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機動戦士Zガンダム 第1話 『黒いガンダム』

無限に広がる宇宙。そこにクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)のMS、
『リック・ディアス(クワトロ機のみ赤色)』が宇宙に漂っていた。
その後、アポリーとロベルトのリック・ディアスと合流する。
クワトロ『アポリー中尉、調子はどうか?』
アポリー『コックピットが違っても3日もあれば自分の手足にする事ができます。』
ロベルト『自分達はマニュアル通りの訓練などはやっておりません
     それで一年戦争も潜り抜けてきたのですから』
クワトロ『ロベルト中尉、その過信は自分の足をすくうぞ』
ロベルト『はっ、クワトロ大尉!』
そして、クワトロのリック・ディアスだけ別の場所へ向かった。

一方、グリーン・ノア1のハイスクール(高校)の空手部(クラブと称される)では、
部員の一人が丸太割りを行っていた。部員全員が拍手をしていた時、
カミーユ『病欠しまーす!』
青い髪をした青年、カミーユ・ビダンが全員に叫んだ。
部員『誰がだ!』
カミーユ『はい、自分がです。失礼しまーす!』
カミーユは猛スピードで廊下を走った。
そして、カミーユが外から出た直後、空手部のキャプテンに捕まってしまった。
キャプテン『サボる気か?』
カミーユ『病欠です!』
そう言った直後、キャプテンの鉄拳がカミーユの頬に当たった。
カミーユは、すぐに立ち上がり、
カミーユ『すぐ戻りまーす!』
再び猛スピードで走り出した。
キャプテン『おいっ!・・・あれで病欠かよ・・・?』

カミーユが走っている途中、
ファ『カミーユ・・・カミーユ、カミーユ!どうしたの?』
カミーユの幼馴染であるファ・ユイリィもカミーユの後をついて来た。
カミーユ『ずるけるのさ。』
ファ『カミーユ!』
カミーユ『言うなよ。カミーユっていうのが俺だって誰にでも分かってしまうだろ?』
ファ『みんな知ってるわ。本人だけが承知してないんじゃない!』
そして、エレカに近づくと、カミーユはカードを取り出した。
車のキャノピーが開くと、カミーユとファも一緒に車に乗り込んだ。
そして、エレカの真ん中にカードを挿入した。
ファ『また港ね?』
カミーユ『いけないか?』
ファ『いけないわよ!クラブサボって・・・』
そしてエレカは、空港へ行くリニアカーの駅へ向かった。

駅に着くとすぐにリニアカーに乗り込んだ。
アナウンス『本日はリニアカーをご利用いただきましてありがとうございます。
      発車まで30秒お待ちください』
カミーユ『急いで空港まで!』
ファ『たった30秒じゃない。』
カミーユは、爪を噛んだ。
ファ『よくないわ、その癖。やめなさいよ!』
アナウンス『カウントダウンを省略して発車します。』
リニアカーのライトが光り、リニアカーが動き出した。
そして、ゲートが開き、宇宙を経由した。
カミーユは、窓から宇宙を見下ろした。
その時、カミーユは突然何かを感じた。
カミーユ『何・・・?』
その頃、クワトロも何かを感じていた。
クワトロ『この感触・・・アムロ・レイ・・・?・・・ララァ・スンか・・・。』
リック・ディアスは、スラスターでグリーンノア2(グリプス2)へと向かった。

無事にリニアカーは、空港へ到着した。
そしてカミーユは、自動の手すりを握った。
デッキに、テンプテーションの姿が見える。
カミーユ『やっぱり間に合わなかった!』
ファ『どうしてそんなに急ぐの?』
カミーユ『地球からの直行便だ。』
ファ『ただの船じゃない。』
カミーユ『テンプテーションは、ブライトキャプテンの船だから・・・。』
ファ『知ってるの?』
カミーユ『サイン貰った事がある。』
ファ『ニュータイプじゃないんでしょ?その人。』
カミーユ『ホワイトベースのキャプテンをやっていたんだ。その筈だろ?』
ファ『どうかしら・・・。』
すると、カミーユは搭乗口へ向かった。
搭乗口へ着くと、軍服を着た3人の男と1人の女性がゲート前にいた。
カミーユ『ティターンズか!』
ジェリド『ティターンズらしくなって、よく来てくれた。』
ティターンズの兵士、ジェリド・メサがそう言うと、
ファ『カミーユ!』
ジェリド『ん・・・?』
ファの声がジェリドの耳に響いた。
ファ『カミーユ!会えやしないわよ!』
ジェリドは2人の所へ振り向き、
ジェリド『女の名前なのに・・・何だ、男か。』
カミーユ『!』
『何だ男か』『なんだおとこか』『ナンダオトコカ』
ジェリドの一言が、カミーユの心の中でエコーするかのように響き渡る。
カミーユは怒りに燃え、ジェリドの方へ歩き出した。
ファ『どうしたの?カミーユ!カミーユ!!』
ジェリド『カクリコン中尉の知り合いか?』
ファ『カミーユ!駄目よそっちは・・・』
カミーユ『なめるなっ!!』
ジェリド『ん?』
カミーユはゲートを飛び越え、走りながら左手を握った。
カミーユ『うあぁぁぁぁぁっ!!』
バキッ!!
カミーユの鉄拳は、ジェリドの顔面に直撃した。
ファ『やめなさい!』
ティターンズ兵『俺達をティターンズと知ってちょっかいを出してきたのか!?』
カミーユ『カミーユが男の名前でなんで悪いんだ!!俺は男だよぉ!!!』
ティターンズ兵『こいつ!』
カミーユは格闘技でティターンズ兵に攻撃するが、MPに頭を捕まれてしまった。
ファ『カミーユ!』
ファはカミーユを助けようとするが、
MP『入るな、民間人は!』
MPによって行く手を阻まれてしまう。
そしてカミーユは、床に叩きつけられた。
ジェリドもカミーユの方へと向かう。
カミーユ『言っていい事と悪い事がある!俺は!!』
ジェリド『カミーユ君だろ?何を言ったんだ、俺が!』
ジェリドは足でカミーユのあごをおさえた
カミーユ『男に向かって、『何だ』はないだろ!!』
ジェリド『そうか、そういう事か。なら、男らしく扱ってやるよ!!』
ファ『やめてぇぇっ!』
そしてジェリドは、カミーユの額を蹴った。
カミーユ『くぅっ・・・!』

一方クワトロは、グリーンノア2の前に来ていた。
クワトロ『ジオンの寄せ集めで作ったコロニーとは言うが、ティターンズの秘密基地という話だ・・・。
全く応答無し・・・?まあ、平和な時はこんなものさ』
クワトロ『やってみるさ!』

グリーンノア2の外壁で着陸すると、リック・ディアスの手でハッチを開けた。
中に入ると、2人の兵士がいた。
そして、リック・ディアスの左手からトリモチのようなものが出た。
2人はトリモチで身動きが取れなくなった。
クワトロ『酸素が無くなる前に見つけてもらうんだな。』
内部で着陸し、クワトロはコックピットから出た。
そして背中にブースターのようなものを取り付けた。
クワトロは、パスワードの読み取り機を取り出し、セットした。
読み取り機は『32*44』と表示された。
その番号を入力すると、ロックは解除され、ゲートが開いた。
また別の所で読み取り機を使い、番号を入力した。

一方、守衛室では、2人の男がいた。警備員である。
警備員A『おい、23のエアロック開いたけど、誰が出てんだ?』
警備員B『コロニー公社の若僧が研修だってよ。』
警備員A『グリーンノア2でか?』
警備員B『グリプスって言えよ。大佐に怒られるぜ。』
警備員A『へへっ、気取っちゃってさ。』

クワトロ『4回も上手くいくとは限らんさ。』
ゲートの前で番号を入力しながらクワトロは言った。
だが、応答はしなかった。
そしてクワトロは、爆弾を出し、安全な場所へ退避した。
そして爆弾は爆発。外が見えた。
クワトロ『臭いな、何だ?』
外へ出ると、クワトロはグリーンノア2の景色を目の当たりにした。

アイキャッチ(ガンダムmk-U)

クワトロは、ブースターを使い、グリーンノア2の景色をカメラで撮影した。
そしてクワトロは、ティターンズ基地のMSデッキらしきものを見つける。
クワトロ『モビルスーツと・・・ドックか。』
カメラを構えながらクワトロは言った。
クワトロ『潮時か・・・。』
ブースターで戻ろうとすると、黒いカラーリングをしたMS(ガンダムmk-U)がクワトロの前に飛んだ。
mk-Uは攻撃するが、クワトロには当たらなかった。
クワトロ『こんな小さな目標を狙えるものか。』
そしてmk-Uは、バルカン砲を発射した。
クワトロは、とっさに回避した。
クワトロ『自分たちのコロニーの中でバルカンを使う・・・?正気か!』
クワトロは、すばやく移動した。
兵士に見つかるが、ブースターを投げて、相手は倒れた。
次々と兵士に見つかり、クワトロに向けてマシンガンを撃った。
クワトロも、拳銃を使って応戦した。
だが、マシンガンの弾の一つがクワトロの左腕にかすった。
そしてクワトロは、番号を入力してゲートにロックをした。
リック・ディアスは無傷だった。
クワトロ『こんなものか。』
コックピットに乗り込み、リック・ディアスは発進した。
クワトロ『まだまだ組織が出来上がっていないという事か。』
そう言いながら、グリーンノア2を後にした。
クワトロは、スプレーで傷の手当てをしていた。

一方アポリーは、カメラでグリーンノア1の内部を見た。
アポリー『さあ来い、ニューガンダムとやらを・・・。』
そして、mk-Uの姿が映る。
アポリー『ガンダムか!』
ロベルト『見つかったのか!?』
アポリー『飛行訓練中らしいニューガンダムをキャッチした!』
ロベルト『mk-Uの開発は本当だったんだな。』
アポリー『大尉と接触してくれ。』
ロベルト『よし!』
ロベルトのリック・ディアスは、クワトロの所へ向かった。

ティターンズ基地の取調室では、ジェリドを殴った件に対する尋問を受けていた。
マトッシュ『エゥーゴを知らないだと!?ハイスクールの学生が知らないわけがないだろ!』
マトッシュはカミーユに怒鳴った。
そしてマトッシュは、カミーユの調書を開いた。
マトッシュ『ホモ・アビスは、2年連続優勝・・・?
      それに、今年のジュニアモビルスーツ大会でも優勝・・・。』
ホモ・アビスの写真は、ブースターらしきもので空を飛ぶカミーユの姿が、
ジュニアモビルスーツ大会の写真は、ガッツポーズを挙げるカミーユの姿が映っていた。
マトッシュ『立派なもんだ。すでに実戦で使えるほどの成績がある。
      エゥーゴの分子でない者が何で!
      何でティターンズのメンバーに喧嘩を吹っかけるんだ!ええ?おかしいじゃないか!
      エゥーゴというのが、宇宙に住む人間達の独立自治権を求める運動だと言うが、
      それは嘘っぱちなんだ!ジオンの真似をして、地球に住む人々を避難しているだけの
      くだらない連中だ!全く、いつまでも強情を張ってるがいい!』
マトッシュは、取調室を後にした。
カミーユは、下を向いた。だが、床から宇宙が見えた。
そして、キラキラ輝く粉のようなものも見えた。
カミーユ『気のせいだ・・・疲れているんだ・・・。』
カミーユは、目をこすった。
紳士『釈放だ、カミーユ・ビダン君。』
カミーユは正面を向いた。マトッシュと紳士の姿が見えたのだった。
紳士『カミーユ君、スポーツマンはもっとハキハキしなくちゃな。
   いい声が出ないと勝負には勝てんよ。』
紳士は、カミーユの手錠を外した。
紳士『君が身分不詳のスペースノイドなら、4、5日は彼に可愛がられるところだ。』
カミーユ『そうなんですか。スペースノイドって・・・。』
マトッシュ『釈放が決まれば喋るのか?現金な奴だ。』
カミーユ『怖いんです、怒鳴る人は・・・。』
マトッシュ『!・・・てめぇ!』
マトッシュは、ファイルをカミーユに投げつけた。
紳士『マトッシュ!』
カミーユは机を使いマトッシュの所へ来て、マトッシュを殴った。
紳士『公務執行妨害で逮捕するぞ!』
カミーユ『煽ったのはそちらでしょう!』
紳士『カミーユ君!母様が迎えにいらっしゃっているからと思えば!』
カミーユは、数人のMPに取り押さえられてしまった。
カミーユ『放せ!』
マトッシュ『もう帰さん!』
マトッシュは棒を持ち、カミーユの腹を2回殴った。
その後、大きな揺れが起こった。mk-Uが落ちたのだ。
カミーユは自動ドアをこじ開け、取調室を出た。

ヒルダ『カミーユ・・・カミーユは・・・?』
カミーユの母、ヒルダ・ビダンは、カミーユを探していた。
そして、カミーユの走っている姿が見えた。
カミーユは母に気づくが、無視された。
ヒルダ『カミーユ!お待ち、カミーユ!カミーユ!』
必死で呼ぶが、振り向こうともしなかった。
そして、ティターンズのエレカが空き、カミーユはそれに乗った。
エレカが走った直後、ヒルダも来た。
ヒルダ『カミーユ!』

カミーユは、運転しながら、mk-Uの落ちた現場を見た。
そしてコックピットが開き、パイロットがコックピットから出た。
先ほど空港にいたジェリドだった。
ジェリド『こりゃあ、始末書じゃ済まんな・・・。』

カミーユは、ティターンズのMS工場の付近に潜入した。
猛スピードでエレカは走る。
カミーユ『俺が逃げ切れるまで、そこに座っていてくれよ!』
そして、橋の付近でカミーユはエレカから飛び出した。
カミーユは無事だった。
カミーユ『こんな事しちゃって・・・俺、どうするんだ・・・。』
エレカはまだ止まってはいなかった。

宇宙では、ロベルトがクワトロにmk-Uの事を話した。
クワトロ『うむ。アーガマに動いてもらおうか。』
ロベルト『はいっ!』
ロベルトは、リック・ディアスの信号弾を発射した。
緑色の光が輝いていた。
戦艦、アーガマのメガ粒子砲が発射された。
クワトロ『ほう・・・。』
発射されたメガ粒子砲を見て、クワトロは呟いた。
そしてメガ粒子砲は、グリーンノア2に当たった。

第1話 完

次回予告
ナレーター『カミーユ・ビダンは、黒いガンダムに乗った。
      それがグリーンオアシスからの別れの歌だ。
      それを追うもう一機のガンダムmk−U。
ガンダム同士の戦う異常な光景は新しい時代の幕開けか。
      次回、機動戦士Zガンダム『旅立ち』。
      君は、刻(とき)の涙を見る。』

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