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ゲッターロボG(ジー)の第1話


夜の東京。何台ものトラックが、謎の男たちのバイクに先導されて街中を行く。


恐竜帝国は 武蔵の壮絶な体当たり作戦によって跡形もなく壊滅した
しかし それから1か月も経たないある夜
東京の街に どこからともなく出現した 不気味なトラック部隊があった


甦れゲッターロボ !!


その頃 早乙女研究所では


早乙女博士や竜馬たちの前で、火葬されているゲッターロボ。
その前には武蔵の遺影と、花が供えられている。

早乙女「武蔵くん。長い間、よく戦ってくれた…… ゲッターロボと共に、安らかに永眠してくれたまえ」
隼人「武蔵。できることなら、お前の代わりに俺があの世へ行きたかったぜ……」
竜馬「恐竜帝国は滅んだよ。しかし、第2の恐竜帝国が再び出現しないとは、言いきれないんだ。この世に平和が来るその日まで、武蔵。いつまでも、俺たちを見守っていてくれ……」
ミチル「武蔵くん。ゲッターロボは今、あなたと同じように立派に平和の戦士の任務を果たして、燃え尽きようとしているわ…… でもね、武蔵くん。たった今、新しいゲッターロボが完成したのよ!」


早乙女研究所の格納庫。
完成した新ゲッターロボの前で一同が目を見張る。ミチルの弟・元気は、武蔵の遺影にその雄姿を見せている。

早乙女「武蔵くん。これが、様々な改良を加えてパワーアップした、新しいゲッターロボじゃよ!」
元気「体だって一回り大きくなって、身長は50メートルもあるんだよ!」
早乙女「ゲッターロボが新しくなっただけじゃない! 研究所も様々な改良を加えて、一新したのだ。そして、さらに念願だったゲッター線増幅炉が、ついに完成したんじゃよ。昼夜の別なく宇宙から降り注ぐゲッター線を収集し、これを10倍にパワーアップされたエネルギーに換えて、新しいゲッターロボを動かすんだ!」


一方であの謎のトラック部隊は、とあるビル工事現場へと次々に入って行く。

「フフフ、格好のビルだぜ」

トラックを先導していた謎の男たちがほくそ笑んでいるところへ、ビルの作業員たちが出てくる。

作業員「どうしたんだ!? こんな夜ふけに、資材運送の予定はなかったはずだが?」
謎の男「ハハハ、その予定が変わったのさ」
作業員「なんだって? そんな連絡は受けてないぞ」

落雷。雷の光に照らされた謎の男の額に、1本の角がある。

作業員「わ、わぁっ! 鬼だ!」「わぁぁ──っっ!」

角からの光線を浴び、作業員たちは煙と化して消えてしまう。

謎の男「よし、作業開始だ!」


早乙女研究所では、新ゲッターロボが3機のマシンに分離されている。

早乙女「これが新しいゲッターロボの、3台の戦闘マシンだ。それぞれポセイドン号、ライガー号、そしてドラゴン号と呼ぶことにする」
元気「うわぁ、カッコいい!」
早乙女「3台のマシンの分担だが、リョウくんにはドラゴン号、隼人くんにはライガー号に乗ってもらうことにする」
元気「ポセイドン号には誰が乗るの?」
早乙女「問題はそれなんだが…… 誰か、適任者はおらんか?」


翌日。
元気は原っぱで、ラジコン飛行機を飛ばしている。

元気「それ行けぇ〜! 調子いいぞ!」

近くの小道を、浅間学園の剣道部員たちがランニングしている。
反対側からは、柔道部員たちがランニングして来て、鉢合せしてしまう。

「よう、剣道部! 精が出るな!」
「おぅ! 柔道部も県大会に備えてトレーニングか」
「そんなところだ! ところでここは、見ての通りの細道だ。道をあけてもらおうか」
「そらぁ、こっちの言うセリフだ!」
「なんだと!?」
「剣道部の意地に賭けても、道をあけてもらうぞ!」
「面白ぇ! 通れるものなら、通ってみたらどうだ!?」
「ほざいたな!?」

「おぉい! ちょっと、ちょっと!」

いがみ合う部員たちの間に、新キャラクターである車 弁慶が、おにぎりを抱えつつ割って入る。

弁慶「いやぁ、もう少し静かに話し合ってもらえないかなぁ? せっかくの昼飯がマズくなるよ」
剣道部長「誰だ、貴様は!?」
弁慶「え、俺か? 俺は今度、浅野学園に転校して来た、野球部の車 弁慶ってんだ。よろしくな」
柔道部長「弁慶だか牛若丸だか知らねぇがな、脇から余計な口出しをしてもらいたくねぇんだよ!」
弁慶「あのな、あんまりカッカしないほうがいいよ。怒るのは健康に良くないからな」
一同「何だと!?」「野球部なんぞ、出る幕じゃねぇんだ! 引っ込んでろ!」
弁慶「つまんないことでケンカなんかしちゃ、いけないよ〜。みんな仲良く、平和にやっていかなきゃ」
一同「貴様ぁ、我々剣道部をからかうつもりか!?」「これ以上ゴタクを並べると、貴様から先に叩きのめしてやるぞ!」
弁慶「そう、それそれ。そういう態度が良くないんだよ」
柔道部長「貴様ぁ! 言わしておけば、いい気になりやがって! このぉ!」

柔道部長が飛びかかるが、弁慶はジャンプでかわし、柔道部長は勢い余って転倒。

弁慶「暴力は、いけないなぁ」
柔道部長「くそぉ!」
剣道部長「どけ! 叩きのめしてやる。おらぁ!」

続いて剣道部長が飛びかかるが、やはり弁慶は身軽にかわし、剣道部長も転倒。

弁慶「いやぁ、悪ぃ悪ぃ」
一同「貴様ぁ!」「かまうことはねぇ! みんなで叩きのめしてしまえ!」「おぉ──っ!」

左右から部員たちが一斉に突撃するが、弁慶は両の手でガッチリと食い止める。

弁慶「暴力はいけないって」

衝撃で、部員たち一同が一斉にひっくりかえる。

弁慶「あれ、どうしたんだ? こんなところで寝たら、カゼひくよ?」
一同「こんなヤツの相手をしてたら、体がいくつあっても、もたねぇよ」「みんな、引き返すんだ!」
弁慶「いやぁ、悪ぃ悪ぃ〜!」

一同が退散してゆく。その様子を目の当たりにしていた元気。

元気「すっごいや! いっぺんに12人もKO!? ……あ!」

弁慶の活躍に気を取られ、ラジコン飛行機が制御を失い、弁慶目がけて飛んでゆく。

元気「お兄ちゃ〜ん! 危ないよぉ──っ!」

反射的に、弁慶が飛行機を叩き落とす。飛行機は翼が折れて地面に落ちる。

元気「あぁ〜っ!?」
弁慶「いやぁ、悪ぃ悪ぃ。軽く払いのけたつもりなんだがなぁ」
元気「すっごいバカ力……! まるで弁慶みたい!」


早乙女研究所の竜馬たちのもとに、弁慶が招かれている。

竜馬「剣道部と柔道部の猛者連中をいっぺんに12人、KOとは…… すごい腕力だな」
ミチル「それに、こんな大きな飛行機を手で殴り壊すなんて」

弁慶はケーキをパクついている。

弁慶「いやぁ、まったく悪いことしちゃったなぁ」
元気「弁慶さん、食べてばっかりいないで、早くしてよぉ。飛行機、直してくれる約束だろ?」
弁慶「悪ぃ悪ぃ。すぐ直してやるからな。こう見えたって俺、手先起用なんだぜ」

早乙女博士からの通信。

早乙女「リョウくん、隼人くん。戦闘服に着替えて、所長室に来てくれたまえ。それからミチルは、レディコマンドの訓練飛行を始めてくれ」
竜馬「わかりました」
元気「訓練飛行か。僕も行ってみよっと! 弁慶さん、直しといてね」
弁慶「うん、男の約束だ。必ず直しといてやるよ」
元気「頼んだよ!」

新戦闘機のレディコマンドに乗り込むミチル。元気もやって来る。

元気「お姉ちゃん、僕も一緒に乗せてよ」
ミチル「何言ってるのよ。これは子供のオモチャじゃないのよ」
元気「いいじゃんか。今日はただの訓練飛行なんだろ?」

竜馬と隼人を連れる早乙女博士のもとに、ミチルから通信。

ミチル「お父様!」
早乙女「どうした、ミチル?」
ミチル「元気がレディコマンドに乗りたいって、きかないのよ。困っちゃうわ」
元気「お父さん、邪魔しないからさぁ」
早乙女「うむ…… まぁ、いいだろう。恐竜帝国のメカザウルスも襲ってくる心配はないし、ミチル、今日のところは大目に見てやりなさい」
ミチル「わかりました、もう。それじゃお父様、これから冨士方面へ訓練飛行に向かいます」
早乙女「さぁ、君たちも訓練開始だ」

ミチル「元気、じゃ、発進するわよ」
元気「OK! レディコマンド、発進!」
ミチル「それは私が言うセリフ! レディコマンド、発進!」


竜馬と隼人は、新ゲットマシンの操縦訓練を始めている。
シミュレーターが、2人の乗った操縦席を超高速で振り回す。

早乙女「リョウくん、隼人くん、乗り心地はどうだ?」
隼人「思った以上に、応えますよ」
竜馬「パワーアップしただけのことはありますね」
早乙女「ハハハ。さすがの君たちも、根を上げたな」

そこへ、弁慶が顔を出す。

弁慶「元気くん、いませんか?」
早乙女「君が噂の弁慶くんか? 元気は、表へ出かけたが」
弁慶「困ったなぁ、ネジ回しがないと…… おぉ? おもしろそうな乗り物ですね」
早乙女「訓練用のシミュレーターだ。もうそうそろ、いいだろう。スイッチを切りたまえ」
所員「了解」

シミュレーターから降りてくる竜馬と隼人。

竜馬「は、博士…… いささか、グロッキーですよ」
早乙女「1日も早く、新しいゲットマシンに体を慣らしてくれたまえよ」
弁慶「博士、俺にも乗せてくださいよ!」
隼人「弁慶さんよ、冗談はよしなよ。ド素人じゃ、10秒と経たないうちに目を回すぜ」
弁慶「遊園地のムーンロケットみたいなもんだろ?」
隼人「ムーンロケットだと!?」

弁慶がシミュレーターに乗り込む。

竜馬「博士、ヤツは本気で乗る気ですよ?」
早乙女「……まぁ、ものは試しだ。乗せてみよう」
弁慶「発射オーライ!」
早乙女「よし、スイッチを入れたまえ」
所員「了解。シミュレーター、スイッチ・オン」

シミュレーターが作動し、弁慶の乗った操縦席が高速で動き出す。

隼人「見てな。やっこさん、そろそろ目を回すぜ」
弁慶「いやぁ、グルグル回るだけで、意外と迫力ないなぁ」
所員「早乙女博士、早乙女博士!」
早乙女「どうした?」
所員「レーダーが怪電波をキャッチしました。発信地は、この研究所です。どうも、何者かが特殊電波で送信している様子です」
早乙女「よし、わかった!」

屋上に1人の所員がいる。

所員「一角鬼様、ゲッター線増幅装置を奪い取るには、絶好のチャンスです。ゲットマシンの3人目の搭乗員がまだ決まっていません。レディコマンドは訓練飛行中です──」

そこへ顔を出す、早乙女博士、竜馬、隼人。

早乙女「そこで一体、何をしているんだ? 君は確か、2週間前に研究所にやって来た、稲葉くんじゃないか?」

その所員が振り向くと、その額に1本の角がある。

早乙女「おぉっ!?」

逃げ出す謎の所員を、他の所員たちが包囲する。

謎の声『スパイ12号、お前の役目はそこまでだ。捕まる前に自爆するのだ』

屋上から飛び降りる、その所員。

「百鬼帝国、バンザーイ!」

空中で謎の所員が、自爆を遂げる。

早乙女「百鬼帝国……!? 恐竜帝国にかわって、新たな敵が出現したようだ」
竜馬「新たな敵……?」
隼人「百鬼帝国……」
早乙女「いつ、どこから攻めて来るのかわからんが、日本、いや、少なくともこの早乙女研究所が、百鬼帝国と名乗る正体不明の組織によって、狙われていることは確かだ。とにかく、戦闘態勢を整える必要がある!」
竜馬「となると、一刻も早くポセイドン号の搭乗員を捜しださないことには」
早乙女「その点だが、わしは先ほどから弁慶くんに目をつけておったんだが」
隼人「……べ、弁慶!?」
竜馬「あぁっ!?」
早乙女「いかん!!」

一同が、作動しっぱなしのシミュレーターのもとへ駆けつける。

早乙女「弁慶くん!? は、早くスイッチを切りたまえ!」
所員「はい!」

シミュレーターが停止。一同が、座席でぐったりしている弁慶のもとへ走り寄る。

早乙女「弁慶くん!」
隼人「ま、まさか死んでいるんじゃ!?」
竜馬「弁慶、おい! 弁慶、おい、しっかりしろ!」
弁慶「……あぁ? どうしたの? ふわぁ〜あぁ、よく寝たなぁ。あのぉ、腹減ったんで、なんか食べるものありませんか」
早乙女「うむ…… やはり、わしの目に狂いはなかったようだ」

過酷なシミュレーターで呑気に寝ていた弁慶は、何杯ものカツ丼を平らげる。

弁慶「うまいなぁ、このカツ丼。ご馳走様!」
早乙女「どうかね、弁慶くん。ゲットマシンに乗って、平和のために戦ってもらえんかな? わしは君のタフさと、物怖じしない豪胆さを買っとるんだがね」
弁慶「悪ぃんだけどね。俺、ケンカは好きじゃないんだ」
竜馬「弁慶。僕たちの戦いは、ケンカなんかじゃないんだ。平和を守るための、やむを得ない防衛手段なんだ」
弁慶「どっちにしろ、今はそれどころじゃないんだよ。この飛行機を直さなきゃ、男の約束を破ることになるからなぁ」
早乙女「うむ…… まぁ、残念だが無理強いはできん」


謎の集団の入っていたビル工事現場。

「メカ一角鬼、出撃!」

ビルを突き破り、巨大ロボ・メカ一角鬼が出現する。
メカ一角鬼が街中で暴れ回り、ビル群が砕け、人々が逃げ惑う。

中で操縦しているのは百鬼帝国の兵士、一角鬼。

一角鬼「フフフ、メカ一角鬼の組み立ては完璧だぞ!」


その知らせは、早乙女研究所にも届く。

所員「博士!」
早乙女「伊藤くん、ロボットはどの方向に向かって進んどるかね!?」
所員「一直線に、浅間高原を目指して進んで来ます」
早乙女「間違いない…… 百鬼帝国だ!」
竜馬「博士。一刻も早く、ゲットマシンを出撃させないことには!」
早乙女「うむ……」

レディコマンドのミチルから通信が入る。

ミチル「お父様。今、ラジオのニュースを聞いたわ! 私に任せて」
早乙女「相手は相当な強者だ。おそらく、レディコマンドでは勝ち目があるまい」
ミチル「ゲッターロボがダメなら、コマンドで戦う以外ないわ」
早乙女「ミチル、無茶はいかん!」
ミチル「戦わせて、お父様!」

早乙女博士の制止をふりきり、レディコマンドが飛び立つ。

竜馬「ミチルさん!」
早乙女「ミチル……」

元気「お姉ちゃん、レディコマンドで勝てるの?」
ミチル「どんなときでも、諦めたらおしまいよ。戦うのよ。力の限り」


その頃国防軍も、決死の追撃を開始していた


国防軍の戦闘機群がメカ一角鬼に攻撃を挑むが、一向に通用しない。
そこへ、ミチルのレディコマンドが飛来する。

一角鬼「やって来たな、レディコマンド。飛んで火にいる夏の虫とは、貴様たちのことだ」
ミチル「元気、行くわよ。コマンドミサイル!」

ミサイル攻撃が放たれるが、メカ一角鬼には通用しない。
敵の攻撃をかいくぐりつつ、再び放ったミサイルが命中。メカ一角鬼が倒れる。

元気「やったぁ、お姉ちゃん! とどめだよ!」

しかし、メカ一角鬼がすぐさま起き上がる。

ミチル「あぁっ!?」

メカ一角鬼のパンチが命中。
バランスを失ったレディコマンドが崖に激突し、元気の座席が宙に放り出される。

元気「わぁっ!? お姉ちゃぁん!」

パラシュートで降下してゆく元気に、メカ一角鬼が迫る。

元気「わぁっ!? 助けてぇ──っ!」

そのまま元気が、メカ一角鬼につかまってしまう。

早乙女「元気、元気!?」
竜馬「博士、こうなったら、我々だけでも戦います!」
隼人「リョウ、急ぐんだ!」
早乙女「リョウくん、隼人くん! ポセイドンには、わしが乗ろう」
竜馬「しかし、博士!?」
早乙女「急ぐんだ!」
竜馬「……はい!」

竜馬、隼人、早乙女博士の3人が、格納庫へと走る。
すると弁慶が、修理の終わったラジコン飛行機を抱え、一同を追い抜いて行く。

弁慶「おい、もっと早く走れないのかなぁ。元気くんが危ないんだろう!? いいか、チビにもしものことがあったら、男の約束が守れないんだ。急げぇっ!」
竜馬「弁慶……!」
早乙女「弁慶くん……!」

弁慶を含めた3人が、新ゲットマシンへ乗り込む。バーニアから炎が吹き出す。

早乙女「その調子だ。弁慶くん、次は発進だ。発進レバーは右端にある。ゲットマシン、出動!」
竜馬「よし、行くぞ! ドラゴン、発進!」
隼人「ライガー、発進!」
弁慶「ポセイドン号、発射!」
竜馬「うっ、凄いスピードだ!」
隼人「10倍にパワーアップされただけのことはあるぜ!」

竜馬と隼人が苦戦している中、弁慶はのんきに操縦席でおにぎりを食べている。
3機のゲットマシンが研究所を飛び立つ。

早乙女「よし、いいぞ! いいかな? いよいよこれからが合体だ。合体の成否はすべて、君にかかっておる。しっかり頼むぞ、弁慶くん」
弁慶「はぁ、合体って何ですか?」
竜馬「来たぞ、百鬼ロボットだ! 隼人、弁慶、ゲッタードラゴンに合体するぞ!」
隼人「よぉし。リョウ、任せるぜ!」
竜馬「チェーンジ・ドラゴン・スイッチ・オン!」

竜馬のドラゴン号と隼人のライガー号が合体体制に入るが、ライガーは合体に失敗し、ドラゴンに衝突してしまう。

竜馬「隼人、どうした!?」
隼人「マシンのパワーが違いすぎて、操縦の勘が掴めん! リョウ、ワンモア! ──よし、今だ!」

2度目の合体が成功し、ゲッターロボの上半身が完成する。

早乙女「よし、次はポセイドンだ。ん? 弁慶くんは何をしておる?」
弁慶「元気くん。約束通り、飛行機を直してやったぞ! がんばるんだ! 今、助けてやるからな!」

ポセイドン号が単身、敵に飛びかかる。攻撃をかいくぐる内に、ラジコン飛行機が操縦席からこぼれ落ちる。

弁慶「大変だ!」

弁慶が必死にラジコンを操作し、地面に落下しようとしていた飛行機が宙を舞う。

弁慶「危ないところだったなぁ…… わぁっ!? なんだい、こりゃあ!?」

目の前に、ゲッターロボの上半身が迫っている。

竜馬「弁慶、その調子だ!」
弁慶「わぁ〜っ!?」

偶然にもポセイドン号がそのまま合体。ゲッタードラゴンが完成する。

早乙女「やったぞ……!」
一角鬼「現れたな、ゲッターロボ」
竜馬「百鬼ロボット! ここから先は一歩も、研究所へ近づけんぞ!」

メカ一角鬼の先制攻撃。

竜馬「マッハウイング!」「トマホークブーメラン!」

ゲッタードラゴンが翼で宙を舞いつつ攻撃を繰り出すが、通じない。

竜馬「ゲッタービ──ム!!」

ゲッタードラゴンのビームと、メカ一角鬼のビームが空中で衝突。
続けざまに放たれたメカ一角鬼のパンチが、ゲッタードラゴンを吹き飛ばす。

竜馬「おわぁっ!?」
早乙女「リョウくん、リョウくん!?」

倒れたゲッタードラゴンの中で、気を失ってしまった竜馬。メカ一角鬼が高らかに勝ち誇る……


(続く)
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