ、もちろん破壊しちゃダメなダミーターゲットもありますからね。妨害攻撃に気をつけて、全てのターゲットを破壊。制限時間内にゴールを目指してくださいです。何か質問は？」
スバル「えーっと・・・」
ティアナ「ありません！」
スバル「ありません！」
リィン「では、スタートまであと少し。ゴール地点で会いましょう。ですよ」
モニターが消えた
ティアナ「レディ・・・」
スバル、ティアナ「Ｇｏ！」
はやて「おっ、始まった、始まった」
フェイト「お手並み拝見っと」
ティアナは廃墟にワイヤーを撃った
ティアナ「スバル！」
スバル「うん！」
二人は潜入前の打ち合わせをしていた
スバル「中のターゲットは私は潰してくる」
ティアナ「手早くね」
スバル「ＯＫ！」
ガラスを砕いてスバルが廃墟の中に潜入した
スバル「ロードカートリッジ！」
スバルは構えた
スバル「リボルバーシュート！」
ターゲットを順調に落としていった
ティアナ「落ち着いて、冷静に」
外から中にいるターゲットを撃っていた
そして合流
スバル「いいタイム」
ティアナ「当然！」
フェイト「いいコンビだね」
はやて「そやけど、難関はまだまだ続くよ。特にこれが出てくると受験者の半分以上は脱落することになる最終関門。大型オートスフィア」
フェイト「今の二人のスキルだと、普通なら防御も回避も難しい、中距離自動攻撃型の狙撃スフィア」
はやて「どうやって切り抜けるか、知恵と勇気の見せ所や」
スバル「行くぞ！」
ティアナ「スバル、うるさい！」
順調に落とし続けている
ティアナ「よし、全部クリア」
スバル「この先は？」
ティアナ「このまま上、上がったら最初に集中砲火がくるわ。オプティックファイルを使ってクローンシフトでスフィアを瞬殺！やるわよ！」
スバル「了解！」
ワイヤーに集中砲火が着たが上がってきたのは銃だけだった
ティアナ「５、４、３、２、１、０」
見えないように移動してきたスバルとティアナが姿を現す
ティアナ「クロスファイアー・・・」
スバル「リボルバー・・・」
スバル、ティアナ「シュート！」
一気に蹴散らした
フェイト「なるほど。これは確かに伸び代がありそうだね」
はやて「そやろ」
フェイト「残るは最終関門」
スバル「イエーイ！ナイスだよティア！一発で決まったね！」
ティアナ「ま、あんだけ時間があればね」
スバル「普段はマルチショットの命中率、あんま高くないのに。ティアはやっぱ本番に強いな」
ティアナ「うっさいわよ！さっさと片付けて次に・・・あっ！」
スバル「ん？」
ティアナ「スバル、防御！」
スバル「ティア！」
はやて「ん、何や？」
フェイト「サーチャーに流れ弾が当たったみたいだったけど」
なのは「トラブルかな？リィン、一応様子を見に行くね」
リィン「はいです。お願いします」
レイジングハート「Ａｍ Ｉ ｓｅｔ ｕｐ？」
なのは「そうだね。念のためお願い」
レイジングハート「Ａｌｒｉｇｈｔ，Ｂａｒｒｉｅｒ Ｊａｃｋｅｔ ｓｔａｎｄｉｎｇ ｕｐ」
スバル「ティア！」
ティアナ「騒がないで！何でもないから」
スバル「嘘だ！グキっていったよ。捻挫したでしょう？」
ティアナ「だから何でもないって痛っ」
スバル「ティア、ごめん。油断してた」
ティアナ「私の不注意よ。あんたに謝られると、かえってムカつくわ」
スバル「あっ」
ティアナ「走るのは無理そうね。最終関門は抜けられない」
スバル「ティア・・・」
ティアナ「私が離れた位置からサポートするわ。そしたら、あんた一人ならゴールできるわ」
スバル「ティア！」
ティアナ「うっさい！次の受験の時は私一人で受けるっつってんのよ！」
スバル「次って半年後だよ！」
ティアナ「迷惑な足手まといがいなくなれば、私はその方が気楽なのよ！分かったらさっさと・・・くっ・・・ほら、早く！」
スバル「ティア、私、前に言ったよね。弱くて情けなくて誰かに助けてもらいっぱなしな自分が嫌だったから管理局の陸士部隊に入った」
ティアナ「あっ・・・」
スバル「魔導師を目指して、魔法をシューティングアーツを習って人助けの仕事に就いた」
ティアナ「知ってるわよ。聞きたくも無いのに何度も聞かされたんだから」
スバル「ティアとはずっとコンビだったからティアがどんな夢を見てるか。魔導師ランクのアップと昇進にどれくらい一生懸命かもよく知ってる！だから、こんなとこで、私の目の前でティアの夢をちょっとでも躓かせるのなんて嫌だ！一人で行くのなんて絶対に嫌だ！」
ティアナ「じゃあ、どうすんのよ！走れないバックスを抱えて、残りちょっとの時間でどうやってゴールするのよ！」
スバル「裏技。反則取られちゃうかもしれないしちゃんとできるかも分からないけど。上手くいけは二人でゴールできる！」
ティアナ「本当？」
スバル「あ、その、ちょっと難しいかもなんだけどティアにもちょっと無理してもらうことになるし、よく考えるとやっぱり無茶っぽくはあるし、あの、何ていうかティアがよければ・・・」
ティアナ「あーっ、イライラする！ぐちぐち言ってもどうせあんたは自分のわがままを通すんでしょ？どうせ私はあんたのわがままにつきあわされるんでしょ？だったら、はっきり言いなさいよ！」
スバル「二人でやればきっと出来る。信じて、ティア」
ティアナ「残り時間３分４０秒。プランは？」
スバル「うん！」
はやて「出てきた」
フェイト「うん・・・あれ？だけど・・・」
はやて「あ、直撃？」
フェイト「ううん、違う」
はやて「高速回避？いや、ちゃうな」
フェイト「あの子、ティアナは囮」
はやて「と言うことは」
ここに出てきたティアナはすべて幻だった
ティアナ「フェイクシルエット。これ滅茶苦茶魔力くうのよ。あんまり長くもたないんだから一撃で決めなさいよ。でないと、二人で落第なんだから」
スバル「うん」
スバルは何か考え事をしていた
スバル「私は空も飛べないし、ティアみたいに器用じゃない。遠くまで届く攻撃も無い。出来るのは全力で走ることとクロスレンジの一発だけ。だけど決めたんだ！あの人みたいに強くなるって！誰かを、何かを守れる自分になるって！」
詠唱が終了した
スバル「ウイングロード！」
ティアナ「行って！」
スバル「行くぞ！」
ボスターゲットの装甲を破った
スバル「一撃必殺、ディバインバスター！」
スバル、ティアナ「ハァ、ハァ・・・」
ティアナ「やった」
スバル「何とか」
ティアナ「残り後、１分ちょい。スバル！」
スバル「うん！」
リィン「あ、来たですね」
スバル「後、何秒？」
ティアナ「１６秒。まだ間に合う！」
リィン「はい、ターゲットオールクリアです」
スバル「魔力全開！」
ティアナ「ちょっとスバル、止まる時のこと考えてるんでしょうね？」
スバル「え？あ、嘘？」
リィン「あ、何かちょいやばです」
スバル、ティアナ「わーっ！」
ゴールするが止まらない
なのは「うん、アクティブガード。ホールディングネットもかな？」
レイジングハート「Ａｃｔｉｖｅ Ｇｕａｒｄ ｗｉｔｈ Ｈｏｌｄｉｎｇ Ｎｅｔ」
フェイトとはやてもヘリの上から魔法を使っていた
リィン「もう！二人共、危険行為で減点です！頑張るのはいいですが、怪我をしては元も子もないですよ！そんなんじゃ魔導師としてはダメダメです！」
ティアナ「小っさ・・・」
リィン「まったくもう！」
なのは「まあ、まあ」
リィン「ん？」
スバル、ティアナ「ん？」
なのは「ちょっとびっくりしたけど、無事でよかった」
降りてくる
なのは「とりあえず試験は終了ね。お疲れ様」
ガードの類を解く
なのは「リィンもお疲れ様。ちゃんと試験官できてたよ」
リィン「わーい！ありがとうございます、なのはさん」
なのはは変身を解く
なのは「まあ、細かいことは後回しにして。ランスター二等陸士」
ティアナ「あ、はい」
なのは「怪我は足だね。治療するからブーツ脱いで」
リィン「あ、治療なら私がやるですよ」
ティアナ「あ、えっと、すみません」
スバル「なのは・・・さん？」
なのは「ん？」
スバル「あ、いえ、あの、高町教導官、一等空尉」
なのは「なのはさんでいいよ。みんなそう呼ぶから４年ぶりかな。背伸びたね、スバル」
スバル「えっと、あの」
なのは「また会えて嬉しいよ」
スバルは泣き出す
はやて「さて、なのはちゃん的に二人はどやろ？合格かな？」
フェイト「フフフ、どうだろうね？」