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みつどもえ プロローグ



――理科準備室
三人の女の子がいた。

「いっせ――の――――」

しゃがんだままの体勢で、一人の女の子が掛け声をかけた。
教材の入った段ボール箱を運ぼうとしていた。

「せっ」

一人の女の子が段ボール箱の片側を思いっきり跳ねあげた。
箱は正面に位置していた二人目の女の子の顔面に直撃した。

「もう!!早いわよ タイミングが!!」

顔を押さえ、涙を流しながらぶつけられた女の子は怒鳴り散らした。

「早くないスよ 「せ」で持ち上げるんスよ!?」

「「せ」のあとに小休止が入るのよ バカじゃないの!?」

騒ぐ二人をよそに、三人目の女の子は静かにしゃがんでいた。

「私のタイミングに合わせなさいよ!!「せ」ウンで持ち上げるのよ!! わかった!?」

「どっちでもいいから早く教室運んで!!」

先程から見ていた教師も見るに耐えられなくなったらしく、三人を急かした。

 ――丸井家三姉妹は日本一似てない三つ子

「いっせーのー…」「せっ…」

今度はスッと持ち上がった。しかし……

「「持て――――――――」」

二人は叫んだ。姉妹の一人が協力していないのだ。
先程から黙り込んでいる暗い女の子はしゃがんだまま、本を読んでいた。
二人のやろうとしていることに、興味が無いようだった。

 ――そんな3人のおかしな物語のはじまりはじまり…



みつどもえ プロローグ おわり





編注:これはプロローグですが、第1話ではありません。

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