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魔法少女リリカルなのはの第1話


なのは(ナレーション)「この広い空の下には、幾千、幾万の人達がいて、いろんな人が願いや思いを抱いて暮らしていて、その思いは時に触れ合って、ぶつかり合って。だけど、その中のいくつかはきっと繋がっていける。伝え合っていける。これから始まるのは、そんな出会いと触れ合いのお話。魔法少女リリカルなのは始まります」

ユーノは何かと戦っているようだ

ユーノ「映えなる響き、光となれ!許されざる者を封印の輪に!」

得体の知れないものがユーノに襲い掛かる

ユーノ「ジュエルシード、封印!」

しかし上手くいかず逃がしてしまう

ユーノ「逃がし・・ちゃった。追いかけ・・なくちゃ」

ユーノは倒れてしまう

ユーノ「誰か、僕の声を聞いて。力を貸して。魔法の・・力を」

ユーノはフェレットになってしまう

                     それは不思議な出会いなの?

なのはの携帯が鳴り出す

なのは「ふあーっ・・・何か、変な夢見ちゃった。んーっ」

なのは(ナレーション)「私、高町なのは。私立聖祥大付属小学校に通う小学三年生。ここ、高町家においては三人兄弟の末っ子さんです」

なのは「おはよう」

桃子「あ、なのは、おはよう」

士郎「おはよう、なのは」

桃子「これ、お願いね」

なのは「はい」

なのは(ナレーション)「この二人が私のお父さんとお母さん」

士郎「ちゃんと一人で起きられたな。偉いぞ」

なのは(ナレーション)「こちら、お父さんの高町士郎さん。駅前の喫茶店『翠屋』のマスターさんで一家の大黒柱さん」

桃子「朝御飯、もうすぐ出来るからね」

なのは(ナレーション)「で、お母さんの高町桃子さん。喫茶『翠屋』のお菓子職人さん。綺麗で優しい、なのはの大好きなお母さん。ちなみに、『翠屋』は駅前商店街の真ん中にあるケーキとシュークリーム、自家焙煎コーヒーが自慢の喫茶店。学校帰りの女の子や近所の奥様達に人気のお店なの」

なのは「お兄ちゃんとお姉ちゃんは?」

士郎「ああ、道場にいるんじゃないか?」

道場ではなのはの姉、美由希が剣の稽古をしていた

美由希「ふん!えいっ!・・・」

なのは「お兄ちゃん、お姉ちゃんおはよう。朝御飯だよ」

恭也「おはよう」

美由希「あ、なのは、おはよう」

なのは「はい」

なのははタオルを投げる」

美由希「ありがとう」

なのは(ナレーション)「この二人が私のお兄ちゃんとお姉ちゃん」

恭也「じゃあ美由希、今朝はここまで」

なのは(ナレーション)「お兄ちゃんの高町恭也さんは大学一年生。お父さん直伝の剣術家でお姉ちゃんのお師匠様」

美由希「はい、じゃあ続きは学校から帰ってからね」

なのは(ナレーション)「で、お姉ちゃん。高町美由希さんは高校二年生」

士郎「んーっ。今朝もおいしいな。特にこのスクランブルエッグが」

桃子「本当?トッピングのトマトとチーズ、それからバジルが隠し味なの」

士郎「みんな、あれだぞ。こんな料理上手なお母さんを持って幸せなんだから。分かってるのか?」

美由希「分かってるよ。ねえ、なのは」

なのは「うん」

桃子「もう、やだ。あなたったら」

なのは(ナレーション)「高町家の両親は未だ新婚気分バリバリです」

恭也「美由希、リボンが曲がってる」

美由希「え、本当?」

恭也「ほら、貸してみろ」

なのは(ナレーション)「で、お兄ちゃんとお姉ちゃんもとっても仲良しで、愛されてる自覚はとってもありますが、この一家の中ではなのははもしかして微妙に浮いているかもしれません」

学校の送迎バスに乗り込む

なのは「おはようございます」

すずか「なのはちゃん」

アリサ「なのは、こっちこっち」

なのは「すずかちゃん、アリサちゃん」

アリサ「おはよう」

すずか「おはよう、なのはちゃん」

なのは「おはよう」

なのは(ナレーション)「アリサ・バニングスちゃんと月村すずかちゃんの二人とは一年生の頃から同じクラス。今年からは同じ塾にも通ってるの」

先生「この前、みんなに調べてもらったとおり、この町にもたくさんのお店がありましたね。そこで働く人達の様子や工夫を実際に見て、聞いて大変勉強になったと思います。このように、色々な場所で色々な仕事があるわけですが、みんなは将来、どんなお仕事に就きたいですか?今から考えてみるのもいいかもしれませんね」

委員長(?)「起立!」

なのは達は屋上で弁当を食べていた

なのは「将来か・・・アリサちゃんとすずかちゃんはもう結構決まってるんだよね?」

アリサ「うちはお父さんもお母さんも会社経営だし、いっぱい勉強してちゃんと跡を継がなきゃ。くらいだけど」

すずか「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいなと思ってるんだけど」

なのは「そっか、二人共すごいよね」

アリサ「でも、なのはは喫茶『翠屋』の二代目じゃないの?」

なのは「うん、それも将来のヴィジョンの一つではあるんだけど。やりたいことは何かあるような気がするんだけど、まだそれが何なのかはっきりしないんだ。私、特技も取柄も特に無いし」

アリサ「バカちん!」

アリサは怒っておかずを投げつける

アリサ「自分からそういうこと言うんじゃないの!」

すずか「そうだよ。なのはちゃんにしか出来ないこときっとあるよ」

アリサ「だいたいあんた、理数の成績はこの私よりいいじゃないの!それで取柄が無いってどの口!」

なのはの口を引っ張りまわす

なのは「だってなのは、文系苦手だし体育も苦手だし」

すずか「二人共ダメだよ!ねえ、ねえってば!」

放課後

なのは「自分に出来ること・・・自分にしか出来ないこと・・・か」

アリサ「ねえ、今日のすずか、ドッジボールすごかったよね」

なのは「うん、かっこよかったよね」

すずか「え、そんなことないよ」

犬が吼えてきたので

アリサ「ビークワイエット!」

アリサはなのはとすずかを裏道に誘う

アリサ「あ、こっちこっち。ここを通ると塾に行くのに近道なんだ」

すずか「そうなの?」

アリサ「ちょっと道悪いけどね」

なのはは何かを思い出す

なのは「あっ!」

夢で見た内容だった

なのは「(ここ、夕べ夢で見た場所!?)」

すずか「どうしたの?」

アリサ「なのは?」

なのは「あ、ううん、何でもない。ごめんごめん」

すずか「大丈夫?」

なのは「うん」

アリサ「じゃあ、行こう」

なのは「まさかね」

すずか「なのはちゃん」

なのは「あ、うん」

なのはに助けを求める声が聞こえた

ユーノ「助けて!」

なのは「え?」

アリサ「なのは?」

なのは「今、何か聞こえなかった?」

すずか「何か?」

なのは「何か声みたいな」

アリサ「別に・・・」

すずか「聞こえなかったかな」

ユーノ「助けて!」

なのはは声が聞こえた方向へ走っていった

アリサ「なのは!」

すずか「なのはちゃん!」

なのは「多分、こっちの方から・・」

倒れていたユーノを発見する

なのは「あっ」

アリサ「どうしたのよ、なのは?急に走り出したりして」

なのは「見て!」

すずか「動物?怪我してるみたい」

なのは「う、うん。どうしよう?」

アリサ「どうしようって、とりあえず病院?」

すずか「獣医さんだよ」

なのは「ええと、この近くに獣医さんってあったっけ?」

アリサ「ああ、えっとこの辺りだと確か・・・」

すずか「待って!家に電話してみる」

獣医に連れて行った

院長「怪我はそんなに深くないけど、随分衰弱してるみたいね。きっとずっと一人ぼっちだったんじゃないかな?」

なのは「院長先生、ありがとうございます」

アリサ、すずか「ありがとうございます」

院長「いいえ、どういたしまして」

アリサ「先生、これってフェレットですよね?どこかのペットなんでしょうか?」

院長「フェレットなのかな?変わった種類だけど。それにこの首輪についてるのは宝石なのかな?」

すずか「起きた」

目を覚ましたユーノはなのはの方を見ていた

すずか「見てる」

なのは「あっ」

アリサ「なのは、見られてる?」

なのは「あ、うん。えっと、えっと・・・」

なのはは恐る恐る指を出す。すると舐めた

なのは「あっ!」

また倒れる

院長「しばらく安静にした方がよさそうだから、とりあえず明日まで預かっておこうか?」

なのは、アリサ、すずか「はい、お願いします」

院長「よかったら、また明日様子を見に来てくれるかな?」

なのは、アリサ、すずか「分かりました」

アリサ「あっ!やばい、塾の時間!」

すずか「本当だ!」

なのは「それじゃ院長先生、また明日来ます」

なのは達は塾に間に合ったようだ

塾講師「では、この前やったことの応用問題から始めましょう。テキストの47ページの最初から。例題を見てみましょう。例題の1は39/45・・・」

なのはは入院中のユーノをどうしようか相談していた。アリサは家に大量の犬を飼っていてすずかも大量の猫を飼っているため引き取れないようだ

塾講師「分母も分子も3で割れます。ですから13/15」

なのは「うーん。うちも食べ物商売だから原則としてペットの飼育はダメだし」

塾講師「はい、それではこの問題の答えを・・・あ、じゃあ29番高町さん」

なのは「はい」

アリサ「47ページの問いの3よ」

なのは「えーっと。5/42です」

塾講師「はい、正解」

なのは「はぁ」

塾講師「えー、式の途中で答えが出たと思ってやめてしまう人がいますが、それはいけません」

すずか「余裕」

アリサ「ナイス」

なのは「えへへ」

塾講師「この場合も約分できる出来る数字はきちんと約分しなければ、正解にはなりませんよ。それが終わっても安心しないで・・・」

どうやらユーノはなのはが引き取ろうかと言い出した

なのは「というわけでそのフェレットさんをしばらくうちで預かるわけにはいかないかなって」

士郎「うーん、フェレットか・・・ところで何だ、フェレットって?」

恭也「イタチの仲間だよ、父さん」

美由希「大分前からペットとして人気の動物なんだよ」

桃子「フェレットって小ちゃいわよね?」

士郎「知ってるのか?」

なのは「えーっとこれくらい」

桃子「しばらく預かるだけなら、かごに入れておけて、なのはがちゃんとお世話できるならいいかも。恭也、美由希、どう?」

恭也「俺は特に依存はないけど」

美由希「私も」

士郎「だそうだ」

桃子「よかったわね」

なのは「うん、ありがとう」

桃子「さあ、冷めない内に食べちゃってね」

なのは、美由希、恭也「はい」

士郎「桃子、サラダとってくれるか?」

桃子「はい、どうぞ」

恭也「俺も」

桃子「はい」

なのははアリサとすずかにメールを打つ

なのは「アリサちゃん、すずかちゃん。あの子はうちで預かれることになりました。明日、学校帰りに一緒に迎えに行こうね。なのは。送信っと」

なのはは何かおかしな気配に気付く

ユーノ「聞こえますか?僕の声が聞こえますか?」

なのは「あ、夕べの夢と昼間の声と同じ声」

ユーノ「聞いてください。僕の声が聞こえるあなた、お願いです!僕に少しだけ力を貸してください!」

なのは「あの子が喋ってるの?」

ユーノ「お願い!僕のところへ!時間が、危険がもう・・・」

なのははベッドに倒れこむ

ユーノ「お願い、届いて・・・」

なのはは獣医の前で何か異変を感じた

なのは「また、この音」

ユーノが襲われていた

なのは「あ、あれは!」

さらに追い詰められていた

なのは「あっ!」

飛んできたユーノを抱き止める

なのは「な、何々?一体、何?」

ユーノ「来て・・くれたの?」

なのは「喋った!?」

ユーノを襲ったものがこっちを見ていた

なのは「う、その、何が何だかよく分かんないんだけど、一体、何なの?何が起きてるの?」

ユーノ「君には資質がある。お願い、僕に少しだけ力を貸して!」

なのは「資質?」

ユーノ「僕はある探し物のためにここではない世界から来ました。でも、僕一人の力では思いは遂げられないかもしれない。だから、迷惑だとわかってはいるんですが、資質を持った人に協力して欲しくて。お礼はします。必ずします。僕の持っている力を、あなたに使って欲しいんです!僕の力を。魔法の力を!」

なのは「魔法?」

ユーノ「お礼は必ずしますから」

なのは「お礼とかそんな場合じゃないでしょ!どうすればいいの?」

ユーノ「これを!」

首につけていた宝石を手渡した

なのは「暖かい・・・」

ユーノ「それを手に目を閉じて、心を澄ませて!僕の言う通りに繰り返して!いい?いくよ!」

なのは「うん」

ユーノ「我、使命を受けし者なり」

なのは「我、使命を受けし者なり」

ユーノ「契約の下、その力を解き放て!」

なのは「えっと、契約の下、その力を解き放て!」

ユーノ「風は空に、星は天に」

なのは「風は空に、星は天に」

ユーノ「そして、不屈の心は」

なのは「そして、不屈の心は」

なのは、ユーノ「この胸に!この手に魔法を!レイジングハート!セットアップ!」

レイジングハート「Stand by, ready, Set up!」

なのは「あっ」

ユーノ「何て魔力だ・・・」

ユーノはなのはの魔力の潜在量に驚いていた

ユーノ「落ち着いてイメージして!君の魔法を制御する、魔法の杖の姿を!そして、君の身を守る、強い衣服の姿を!」

なのは「そんな、急に言われても。えっと、えーっと・・・」

思いついたようだ

なのは「とりあえずこれで!」

なのははそのイメージどおりに変身した

ユーノ「成功だ!」

なのは「え?え?嘘?」

変身した自分に戸惑っていた

なのは「何なの、これ?」

戦うことにも戸惑っているようだ

なのは「えーっ!」

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