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救急戦隊ゴーゴーファイブの第1話
 

ナレーション「地球を中心に、太陽系の惑星が巨大な十字に並ぶ結晶を「グランドクロス」という。グランドクロスは、災いを呼び寄せると言われている……」

巽モンドがモニターでグランドクロスを分析していた。

モンド「私の仮説に間違いはなかった……災いが近づいている」

赤い流れ星が地上に激突。

アナウンスが放送される。

マトイ「よし出動だ。もたもたすんな!!」

隊員「はい!」

消防車が出動。
 

救急戦士! 起つ
 

火災現場

消火活動が活動が行われる。

マトイ「これで要救助は全員か!?」

隊員「隊長……あのビルの中にまだ逃げ遅れが!」

マトイ「よし、人命検索!」

巽家長男・マトイと隊員が扉の前に止まる。

マトイ「よし。ここから侵入するぞ! 明太着想!!」

隊員たち「面体着装!」「面体着装!!」

マトイ「行くぞ!!」

マトイたちが現場に入る。

隊員たち「誰か! 誰かいないか!?」「いたら返事をしろ!!」「そっちはどうだ!?」「こっちにはいません!」

隊員「ボンベの差圧がもうありません。隊長……」

マトイ「この上がまだだ。お前たちは現場待機! ボンベを交換」

隊員「しかし……隊長!」「隊長!!」

マトイは1人上に上る。

マトイ「誰か! 誰かいないのか!?」

上から炎が燃える。

マトイ「うわあっ!!」

マトイはそれを消す。

マトイ「よし。誰か! どこにいるんだ!?」

天井が火を噴く。

そこに1人の女性が倒れていた。

マトイ「おい、しっかりしろ。大丈夫か!? 助けるぞ! 安心しなさい!!」

隊員が再び現場に入ってくる。

隊員「隊長!」

マトイが女性を抱えて出てくる。

マトイ「あきらめるもんか……人の命は、地球の未来だ!」

火災現場前

巽家次男・ナガレが到着。

ナガレ「赤バイ用意!」

消防員「了解!」

消防員がバイクでやってきて。

ナガレは消火器を背負い、放水。

車の火は1発で消える。

消防員「すごい……」「「あっという間に沈下した!」

ナガレ「当然さ。極秘に開発した消火器はパーフェクトだ!」

上空

巽家三男・ショウがヘリで上空を飛んでいた。

ショウ「城西情味谷区系炎上中! 映像を送る」

「映像がはっきりしない。もっと近づけないか!?」

ヘリが風で流れる。

操縦士「上昇気流があげすぎる!」

ショウ「任せとけ! もっと言い送ってやる!!」

操縦士「巽やめろ!! 無茶だ!」

ヘリが急降下。

ショウ「大丈夫。俺ならクリアできるぜ!」

地上

巽家四男・ダイモンが一般市民を止めていた。

ダイモン「救急車通りますよ! 下がって下がって、下がって!!」

ダイモンが倒れる。

ダイモン「みんな、死にたいのか!? 落ち着くんだ!!」

救急車から巽家長女で末っ子・マツリが降りる。

マツリ「そこ通ります。ごめんなさい! 急ぎます……道開けて」

マツリは道具を出し、男性を手当てする。

マツリ「大丈夫。助かるわ!」

夜が明ける。

レスキュー隊員が集まる。

隊員「撤収作業、入ります!」

マトイ「了解!」

街にはでかい巨石があった。

マトイ「一体何なんだこりゃ!?」

ショウ「マトイ兄さん!」

マトイ「おう……ナガレ、ショウ、ダイモン、マツリ。全員集合じゃないか! 現場で兄弟全員が顔をそろえるなんて、久し振りだよなぁ……」

ダイモン「兄さん……何だと思います!? あれ……」

ナガレ「ただの隕石じゃないですねぇ。あれは」

マツリ「なんだか生きてるみたい……ああっ!」

轟音が響く。

巨石が爆発。

一同「うわっ!!」

巨石は岩石サイマ獣・マグマゴレムへと姿を変える。

マトイ「まさか……」

ショウ「嘘だろ……!?」

マグマゴレムが総攻撃をかけ始める。

街が破壊される。

どこか建物の中

マトイたちが眠っていた。

「起きてくださーい! いつまで寝ている場合ではありませーん!!」

声をかけたのはアナライズロボ・ミントだった。

ミント「起きてくださーい!!」

マトイ「でっけー目覚ましだなぁ……」

ミント「目覚ましではない! アナライズロボ・ミントです!!」

ショウが外に出る。

ショウ「うちに戻ってる……」

ショウは中に入る。

ショウ「まさかあれ、夢だったのか!?」

「夢ではないぞ!!」

今の声に反応する5人。

ナガレ「その声は……父さん!?」

マトイ「そんなまさか。今頃になって父さんが……ん?」

鳴り響く音の方に近づくとモニターにはモンドが映っていた。

モンド「父さん……」

他の4人もモニターのそばに近づく。

ダイモン「父さんって死んだんじゃなかったの!?」

マツリ「父さん……」

ショウ「あんたいきなりうちを出てこの10年……どこで何やってたんだ!!」

モンド「ショウ! 今そんなことを話している時間はない!!」

モニターの映像がマグマゴレムに変わる。

モンド「この怪物は、グランドクロスが招き寄せた宇宙からの災いなのだ……」

ナガレ「グランドクロス!?」

ダイモン「何それ!?」

ショウ「あんたに何がわかるってんだよ!?」

モンド「いいから、これを見ろ……」

海底から発進基地・ベイエリア55が浮上。

モンド「世紀末の災いから人類を救うため、究極のレスキュー基地だ……」

5人は唖然とする。

モンド「ベイエリア55……この10年全てをこの基地に完成のために注いできた……」

ミント「巽博士! ビル街の町に変化が……」

街ではマグマゴレムが暴れていた。

巨石が噴火。

ビルが崩れる。

溶岩が流れ込む。

ナガレ「マグマが……あいつ、地核に穴を開けたんだ!」

マトイ「よし!」

モンド「待て……」

マトイ「父さんの夢物語に付き合ってる暇はない! 現場へ戻らなきゃ……」

モンド「今のお前たちの、今の装備で、この大災害に、どこまで対処できると思うんだ!?」

ショウ「どこまでって……」

モンド「救急戦隊の出動の時が来たようだな……」

マトイ「救急戦隊!?」

モンド「ミント、例の物を……」

ミント「はいっ! 巽博士……」

ミントの真ん中の部分が開く。

中には変身アイテム・ゴーゴーブレスが入っていた。

モンド「ゴーゴーブレスを身につけるんだ……」

ミント「取ってください……」

5人はゴーゴーブレスを左腕につける。

モンド「さあ、乗り込め!!」

壁が開く。

マトイ「こんなもん、いつの間に……」

ミント「どうぞ、お入りください」

5人は通路を取り、乗り物で海中を走っていた。

ようやくベイエリア55の屋上にたどり着く。

モンド「ゴーゴーブレスのエンターキーを押して、アンチハザードスーツを着装するのだ……」

マトイ「よし……」

5人がエンターキーを押すと体中が光りだし、アンチハザードスーツが身に纏われる。

グリーン「何だこりゃ!?」

モンド「マトイ……お前はゴーレッド! ナガレ、お前はゴーブルー! ショウ、お前はゴーグリーン。ダイモンはゴーイエロー……マツリはゴーピンク!! お前たち5人は、救急戦隊ゴーゴーファイブなのだ!! ゴーライナー、スタンバイ!」

ベイエリアの中にはゴーライナーが格納されていた。

レッドたちは中に入り、ゴーライナー内に乗り込む。

モンド「レイザーグリップをセットせよ……」

レッドのコンピューターにレイザーグリップのデータが写される。

レッド「わかった!」

レイザーグリップをセット。

線路が海中から浮上。

人々がそれを見にやってくる。

5つのゲートが開く。

レッド「ゴーライナー、発進!!」

ゴーライナーが連結して発進。

ファイブライナーとなってレインボーブリッジを通る。

レッド「はぁ……」

ブルー「おお……」

グリーン「わあ……」

ファイブライナーはすでに街に入っていた。

イエロー「おお……」

ピンク「わあ……」

街は炎上していた。

レッドはファイブライナーを停止させる。

モンド「みんな、保護車両へ移動だ」

レッド「OK!」

モンド「99マシン、発進!!」

各ライナーが開く。

モンド「全ての操縦方法はスーツのコンピューターにインプットしてある……」

レッド「発進!」

レッドライナー1からレッドラダーが発進。

レッド「すごい……すごいよ、このメカニズム」

ブルー「発進!」

グリーン「発進!」

イエロー「発進!」

ブルーライナー2からブルースローワーが、グリーンライナー3からグリーンホバーが、イエローライナー4からイエローアーマーが、ピンクライナー5からピンクエイダーが発進。

ピンク「わあ……」

レッドの耳に女性の声が響く。

「誰か……誰かいませんか!?」

声がするのは向こうのビルのエレベーターからだった。

その中に3人ほど閉じ込められていた。

女性「誰かいませんか!?」

ビル内は炎上し、倒れかける。

女性「大丈夫よ。必ず助けが来るから……ね!」

レッド「ビルの中に逃げ遅れた人たちがいる……」

ブルー「わかった!」

グリーン「よし!」

レッドラダー、ブルースローワー、グリーンホバーがビルの前に到着。

周りのビルが倒れる。

ブルー「ダメだ兄さん……前を塞がれた!」

レッド「こっちもダメだ! ショウ、ビルまで近づけない!!」

グリーン「よし、俺に任せとけって!!」

モンド「ショウ! ナガレ、ダイモン、マツリのメカを……ビクトリーウォーカーに合体させるんだ!!」

グリーン「合体させろって、どうやって!?」

ミント「ゴーグルのコンピュータが指示するよ。ったく、世話が焼けるなぁ……」

グリーン「このぉ……今度あったらただじゃ置かないぞ!!」

ブルースローワーのボディが少し開く。

グリーン「行くぜ……」

グリーンホバーのワイヤーがブルースローワーに接続。

グリーンホバーが持ち上げるとブルースローワーが腰部に変形。

イエロー「よし!」

ピンク「行くわよ……」

イエローアーマーとピンクエイダーが脚部に変形。

ブルースローワーと合体。

グリーン「ビクトリーウォーカー、合体!!」

ビクトリーウォーカーが歩行しながら水を放水。

マグマが冷える。

グリーン「マグマが消えて、道ができたぞ!」

レッドラダーにイエローとピンクが乗り込む。

イエロー「マトイ兄さん!」

ピンク「マトイ兄ちゃん……」

レッド「よーし、行くぞ!!」

レッドラダーはビルの前に止まる。

レッド「ラダーアーム!!」

レッドラダーが地面を押さえ込む。

レッド「よし、行くぞ!」

レッドラダーの後ろのアームが伸びる。

レッド「あそこがとこだ!!」

左のアームがビルを突き破る。

エレベーター内では親子が限界に近づいていた。

母親「ゲホゲホ……」

レッド「今行くぞ!」

レッドたちがビルに乗り込む。

しかし、内部が崩れる。

レッド「うわあっ!! 三方向から回り込むぞ!」

イエロー・ピンク「了解!!」

3人は別々の場所から移動する。

イエローはエレベーターに通じる金網を外し、中に入って下に降りる。

イエロー「大丈夫ですか!? 大丈夫か?」

するとロープのワイヤーが切れる。

イエロー「やべぇ……」

イエローが扉を開けようとする。

しかし、扉はビクともしない。

イエロー「急いでくれ! マトイ兄さん!!」

レッドとピンクも扉の前に到着。

レッドはドアを開けようとするが、ダメだった。

レッド「う―――ん……」

ピンク「マトイ兄ちゃん!」

レッド「ダメだ……完全に扉がいかれちまってる!」

再びビルが傾き、炎がレッドたちに迫る。

レッド「うお―――ッ……」

ピンク「ここも危険よ!」

レッド「あきらめるもんか……人の命は、地球の未来だ!」

モンド「マトイ!! ゴーゴーブレスでライフバードを呼ぶんだ!」

レッドのゴーグルにライフバードのデータが映し出される。

レッド「ライフバード!!」

ベイエリアからライフバードが飛来。

それぞれの武器に分離。

レッドはビークドリラーとレイザーグリップを合体。

ビークドリラーが扉を破る。

イエロー「ちょっと待ってろ!」

イエローが子供たちを後ろに寄せる。

ピンク「ビルドディスチャージャー!!」

ピンクはビルドディスチャージャーで消火活動を始める。

扉が開く。

レッド「よし!」

レッドは力を振り絞って扉を開ける。

レッド「大丈夫か!?」

イエロー「マトイ兄さん!」

レッド「さあ、早く外へ……急ぐんだ!」

レッドとイエローは子供と母親を外に出す。

ピンク「大丈夫!?」

ビル周辺が爆発。

レッドたち「うわあっ!」

地底からマグマゴレムが這い出てきた。

グリーン「マトイ兄さん、急げ! またあいつだ!!」

レッド「わかった! よし、行くぞ」

レッドたちはレッドラダーの手に乗り込も、降りる。

レッド「あいつ……」

マグマゴレムが迫る。

レッド「ダイモン、マツリ、早く安全な場所へ!」

イエロー・ピンク「はい!」

イエローとピンクが子供たちを連れて走り出す。

再びレッドラダーに乗り込むレッド。

レッド「発進!」

マグマゴレムがビルを破壊。

瓦礫がレッドラダーに落下。

レッド「うわあっ!」

レッドラダーが動かなくなる。

レッド「このぉ……ああっ」

ブルー「マトイ兄さん!」

レッド「うわあっ!」

するとグリーンホバーのアームがレッドラダーに接続。

レッド「あれ?」

グリーン「兄貴……」

レッド「ショウ!」

グリーンホバーがレッドラダーを持ち上げる。

グリーン「急げ……」

ようやく攻撃が交わされる。

レッド「父さん! 奴を倒す手段はないんですか!?」

モンド「5台のメカを1つにすれば、ビクトリーロボが完成する!」

レッドのゴーグルにビクトリーロボのデータが映る。

モンド「緊急合体!!」

レッド「わかった。行くぞみんな!」

一同「了解!!」

レッドラダーが胴体に変形し、ブルースローワーに合体しようとする。

するとマグマゴレムがビルを破壊。

残骸がグリーンホバーを押し戻す。

グリーン「うわあっ!! このぉ、邪魔はさせねぇ! インパクトガン!!」

グリーンホバーのインパクトガンがマグマゴレムを怯ませる。

ようやくレッドラダーがブルースローワーに合体。

最後にグリーンホバーが頭部となってレッドラダーに合体。

巨大ロボ・ビクトリーロボが完成する。

レッド「ビクトリーロボ、合体完了!!」

グリーン「やったぜぇ!!」

ブルー「行くぞ!!」

ビクトリーロボが歩き始める。

マグマゴレムが総攻撃をかける。

ピンク「ううっ……」

イエロー「はっ!」

グリーン「んっ……!」

ブルー「ううっ!」

レッド「負けるもんか!! これ以上の破壊は、俺たちが許さない! 連続ラダーボンバー!!」

連続ラダーボンバーが炸裂。

ブルー「こいつの体を使って、マグマの流れ出した穴を塞げば……」

レッド「よし、行くぜ!!」

ビクトリーロボがマグマゴレムを持ち上げる。

レッド「パワーホイールクラッシュ!!」

マグマゴレムはマグマの穴に放り出され、爆発する。

グリーン「よっしゃぁ!」

ブルー「マグマの流出が止まった……」

レッド「俺たちが、地球を守ったんだ!!」

こうして戦いはビクトリーロボの勝利に終わった。

ナレーション「今ここに、新たなるヒーローが生まれた。兄弟たちよ……更なる試練を乗り越え、明日へ進め!」
 

AD.1999 救急戦隊ゴーゴーファイブ誕生
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