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キカイダー01 THE ANIMATIONの第1話
【解説】
本作は漫画「人造人間キカイダー」の後半部分をアニメ化した作品ですが、特撮TV作品として知られている「キカイダー01」は、原作漫画のキャラクターのみを流用した全くの別作品です。
そのため、ここで描かれている第1話は、原作に沿って制作されたエピソードであり、特撮版「01」とは全く異なるものとなっています。
雨の降りしきる湾岸。
1人の警備員が、懐中電灯で海を照らして驚く。
警備員「ぎゃあっ! 何だ、あれは!? あ……あ!?」
海上にいたのは、遮光器型土偶を思わせる巨大なメカ──
「アーマゲドン・ゴッド、正常に作動中」「これより作戦行動に入ります」
恐怖の余り逃げ出す警備員。巨大メカの目から光が迸り、一瞬にして警備員の体が消滅する。
そして、周囲に爆炎が上がる……
「第1段階テスト終了。続けて、第2段階テスト、開始します」
メカの内部。スクリーンに「EMERGENCY」の文字が表示され、警報が鳴る。
「どうした!?」
「エネルギーの制御ができません」「エネルギー出力、危険レベルに到達、尚も出力上昇中」
「すべての装置が制御不能」「失敗です……」
「やはり必要なのか……あの少年が……アキラ!」
スクリーンには、1人の少年の姿が映っている──
キカイダー
01
THE ANIMATION
後日──
青空から夏の太陽が照りつけ、蝉の声が鳴り響く。
山々を縫って走る道路を、ジローの乗ったサイドマシーンが疾走している。
そのサイドマシーンを追い、数機のエイ型メカが飛来。
ミサイル攻撃を繰り出す。
攻撃を必死に避けつつ、ジローがちらりとサイドカーの方を見やる。
サイドカーには1人の女性が乗っている。名はリエコ。
そしてリエコに抱かれているのは、冒頭でも登場した少年、アキラである。
敵メカのミサイル攻撃が続く。
ジローは爆風の中を潜り抜けつつ、サイドマシーンのウイングからカッターを伸ばし、敵メカを切り裂く。
恐怖に顔を歪ませるリエコ。
対照的にアキラは、不安げな表情ではあるものの、一向に表情を変えず、一言も言葉を漏らさない。
ジローの前方からも敵メカが出現。
後方からのメカが放ったミサイルを、ジローがかわす。
見事、前後のメカ同士が同士討ち。
危機は去った──かと思いきや、今度は前方をクラゲ型メカが舞っており、ビームを放つ。
必死にハンドルを切ってビームを避けるジロー。
敵メカが頭上から迫ってくる。
ジロー「頭を下げて!!」
リエコが身を屈める。
敵メカが急降下してサイドマシーンを押し潰そうとしたものの、ジローは猛スピードで下を潜り抜け、間一髪で危機を逃れる。
サイドマシーンがトンネルの中へ。尚も敵メカは追ってくる。
サイドマシーン後部から煙幕が吹き出す。
煙幕の中にメカの機能を狂わせる成分が含まれているらしく、敵メカが火花を散らし、次々に地面に転がってゆく。
とある林の中。どうやら追っ手から逃れたジローたちが、休息をとっている。
ジロー「少し休んだら行きましょう」
リエコ「すいません……」
ジロー「え?」
リエコ「私たちに出会ったばっかりに……こんな……」
ジロー「奴らは一体、何者なんですか? あなたたちは、なぜ追われてるんです?」
リエコ「う……」
ジロー「?」
リエコの抱いているアキラを見やるジロー。
相変らずアキラの顔は不安げなままの表情でかたまり、一言も喋らない。
ジロー「この子に何か……?」
リエコ「この子の……この子の父親は、プロフェッサー・ギルという科学者で……」
ジロー「え!?」
突如、巨大な足音。 ジローたちが振り向くと、巨大なタカアシガニのようなメカが自分たちに迫っている。
巨大なハサミで、ジローが吹き飛ばされる。
ジロー「うわっ!」
さらにカニ型メカが2体目、3体目と出現する。
ジローは果敢に手刀や体当たりで敵メカと応戦する。 だが敵メカがミサイルを発射。
咄嗟にジローがミサイルをかわす。
ジロー「うわっ!」
背後からジローへ迫っていた敵メカが、ハサミでジローを捕える。
そうしている間に、別のメカがリエコたちに迫る。
ジロー「……チェンジ!!」
リエコが目を見張る中、ジローの体が閃光に包まれ、戦闘形態であるキカイダーにチェンジ。
大ジャンプからの飛び蹴りで敵メカを貫通、リエコのもとに着地する。
リエコ「ジ……ジロー……さん?」
キカイダー「ここでじっとしていて下さい」
いつの間にか敵メカは6体にも増えている。
キカイダーが電磁エンドで敵メカを破壊。
さらにミサイル攻撃を避けつつ、手刀で脚を叩き折る。
だが、また巨大なハサミで吹き飛ばされ、転倒したところへミサイル攻撃を浴びる。
さすがに多勢に無勢だ。
そのとき──キカイダーの視界の中、遥か彼方に何らかのエネルギーの反応が映る。
キカイダー「あ? な……何だ?」
ミサイル攻撃を避けつつ、キカイダーがパンチでメカの1体を撃ち抜く。
しかし尚も、執拗なミサイルの連射がキカイダーを襲い、遂にキカイダーも膝をつく。
リエコ「ジローさん!?」
キカイダの視界の中、依然、何かの反応が示されている。
キカイダーがベルトを操作。
遠隔操作により、茂みの中からサイドマシーンが飛び出し、ウイングからのカッターで敵メカの脚を切り裂いてゆく。
キカイダー「乗って!」
リエコ「は、はい!」
サイドマシーンにキカイダーが跨り、サイドカーにリエコたちを乗せ、煙幕を張りつつ走り去る。
キカイダーは視界に映る反応を追い、走り始める。
時は夕暮れ。
キカイダーはジローの姿に戻り、依然、サイドマシーンを走らせている。
そして夕方も過ぎ、夜。
空には月が浮かんでいる。
ジローがサイドマシーンを停めた場所は、古びた寺。
リエコ「ここは……?」
ジロー「僕にもわからないんです……でも……」
彼の視界の中、反応は明らかに寺の本堂の中を示している。
本堂へ向かうジローたち。
ジロー「少し、ここで待っていて下さい」
リエコ「え……」
ジロー「大丈夫。必ず戻って来ますから」
単身ジローが、本堂の中へ入る。
ジロー「何だ……?」
本堂で彼を迎えたのは、巨大な仏像。
人の気配はない。
この仏像に何かがあるというのだろうか……?
しばし、ジローが仏像と見詰め合う。
突如、仏像が中央から真っ二つに割れ、左右に開いていく。
思わず身構えるジロー。
仏像が開いて現れたのは──1体のロボット、ゼロワン。
右半身が赤、左半身が青。どことなくキカイダーを髣髴させる姿である。
ジロー「お前は誰だ!?」
ゼロワン「お前こそ何もんだぁ!?」
ジロー「僕……? 僕はジロー」
ゼロワン「ジロー? 俺はイチロー。ゼロワンとも言う」
ジロー「イチロー? ……ひょっとして、あなたは!?」
ゼロワン「ひょっとして、お前も……?」
ジローが両肩に手をやる。ゼロワンが額に両掌をかざす。
ジローがキカイダーに、ゼロワンが人間体であるイチローにチェンジ。
キカイダー「あ……」
イチロー「あ……」
「遂に現れよったか」
その声にキカイダーが振り向くと、いつの間にか本堂に入っているリエコたち。 傍らには僧侶姿の老人。寺の住職、風天和尚である。
キカイダー「リエコさん……」
風天「ふん! こんな暗がりに娘さんを放っておくとは、お前の電子頭脳もまだまだ学習不足のようだな」
キカイダー「え……?」
風天「お前が思う通りに、お前たちは共に光明寺が造った人造人間。差し詰め、あやつが兄、お前が弟といったところか」
キカイダー「あ……あなたは?」
風天「わしの名は風天。この寺の住職をしている者。ふふ……さて、一体何から説明するべきかのう」
寺の外。
どこからともなく影のように飛び出した美女──ミエ子が、寺を睨みつけてニヤリと笑う。
本堂の中。 ジローとリエコたちが、風天の話に聞き入る。
ジロー「光明寺博士が?」
風天「うむ……次に造るロボットには善悪を判断する心を持たせると、そう言っておった……それを快く思わん連中が現れ、必ず狙うだろうともな……光明寺はそのロボットにデータを入れておき、もしもの時に目覚めるようにしたかもしれん……つまりだ。ジロー……お前を守るためにだ」
イチローは話に耳を貸さず、退屈そうに寺の装飾品をいじっている。
風天「イチローは光明寺が造った試作品。悪用されるのを防ぐため、わしが預かっておった」
ジロー「あなたは一体……?」
風天「ふっ……大昔ちょいと、ロボット工学を齧っておっただけの者。光明寺はわしの教え子でな」
ジロー「え……?」
風天「お前がここに来たということは、光明寺に何かあったということじゃな?」
ジロー「……」
風天「ふぅ……やはりか……進み過ぎた科学は人を不幸にする。ましてや、人を模した研究など、災いをもたらすのみ。一体何度、そう光明寺に説いたことか……結局、わしの声は奴には届かなかったというわけか……」
寺の外に、巨大な足音。
ジローたち一同が外へ出ると、一つ目の大柄のロボット。冒頭でアーマゲドン・ゴッドを指揮していた、シャドウナイトである。
シャドウ「無駄な抵抗はやめろ、キカイダー」
ジロー「キカイダー……?」
シャドウ「これ以上、我々の邪魔をするな。おとなしくその子供を渡せば良し、さもなくば力ずくで頂いて行く」
ジロー「お前たちは何者だ!? なぜアキラ君を狙う!?」
シャドウ「我らはシャドウ! 人類の闇に潜む影の組織……」
ジロー「シャドウ……?」
シャドウ「我々がアキラをどうするつもりか、貴様が必要もないこと。破壊されたくなければ、黙ってアキラを渡せ!」
ジロー「くっ……」
イチロー「フン! 随分物騒な知り合いがいるなぁ、ジロー」
怒りに燃えるジローとは対照的に、イチローはニヤリと笑って余裕綽々で躍り出る。
イチロー「面白れぇ! ブッ壊せるかどうか、試してもらおうじゃねぇか!」
シャドウ「ムッ! 何者だ!?」
イチロー「誰かって……? ヘッ、教えてやろうか。俺の名は……!」
イチローが両掌を額に翳すと、胴、脚、腕、頭が次々に装甲に覆われた形状へ──
戦闘形態・ゼロワンへとチェンジを果たす。
ゼロワン「ゼロワンッ!!」
シャドウナイトの背後から、林で出現したカニ型メカや、道路でジローたちを襲ったエイ型メカが何機も出現する。
シャドウ「やれぃ!!」
ゼロワン「行くぜぃ!!」
ジロー「兄さん!!」
ゼロワン「はああぁぁ──っっ!!」
ゼロワンがパンチやキックで、敵メカを次々に撃破してゆく。
ジローもキカイダーにチェンジ。電磁エンドや手刀で敵メカを倒す。
ゼロワンが敵メカを掴み、胴体に腕をぶち込んだかと思うと、心臓部らしき回路を抉り出して握りつぶす。
その戦いぶりは、あまりにえげつない。
ゼロワン「へっへへ……」
敵メカがミサイルを発射。
ゼロワンがジャンプしてそれをかわしつつ、本堂前に着地する。
なおもミサイルがゼロワンを狙う。
ゼロワンがよける。しかしミサイルの先には、本堂前の風天やリエコたちが──!
風天「わぁっ!?」
咄嗟にキカイダーたちが踊り出、風天たちの盾となって自らミサイルを浴びる。
数発のミサイルの直撃に、流石のキカイダーも階段に叩きつけられる。
風天「ふぅ……大丈夫か?」
リエコ「え、えぇ……」
リエコの抱いているアキラは依然、表情を変えない。
風天「む? その子は……!?」
キカイダー「兄さん!?」
ゼロワンは風天たちに一向に構わず、パンチで敵メカを破壊する。
ゼロワン「あぁ? そんな足手まといな奴、俺が始末してやろうか?」
キカイダー「えぇっ……!?」
風天「気をつけろ! あやつにお前のような心はない!」
ゼロワンは手刀、パンチ、キックで次々に敵メカを倒してゆく。
確かにその戦いぶりは、微塵の迷いも感じられない。その顔には嘲笑が浮かび、むしろ戦いを楽しんでいるかのようだ。
キカイダー「そうか……兄さんには良心回路が、ジェミニィが付いてないのか!」
さらに6体ものカニ型メカが出現する。
ゼロワン「へへっ、まだまだ楽しめそうだぜ!」
ゼロワンがメカの1体を撃破。
さらにジャンプして、どこかへと信号を送る。
彼方の滝から、ゼロワン専用のサイドカー・ダブルマシーンが飛来。
ゼロワン「ヒャッハ──イ!」
ゼロワンがダブルマシーンに飛び乗ると、そのまま急降下してメカの胴体をぶち抜いて着地する。
ゼロワン「へへっ!」
さらにダブルマシーンからカッターを射出。カッターでメカを切り裂き、一掃する。
残るはシャドウナイトのみだ。
ゼロワン「行っくぜぇ!!」
シャドウナイトが目からビームを発射。
ゼロワンはそれをかわしつつ、ダブルマシーンからミサイルを放つ。
ミサイルがシャドウナイトに命中、爆風が上がる。
だが爆風がやむと、無傷のシャドウナイトが現れ、パンチを繰り出す。
すかさずゼロワンがかわす。
シャドウナイトがビームを連射。ゼロワンが次々にかわす。
ゼロワン「へへっ、やるじゃねぇか!」
風天「ジロー、脱出するぞ! 裏へ回れぃ! 急げよ!」
風天とリエコたちが本堂の中へ。
キカイダー「兄さん!!」
ゼロワン「るせぇ! こっちは今いいとこなんだよぉ!!」
キカイダー「兄さん、早くっ!!」
ゼロワン「チッ……わかったよ、わかったよ! じゃあな、デカブツ野郎! また遊んでやるぜぇ!」
キカイダーのサイドマシーンと、ゼロワンのダブルマシーンが本堂の裏へ走る。
本堂の裏。裏口から風天とリエコたちが現れる。
キカイダーのサイドマシーンが駆けつける。
キカイダー「早く乗って下さい!」
リエコがアキラを抱いたまま、サイドマシーンのサイドカーに腰を下ろす。
寺の裏の向こうは、深い峡谷。橋など掛かっておらず、とても逃げ去ることはできない。
だが風天が数珠を掲げると、古寺にどうしてこのような設備があるのか、地面からするすると、向こう岸まで橋が伸びてゆく。
キカイダー「あぁっ……!」
風天「さぁ、早く行けぃ!」
キカイダーのサイドマシーンが橋を渡る。
ゼロワンのダブルマシーンも到着。風天をとっ捕まえて強引にサイドカーに乗せ、橋を渡ってゆく。
見上げると、援軍の敵メカが彼方から飛来。既に本堂上空まで迫っている。
風天がニヤリと笑い、数珠を構える。
本堂が大爆発。敵メカも爆風に巻き込まれ、1体残らず最期を遂げる──
橋を渡りきるキカイダーたち。
その橋も次々に、バラバラとなって峡谷の下へと落ちてゆく。
風天「今の内に行けぃ!」
キカイダー「え……?」
風天「女子供に年寄りまでおっては、逃げ切れるものも逃げ切れん!」
キカイダー「しかし……」
風天「わしに構うなっ! さぁ行け! 行かんかぁっ!!」
キカイダー「……」
風天の気迫に押され、何も言い返せずにキカイダーが走り去る。
ゼロワン「あばよ、爺さん」
ゼロワンも走り去る。
夜の闇の中、サイドマシーンとダブルマシーンが走り続ける。
キカイダー「あ……!?」
彼らの前に立ちふさがるのは、何とシャドウナイト。
シャドウナイトがビームを放ち、キカイダーがそれをかわす。
ゼロワン「うおおぉぉ──っ!!」
ダブルマシーンに乗ったまま、加速をつけてパンチを繰り出そうとしたゼロワンだが、逆にゼロワンの方が吹き飛ばされてしまう。
キカイダー「兄さん!!」
ゼロワン「お前はその足手まといでも連れて、先に行ってなぁ!!」
シャドウナイトの胴目掛け、ゼロワンがパンチの連打。
ゼロワン「ケッ、でけぇ上に堅てぇでやがる!」
逆にシャドウナイトのパンチ一発で、ゼロワンが吹っ飛ぶ。
シャドウ「まずはお前から破壊してやる」
シャドウナイトの右腕が剣に変わる。
繰り出される剣を、ゼロワンが交わす。
凄まじい勢いで繰り出される剣撃を、ゼロワンが交わし続ける。
シャドウナイトが左拳でパンチ。ゼロワンが崖下に叩きつけられる。
背後は壁面。目前にはシャドウナイトが迫り、ゼロワンの喉元に剣を突きつける。もはや逃げ場はない。
シャドウ「フフフ……ハハハ……! フフッ、これまでだな」
ゼロワン「さぁ……どうかな?」
シャドウ「んっ!?」
ゼロワンが身を翻すと、左腕をシャドウナイトの頭部に突きつける。
左手首から銃身が出現。
銃撃でシャドウナイトの首が吹っ飛び、シャドウナイトの巨体が倒れる──
ゼロワン「ありがとよ! そっちから近づいてくれて、助かったぜ!」
そこへキカイダーもサイドマシーンを駆って駆けつける。
キカイダー「兄さん!」
ゼロワンががっくりと膝をつく。
キカイダー「兄さん!?」
ゼロワン「ハァ、ハァ……エネルギー……切れか……」
そのとき、ゼロワンを覆う巨大な影。
キカイダー「危ないっ!!」
何と首を失ったシャドウナイトがそこに立っている。
再び剣を構える。絶対絶命。
そのとき──
どこからともなくビームが次々に放たれ、シャドウナイトを蜂の巣にし、シャドウナイトの巨体が再び大地に倒れる。
キカイダー「あぁっ……!?」
丘の上を見上げるキカイダー。
そこにいたのは──なんと、ダークの崩壊と共に死んだ筈のハカイダー。
傍らにはハカイダーと同型の、胸の装甲が赤、青、銀のハカイダーを従えている。
レッドハカイダー、ブルーハカイダー、シルバーハカイダー。ハカイダー4人衆である。
キカイダー「ハ……ハカイダー……!? お、お前はサブロウなのか!?」
ゼロワン「くっ……何だよ、あの脳ミソ頭の連中はよぉ……」
ゼロワンが立ち上がる。
ゼロワン「お友達ってわけじゃあ、なさそうだなぁ……なら俺がぁっ!!」
キカイダー「無茶だっ! 兄さん!!」
ゼロワン「おぉぉ──りゃあっ!!」
ゼロワンがハカイダー目掛けて飛び上がる。
ブルーハカイダーの電磁鞭が、シルバーハカイダーの電磁棒が、レッドハカイダーのボウガンが次々にゼロワンを襲う。
ゼロワン「がはっ! うわぁ──っ!」
落下してゆくゼロワンを、キカイダーが操縦するダブルマシーンが、サイドカーで受け止める。
キカイダーがベルトを操作。
リエコたちをサイドカーに乗せたままのサイドマシーンが、無線操縦により、キカイダーの駆るダブルマシーンを追って走り出す。
シルバーハカイダー「えぇい……」
後を追おうとするシルバーハカイダーを、ブラックのハカイダーが制する。
謎の少年、アキラ。
ジローの兄、ゼロワンことイチロー。
謎の組織シャドウ。
そしてハカイダーの再来。
新たな戦いが起ころうというのだろうか。
夜は明けかけていた──
(続く)