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海賊戦隊ゴーカイジャーの第1話
 

ナレーション「地球は、史上最大の危機を迎えていた。全宇宙を支配しようとする宇宙帝国ザンギャックの大艦隊が、破壊の限りを尽くして人々を恐怖 のどん底に陥れていた。だが地球には、その強大な悪に立ちはだかる戦士たちが存在した! 愛と夢と平和と人々の笑顔を守り続けてきた34のスーパー戦隊 だ! この戦いが、世に言うレジェンド大戦である!」

34大スーパー戦隊が宇宙帝国ザンギャックの戦闘兵、戦闘員ゴーミンたちに立ち向かっていく。

上空からザンギャックの艦隊が飛来。

戦士たちに一斉砲撃を繰り出す。

アカレンジャー「みんな! スーパー戦隊すべての力を結集して地球を守るんだ」

一同「おう!」

戦士たちが光となり、空に舞う。

光は艦隊に降り注がれ、それが大爆発。

アカレンジャー「ファイヤー!」

ナレーション「こうして、地球の未来は守られた。だが、スーパー戦隊の戦士たちは、戦う力を失い、伝説となった…… そして、時は流れ……」

海賊船、ゴーカイガレオンが宇宙空間をさまよっていた。

ナビィ「ああっ! 感じちゃった、感じちゃった!」

ルカ「どうしたの? ナビィ!」

ナビィ「地球だよ。宇宙最大のお宝だよ・……」

ハカセ「マジで?」

ハカセことドン・ドッゴイヤーがコンピューター操作。

モニターに地球が映る。

アイム「なんて美しい星でしょう・…… 人々が住みやすそうです……」

ルカ「アイムらしい感想ね…… 私には大きな宝石にしか見えない!」

ハカセ「ルカはすぐそれだ……」

ジョー「そんなことはどうでもいい…… 俺たちの獲物はあの星にある! 宇宙最大のお宝だ……」

ルカ「澄ましちゃって。ジョーも内心わくわくしてるくせに……」

ハカセ「でも本当にこんな田舎の星にある? 宇宙のすべてと同じ価値のあるお宝なんでしょう?」

マーベラス「あるに決まってんだろう?」

ジョー・ギブケン、ルカ、ミルフィ、アイム・ド・ファミーユが頷く。

警報音が鳴り響く。

ルカ「もう、ハカセ!」

ハカセ「はいはい」

ハカセは機械を操作。

そこにザンギャックの宇宙艦隊が飛来。

ハカセ「ザンギャックの宇宙艦隊! まずい。見つかっちゃったよ……」

ジョー「どうする? マーベラス。下手に関わると面倒だぞ」

マーベラス「うまく関わりゃいい……」

ハカセ「やっぱりそっち?」

キャプテン・マーベラスが立ち上がる。

マーベラス「それが、海賊ってもんだろう!?」
 

第1話
宇宙海賊現る
 

ゴーカイガレオンが艦隊のほうに進む。

レッド「砲戦用意!」

スゴーミン「ふっふっふ。賞金首の海賊どもか…… 行きがけの駄賃にひねり潰してやる! 撃て!」

艦隊が一斉射撃。

レッド「左舷ガレオンキャノン!」

グリーン「OK!」

ガレオンキャノンが歓待を破壊。

レッド「面舵いっぱい!」

艦隊が次々と破壊。

スゴーミン「ふざけたまねを…… 遊びは終わりだ。撃て撃て!」

艦隊の砲撃でゴーカイガレオンが炎に包まれる。

スゴーミン「どうだ?」

そこから巨大ロボ、ゴーカイオーが現れる。

レッド「甘いな」

スゴーミン「何だと!?」

ゴーカイオーは猛ジャンプで艦隊を次々と破壊していく。

イエロー「よし! このまま地球に直行だね」

ピンク「はい!」

グリーン「お宝本当にありますように!」

レッド「ふん。あるってな」

ゴーカイオーはゴーカイマシン5機に分離。

ゴーカイガレオンに収納して地球に降り立つ。

OL「あれ何!?」

碇が地上に下りる。

今度はマーベラスたちが着地。

マーベラス「邪魔するぜ、地球人ども。俺たちは海賊戦隊ゴーカイジャー! 俺はキャプテン・マーベラスだ。この町には宇宙最大のお宝があるよな? 大人しく在り処を教えな!」

人々は黙ったままだった。

するとルカが拡声器を取り上げる。

ルカ「隠すとためになんないよ!?」

アイム「ダメですよルカさん、そんな……」

今度はアイムが拡声器を手にする。

アイム「ごきげんよう、皆さん。では……そこの庶民の方!」

サラリーマンがキョロキョロする。

アイム「はい、あなたです」

サラリーマン「はい……」

アイム「何か、ご存知ありませんか!?」

サラリーマン「何も存じ上げません!」

アイム「噂もお聞きになったことありませんか!?」

サラリーマン「はっ。申し訳ありませんが、地球上で知る者はいないかと…… ね?」

一同「うん……」

アイム「あらまぁ……」

ジョー「どうも話が違うな」

ハカセ「ほら! だから僕は何度も言ったじゃん!」

ルカの肘がハカセの腹に当てる。

ルカ「どうすんの? マーベラス」

マーベラス「うん…… メシだな」

4人「え?」

ハカセ「でもこの星のお金がないよ!? どうする気?」

マーベラス「ルカ」

ルカ「え?」

マーベラス「指輪……」

ルカ「……ええっ!?」

旗艦ギガントホース

司令官ワルズ・ギル、開発技官インサーン、特務士官バリゾーグが乗っていた。

ワルズ・ギル「バリゾーグ、インサーン! 地球征服の準備は整ったか?」

バリゾーグ「イエス、ボス。ワルズ・ギル様好みの冷酷な行動隊長を待機させております」

インサーン「私が最強の武器を開発して与えましたのよ…… お喜びになるお顔が見たくて……」

ワルズ・ギル「ふっ。手加減はいらん! 宇宙帝国ザンギャックの力を、存分に思い知らせてやれ!」

インサーン「はい!」

バリゾーグ「はっ!」

参謀長ダマラスがやってくる。

ダマラス「殿下! 先遣隊が海賊どもにやられたようです……」

ワルズ・ギル「何!? 情けないやつラメ! 我が軍の恥だ! バリゾーグ、先遣隊の存在はデータから抹消しておけ」

バリゾーグ「イエス、ボス。海賊対策は投じますか!?」

ワルズ・ギル「必要ない! ちんけな海賊など、わが帝国にとってはハエ以下だ」

ダマラス「殿下。侮ると、足元を救われますよ!?」

ワルズ・ギル「がああっ! この俺に逆らうのかダマラス。ザンギャック皇帝の息子である、このワルズ・ギルに!」

ダマラス「いえ。では、ご命令を殿下……」

ワルズ・ギル「……進路地球! 全速全身だ」

地球・宝石店

店員がルカの指輪を見ていた。

店員「こ、これはすごい! 1千万円で引き取らせていただきます!」

マーベラス「まぁ、そんなもんか……」

ルカ「もう…… あくまで貸しだからね! ちゃんと利子つけて返してよ!」

ハカセ「絶対返す気ないと思うよ」

アイム「そうなんですか!?」

ジョー「アバウトなやつだからな」

マーベラスが立ち止まる。

マーベラス「結構いい星だなぁ…… この手の星は食い物がうまいんだ」

ハカセ「じゃあ、せっかくだから超高級レストランでゴージャスに行こうよ!」

しかし、マーベラスたちが訪れたのじゃスナック『サファリ』だった。

ルカ・ハカセ「何でここ!?」

マーベラス「いい匂いじゃねぇか…… うまそうだぜ。カレーってやつは」

ハカセ「わかるけどさぁ……」

アイム「この庶民の生活。良い経験ではないですか……」

ルカ「そりゃあ、アイムには珍しいかもしれないけど……」

ジョー「で? 宇宙最大のお宝はどうやって探す?」

マーベラス「焦んな。食わねぇと頭が回らねぇ」

マスター「お待たせしました。『サファリ』特性カレーでございます」

アイム「おいしそうですよ。いただきましょう……」

アイム・ハカセ「いただきます!」

すると突然店内が吹き飛んでしまう。

同時に札束も舞い散る。

ルカ「あ―――っ!! 大事なお金……」

マーベラス「おい…… カレーはどうなる!?」

マスター「無理です。どう考えても……」

マーベラス「マジかよ?」

ハカセ「そんなことよりあれ!」

外に出るとザンギャックの艦隊が町を襲撃していた。

ルカ「何? あのでっかいの」

ハカセ「あれは、ザンギャック宇宙艦隊の旗艦、ギガントホース! さっきやっつけたのはただの先遣隊だったんだ」

ルカ「どういうこと!?」

ハカセ「あれが来たってことはやつら、本気でこの星を征服する気だよ……」

艦隊の砲撃がマーベラスたちの周りに当たる。

ルカ「ああ、もう! 他所でやんなさいよ!」

ハカセ「どうしよう。宝探しなんてしてる場合じゃ……」

マーベラス「とりあえず戻るか。ゴーカイガレオンに……」

艦隊から戦闘員ゴーミン、下仕官スゴーミン、行動隊長シカバネンが降り立つ。

シカバネン「ワルズ・ギル様。行動隊長シカバネンのやり方をじっくりお楽しみください!」

シカバネンの砲撃が町を破壊。

スゴーミンが人々に襲い掛かる。

保母「大丈夫だからね」

保母がビルの陰に隠れると、シカバネンが現れる。

シカバネン「逃げても無駄だ……」

そこへマーベラスたちがやってくる。

マーベラス「どうした?」

アイムが見たのはシカバネンに追い詰められる園児と父母たちだった。

シカバネン「誰1人見逃しはしない……」

保母「子供たちだけは……」

ハカセ「……行かないの!?」

ルカ「気の毒だけど、この星に明日はもうないかもね……」

ジョー「そして……帝国の領域の一部となるか……」

アイム「私たちの故郷と、同じように……」

マーベラス「……」

シカバネンが保母に銃を向ける。

シカバネン「いい顔だ…… ぞくぞくするぜ…… もっと怯えてみせろ……」

マーベラス「気にいらねぇな……」

マーベラスが前に出る。

シカバネン「素敵な顔、ありがとよ……」

するとマーベラスの銃弾がゴーミンに当たる。

シカバネン「誰だ!?」

マーベラスが出てくる。

シカバネン「貴様ら…… 確か賞金首の海賊どもだな? いったい何のマネだ!?」

マーベラス「さぁな……」

シカバネン「ああ、どうせつまらん宝探しでもしてるんだろう? 見逃してやるからさっさと消えろ!」

ルカ「うっさい、バーカ!」

シカバネン「バ、バカ!?」

ジョー「消えるのはお前だ」

アイム「あなたたちの言うことを聞く耳なんてありません……」

ハカセ「僕も……お前らみたいなの大嫌いだ!」

シカバネン「貴様ら正気か? 我々は、宇宙帝国ザンギャックだぞ。我々には向かうとどうなるかわかっているのか!?」

マーベラス「わかってるさ。だが……気に入らねぇもんはぶっ潰す」

5人はレンジャーキーを取り出す。

マーベラス「それが海賊ってもんだろう!?」

一同「ゴーカイチェンジ!!」

『ゴ―――カイジャー!』

変身アイテム、モバイレーツにゴーカイジャーのレンジャーキーをセット。

マーベラスたちがゴーカイジャーにゴーカイチェンジを遂げる。

レッド「ゴーカイレッド!」

ブルー「ゴーカイブルー!」

イエロー「ゴーカイイエロー!」

グリーン「ゴーカイグリーン!」

ピンク「ゴーカイピンク!」

レッド「海賊戦隊!」

一同「ゴーカイジャー!!」

レッド「派手にいくぜ」

レッドがゴーカイガンを連射。

5人はゴーミンに挑む。

シカバネン「ゴーミンども、やれ!!」

保母「まさか、35番目のスーパー戦隊!?」

園児たち「えっ!?」

ゴーカイジャーがゴーミンを一掃していく。

レッド「ハカセ!」

グリーン「う、うん!」

ブルーはゴーカイガンを、グリーンはゴーカイサーベルを投げる。

レッドがグリーンのゴーカイサーベルをキャッチ。

グリーンが2丁のゴーカイガンを乱射。

ブルーの2本のゴーカイサーベルがゴーミンを切り裂く。

イエロー「アイム!」

ピンク「承りました」

イエローとピンクも武器を交換。

ゴーミンを蹴散らす。

しかし、まだまだ出てくる。

イエロー「あ、もう! ウジャウジャと」

レッド「あれいってみるか」

ブルー「あれか……」

グリーン「あれだね?」

イエロー「うん!」

ピンク「いいですね……」

5人はゴーカイバックルからゴレンジャーのレンジャーキーを取り出す。

一同「ゴーカイチェンジ!!」

『ゴ―――レンジャー!!』

ゴーカイジャーがゴレンジャーに変身。

園児「先生、あれって?」

保母「地球で1番最初に結成されたスーパー戦隊!」「秘密戦隊ゴレンジャーだよね? でもどうして!?」

モモレンジャー「ゴレンジャーハリケーン、参ります」

ミドレンジャー「ゴレンジャーハリケーン、ゴミ清掃車!」

一同「はっ!!」

モモレンジャー「ハカセさん!」

ミドレンジャー「よっ、ルカ!」

キレンジャー「ジョー!」

アオレンジャー「マーベラス!」

アカレンジャー「ああ。エンドボール!!」

アカレンジャーの蹴ったゴレンジャーハリケーンがゴミ清掃車となる。

ゴーミンたちがその中に吸い込まれ、清掃車が走り出す。

今度はスゴーミンも現れる。

ミドレンジャー「しつこいなぁ、もう……」

一同「ゴーカイチェンジ!!」

『シ――ンケンジャー!!』

ゴレンジャーがシンケンジャーとなる。

5本のシンケンマルがゴーミンたちを切り裂く。

一同「ゴーカイチェンジ!!」

『マ――ジレンジャー!!』

シンケンジャーがマジレンジャーに変身。

一同「ジー・マジカ!!」

マジスティックから突風が吹き荒れ、ゴーミンたちを一掃。

シカバネン「面白い見世物だったが、そろそろ飽きた…… あばよ!」

シカバネンが砲撃を繰り出す。

マジレンジャーがゴーカイジャーに戻ると5人のゴーカイサーベルがシカバネンを切り裂く。

レッド「仕留めるぞ」

4人「はい!」「うん!」

ゴーカイガンにレンジャーキーをセット。

『ファイナルウェイブ!!』

一同「はあっ!!」

ファイナルウェイブが炸裂。

シカバネンが大爆発。

戦いは終わり、5人は変身を解いていた。

ルカ「はぁーあ。やっちゃった」

ハカセ「え?」

ルカ「私たち、完全に帝国を敵に回したよね……」

ハカセ「ええーっ?」

マーベラス「そうだな」

アイム「どうしましょう……」

ハカセ「まずいよマーベラス。1秒でも地球を離れないと……」

マーベラスが博士を制止。

振り向くとそこにいたのは保母と園児たちだった。

アイム「どうしたの?」

園児「ありがとう……」

保母「助けていただいて、本当にありがとうございます!」

マーベラス「……」

ジョー「何言ってんだあんた?」

保母「え?」

ルカ「私たちは宇宙海賊。お宝探しにきただけよ」

保母「でも、だったらどうして奴らと戦ってくれたんですか!?」

アイム「それは……」

マーベラス「カレーライスだ!」

保母・園児「えっ!?」

マーベラス「あれを食い損ねて俺たちは腹が立ってた…… ま、そんなとこだ……」

ハカセ「だから別に、お礼を言われる理由はないよ」

5人は立ち去る。
 

(続く)
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