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仮面ライダーカブトの第1回


仮面ライダー生誕35周年 記念番組



7年前のあの日──


宇宙がちっぽけな落し物をしたせいで
僕は ひとりぼっちになった

渋谷の街は 瓦礫の山になって
僕の心にも ちっぽけな穴が空いた


でも 宇宙の落し物は
それだけじゃなかったんだ──



仮面ライダー カブト


大丈夫……僕がそばにいる……

僕が……そばに……


渋谷の街。

7年前の巨大隕石の落下により、街は崩壊。
現在でも復興は成されず、瓦礫の山が築かれたまま、「立入禁止」の札が貼られ、厳重な警備が敷かれている。


01


夕暮れ、東京都内の港湾エリア。

とある倉庫の、段ボールが積み上げられた1室を警備員が見回る。
異常なし、と引き上げようとしたとき、倉庫の奥から物音。
ギョッとなった警備員が慌てて倉庫奥を懐中電灯で照らす。整然と積み上げられていたはずの箱が荒らされているが、人影はない。
異変を感じて引き返そうとしたとき、目の前に1人の全裸の男。
その顔は、なんと自分自身。
驚愕する警備員の前で、もう1人の自分自身が、怪物の姿──“ワーム”へと姿を変える。


湾岸へ急行する、対ワーム組織“ZECT”の指令車。
車内にはZECTのメンバーである岬祐月、チームリーダーの田所修一が乗っている。

岬「ワームです。場所は──」

どこかのビルで、彼らの上層部らしき男が携帯電話で指示を下している。顔は見えない。

男「港湾エリアC-3。ゼクトルーパーも出動した」
岬「私たちも急行します」


港湾の倉庫に指令車が到着。
続いて物々しいジープが何台も到着し、蟻を思わせる装甲服に身を包んだ戦闘部隊“ゼクトルーパー”たちが倉庫へ突入する。

ゼクトルーパー「カメラ・チェック」

指令車の中、スクリーンにゼクトルーパーの捉えた画像が映し出される。

田所「クリア」

無線で連絡を取りつつ、ゼクトルーパーたちが奥へと進んでゆく。

「A小隊、3時方向に静止。フォーメーションα」「生命反応なし。C小隊、中へ突入。ポイント2までで停止」
「ポイント2、視界クリア、電波障害なし」
「B小隊、A小隊を援護。フォーメーションβ」

床に転がっている、警備員の死体。

「警備員の死亡、確認」

田所「F小隊、囲め」

天井をぶち破り、ワームが出現する。

田所「C小隊、攻撃態勢に入れ」

「撃てぇ!」

ゼクトルーパーたちがマシンガンを一斉射撃。
だがワームの頑丈な外殻は、射撃にも全く応えない。

指令車のもとに1台のバイクが到着。
ZECTの見習い隊員、加賀美新である。慌てた様子で指令車へ駆け込む。

加賀美「すいません!」
岬「遅いわよ! 加賀見君」

加賀美が指令車に積んであるカメラを手にすると、倉庫内へ。
ゼクトルーパーたちとワームの戦いの場へ赴き、モニターを開始する。

田所「格闘に付き合うな。離れて顔面に攻撃を集中しろ」

ゼクトルーパーたちが距離をおいて銃撃を加える。
しかし、ゼクトルーパーたちの背後から別のワームが、それも数体も出現する。

岬「ワームが増えました」

ワームたちの振るう怪力の前に、ゼクトルーパーが次々に倒されてゆく。

岬「データがまだ有りません。……サーモレベル、384ケルビンから上昇中、グラビティレベル240。……脱皮します!」

昆虫が蛹から羽化するかのごとく、ワームたちが次々に脱皮、成虫体となる。

田所「クロックアップする前に倒せ」
ゼクトルーパー「撃てぇ!!」

成虫体となったワームたち目掛け、ゼクトルーパーがマシンガンを連射。
だがそのワームたちの姿が、一瞬にして消える。

加賀美「消えた!?」

正確には消えたのではない。これがワーム成虫体の特殊能力“クロックアップ”である。
ワームはこのクロックアップにより、物理法則を遥かに超越した超高速移動が可能となる。
クロックアップ中の彼らにとって通常の時間流は、時間の止まった世界に等しい。
逆に通常の世界にいる加賀美たちにとっては、クロックアップ中のワームたちは文字通り目にも留まらないのだ。

クロックアップしたワームの超高速攻撃により、ゼクトルーパーたちはなす術もなく、次々に倒されてゆく。

田所「退避だ、退避しろ」「落ち着け、弾幕を張るんだ」

残党のゼクトルーパーが、弾幕を張りつつ、加賀美を連れて退却してゆく。

ゼクトルーパー「早くしろ!」
加賀美「ちょ、ちょっと待ってよ!?」


倉庫外。既にとっぷりと陽が落ちている。

残党のゼクトルーパーの一員が、田所に状況を報告する。

「ワームの消息、途絶えました。負傷者6、死亡……21」

悔しさに満ちた様子で、田所が夜景を見つめる。

加賀美「田所さん……!」


翌朝。

疲れきった加賀美が、バイクを押しつつ、悔しさを噛み締めてトボトボと歩いている。
後ろから歩いてきた男が、彼のポケットから財布をくすね、走り去る。
引ったくりだと気付いた加賀美が、慌てて追う。

加賀美「待て! 待てぇ──!」

引ったくりが驚いて転び、財布を加賀美に投げつけ、さらにナイフを抜く。

加賀美「ちょ、ちょっと落ち着け! 落ち着け!」
引ったくり「刺すぞ! おらぁ! 死にてぇのか!」

加賀美が怯んだ隙に、引ったくりは再び逃げ出す。
すると前方から1人の青年が歩いてくる。
作務衣姿、左手にはなぜか銀色の調理ボウルを乗せ、カランコロンと下駄を鳴らしつつ歩いている。

引ったくり「どけぇ!」
加賀美「危ない! 逃げろぉ!」

引ったくりが振り回すナイフが青年の首もと数cmを掠めるが、青年はよけもせず、まったく動じない。
ようやく追いついた加賀美が、引ったくりを取り押さえる。
青年は何事もなかったかのように悠々と通り過ぎる。

加賀美「危ないだろ! なぜ逃げない!?」

返事はない。

加賀美「おい!?」
青年「俺は誰からの指図も受けない」
加賀美「何ぃ!?」
青年「俺の通る道は俺が決める。そしてもう一つ……下手にかわせば、折角の豆腐が崩れる」

そう言う青年の手の調理ボウルには、確かに豆腐が入っている。

加賀美「そんな……運良く助かったからいいようなものの、下手すりゃ刺されてたかもしれないんだぞ!」
青年「運良くという言葉は俺にはない! 第一、そんなナマクラは俺の命を奪えない」

加賀美の拘束を振りほどいた引ったくりが、青年の横を掠めて走り出す。

加賀美「待てぇ!」
青年「忘れもんだ」

青年が、ちょうど足元に来た加賀美の財布を蹴り飛ばす。

加賀美「あぁ、それ俺の財布!」

財布が引ったくりに命中。そのまま跳ね返ってきた財布を、青年が右手で受け止める。
引ったくりが崩れ落ちる。
青年が財布を、振り向きもせず背後の加賀美へ放り投げ、加賀美が慌てて受け止める。
再び歩き出す青年。

加賀美「何なんだ……お前?」

不意に青年が足を止める。

青年「おばあちゃんはこう言っていた……」

空を仰いだ青年が、右手で天を指差す。

青年「天の道を行き、総てを司る男──」

そしてそのまま見栄をきるように、指を突き出す。
その先には、朝日に照らされた東京タワー。

青年「俺の名は──天道……総司」


これが、主人公・天道総司と加賀美新の出会いであった。
この2人が後に、数奇な運命に次々に巻き込まれようとは、もちろん知る由もなかった……


天道家の朝。

豪華な家の居間で、天道が椅子にかけ、優雅にクラシック音楽を聴いている。
彼と対照的に、いかにも元気者な妹・樹花がセーラー服姿で登場。

樹花「お兄ちゃん、おはよっ!」
天道「おはよう」

樹花が食卓につく。既に兄・天道の手料理による朝食が並べられている。

樹花「わぁ〜、お兄ちゃん、今日の朝ごはんもグーッ!」
天道「その台詞、食べてから言ってもらいたいね」
樹花「いっただっきま〜す♪ ……あぁ、美味しい! おダシ、変えたんだね」
天道「よくわかったなぁ! 味噌汁は、具によってダシを変えるのがポイントだ」

加賀美と話していたときのふてぶてしさとは裏腹に、妹に対する天道の口調は優しい兄そのものである。

樹花「でもさ、こうして食事を作ってくれるのは有難いんだけど、いい加減学校行くなり、働くなりしたら?」
天道「はは、俺は準備に忙しいからな」
樹花「まったそれ? 大体、何の準備なの?」
天道「それは俺にもわからない。だからこうして待ってる。でも……必ずその時が……来る……! それだけは間違いないんだ」

そういう天道が見つめる窓の向こうには、東京タワーがそびえている。

樹花「……何だかよくわかんないけど、ま、いっか! お兄ちゃんの言うことで間違ってたことなんか、一度もないもんね〜♪」

なぜか一瞬、顔を曇らせる天道だが、すぐに笑顔を樹花に返す。


駅のホーム。加賀美がキャリーバッグを床に置き、電車を待つ。
後ろを通り過ぎる男が、携帯を手にする。
加賀美の携帯が鳴る。

加賀美「はい。……もしもーし?」
相手「もう済んだ。帰っていい」
加賀美「……はい!?」

加賀美の後ろを通り過ぎた男の手には、加賀美の物と全く同じキャリーバッグ……。


天道家。

天道が黙々と、腹筋、腕立て、ボクシングなどのトレーニングに励んでいる。


駐車場に停められているZECT指令車のもとへ、加賀美が到着。

岬「つけられてないわね?」
加賀美「もちろん確認しました。それ何なんですか?」
岬「あなたはまだ知らなくていい」
加賀美「ひどいな、俺だって一応ZECTのメンバーですよ」
田所「いいだろう……見せてやれ」
岬「私たちがワームに対抗し得る秘密兵器第1号よ」

岬がバッグを開けると、中には銀色に輝く、機械仕掛けのベルトが。

加賀美「じゃ、遂に完成したんですね。マスクドライダーシステム……田所さん、俺にやらせて下さい! お願いします」
岬「親の七光りで我が侭が通るほど、ZECTは甘くないの」
加賀美「親父は関係ないです」
田所「ライダーベルトをすべき資格者は、じき本部から送られてくる」


天道家。
トレーニングの合間に一息ついた天道が、ロッカーの中の布包みを手にする。
布包みの中にはライダーベルト。完成直後の筈の、加賀美たちが持っていた物と全く同じ物が、なぜかここにもある……。

天道「よぉ、お前……いつまで、俺を待たせるつもりだよ」


公園の路上のアクセサリー売りを訪れる少女、日下部ひより。
2人の女性店員は、ひよりに見向きもせず、おしゃべりに夢中である。

店員たち「あ、ご飯食べに行こ」「行くぅ」「ねぇ」「あのね、いいレストランがあるんだけど」

声をかけられずにいるひよりのもとに、買物袋を手にした天道が通りかかる。

天道「店員失格だな。客があんたたちのお喋りが終わるのを、ずっと待ってるぞ」
店員「はぁ?」


路上に停めたバイクの脇に佇む天道のもとへ、ひよりが自転車を押しながらやってくる。
その視線は天道ではなく、バイクに向けられている。

ひより「可愛そう……どこが痛い?」

その手が、まるで人の傷を癒すかのようにバイクを撫で、やがてタイヤに刺さった釘を抜き取る。

天道「ほぉ……? 人と話すのは苦手だが、マシンとは話せるってわけだ」
ひより「パンクはしてないけど前が重い。タンクバッグのせいだ」
天道「ここには……全人類の希望って奴が入っている。これに比べれば軽いもんだ」

天道がバイクのタンクバッグをポンと叩き、ヘルメットをかぶる。
そこへやって来る1台のバイク。加賀美である。

加賀美「ひより! 店行くんだろ? 乗ってけよ」
ひより「僕にはこれがある」

女性なのになぜか「僕」を名乗るひより。「これ」とは自転車のことらしい。店の名前らしき「BISTRO La Salle」の札が車体に貼られている。
天道がバイクで走り去る。フルフェイスのヘルメットのため、加賀美は彼があの天道とは知る由も無い。

加賀美「……誰? 知り合い?」


とある道端。路上に停めた車の中に2人の刑事。
その視線の先では、冒頭で殺害されたはずの警備員──いや、警備員に擬態したワームが何食わぬ顔で歩いている。

「先日殺された筈の警備員です。確保しますか?」
「いや、我々警察にできんのはここまでだ」
「え? どういうことですか?」
「ま、俺もよくは知らないが、上と繋がりのある組織が動いているらしい」

刑事の1人が携帯を耳に当てる。途端に激しい雑音が響く。耳から話すと、画面が激しく乱れている。

「どうなってんだ!?」

いつの間にか、車の後部座席にあの警備員が。

刑事の1人が崩れ落ち、もう1人が逃げ出す。
未だ車内に佇んでいる警備員目掛け、刑事が銃を抜く。
──が、車内にいたはずの警備員がなぜか突然、その刑事の背後に現れる。
刑事の体が崩れ落ち、警備員の姿が今度はその刑事へと姿を変える。

ふと、後ろを振り返る。ひよりの姿。一部始終を目撃していたらしい──


ZECT指令車。

岬「ワームです」

冒頭で岬たちに指示を送っていた者が、同様に今回も指示を送っている。

男「既にゼクトルーパーも向かっている。今度こそ……始末しろ」
岬「了解」
加賀美「岬さん、本部から来るって言う人……」
岬「まだ連絡は取れない」
加賀美「そんな……」

何かの機器が起動したようなアラーム音が響く。
加賀美がベルトのバッグを開けると、ベルトから起動音が響き、バチバチと火花が飛び散っている。


指令車と天道のバイクがすれ違う。
バイクのタンクバッグから起動音が響く。
天道がバッグを開けると、その中のベルトも、起動音と共に火花が飛び散っている。

天道「やっとお目覚めか……!」

バイクをUターンさせ、指令車を追う。


ひよりが必死で自転車をこぎ、刑事に化けたワームから逃げる。
何かにぶつかり転倒。

ひより「うわ!」

なぜか自分の目の前に、先ほどの刑事に化けたワームが立っている。
自転車を乗り捨て、ひよりが必死に逃げ出す。ワームが擬態を解き、正体を現す。


そこへゼクトルーパーらを乗せたジープが到着。
ひよりはビルの非常階段を駆け登り、ワームがそれを追う。
やや遅れて田所らの指令車も到着。加賀美がモニターのために出動する。

「A小隊フォーメーションα。コード3-2-4。撃て!」

一般人であるひよりがワームのそばにいるのもかまわず、ゼクトルーパーがマシンガンを撃ちまくる。
ゼクトルーパーらに追いついた加賀美。ゼクトルーパーらの銃口の先に、ひよりの姿。

加賀美「ひより……? やめて下さい! あの人を巻き添えにするつもりですか!?」
ゼクトルーパー「邪魔だ!」
加賀美「おい!」

ゼクトルーパーらがワームを追う。


岬「脱皮します」

ゼクトルーパー「ターゲット包囲」

ワームが脱皮して成虫体となり、群がるゼクトルーパーを次々に倒してゆく。

加賀美「田所さん! マスクドライダーシステム、俺に使わせて下さい! お願いします!」
田所「駄目だ。本部の許可がいる」
加賀美「でもこのままじゃ……!」

加賀美が指令車に駆け込み、ライダーベルトを手にしようとするのを、岬が慌てて制する。

加賀美「田所さん、俺にやらせて下さい!」
岬「ちょっと何やってるの、あなた! 何やってるの! やめなさい!」
加賀美「俺、命懸けでやり遂げて見せます!」
岬「加賀美君!」
加賀美「お願いします!」
岬「いい加減にしなさい!」
田所「加賀美っ!!」
加賀美「……?」
田所「本部には俺から話す……ライダーベルトを、お前に託そう」
加賀美「……はい!」


ワームのもとへ駆けつける加賀美。腰にはライダーベルトが巻かれている。

加賀美「俺は貴様らを許さない。貴様らワームは俺がすべて倒す……倒してみせる!!」

空へ向かって手を突き出す。
虚空からカブトムシ型のメカ、カブトゼクターが飛来。
加賀美がそれに向かって手を伸ばす──
が、カブトゼクターはそれを避けるかのように旋回。ワームをかすめて飛来したかと思うと、それを別の誰かの手が掴む。

太陽を背にしてカブトゼクターを手にした青年の姿……それは天道総司。

天道「選ばれし者は……俺だ」
加賀美「お前は……!?」

天道「今、俺はこの手で未来を掴んだ……俺はこの時を待っていた……いや、この一瞬の為に生きてきた……!」

彼の腰にも、加賀美と同じくライダーベルトが巻かれている。

加賀美「やめろ! それは俺の……」
天道「変身!!」

カブトゼクターを自らのベルトに装填する天道。
人工音声が漏れる。

『HEN・SHIN』

唖然とする加賀美の目の前で、ベルトからみるみる装甲服が形成されて天道の全身を覆い、天道はマスクドライダーシステム“カブト”へと変身を遂げる。

ワームがカブトに襲い掛かる。
すかさずカブトが、強烈なパンチを次々に繰り出し、ワームを圧倒する。

さらにカブトは、左腰に携帯されている専用武器・カブトクナイガンを構えると、ワーム目掛けて光弾を連射しする。
衝撃でワームが壁をぶち破り、ビルの中へと転がり込む。
なおもカブトはワームを追ってビル内へと入り、クナイガンを撃ち続ける。
加賀美もカブトらを追う。

ワームの姿が消える。

加賀美「クロックアップ……!?」

クロックアップ能力を発動させたワームが、例の超高速でカブトに強烈な打撃を次々とぶち込む。
さすがのカブトも吹き飛ばされる。

再びワームがクロックアップ。カブトの視界からワームの姿が消える。

ふと見ると、床にセメントらしき袋と1枚の鏡が転がっている。

カブト「やっぱりおばあちゃんの言った通りだ……俺が望みさえすれば、運命は絶えず、俺に味方する……!」

鏡と袋をクナイガンで撃ち抜く。
もうもうと舞い上がる煙の中、粉々になった鏡の破片が飛び散る。
さらにカブトガクナイガンのレーザーサイトを撃ち出すと、一面に散った破片にレーザーサイトが網目の如く乱反射し、ワームの姿が浮かび上がる。
すかさずクナイガンをアックスモード(斧型)に切り替えて突き出すカブト。
彼目掛けて突進してきたワームが、アックスに貫かれる。

ワームが爆発四散──カブトの初勝利である。


爆煙の中に立ち尽くすカブトの姿を、ひよりが物陰から見守る。

駆けつけてきたゼクトルーパーたちが、カブトに銃口を向ける。

そして後ろから現れた田所と岬が、苦々しい視線をカブトへ向ける──


(続く)
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