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魔法戦隊マジレンジャーの第1話
 

とある町。

店員「Please」

少女「ありがとう!」

学ランの高校生がサッカーボールを蹴りながら走っていた。

母親「よかったわね」

少女「うん。風船、風船♪」

その時、学ランの高校生と少女がぶつかった。

それにより風船が飛んでいってしまった。

少女「ああ〜、美奈の風船が……」

高校生「ごめんよ」

一方、地底冥府では妖幻密使・バンキュリアが帰って来た。

椅子に座っているのは凱力大将ブランケンである。

バンキュリア「みんな、目覚めたようね。お目覚め!? ブランケン様……」

ブランケン「おう、バンキュリアか!?」

バンキュリア「ご気分は!?」

ブランケン「いいわけがない!! 最悪の気分だ……」

その時、ブランケンが何かを感じる。

ブランケン「ん? 地上か!? よし、いいかてめぇら!! これよりわれらがインフェルシアの掟の元、地上の虫けらどもに極上の恐怖を味わわせる!! 食らい尽くせ!!」

ブランケンの言葉にゾビルとハイゾビルが騒いでいた。

そしてもう1人、魔導騎士ウルザードがいた。
 

Stage.1
旅立ちの朝
〜マージ・マジ・マジーロ〜
 
小津家。兄弟たちが食卓を囲んでいた。

長女・芳香が降りてくる。

芳香「ふあ〜っ、おはよう……」

麗「おはよう」

長男・蒔人がサラダを持ってやってくる。

蒔人「ジャッジャ―――ン! 産地直送取れたて『アニキサラダ』だ!!」

芳香「わーお! アニキ農場大収穫。麗ちゃん、ドレッシング取って」

麗「はい」

次女・麗が芳香にドレッシングを渡す。

芳香「ありがとう……」

翼「アニキ農場にアニキサラダ……何とかならないの!? このネーミングセンス。食欲無くすぜ」

蒔人「土いじりはいいぞ。翼もやれ! 愛情こめて」

芳香「そうそう、やっぱ愛情よねぇ〜。麗ちゃん、ジュース取って……」

麗「はい」

芳香「ありがとう」

麗「芳香ちゃん、また恋しちゃったの!?」

翼「27歳イケメン独身カメラマンだと……」

芳香「恋の魔法、かけられちゃったのぉ。ねえ、お母さんは魔法って信じる!?」

深雪「魔法!? 何子供みたいなこと言ってるのよ。そんな物信じてるわけないでしょ!? ほら、早く食べちゃって……」

芳香「もお! お母さんったら。夢がないんだから……」

蒔人「そういや、魁がいないな!?」

深雪「魁なら学校行ったわよ。サッカー部の朝連だって」

翼「ご苦労なこった日曜の朝だってのにさ……」

芳香「麗ちゃん、テレビつけて」

麗「はい」

翼「つーかたまには自分でやれよ芳姉……」

麗がテレビをつけたらニュースが放送されていた。

キャスター「はい、こちら現場です。凄い驚きなのは少年です」

芳香「あれぇ? ここってウチの近くじゃない!?」

麗「あ、ホントだ……」

キャスター「今や少年は脇目も振らず、上へ上へと登っています。ビルのおよそ、5、6回分の高さかと思われます!」

翼「ったく、朝っぱらから無茶するバカがいるぜ」

蒔人「ほう。『バカと煙は高いところを登りたがる』って言うけど、ほんとだったんだな」

翼「感心すんなよ!」

キャスター「少年の目的は一体なんなのでしょうか!?」

少年が振り向くとそれはなんと魁だった。

一同「え―――っ!?」

深雪「魁!」

翼「ウチのバカだったかぁ……」

蒔人「何やってんだあいつ!?」

街中

魁「もう少しだ。頼む、じっとしててくれよ」

魁は必死で鉄棒を登る。

母親「美奈」

鉄棒の上には風船が引っかかっていた。

魁の目的はそれだったのだ。

とうとう頂上に達して風船を取った魁。

魁「やった。取ったぞ!!」

その時、魁がバランスを崩し、屋根に落ちる。

だが、電線を持ち上げ、椅子に着地。

外人「Wow! Bravo!!」

回りは魁に拍手する。

魁「はい」

少女「ありがとう……」
 
母親「どうもありがとうございました」

魁「いえ……」

少女「バイバーイ!」

魁「バイバーイ!!」

その時、誰かが魁の頭を叩いた。

振り向くと翼と蒔人がいた。

翼「何がバイバイだ、ボケ」

魁「あっ、兄ちゃん!」

レポーター「あのー、すいません。ちょっとお話を」

翼と蒔人は魁を連れて逃げる。

蒔人「これ以上汗垂らすな!」

魁「姉ちゃん、母さんも!?」

芳香「もう、ビックリだよ!」

深雪「一体なんであんな危ないことしたの!?」

魁「女の子とぶつかっちゃってさ、風船が飛んでっちゃったんだ……」

芳香「それであーんな高いとこまで風船取りに行ってたんだ」

翼「弁償すりゃあいいだろう。あんな風船いくらでも売ってるだろ!?」

魁は見事サッカーボールをキャッチ。

魁「違うんだよチイ兄、わかってねぇな。あの子の風船は、あの風船なんだ」

翼「はぁ!?」

『ザザレ』

その時、6人の下から魔導陣が出現した。

麗「何これ!?」

深雪「危ない! みんな早く逃げて。逃げて!!」

芳香「え、何!?」

深雪「早く!!」

魔導陣から現れたのは冥獣トロルだった。

蒔人「何だあれは!?」

深雪「みんな、早く逃げて!!」

魁はサッカーボールを投げるが、トロルが交わす。

6人は逃げるが、トロルが後を追う。

芳香「こっち来る!!」

トロルは壁を壊す。また逃げる6人。

深雪「遂にこの日が来てしまった」

深雪は1人でトロルの元に向かう。

麗「お母さん、どこ行くの!?」

深雪「天空聖者よ、我に魔法の力を。魔法変身! マージ・マジ・マジーロ!!」

『マージ・マジ・マジーロ!!』

深雪はマジマザーへと変身する。

4人「ええ―――っ!?」

魁「母さん!?」

マザー「マジュナ!!」

トロルはマザーに車を投げるが、それが消えてしまった。

マザー「闇の亡者よ、消え去れ。ジルマ・マジュナ!! チェックメイト!!」

トロルは氷付けとなり、破裂する。

一同「スゲー」「すごーい……」

魁「母さん!?」

小津家。

深雪「マジカ!」

ティーポットが独りでに紅茶をカップに入れる。

深雪「ジジル」

最後にケーキが出てきた。

芳香「すっごーい!! 魔法使いみたい……」

深雪「だって、魔法使いだもん」

芳香「えー!?」

麗「『魔法使いだもん』って一体どういうこと!?」

深雪「お茶が済むまで待って」

魁「もう、母さん!!」

深雪「さっき現れたのは地底冥府・インフェルシアの冥獣。わかりやすく言ったら地獄の化け物」

魁「冥獣!?」

深雪「そして私はそのインフェルシアと戦うために天空聖者から魔法の力を授かった魔法使いなの。マジーロ!!」

突然、蒔人たちの服装が変わり、ペンダントがぶら下げられていた。

そして今度はマジローブが着せられる。

魁「スッゲー……」

最後に手に金色の携帯が持ってあった。

蒔人「母さん、これは!?」

深雪「マージフォン。天空聖界マジトピアの連絡通。あなたたちはそれで空の上に住む天空聖者の力を授かる『魔法戦隊マジレンジャー』となるのよ」

麗・翼「魔法戦隊……」

蒔人・芳香「マジレンジャー!?」

魁「って母さん!俺のないんだけど!?」

『ウー・ザザレ』

その時、マージフォンからコール音が鳴り響く。

深雪「また来た! 蒔人、芳香、麗、翼、行って! 戦うのよ!!」

麗「え?」

芳香「お母さんは!?」

深雪「感じるのよ。より強力な邪悪な力を……お母さんはそれに立ち向かうためにもっと魔法力を蓄えないといけないの。だから今はあなたたちが戦って!!」

芳香「そんな、芳香たちだけなんて。急に言われたってできないよ」

深雪「大丈夫。あなたたち兄弟ならできるわ」

深雪は4人の手を握る。

蒔人「わかったよ母さん。俺たち頑張ってみるよ」

翼「俺たち!? ちょ、ちょっと待てよ!! 俺はまだ……」

麗「こうなったらやるしかないって!」

翼「うら姉までその気かよ!?」

蒔人「みんな、行こう!!」

翼「ちょ、ちょっとうら姉まで!!」

4人は出発した。

魁「ちょっと母さん、俺は!? 俺だけ仲間はずれかよ!?」

深雪「魁は高校生でしょ!? 戦士として戦うにはまだ早いわ」

魁「何だよそれ!? 兄ちゃんたちがやるなら俺だって!!」

深雪「さっきの風船、魁のあんな無謀な姿見たらとても任せられない。一歩間違えてたら死んでたかもしれないのよ!? 怖くなかったの!?」

魁「怖いもんか! 俺は勇気なら誰にも負けないんだ!!」

深雪「魁、勇気と無茶とは違うの。恐れを知らない者に本当の勇気はわからない……そして、本当の勇気がなければ魔法は使えない」

魁「何だよ!? いいよもう!!」

魁は怒って家を飛び出していった。

一方、森の中では魔導陣から大量のゾビルが現れた。

そこに4人が現れる。

芳香「キモい! 今度はウジャウジャいっぱい出てる」

蒔人「あんな化け物たちが町にいたら大変なことになるぞ!!」

翼「やるっきゃねぇのか!!」

蒔人「みんな、魔法変身だ!!」

3人「おう!!」

4人はマジローブを脱ぎ捨てる。

4人「天空聖者よ、我らに魔法の力を! 魔法変身! マージ・マジ・マジーロ!!」

『マージ・マジ・マジーロ!!』

4人は上から魔法陣を潜るとマジレンジャーに魔法変身する。

4人「マジレンジャー!!」

グリーン「唸る大地のエレメント! 緑の魔法使い、マジグリーン!!」

ピンク「吹き行く風のエレメント! 桃色の魔法使い、マジピンク!!」

ブルー「たゆたう水のエレメント! 青の魔法使い、マジブルー!!」

イエロー「走る雷のエレメント! 黄色の魔法使い、マジイエロー!!」

そこへ、魁が駆けつける。

魁「スゲー、兄ちゃんたちが変身した!!」

グリーン「行くぞ!!」

3人「おう!!」

グリーン「俺たち兄弟の力を見せてやるぜ!! 草木よ、俺に力を!! マジスティック! ジー・マジカ!!」

枯れ木がゾビルを縛りつける。

グリーン「マジスティックアックス!!」

グリーンのマジスティックが変形した。

グリーン「グリーングランド!!」

グリーンがマジスティックアックスを地面に叩きつけるとそのエネルギーがゾビルに炸裂する。

グリーン「力がみなぎる。魔法のパワーだ!!」

グリーンはマジスティックアックスでゾビルを斬る。

グリーン「チェックメイト!」

グリーンが指を鳴らすとゾビルは大爆発してしまう。

ブルー「マジカルショータイム! 皆さん、近くで観ないと損しますよ。じゃあ、行きます! ほとばしれ水よ、ジー・マジカ!! ブルースプラッシュ!!」

ゾビルはブルーの水攻撃を受ける。

ブルー「はい。おしまいです」

ブルーはゾビルを回転させる。

ゾビルの頭の周りには星が回っていた。

ブルー「おまけ、麗の星占い。今日のあなた方の運勢は、運気最悪。ピンク色が不幸を招く」

ピンク「みーんなまとめて行っちゃうわよ! 変わりまーす。マージ・マジーロ!!」

ピンクは扇風機に変身する。

ピンク「芳香ちゃん扇風機。かわいいでしょ!? 風よ、吹き荒れろ。ピンクストーム!!」

扇風機による風がゾビルを吹き飛ばす。

ピンク「ピンク色が不幸を招いてごめんね。芳香ちゃんの勝ち!」

イエロー「やるっきゃねぇならやってるぜ! マジスティック。轟け、雷よ。ジー・ジジル!! マジスティックボーガン!!」

イエローのマジスティックがボーガンに変形する。

イエロー「イエローサンダー!!」

イエローの放った光の矢がゾビルに命中。

イエロー「こんなもんかな!?」

魁「やるぅ、チイ兄……」

『ウー・ザザレ』

その時、雲行きが怪しくなった。

魁「これは!?」

深雪「来た! でもまだもう少し。みんな、頑張って!」

魁「またなんか出てくるのか!?」

今度は魔導陣からウルザードが現れた。

魁「あ、出た!!」

その時、魁が空き缶を木に当て、ウルザードがそれに気づく。

魁を見つめるウルザードだが、行ってしまう。

イエロー「お、おい! なんか強そうな奴が出てきたぜ」

ブルー「お母さんが言ってたより強力な力って!?」

ウルザード「ウー・ザザレ」

ウルザードは剣付きの盾を出す。

ピンク「え、今のって呪文!?」

ブルー「私たちと同じ魔法使いなの!?」

ウルザード「闇に生まれ、闇に帰す。魔導騎士ウルザード!!」

イエロー「魔導騎士!?」

ブルー「ウルザード!?」

ウルザード「ドーザ・ウル・ザザード!!」

4人はウルザードの攻撃を受けて倒れる。

そしてウルザードはウルサーベルを4人に向け、進む。

魁「助けなくちゃ。兄ちゃんが、姉ちゃんが!! でも、怖い。足が……動かない」

グリーンはウルザードに刃を向けられる。

ウルザード「魔法使いは俺1人でいい。まずはお前から血祭りだ、くたばれ!!」

ウルサーベルがグリーンに降ろされかけた。

魁「兄ちゃ―――ん!!」

魁の蹴った空き缶がウルザードの肩に当たると剣がストップする。

そして魁がグリーンたちの前に現れる。

魁「うおお―――ッ、兄ちゃんたちから離れろ!!」

グリーン「魁!!」

深雪「大事な人を守るため、一途な気持ちで恐れを越える。それが勇気……」

ウルザード「愚か者めが。歯向かう者に容赦はせん!!」

ウルザードは魁に勢いでウルサーベルを振る。

だが、魁がそれを受け止める。

魁「俺はマジだぜ! うおおお―――ッ!!」

魁の手が光りだし、ウルザードが吹き飛ばされるが、着地に成功する。

そして魁の服装はマジローブとマジジャケットになっていた。

魁「これは!!」

深雪「勇気を示した時、魔法は応えてくれる」

魁「よぉーし!!」

魁はマジローブを脱ぎ捨てる。

魁「行くぞ! 天空聖者よ、我に魔法の力を。魔法変身! マージ・マジ・マジーロ!!」

魁が魔法陣を潜るとマジレッドに魔法変身する。

グリーン「魁!?」

ブルー「変身したんだ……」

レッド「燃える炎のエレメント! 赤の魔法使い、マジレッド!!」

ウルザード「赤の魔法使い!? フッ、行け!!」

ゾビル軍団が再び現れる。

レッド「兄ちゃん姉ちゃん、ここは俺に任せろ!!」

ゾビルがレッドにジャンプしてきた。

レッド「マジスティック! サッカーボールに変われ。ジルマ・マジーロ!!」

ゾビルはサッカーボールになってしまった。

レッド「俺の必殺シュートを受けてみろ。はぁっ!!」

レッドの連続シュートに次々と倒れるゾビルたち。

レッド「オーバーヘッドキック!!」

オーバーヘッドキックによりゾビルは再び飛ばされる。

レッド「やったぜ!! へへっ」

だが、しぶといゾビルだった。

レッド「きりがねぇな。こうなりゃマジで終わりだ。マジ行くぜ、マジスティックソード!!」

レッドはジャンプしてゾビルの顔を斬るとその下はえげつなかった。

だが、構わずゾビルを切りまくるレッド。

ゾビルはレッドに斬りかかるが、レッドがそれを受け止めて再びゾビルを斬る。

今度はレッドに光弾を発射するゾビル。だが、突進していくレッド。

レッド「負けるきがしねぇ。心は燃えるぜ!! 炎よ、我が身を包め。マジ・マジカ! レッドファイヤー!!」

レッドの炎によりゾビルたちがそれに包まれていく。

レッド「チェックメイト!!」

レッドが指を鳴らすとゾビル軍団が大爆発してしまう。

レッド「やったぜぇ、ハハハ。魔法ってすげぇ!」

そこへ、グリーンたちが駆けつける。

グリーン「やったな。凄いぞ、魁」

レッド「どんな問題! フッフーン、よっしゃあ。どう、俺って凄いでしょ!? ねぇ、ねぇ!?」

イエローがレッドの頭を叩く。

イエロー「調子に乗るな!』

レッド「叩くことねぇだろ、チイ兄……」

ウルザード「なかなかやるな、マジレンジャー……」

レッド「次はお前だ、ウルザード!!」

ウルザード「身の程知らずが。ウー・ウル・ザザレ……出でよ、魔導馬バリキオン!」

魔導陣から魔導馬バリキオンが出現する。

ウルザード「ウーザ・ドーザ・ウル・ウガロ」

今度はウルザードが巨大化する。

ウルザード「ウーザ・ドーザ・ザンガ!!」

ピンク「嘘……」

ウルザード「魔導合体! ウルケンタウロス!!」

レッド「マジ!?」
 

(続く)
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