みつどもえ プロローグ
「いっせ――の――――」
しゃがんだままの体勢で、一人の女の子が掛け声をかけた。「せっ」
一人の女の子が段ボール箱の片側を思いっきり跳ねあげた。「もう!!早いわよ タイミングが!!」
顔を押さえ、涙を流しながらぶつけられた女の子は怒鳴り散らした。「早くないスよ 「せ」で持ち上げるんスよ!?」
「「せ」のあとに小休止が入るのよ バカじゃないの!?」
騒ぐ二人をよそに、三人目の女の子は静かにしゃがんでいた。「私のタイミングに合わせなさいよ!!「せ」ウンで持ち上げるのよ!! わかった!?」
「どっちでもいいから早く教室運んで!!」
先程から見ていた教師も見るに耐えられなくなったらしく、三人を急かした。 ――丸井家三姉妹は日本一似てない三つ子
「いっせーのー…」「せっ…」
今度はスッと持ち上がった。しかし……「「持て――――――――」」
二人は叫んだ。姉妹の一人が協力していないのだ。――そんな3人のおかしな物語のはじまりはじまり…
みつどもえ プロローグ おわり
編注:これはプロローグですが、第1話ではありません。