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機動武闘伝Gガンダムの第1話
 

G(ガンダム)ファイト開始!
地球に落ちたガンダム
 

ナレーション「この日、かつて美しさを誇っていた地球に……無数の輝く物体が落下していくのが見えた。あるものはネオアメリカへ、あるものはネオチャイナへ……そしてネオロシア、ネオフランス。それらは地球に残った故郷を目指して散っていく、美しい花の輝きにも見えた。だが……ここに、全く違った方向を目指す1つがあった」

眠っていた少女が目を覚ます。目にしたのは落下する光だった。

光が地上に激突。その光景をミケロ・チャリオットが酒を飲みながら見ていた。

ミケロ「きたか……」

1つの物体に岩石が集まる。

ミケロが酒のビンを片手で割る。

ミケロ「鳴りやがった……鳴りやがったぜ……待ちに待った、ガンダムファイトのゴングがよぉ!! ハッハッハ……」

数時間後、警察が来て現場検証を行っていた。

ベルチーノ「見ろよ。こいつは冷却装置でも持ってんのか!? それに逆噴射で安全に降りたつもりかもしれんが……」

メジナ「これじゃ観光地がおじゃんですね警部」

ベルチーノ「ふん……だがな、それは60年も前のことさ」

ベルチーノは岩に座ってタバコに火をつける。

ベルチーノ「ふ―――っ。何がガンダムファイトだ……コロニーの連中は下のことなんかなーにも考えちゃいねぇ……」

メジナ「全く地球をなんだと思ってるんですかねぇ……」

ベルチーノ「どうせ植え切って使い物にならない土の固まり程度にしか考えていない。そんなご時勢さ……さて、こいつの持ち主でも探しにいくか」

メジナ「はっ!」

キャスター「本日未明、スペイン広場に落下した隕石は……調査の結果、ガンダムファイトに関係のあることが判明しました。そのため、落下物を中心とする半径5キロの範囲が超1級危険地帯に指定されております」

ミケロが屋敷の外に出る。外には何人もの不良がいた。

ミケロ「いいか! あの隕石のガンダムファイターは、必ずこの町のどこかにいる。探し出せ!! そしてガンダムファイトスタートの、狼煙代わりに血祭りにしてやれ!!」

一同「おう!!」

不良たちが飛び出す。

一軒のバー

マスター「そうです。見慣れない奴が1人……ハイ」

バーに男が1人座っていた。

ポロー「うわあ! こっちに札束が入ってらぁ……」

マルコ「ダメダメ……そんなのこうなったらただの紙くず。やっぱこれよ」

ポロー「宝石かぁ……こんなんだったらいつもガンダムファイトってのやってくんないかなぁ……」

マスター「すいませんねぇ……お待たせしちゃって。でも、お客さんも行き先のない口ですか? まあ、どうせガンダムファイトが始まっちまえば……どこに逃げたって同じですがねぇ」

ドモン「なぁ、この男……街で見かけなかったか!?」

ドモン・カッシュが見せたのは1人の男の写真だった。

マスター「いいえ……」

ドモン「3ヶ月ぐらい前になるんだがな……」

マスター「見てないねぇ……」

ドモン「そうか……」

写真が落ちる。ソフィアがそれを拾う。

ソフィア「あ、あの……お、落ちたよ……」

アンドレ「どーれ!」

アンドレが少女の手を握る。

アンドレ「ほう……こいつは子供には勿体ねぇな。ハッハッハ……なあ、兄ちゃんもそう思うだろ!?」

ドモンは落ちた写真をキャッチ。

すると突然バーからアンドレが飛び出す。

アンドレ「うわああっ!!」

男たち「兄貴!!」

バーからドモンが出てくる。

アンドレ「この野郎……」

ドモン「はああっ!!」

ドモンがアンドレたちに挑む。

子供たちやマスターがそれを見ていた。

男たち「野郎!!」

ドモンは次々と男たちを破っていく。

持ち上げたアンドレに写真を見せる。

ドモン「いえ。お前たちの仲間に、この男はいないか!?」

アンドレ「おお……」

ドモン「どうなんだ?」

銃声

発砲したのはベルチーノたちだった。

ベルチーノ「もう、そこいらでいいだろう……」

ドモンがアンドレを泉に投げる。

警察署

ドモンが事情聴取を行っていた。

ベルチーノ「何度も言うが、俺たちはな……町をあらされる前に広場に落ちているでっけー荷物の持ち主に早く出て行ってもらいたいだけなんだよ……」

ベルチーノが出したのはピザだった。

ベルチーノ「どうだ? 腹が減ったか!? 我慢するな。お前がガンダムファイターだって白状したら食わしてやってもいいんだぞ!? ええ?」

ベルチーノはピザに顔を押し付ける。

そこへ刑事が1人取調室にやってくる。

刑事「警部。その男の身元引き受け人が……」

ベルチーノ「何!?」

外で待っていたのはレイン・ミカムラだった。

ドモンやベルチーノが出てくる。

メジナ「ドモン・カッシュ……国籍ネオジャパン……ただの旅行者……」

ドモンにマントと手帳を投げるメジナ。

ベルチーノ「いずれにせよ、あの町から1時間以内に出て行け。いいな!?」

ドモンとレインが去る。

レイン「全く。それさえ忘れていなきゃ、疑われずにすんだものを……」

ドモンは身分証明書を破ってしまう。

レイン「え? ドモン……でも、ガンダムファイトって本当に嫌われてるのね。真っ戦いになるたびに町を壊されちゃたまらないものね……それに、仕方ないわ。特に私たちの場合は……」

ドモンが立ち止まる。

レイン「ごめんなさい。でも……」

ドモンが振り向くとポロー、マルコ、ソフィアが走ってくる。

ポロー「お兄ちゃん!」

マルコ「今さ、警察にいったら釈放されたって聞いてさ……」

ソフィア「は、はい。これ……」

ソフィアがフランスパンを差し出す。

ドモン「……!?」

ポロー「差し入れだよ。さっき助けてもらったお礼さ……」

マルコ「といっても、パン屋に置きっぱなしになってた奴だけど……」

レイン「ありがとう。でもあなたたちご両親と逸れちゃったの? 早く避難しないと……」

マルコ「母ちゃんたちは……前のガンダムファイトの時に」

レイン「そう……じゃあ、今夜は一緒にどう!?」

ポローたち「え?」

レインはホテルにやってきてベルを鳴らす。

しかし、誰もいなかった。

マルコ「そうか。ホテルの連中もみんな逃げちゃったんだ……」

5人は階段を上る。ドモンがフランスパンを食べる。

マルコ「でもさぁ……まずいんじゃない!?」

ポロー「きっとさぁ、今頃兄ちゃんのこと、ボスのミケロに報告してるよ……」

ドモン「お前……そのミケロを知ってるのか!?」

マルコ「知ってるも何も、この国のガンダムファイターだよ……」

ポロー「でもさぁ……本当はあいつ、マフィアのボスだったんだ。それがファイターになったときから、もうやりたい放題でさぁ。どうしてあんなのが国の代表になっちゃったんだろう!?」

ドモン「強いからだ……」

「ハッハッハ! その通りだ!!」

壁が罅割れる。

レイン「何!?」

ドモン「下がれ!」

ポローたち「うわああっ!!」

壁が砕け、手が突っ込んでくる。

上を見るとそこに立っていたのはネロスガンダムだった。

ドモン「が、ガンダム……」

ミケロ「ハッハッハ……散々俺の部下を可愛がってくれたそうじゃねぇか。ええ? ネオジャパンのファイターさんよぉ。こいつはお礼をしなくちゃ行けねぇよな、この足でよ!! でやああっ!!」

ミケロの右足の光をドモンが食い止める。

ドモン「てやああっ!!」

ミケロ「ほう。さすがはガンダムファイターに選ばれた男……」

ドモン「はぁあ……」

ミケロ「おっと!! こいつを見てもらおうか!!」

ガンダムの手にソフィアが捕らわれていた。

マルコ「ソフィア!!」

ミケロ「こいつを帰して欲しけりゃ、俺たちの味とに1人で故意。てめぇがガンダムなんざ連れてくるんじゃねぇぞ……ただしここから生きて出られればの話だがな。撃て! ネロスガンダム!!」

ネロスガンダムが銃撃を繰り出す。

ドモン「レイン!」

レイン「ええ……」

レインのコンパクトでバリアーがドモンたちを囲む。

ベルチーノ「何だ? この音は!」

ベルチーノはネロスガンダムを目にする。

ベルチーノ「や、やりやがったな……」

銃撃が収まる。

ドモン「行ったか!?」

レイン「大丈夫のようね……」

瓦礫からバリアーが這い出し、消える。

レイン「まさかファイトのスタート前にガンダムを動かすなんてね……」

ポローとマルコが悲しい表情になる。

レイン「ごめんなさいね。でも大丈夫よ……私がガンダムファイト委員会に掛け合ってみるわ」

ドモン「止めとけ。どうせ規定外のことだ、行っても無駄だろ!?」

マルコ「じゃあ、ソフィアは!?」

ドモン「関係ない……」

ポロー・マルコ「ええっ!?」

ドモン「俺はただ、奴と戦うだけだ」

「そうはいかんぞ!」

上を見るとベルチーノとメジナが銃を構えていた。

ベルチーノ「これ以上、貴様らに町を荒らさせはせんぞ! ガンダムファイター……フフフ。メジナ! こいつと女を見張ってろ!」

メジナ「はっ!」

ベルチーノ「人質を手に戻すのは、このワシの役目でな」

ミケロのアジト

ネロスガンダムの手にはソフィアが捕らわれていた。

アンドレ「あの男、本当に来ますかねぇ!?」

ミケロ「ああ……奴は必ず来る……」

一方、レインはスイッチを作動させる。

すると岩が砕け始める。

ベルチーノが銃をミケロに向ける。

マルコ「ねぇ、ソフィアを助けてくれるんじゃなかったの!?」

ベルチーノ「黙っていろ。いいか? あいつらがいなければこんなことにはならないんだ。そうだとも……ガンダムファイターなんざクズ同然だ。そのクズがいなくなれば……」」

アンドレ「来た! 来ましたぜボス!!」

ドモンが1人でアジトに向かっていた。

その途中、手の骨を鳴らす。

ベルチーノ「あ、あの野郎……」

アンドレ「止まれ! 止まれってんだよ!!」

ミケロ「貴様……アンドレ!!」

アンドレ「ヘイ!!」

アンドレが縄を切ろうとする。

ベルチーノ「ヘイ!!」

ベルチーノ「いかん!!」

ベルチーノが銃を発砲。

ミケロ「てやああっ!!」

ミケロのキックが銃弾を跳ね返す。

それが縄に当たり、ソフィアが落ちる。

ソフィア「ああっ!!」

マルコ「ソフィア!!」

ソフィア「ああ―――っ!!」

ドモンが見事ソフィアをキャッチ。

ミケロ「撃て!!」

部下たちが銃を乱射。

煙が晴れるとドモンは弾を全て素手で止めていた。

右手の甲には紋章が記される。

アンドレ「あ、あの紋章は……あいつがコロニー格闘技の覇者・キング・オブ・ハート・ドモン・カッシュ!!」

ミケロ「ううっ、マジかよ……」

アンドレ「ボ、ボス! 俺たちじゃかないっこありませんぜ!!」

ミケロ「ええい、うるせぇ!!」

ミケロがアンドレを落とす。

アンドレ「ああっ……」

ミケロ「立つぞ。ネロスガンダム!!」

一同「うわああっ!!」

ネロスガンダムが立ち上がる。

ドモン「おっさん!」

ドモンはソフィアをベルチーノに投げる。

マルコ「ソフィア!!」

ポロー「大丈夫か!?」

ネロスガンダムがドモンを追いかける。

ミケロ「今度こそ踏み潰してやる!」

ドモン「レイン、出せ……」

キャリアーが発進。

ドモン「出ろ! シャイニングガンダム!!」

ドモンが指を鳴らすとキャリアーが開く。その中にシャイニングガンダムが入っていた、

ミケロ「出やがったな……」

すでにコックピットに乗り込んだドモンはファイティングスーツを着用する。

ドモン「ううっ……うお―――っ!!」

アナウンス「モビルトレースシステム、セットアップ! 脳波、血圧、心拍数、呼吸、体温、代謝機能、オールグリーン!」

シャイニングガンダムがポーズを取る。

ドモン「うお―――っ! はあっ!!」

地球の周りにリングが張られる。

コンピューター「ガンダムファイト、ファイティングシグナル確認。これより第、13回大会、スタートします……」

ミケロ「こうなりゃガンダムファイトスタンバイ!」

ドモン「レディー……ゴー!!」

2体のガンダムが激突。

ベルチーノと子供たちは瓦礫の陰に隠れる。

ベルチーノ「奴らとうとう始めやがったか……」

シャイニングガンダムが飛び立つ。

ミケロ「逃がすか!!」

ネロスガンダムがバルカンを繰り出す。

ミケロ「食らえ!!」

ネロスガンダムがビームを発射。

シャイニングガンダムは発煙筒を落としてその場を去る。

ミケロ「ええい、隠れたか……ならばこの銀色の足でいぶり出してやるぜ!! はああっ……チェスト!!」

ネロスガンダムのキックが町を破壊。

ドモン「くうぅ……」

ミケロ「ハハハ……」

ネロスガンダムが町を破壊。

ベルチーノ「ええい、クズどもが……」

ソフィア「でも、あのお兄ちゃんが……助けてくれたよ!?」

ベルチーノ「いや、よく見ろ……宇宙のコロニーの全面戦争を避けるために、ファイトと称して……コロニー各国のガンダムを地球へ送り出し、戦わせる。そして、戦って……戦って……戦い抜いて……勝ち残ったガンダムの国が、一方的に宇宙の権利を握るんだと……ふざけやがってぇ……地球をゲーム版のようにしか考えてい・笋・蕕佑А帖弔世・覆 △海海忙弔辰刃・罎呂匹Δ覆赱」

ベルチーノがソフィアの頭を抑える。

ベルチーノ「俺がお前ぐらいの頃だ」

ベルチーノの幼少時代の記憶が甦る。

ベルチーノ「あの日……俺たちを残して買って宇宙に上がって言った奴ら……あの時よーくわかったよ。俺たちは見捨てられた、人間だってな。だがな……これ以上この地球を、俺たちの生まれた町を……バカにされてちゃまるかぁ!!」

ベルチーノが前に出るとネロスガンダムがビームを発射。

ベルチーノ「うおっ!!」

するとシャイニングガンダムの右腕がベルチーノの盾になる。

ベルチーノ「ああっ……」

ドモン「ああっ……」

シャイニングガンダムの頭部が開く。

ミケロ「な、何!?」

ドモン「貴様が銀色の足ならば……俺は黄金の指!!」

シャイニングガンダムがまっすぐネロスガンダムに突き進む。

ドモン「必殺……シャイニングフィンガー!!」

シャイニングガンダムがネロスガンダムの頭部を押さえる。

ミケロ「うわああっ……」

ドモン「ガンダムファイト・国際条約第1条……頭部を破壊されたものは、失格となる!!」

ミケロ「うおおおっ!!」

ドモン「まだだ……お前に聞きたいことがある」

ネロスガンダムのコックピットがショートし始める。

ミケロ「な、何だこりゃ!?」

ドモン「この男、知っているか!?」
 
ドモンが見せたのは男の写真だった。

ミケロ「し、知らねぇよ……知らねぇ、知らねぇ、そんな奴は知らねぇよ……」

ドモン「そうか。ガンダムファイト国際条約第2条……」

ミケロ「こ、コックピットは……狙っちゃまずい……」

ネロスガンダムの頭部が爆発。

ドモン「命を拾ったな。ミケロ・チャリオット……」

その後ミケロは逮捕された。

マルコ「あーあ。ミケロもファイター失格になったら、ただの人か」

ソフィア「あっ……お兄ちゃん……」

ソフィアが目にしたのはドモンだった。

ソフィア「あれ? 一緒に行かないの!?」

レイン「私は……ガンダムの修理もあるし、大丈夫。あのひとの行き先は1つ……地球の上よ」

「ガンダムファイター・ドモン・カッシュ!!」

ドモンは投げられた箱をキャッチ。

それを投げたのはベルチーノだった。

ベルチーノ「約束したピザだ」

ドモン「フッ……」

ベルチーノ(ガンダムファイトの夜明けか。、また嫌な1年が始まりやがった……)
 

(続く)
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