恐竜戦隊ジュウレンジャーの第1話
とあるマンションの朝。
高校生「おはようございまーす!」
老人「おお。おはよう……」
小学生「行ってきまーす」
老人「おお、おはよう。しっかり勉強して来るんだぞ」
小学生「はーい!」
アナウンサー「昨日打ち上げられたわが国のスペースシャトルが地球に接近しつつある2300万年収の惑星ネメシスの軌道に打ち乗り、今日にも着陸着陸を試みる予定です。今回の打ち上げには全国から選ばれた少年飛行士の吉村悟君と西田由美子ちゃんも参加しています」
由美子「悟君、見て。あれが惑星ネメシスよ」
悟「わあ、スッゲー……」
宇宙飛行士「ただいまより着陸を確保します。5、4、3、2、1……第1エンジン、第2エンジン、噴射! こちらシャトル、惑星ネメシスに着陸成功。まもなく地表に降り立ちます」
地球では、何故か老人の耳が大きくなっていた。
誕生
惑星ネメシスでは宇宙飛行士たちが調査をしており、
宇宙飛行士「何もなしか」「不毛の大地とはよく言ったもんだ」「おい、あれは何だ!?」「行ってみよう」
2人の宇宙飛行士は赤い光の方に走る。
シャトルでは、
由美子「私たちはまだかしら!?」
由美子と悟がシャトルで待っている頃、
宇宙飛行士「なんだろう!?」「すごい発見じゃないか」
壺に触れると、
老人「やめろ、それは封印じゃ。開けちゃいかん!!」
宇宙飛行士が壺の蓋を開けると、謎の光が飛び出し、中から何が飛び出してきた。
ブックバック「へ、へ、へっくしょん!!」
トットパット「寒いよォ……」
ブックバックは壺に近づいて、
ブックバック「バンドーラ様、バンドーラ様」
壺の中から魔女バンドーラが出て来る。
バンドーラ「ふあーっ、よく寝た……ブックバック、どのくらい眠っていたんだい!?」
ブックバック「今計算……」
ブックバックが計算機を出すのに手間取っているを見て、
トットパット「遅いんだよお前は。俺に貸せ計算機」
トットパットがブックバックのかばんを取り上げるのを見てプリプリカンは、
プリプリカン「もう、喧嘩ばっかりして……プリ、プリ」
トットパット「1億7千万年と4時間3分20秒でございますバンドーラ様」
バンドーラ「えー、そんなにもかい!? ええい、にっくき封印め!!」
バンドーラは封印の壺を破壊する。
宇宙飛行士「た、助けてくれ!!」
バンドーラ「お前たちかい!? 助けてくれたのは……礼を言うわ」
バンドーラが息を吹きかかけると宇宙飛行士2人はどこかに飛んでいってしまった。
バンドーラ「おお、我が故郷地球よ……約束どおり蘇った。1億7千万年の恨み、今こそ見るがいい」
地球ではビルが飛び出してどんどん移動し、市民たちは逃げる。
さらに、他のビルも動き始めた。
レポーター「信じられませんこれは! タワービルが、タワービルが動き出しました。あー、タワービルが飛んでいく。タワービルがぁー!!」
そこへ、宮殿を乗せたビルが地上に降り立つが、宮殿には「Bandra Palace」と書かれていた。
レポーター「タワービルの上に何か、何か乗っています。荒れたような世界に誇るガウディーの作った教会・ダグラナファミリアなのでしょうか!? おっと、何だあれは? 何か出てまいりました」
バンドーラ「ハハハハハ。聞け、おろかな人間ども! 私は史上最大の魔女・バンドーラ。この地球をただの石ころの星にしてやる……見る目が何もいない大地こそ純粋で美しい。人間はごみだ! 下らんと信じおって。お互いに憎しみ会い、殺戮し合って自らの手で滅びるのだ」
バンドーラはそう言って町を攻撃し始める。
バンドーラ「おやまあ、お久し振り。誰かと思ったら白魔導師のバーザじゃないの」
バーザ「魔女バンドーラ!」。
バーザが本来の姿に戻り杖を構えるが……。
バンドーラ「おっと忘れたのかい!? お前は私に負けて呪文を封じ込まれたんだよ。でやあっ!!」
バンドーラが杖でホースを蛇に変え、バーザの体に巻きつける。
だが、バーザはホースを引きちぎる。
バンドーラ「お、少しは呪文を思い出したようだね」
バーザ「バンドーラ、今の地球は愛と希望にあふれとる。もはやお前の出る幕はない!」
バンドーラ「たわけたことを。スペースシャトルに残っていた子供2人は私がいただいたわよ」
ブックバックたちは何かの準備をしていた。
悟「助けてー!!」
由美子「私たちをどうするつもり!?」
トットバット「ヒヒヒヒ……」
ブックバック「プッチン!」
トットバット「ガシャン」
ブックバック「ペッシャンコペッシャンコ!」
2人は虫眼鏡でロープを燃やし、鉄球でシャトルを破壊しようとしているのだ。
トットバット「ブックバック、早くやれ」
ブックバック「お日様をここに集めて」
ロープに火がつき始めた。
地球ではバンドーラが杖でその映像を見せると、
バンドーラ「私は子供が大嫌いなのよ」
バーザ「バカな真似はよせ!!」
バンドーラ「今からちょうど1時間後、あのロープが切れて子供たちはペッチャンコになる」
バーザ「何だと!?」
バンドーラ「私と勝負する気ならお前の手で助け出してみるんだね」
バンドーラがバーザにビームを放ち、去っていき、
バーザ「バンドーラ!! こうしちゃおれんぞ!! バンドーラ、こっちにも切り札があるんだ。驚くな」
バーザはエレベーターのボタンをいくつも押す。
やがてエレベーターは2千階へと着き、ドアが開くとそこはなんと宮殿だった。
バーザ「大いなる守護獣たちよ、遂に正義の5人の戦士たちを眠りから覚ます時が来た。営利の刃が悪を打ち降し、この地球の平和を守らんことを……」
バーザが鍵を出し、マンモスの扉を開けた。
バーザ「クロトの戦士ゴウシ、遂に戦いのときが来た。起きろ」
バーザはサーベルタイガー、プテラノドン、トリケラトプスの扉を開けていき、
バーザ「いつまで寝てるんじゃボーイ! メイ、化粧をしてる暇はあらしんぞ。さっさと目を覚まさんかダン」
それぞれの扉からナイトやプリンスが現れる。
ゴウシ「シャーマ族ナイト・ゴウシ!!」
ボーイ「ダイム族ナイト・ボーイ!!」
メイ「リシヤ族プリンセス・メイ!!」
ダン「エフト族ナイト・ダン!!」
バーザ「よーし、最後の1人じゃ」
最後にティラノザウルスの扉に鍵を入れるが、鍵が折れてしまった。
バーザ「ああっ!!」
ゴウシ「どうしたんだ!?」
バーザ「鍵が折れた」
4人「ええっ!?」
ボーイ「何とか開けないと……」
ゴウシとボーイは扉を開けようとするが、ビクともしない。
砂時計の砂がどんどん落ちていく。
バーザ「いかん、時間がない! とにかくお前たちで子供を助けに行ってくれ。ここはワシが何とかする」
ゴウシ「わかった!!」
一方、ロープはどんどん千切れ、鉄球は子供たちの乗るシャトルに近づいていく。
悟「ママー!!」
由美子「泣いちゃダメ。しっかりすんのよ」
バンドーラがシャトルの中を覗いて、
バンドーラ「もっともっとお泣き!!」
悟・由美子「あっ!!」
バンドーラ「子供が泣くのが一番好き?!!」
トットパット「バンドーラ様、バンドーラ様! 変な連中がこっちに来ます」
バンドーラ「なんだって!?あれは確か五部族のナイトたち」
バンドーラが双眼鏡で覗くととそれはサイドザウラーでバンドーラパレスに向かっているゴウシたちだった。
ボーイ「ゴウシ、急ぐんだ!」
ゴウシ「捕まってろ」
ダン「よーし。今助けてやるからな……」
バンドーラ「あ、そうかい。私が蘇るのを恐れて眠りについていたんだね……あーははは」
一方、4人はバンドーラパレスに到着した。
ゴウシ「これが魔宮か。よーし、行くぞ!!」
パレスに突入する4人。だが、そこは海岸だった。
ゴウシ「海だ……」
可愛い泥人形が踊っているのをみて、
メイ「あ、あれ何!?」
ダン「泥人形じゃないか」
すると、泥人形の腕が大きくなり、4人の顔面に直撃し、
そこへバンドーラが現れ、杖で攻撃する。
次は手でビームを発射。
一方、バーザは大砲で最後の扉を開けようとするが、扉は開かず、
バーザ「ああっ、なんてこっちゃ。もうアカン」
その頃、4人は爆発に巻き込まれ、別の空間に移され、牢屋に閉じ込められてしまう。
ダン「おい、出せ!!」
ブックバックたちの笑い声が響く。
トットバット「やったやった!! ちょろいもんちょろいもん」
ブックバック「バーベキュー、してやるぞ」
4人が閉じ込められている牢屋に火が着火。
ボーイ「卑怯だぞ!!」
ダン「冗談じゃねぇぞ、バーベキューなんて!!」
ゴウシ「メイ、弓を射るんだ」
メイ「わかった。任せて」
ダン「頼むぞ……」
ボーイ「急げ」
メイは弓を射るが、ブックバックにかわされてしまった。
トットバット「当たらないもーん」
ロープはどんどん燃え、鉄球がもうすぐ落ちそうになり、
悟・由美子「助けてー!!」
ブックバックはレバーを回し、牢屋を回転させる。
トットバット「もっと回せもっと回せ」
ダン「出せー!!」
メイ「出して!」
ブックバック「焼き上げろ……」
悟・由美子「助けてー!!」
バーザ「もうダメだ……」
その時、ティラノザウルス像の目が光り、光が扉に放射される。
そして扉が開き、そこから最後の1人が現れると、彼はゴウシたちの元に駆けつけ、牢屋のチェーンを切ると、
周りの火が消えた。
ブックバック「な、何者だ!?」
トットバット「名を名乗れ!!」
ゲキ「ヤマト族プリンス・ゲキ!!」
ゴウシ「ゲキ!!」
ゲキは剣で牢屋の鍵を壊してゴウシたちを脱出させ、
メイ「これで5人揃ったわね!」
グリフォーザーが5人の上を横切り、そこへ、ゴーレム兵が5人に襲い掛かってきた。
ゴーレム兵と戦う中、ゲキに襲い掛かるグリフォーザー。
バーザ「5人とも、表に出て変身するんじゃ。お前たちのメダルだ! えい!!」
ゲキ「メダルを受け取るんだ!!」
バーザの投げたメダルを5人が受け取り、別のビルの屋上に降りる。
ゲキ「みんな、行くぞ!!」
ゴウシ・ボーイ「おう!!」
メイ・ダン「おう!!」
5人は自分のメダルを変身アイテム・ダイノバックラーに入れる。
一同「ダイノバックラー!!」
そして、ジュウレンジャーへと変身した。
ティラノ「ティラノレンジャー・ゲキ!!」
マンモス「マンモスレンジャー・ゴウシ!!」
トリケラ「トリケラレンジャー・ダン!!」
タイガー「タイガーレンジャー・ボーイ!!」
プテラ「プテラレンジャー・メイ!!」
ティラノ「恐竜戦隊!」
一同「ジュウレンジャー!!」
5人の元にグリフォーザーとゴーレム兵が現れ、
タイガーレンジャーがビルの鉄片に登り、レンジャーガンを取り出し、撃つ。
タイガー「レンジャーガン!!」
一方、シャトルはもうすぐ鉄球で潰されそうになる。
悟・由美子「助けてー!!」
宮殿の砂時計の砂もほとんど無くなってきた。
その時、グリフォーザーがティラノレンジャーに襲いかかる。
悟・由美子「うわあーっ、助けて。やだぁっ!!」
ティラノ「レンジャーソード!! 行くぞ。メイ、ここは俺たちに任せて早くシャトルの子供たちを助けるんだ!!」
ティラノレンジャーはグリフォーザーと剣で挑む。
トリケラ「メイ、行くぞ」
プテラ「うん!」
トリケラレンジャーとプテラレンジャーがバンドーラパレスの中に向かう。
砂時計の砂はもうわずかであり、ロープももうすぐ千切れてしまう。
悟・由美子「ママー、助けて!!」
トリケラ「メイ、飛ぶんだ」
プテラ「OK!! 行くわよ!」
トリケラ「よーっしゃ!!」
砂時計の砂が完全になくなり、プテラレンジャーもトリケラレンジャーをジャンプ台にしてジャンプする。
とうとうロープは切れ、鉄球が落ちるが、プテラレンジャーが間一髪でシャトルを救出した。
トリケラ「よーし、間に合ったぜ!!」
プテラ「うん!」
すると、巨大な手が現れ、2人からシャトルを奪ってしまう。
トリケラ・プテラ「うわあっ!」
プテラ「あ、シャトルが!!」
トリケラ「おい、シャトル返せ!!」
トリケラ・プテラ「待てー!!」
奪ったのはドーラモンスター・ドーラタイタンであった。
トリケラ「ゲキ、シャトルが奪われた!!」
ティラノ「何? 奴は一体何者なんだ!?」
ドーラタイタンが剣でビルを切りつけ、
3人「うわあっ!!」
バンドーラ「ワハハハハ!!」
笑い声とともにバンドーラの姿が消え、ドーラタイタンもシャトルを奪って消えてしまい、
ナレーション「遂に、魔女バンドーラが地球を滅ぼさんと行動を開始した。1億7千万年の眠りから覚めた恐竜戦隊ジュウレンジャーは果たして勝つことができるのか!? そしてシャトルの子供たちは!? 地球は今、史上最大のピンチに見舞われていた」