戻る TOPへ

仮面ライダースーパー1の第1話


仮面ライダー
 スーパー1


ここは アメリカ合衆国にある
国際宇宙開発研究所である


研究所内。
主人公、日本人青年科学者・沖一也が、窓から星空を見上げる。

アナウンスが流れる。

「Code name “SUPER-1”, It's time to be get operation, It's time to be get operation」


手術室。

麻酔をかけられ、手術台の上に寝る一也。
手術の主任であるヘンリー博士を始め、数人の手術担当者が彼を囲む。

手術室に隣接されたコンピュータールームからは、窓を通じて数人の研究員が様子を見守っている。

研究員「こちら、準備OK」
ヘンリー「手術、開始!」

ヘンリー博士の手により、レーザーメスが一也の体に当てられる──


(沖一也自身のナレーション)

俺の名前は沖一也
国際宇宙開発局秘密部署
改造人間プロジェクトチームの研究員だ

我々のチームは 所長のヘンリー博士と
10人の研究員で構成されている

アメリカ国務省の発表によれば
21世紀に地球人口は百億を突破
食糧難を始め 様々な困難が
人類の前に横たわっていることが明らかになった

そこで 我々は人類の未来を宇宙に求め
ただちに惑星S-1に前線基地を造ることに決定した

だが 惑星S-1には人間の想像を超えた困難が
待ち構えているかもしれない

そこで 我々はどのような障害にも耐えられる
超人間的な改造人間の研究に着手した


回想──


研究所の窓から星空を眺めるヘンリー博士のもとへ、一也が立ち寄る。

一也「ヘンリー博士。改造人間手術第1号には、僕が志願します」
ヘンリー「……一也。この手術を受ければ、二度と普通の人間に戻れないんだ。普通の人間の生活はできないんだ」
一也「博士、僕も科学者です。充分に考えて決心しました」
ヘンリー「一也……君は、科学者である父と母を失い、孤児としてこの研究所で育てられた。そのために、自分を犠牲にしようとしているのではないのか?」
一也「違います! 僕が志願したのは、父の遺志を継ぎたいからです! 父は……人類の未来を宇宙に賭けていました」

窓から覗く夜空。一筋の流れ星が舞う。

一也 (流れ星だ……遠い宇宙から、父が僕を呼んでいる使いの星だ)

ヘンリー「一也……改造人間第1号には、君になってもらおう!」
一也「はいっ!」


──回想が終わる。


そして、ヘンリーらによる改造手術も遂に終わる。

ヘンリー「手術、完了!」

手術台を離れたヘンリーら手術陣が手術台を離れ、コンピュータールームへ。

ヘンリー「スーパー1、スーパー1、目覚めよスーパー1」

一也の目が開かれる。
手術室の天井。窓から自分を見つめているヘンリーたち。

一也「ヘンリー博士……手術は?」
ヘンリー「一也。そのまま……」

ヘンリーが手元にあるコンピューターのスイッチを入れる。
手術台の上の一也が光に包まれたかと思うと、スズメバチを思わせる惑星開発用改造人間、スーパー1へと変身を遂げる。
無事に変身したスーパー1の姿に、研究陣から歓声があがる。

ヘンリー「一也、手術は成功した! 今日から改造人間第1号、コードネーム“スーパー1”、スーパー1になったのだ!」


惑星用改造人間わくせいようかいぞうにんげん
 大変身だいへんしん


スーパー1「ヘンリー博士、皆さん、ありがとうございました!」

研究陣が拍手を贈る。

ヘンリー「スーパー1。これより、君の体のチェック・テストを行う。実験場へ出たまえ」


野外の実験場へ出るスーパー1。
2つのサンドバッグが吊るされている。

局内コンピュータールームでは、研究陣の視線が、モニターのスーパー1の姿に注がれている。
そんな中、研究員の2人、猿渡と坂田が皆の目を盗むように、静かに部屋を去る──

ヘンリー「スーパー1。我々は君に、宇宙開発に必要な様々な力を与えた」

先ほど部屋を去った2人の内、猿渡がのみが、厳しい表情を携えてコンピュータールームに戻ってくる。

ヘンリー「中でも5つの機能、ファイブ・ハンドは君の力の基本となるべきものだ」
スーパー1「ファイブ・ハンド……?」

自分の銀色の両腕を見つめるスーパー1。

ヘンリー「そうだ。今君がしているシルバーハンドはスーパーハンド。スーパーハンドには、破壊力300tのスーパーパンチが秘められているのだ!」

スーパー1がサンドバッグ目掛けてパンチを繰り出す。
たちまちサンドバッグに大穴が開き、砂が吹き出す。

ヘンリー「そのスーパーハンドは、未知の惑星で君を襲うかもしれん、宇宙怪物から君を守るだろう」

続いてヘンリーが、コンピューターの赤のボタンを押す。

ヘンリー「第2はレッドハンド、パワーハンドだ」
スーパー1「パワーハンド?」

スーパー1の両腕が赤いパワーハンドに変わる。
突如、頭上のクレーンから直径2mはあろうかという巨大鉄球が投下される。
咄嗟に両腕でそれを支えるスーパー1。

ヘンリー「パワーハンドには、50tの物体の落下を受け止め、それを投げ返す力が秘められている!」

渾身の力で鉄球を地上へ放り投げるスーパー1。
しかし、苦しそうに自分の腕を押さえる。

ヘンリー「どうした?」
スーパー1「今、手に鋭い痛みが……」
ヘンリー「オゥ、心配することはない。まだ慣れていないからだ。変身を重ねるごとに、だんだん痛みは消えていく」

続いてコンピューターの青のボタンが押される。

ヘンリー「手を見たまえ、スーパー1」

今度はスーパー1の両腕が、青い腕に変形している。

スーパー1「今度はブルーハンド?」
ヘンリー「そのブルーハンドは、エレキハンドだ」
スーパー1「エレキハンド?」
ヘンリー「そうだ。手をかざしてみろ、スーパー1」
スーパー1「はい!」

スーパー1がエレキハンドをかざすと、近くにあった巨大照明機械目掛けて電流が迸り、電灯が点る。

ヘンリー「エレキハンドは電流を発生させ、モーターや電気をつけることができるのだ。従って惑星を探検中に、何らかの障害で電流がストップしても、君はたちどころにそのエレキハンドで、電流を回復することができるのだ」
スーパー1「凄い威力だ……!」

感心したスーパー1が、何気なく手を伸ばす。
するとエレキハンドから稲妻のごとく電撃が放たれ、それを浴びた近くの岩山が爆風を上げる。

ヘンリー「オゥ、気をつけるのだスーパー1! そのエレキハンドは、雷に匹敵する3億ボルトの電流を発生させることも可能なのだ。人に向ければ、たちどころに感電死させてしまうぞ!」
スーパー1「はい、わかりました! 充分気を付けます」
ヘンリー「次はグリーンハンド、冷熱ハンドだ」

今度はスーパー1の両腕が、緑色の腕に変わる。

スーパー1が左腕を先ほどの鉄球へ差し出すと、激しい炎が吹き出され、鉄球が真っ赤に染まる。

ヘンリー「右手は、鉄をも溶かす超高温の炎が……。左手を出してみたまえ」

スーパー1が左腕を鉄球へ差し出すと、今度は真っ白いガスが吹き出し、赤熱化していた鉄球がたちどころに冷やされる。

ヘンリー「左手は、超低音の冷凍ガスを発するという、特色を持っているのだ」
スーパー1「右手は炎……左手は冷凍ガス……!」
ヘンリー「最後の5つ目、レーダーハンド」

スーパー1の両腕が金色の腕に変化する。

ヘンリー「スーパー1。そのゴールドハンドがレーダーハンドだ。レーダーハンドを天にかざせば、半径10km四方の情報を手に入れることができるのだぞ!」

スーパー1が右腕を天に翳す。探査用小型ロケット弾であるレーダーアイが発射される。
空を舞うレーダーアイの捉えた情報が、レーダーハンドに備えられているレーダーに映し出される。

ヘンリー「スーパー1、どうした?」
スーパー1「ヘンリー博士、当研究所500m先の崖の上に、怪しい人影が見えます」
ヘンリー「何だとぉ!?」

コンピュータールームに映像が写し出される。
崖の上に佇む10数人の、異形の男達。その中央にリーダーらしき、ひときわ異彩を放つ者がいる。

ヘンリー「何者だ? あの男達は」

突如、猿渡がコンピュータールームを去る。

ヘンリー「待ちたまえ! 君は誰だ! 待ちたまえ! 追え、追うんだ!」

研究陣が追う。

「退けぇ!」

モニターの男達の声。ヘンリーらの注意が逸れた隙に、崖の上の男達は姿を消してしまったのだ。

ヘンリー「しまった……」


車で帰宅途中のヘンリー博士。
突如、前方を別の車が塞ぎ、慌ててヘンリーの車が停車する。

ヘンリー「何をするんだね、君は!?」

前方の車から、猿渡が降りる。

ヘンリー「オゥ? 君は昨日、研究室にいた男だ! 一体何者だ、君は!?」
猿渡「闇の王国ドグマの使者、猿渡剛介。メガール将軍の命により貴行を連行する!」
ヘンリー「勝手なことを! わしは家族が待ってる家へ帰るところだ! そこをどきたまえ!」

一向に猿渡は退こうとしない。
ヘンリーがやむを得ず車を出すが、何と猿渡は両腕で車を押さえつけ、その進路をはばむ。
ヘンリーの車から降りた別の男が、銃で猿渡を狙撃するが、猿渡は平然としている。

そして──猿渡の姿が異形の怪人、ファイヤーコングに変身。ヘンリーたちに襲い掛かる……


ここはドグマの基地。ヘンリー博士が縄で縛られ、捕らえられている。
その周りを、崖の上にいた無数の男達──ドグマ戦闘員であるドグマファイターが取り囲み、ファイヤーコングも傍らに佇んでいる。

そこへ、あの崖にいたリーダーらしき男が現れる。彼こそドグマ総司令、メガール将軍だ。
捕われのヘンリーに何をするかと思いきや、いきなりファイヤーコングを殴りつける。

メガール「馬鹿めぇっ!! 丁重にお連れしたと命じたはずだぞ」
コング「はっ……」
メガール「縄を解けぃ!」
コング「おい!」

ファイヤーコングの指示で、ドグマファイターがヘンリーの縄を解く。

メガール「博士……ご無礼の段、平にご容赦願いたい」
ヘンリー「一体、君達は何者なんだ!?」
メガール「我ら、闇の王国ドグマに生まれ、帝王テラーマクロに忠節と絶対服従を誓いし者だ」
ヘンリー「ドグマだと? 一体何だ!?」
メガール「我らは、人類を滅亡から救い、ユートピアを地球に打ち立てようとする者だ」
ヘンリー「……一体君達はどんなユートピアを目指しているのかね?」
メガール「我らは、体の弱い者や、頭の悪い人間を憎む。そのような人間を抹殺して、美しい者、優れた人間たちの王国を建設するのだ」
ヘンリー「何だと!? 弱い者を抹殺して、美しい者、優れた者の王国をだとぉ!?」
メガール「そうだ、博士。豚のような愚かな人間どもが、鼠のように繁殖して、地球を破滅に追いやろうとしている……我々は、この危険から人類を救おうとしているのだ」
ヘンリー「待ってくれ! 人間は、誰でも一つは優れたものを持っている。優しい愛を秘めているのだ。誰にも、人間を区別することなぞ許されておらん!!」
メガール「テラーマクロの命令を伝える! ヘンリー博士、改造人間スーパー1を、ドグマに提供せよ」
ヘンリー「馬鹿な! 断る!!」
メガール「6時間の猶予を与える……今夜12時までに、スーパー1をドグマに提供せよ! お帰り願え!」

ドグマファイターがヘンリーを帰り道へ案内しようとするが、ヘンリーは憮然としてその手を振り切り、単身で帰って行く。


そのとき、どこからともなく鈴の音──

カーテンの向こうに、玉座の座った何者かのシルエット。ドグマの支配者、帝王テラーマクロである。
たちまち、メガールらがひれ伏す。

メガール「テラーマクロ!!」
テラーマクロ「メガール将軍……ヘンリー博士を何と見た?」
メガール「は……人間の一部には、決して我らに服従しない者がおります」
テラーマクロ「フフフ……ハハハ……ヘンリー博士はその一部だと申すのだな?」
メガール「はっ。いかが致しましょう?」
テラーマクロ「殺してしまえ……殺すべきだ」
メガール「は?」
テラーマクロ「我らの味方にならなければ仕方が無い……その時は殺してしまえ……バラバラにな……」


場所は戻って、国際宇宙開発研究所。

屋内運動場で、沖一也がトレーニングに励んでいる。
現在の一也は、外部からのコンピューターの指示でしか変身できないため、様々な特訓を重ね、自分の意思で変身できる「変身の呼吸」を身につけようとしているのだ。

一也「どうもうまくいかんなぁ……」

激しい特訓が続く。

一也「駄目だ! 何としてでも、変身の呼吸を早く憶えなければ!」

何度も何度も特訓が繰り返されるが、一向に変身はできない。

一也「駄目だ……」


コンピュータールーム。

研究員の1人・坂田が、拳銃を放ってコンピューターを破壊する。
慌てて他の研究員が坂田を取り押さえる。

研究陣「坂田、やめろ!」「何をするんだ!」
ヘンリー「貴様ぁ、どうしてコンピューターを壊したんだぁ!?」

そこへ一也も駆けつけ、惨状を目にする。

一也「これは一体……?」
研究陣「坂田の仕業だ……」
一也「坂田さん、これはどういうことなんですか!?」
坂田「……こうしなければ、家族を殺すと、脅かされて……」
ヘンリー「この男だな?」

ヘンリーが差し出したのは、猿渡の写真。

ヘンリー「これは監視テレビが写したものだ。坂田! 君はこの男をコンピュータールームに手引きしたなぁ!?」
坂田「申し訳ありません! しかし私は、見学はさせましたが、スーパー1の極秘資料は、一切明らかにしておりません!」
ヘンリー「……君の科学者としての良心を信じよう! 一也! 君は、コンピューターの指令によってスーパー1に変身することが不可能になった! わしについて来たまえ!」
一也「はい!」

ヘンリーが一也を別室に案内する。
そこに鎮座しているのは、大型バイク。

一也「博士、これは何ですか?」
ヘンリー「これは強力なジェット噴射を持った、Vマシーンだ」
一也「Vマシーン……?」

バイクの随所に装備された様々な装備。説明など聞かずとも、只のバイクでないことは一目瞭然だ。

一也「凄いマシンだ……!」
ヘンリー「一也。あと5時間……12時までに、変身の呼吸を身につけてくれ!」


再び、一也の過酷なトレーニングが再開される。

一也「変身できない……」


ヘンリー博士は、とある部屋で1人、タイプを打っている。
時計は既に午後11時。
ヘンリーが電話をとる。


日本。

ここは前作「仮面ライダー(スカイライダー)」でも登場した谷源次郎が営むバイク店、谷モーターショップ。
店員の通称チョロこと小塚政夫が作業をしており、看板娘の草波ハルミがお茶を入れている。

ハルミ「チョロさん、お茶入ったわよ」
チョロ「はい、どうも!」
ハルミ「はい、マスター」
谷「はい、ありがとう」

電話が鳴り、ハルミが受ける。

ハルミ「はい、こちら谷モーターショップ……きゃぁ、大変!」
谷「どうした?」
ハルミ「マスターにアメリカから電話! どうするマスター、出る? 出ない? やめとく?」
谷「何言ってるんだ、出るに決まってるじゃないか。貸してみろ」

谷が受話器をとる。

谷「Hello...Mr.Henrry ! How are you ?」

チョロが谷の隣に座り、お茶を飲む。

チョロ「ふぅ〜」
谷「うるさいなチョロ、Be quiet!」
ハルミ「シーッ!」
谷「はい……一也がぁ!? ……はい……はい……充分注意して出迎えます」

ヘンリー「頼むよ谷君! しばらくの間、一也をかくまって欲しいんだ。頼む!」


トレーニングを続ける一也。

一也「もう一度だ!」

そこへ、ヘンリー博士が現れる。

ヘンリー「一也!」
一也「博士……」
ヘンリー「無理か……?」
一也「まだあと1時間あります。それより博士、何があったのか話して下さい!」
ヘンリー「……一也、わしについて来たまえ」

ヘンリーに連れられ、一也が運動場を後にする。
廊下の窓。ドグマファイターたちを引き連れたメガール将軍が、近くまで迫っている。

一也「何者なんです、あいつらは!?」

ヘンリー博士は答えず、一也に手紙を手渡す。

ヘンリー「後でこれを読んでくれ……行け、一也! 君はここを脱出するんだ!」
一也「博士!?」
ヘンリー「一也、ここにアリゾナの荒野に抜け出せる秘密の通路があるんだ」

ヘンリーが壁のボタンを押すと、壁の一部が開き、そこから通路が伸びている。
通路内には既にVマシーンが待機している。

ヘンリー「このVマシーンに乗って脱出するんだ、一也!」
一也「博士、ご一緒に」
ヘンリー「わしはここに残る!」
一也「博士!」
ヘンリー「行くんだ! そして、1日も早く変身の呼吸を身につけるんだ! 行くんだぁ!!」
一也「……はいっ!!」

ヘンリーの気迫に押され、一也は了承する。
一也がVマシーンに跨ろうとしたが、突如、警報が鳴り響く。

ヘンリー「しまったぁ!」

研究所内にドグマファイターたちが侵入してくる。
研究陣が何事かと廊下に飛び出してくるが、ドグマファイターたちが次々に研究陣を襲う。
そしてドグマファイターたちと共に、あの猿渡も現れる。

猿渡「博士……我らの命令に背いたな!?」

猿渡の投げつけた槍が、ヘンリーの胴に突き刺さる。

一也「博士ぇ!?」
ヘンリー「わしに構わず……逃げるんだ、一也!」
一也「そうはいきませんよ! 貴様ぁ……!」

猿渡に挑む一也。猿渡は拳法の構えをとる。

一也「その技は……?」
猿渡「拳法・猿渡拳!」

一也が果敢に猿渡たちに挑む。
研究陣が次々に、ドグマファイターに倒されてゆく。
一也も必死に戦うが、変身できない生身の体では防戦が精一杯だ。

一也 (駄目だ……変身できない……変身さえできたら、みんなを助けることができるのに……!)

猿渡の拳が一也に迫る。

一也 (変身だ……! 変身せよ……沖一也!!)

猿渡の拳が次々に一也に命中する。
そこへ瀕死のヘンリー博士が、よろよろと現れる。

ヘンリー「一也……行け!」
一也「博士!?」
ヘンリー「お前は……人類の未来のために……生きるんだ! 行け、一也!」

とどめとばかりに猿渡が蹴りを繰り出したとき、咄嗟にヘンリーが一也をかばい、その蹴りを受ける。

ヘンリー「うわぁっ!!」
一也「博士!?」

ヘンリー博士が力尽きる……


廊下に飛び出す一也。
猿渡が怪人体・ファイヤーコングの姿を現す。

コング「ファイヤーコング!!」
一也「化け物だ……!? こうなれば、あの化け物を倒してやる!」
コング「もう逃げ道はないぞ」

一也がファイヤーコングに挑むが、猿渡相手でも敵わなかった身、怪人が相手では全く相手にならない。
その巨腕が一也の首を締め上げる。もはや絶体絶命。
そのとき、ドグマファイターの1人がファイヤーコングに報告する。

ファイター「爆破準備、完了しました」
コング「よぉし、爆破しろ!」
ファイター「了解!」

ファイヤーコングが一也を放り投げ、ドグマファイターたちが一斉に研究所を退く。
研究所各所で爆発が起き始める。

一也「わぁっ!?」


研究所全体が大爆発。
巨大な炎に、一也が包まれる……

一也「わああぁぁ──っっ!!」


ドグマ基地。
親衛隊員の1人が、テラーマクロに謁見する。

親衛隊員「テラーマクロ……メガール将軍より暗号無線が入っております。『流れ星 消えた』以上でございます」
テラーマクロ「そうか……惜しい男よのぉ……これも運命じゃ……」


夜空。

一筋の流れ星が、星々の中を舞う。
そしてその流れ星が、アリゾナの荒野に落下。

光と共にその中から現れたのは──スーパー1の雄姿。

爆発炎上の中、無我夢中で一也は無意識の内にスーパー1への変身を遂げ、窮地を脱していたのだ。


スーパー1は生きていた
あの絶体絶命の危機を乗り越えて
スーパー1は生きていた

スーパー1こそ 仮面ライダースーパー1
スーパーライダーだ

今 悪の王国ドグマ打倒を胸に秘めて
スーパーライダーは疾走を開始した


つづく
inserted by FC2 system