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ゲッターロボの第1話


ゲッター
   ロボ


てき!
 ゲッターロボ発進はっしん


浅間学園。

主人公・流竜馬らがサッカー部の練習に勤しんでいる。
コーチの早乙女達人、妹の早乙女ミチル、弟でまだ小学生の早乙女元気が見守っている。

竜馬「行くぞ!」

練習に汗を流す竜馬たちの調子を狂わすように、哀愁漂うメロディーが聞こえてくる。
グランド脇で背を向けてハーモニカを吹く、神 隼人。

竜馬が隼人目掛けてボールを蹴りつける。

達人「こらっ! ゴールはあっちだぞ!」
ミチル「危ない!」

ところが隼人は身軽に宙返りし、背後から来たボールをキック。
そのままボールはゴールに突き刺さり、しかもネットを突き破ってしまう。

元気「すげぇ……」
竜馬「あれが神隼人です」
達人「あれが?」
竜馬「いくら勧誘しても、OKしてくれません」
ミチル「スポーツが嫌いなんですって。変わってんのよ、隼人君は」
達人「あのキック力だけでも、超高校級だがな」

そのとき、柔道部の部員たちがランニングから帰って来る。先導するのは主将、巴 武蔵。

武蔵「ファイト、ファイト、ファイト! ……おぉい、隼人ぉ!」

1人で寮へ戻っていく隼人の後姿を武蔵が見つけ、目の前に回りこむ。

武蔵「どうだ。新学期を機会に、50年の伝統を誇る我が柔道部に入らんか? お前が大外狩りを身につけたらまさに無敵だぞ!」

隼人は無言で、武蔵をどけて立ち去る。

武蔵「隼人ぉ!?」

呆気に取られる武蔵が、慌てて再び隼人の目の前に回りこみ、土下座する。

武蔵「頼む! お前さえ入部してくれたら、我が浅間学園は、全国優勝を狙えるんだ! な、頼む! 入部してくれ!」
隼人「全国優勝だって? へへっ、有象無象を揃えて何が全国優勝だ」
部員「そ、それは俺たちのことか!?」
隼人「他に誰がいる?」
部員たち「この野郎!」

部員たちが隼人に襲い掛かるが、隼人は彼らを次々に、難なく投げ飛ばす。
そこへ竜馬たちも駆けつけてくる。

竜馬「待てぇ!」
達人「やめんか!」

竜馬と達人が柔道部員らを取り押さえる。

竜馬「やめろ!」
達人「喧嘩はいかん!」
武蔵「竜馬、余計な口出しはするな! こいつは柔道部を侮辱したんだ!」
ミチル「でも相手はたった1人じゃないの?」
武蔵「……で、ございますから、おいらが相手してるんです。この巴武蔵の、北海道は大雪山で編み出した必殺技、その名も大雪山殺しよぉっ!!」

武蔵が隼人を持ち上げて振り回し、力任せに放り投げる。
しかし隼人は軽々と身をかわし、プールの飛び込み台に着地、さらに地面に飛び降りる。

地面に落ちている十字架のペンダント。武蔵の技を食らったとき、隼人の胸元から落ちたのだ。
ミチルがハンカチでそれを大事そうに拾い、隼人に差し出す。

ミチル「隼人くん、これ」

隼人はそれをひったくるように受け取り、無言で立ち去る。

ミチル「拾ってもらってお礼も言わないなんて、随分失礼な人ね。大っ嫌い!」
武蔵「信じられん……おいらの必殺技を軽くいなすなんて信じられん」

達人の時計のアラームが鳴る。

達人「ミチル、帰るぞ。ゲッターロボの合体訓練だ」
ミチル「はい。竜くんも来ない? みんなかなり上達したわよ」
竜馬「あぁ、あとで行くよ。じゃあ」

竜馬はサッカーグランドへ戻る。

達人「じゃ、行こうか」
ミチル「えぇ」

早乙女兄弟3人が学園を去る。
突然、武蔵が大泣きを始める。

武蔵「うぅっ、うわぁぁ〜ん!!」
部員「キャプテン、どうして泣くんですか?」
武蔵「だって、浅間学園のモナリザ・早乙女ミチルちゃんは、竜の奴だけ口をかけて、このおいらを誘ってくれないんだもん。わ〜ん、嫌だ、ひどいひど〜い!」


一方、ここは地底深くに築かれた恐竜帝国。
恐竜の生き残りが人間並みの知能を備え、帝国を築き上げ、ゴールという名の帝王が君臨している。

ゴール「何? メカザウルス・バド、ザイ、ズーが完成したというのか」
部下「はい」
ゴール「よし、すぐ行く」


1億4千年ほど昔
この地球上は 恐竜たちの天下であった

それから 彼らは絶滅したと思われていたが
その一部は 地底深く逃れ
地底エネルギーを利用した
高度な科学力を持つ恐竜帝国を築いていた

そして今 再び
地球侵略を開始しようとしていた


ゴール「ふむ、見事な出来栄え。これなら人間どもを蹴散らすことができるかもしれん……よぉし、早速出動させよ。恐竜帝国の強大さを人間どもに見せてやるのだ。行けぃ!!」

ゴールの指示のもと、改造恐竜・メカザウルス3体が出動。


海を行く船の前にメカザウルスが海中から出現。
目から放つビームを受け、船が爆発炎上。

迎撃の為に出撃した戦闘機編隊も、別のメカザウルスの攻撃でたちまち一掃される。

ゴール「ハハハ! 無敵だ! これで地球は俺のものになったも同然だ!」
部下「おっ? 帝王ゴール様、ゲッター線測定器に異常反応があります」
ゴール「心配無用。ゲッター線に耐えるためにメカザウルスに改造してあるのだ」
部下「それが、普段より多量なんです。日本のどこかで、収集している場所があるに違いありません」
ゴール「ふむ、ひとまず全員、収集作戦に戻れ」
部下「了解」
ゴール「ゲッター線を利用している奴がいる。すぐ調査しろ!」
部下「わかりました」
ゴール「ザイ、ズー、バドが戻ったら、念のためゲッター線防御装置を強化するのだ」
部下「承知致しました」
ゴール「再びゲッター線に邪魔されてたまるか!」


その頃、竜馬は愛車のサイドカーを飛ばして早乙女研究所へと向かっていた。

研究所からミチルの乗る小型機、コマンドマシンが飛び立つ。

竜馬「おぉい、ミチルさ──ん!」

続いて研究所からゲッターロボとなるゲットマシン3機が飛び立つ。
イーグル号、ジャガー号、ベアー号。まだ試作機なので機体は着色されておらず、どれも白一色だ。

研究所の司令室にやって来る竜馬。早乙女兄弟の父、早乙女博士がいる。

竜馬「早乙女博士、合体訓練を見学させて下さい」
博士「いいとも。さぁ、こっちへ来なさい」
竜馬「博士……また忘れましたね」

早乙女博士の服装は、上半身はYシャツと白衣であるものの、下半身はステテコと下駄といういでたちだ。

博士「ん? おぉ、いやぁさっきミチルにも言われたが、どうも歳を取ると忘れっぽくなっていかんな、こりゃあ……ハハハ!」
所員「早乙女博士。大北水力発電所が、恐竜に襲われて破壊されたそうです」
博士「何だって!?」
所員「太平洋では、タンカー船が沈没。小笠原上空では、訓練中のジェット機が怪鳥に襲われて墜落しています」
竜馬「恐竜だの怪鳥だのって……実際にいるんでしょうか?」
博士「いや、まったくだ。宇宙に飛び出そうという時代にな」

無線機からミチルの声。

ミチル「こちらコマンドマシン。ただ今、東南東の風2.0m。気温15℃。合体訓練に上々のコンディションです」
博士「よし、ではこれから合体訓練を行なう。まずゲッター1!」
ミチル「ゲッター1、合体訓練開始して下さい」

イーグル号を操縦しているのは早乙女達人。

達人「ゲッター1、合体訓練開始します!」

合体訓練開始と共に、ベアー号がジャガー号に合体。
ベアー号から脚が、ジャガー号から腕が伸びる。

達人「チェンジ・ゲッター1・スイッチオン!」

ジャガー号の先端にイーグル号が合体、頭部と胸部に変形し、ロボット形態・ゲッター1が完成する。


恐竜帝国。

ゴール「何、ゲッター線を利用したロボットだと?」
部下「はっ! ゲッター線エネルギー開発に成功したものと思われます」
ゴール「小癪な真似をしよる……メカザウルス・サキを出動させ、あのロボットを叩き潰すのだ!」
部下「はっ!」


早乙女研究所。

ミチル「達人兄さん、引き続きゲッター2、3の連続合戦に行くわよ」
達人「了解! これよりゲッター2、ゲッター3の連続合体訓練に移る」

ゲッター1が再び3機に分離。

ジャガー号パイロット「チェンジ・ゲッター2!」

今度はジャガー号、ベアー号、イーグル号の順に合体。
地上用ロボット・ゲッター2が完成。左腕の巨大ドリルを地面に突き刺し、地中を潜行してゆく。
やがて湖の中へと到達する。

ベアー号パイロット「チェンジ・ゲッター3!」

再び3機に分離、今度はベアー号、イーグル号、ジャガー号の順に合体。
下半身がキャタピラとなった水中用ロボット・ゲッター3が完成。
そのキャタピラで湖底を走り進み、豪腕で巨岩を持ち上げ、水上まで投げ上げてみせる。

竜馬「信じられん……組み合わせ方によって、それぞれ性能の違うロボットになるなんて」
達人「ゲッターの2、3とも、極めて快調です」
ミチル「お父様、これでゲッター計画も完璧ですね。もういつでも宇宙へ飛び出せるわ」
博士「あぁ」
竜馬「地球に残り少なくなった資源を、宇宙に求める……何て素晴しい計画なんだろう」

そこへ元気が飛び込んでくる。

元気「大変だよぉ! 恐竜が水力発電所を壊したんだってさぁ!」
竜馬「知ってるよ」
元気「それなのに何ぼんやりしてるんだい? お父さん、本物のゲッターロボを出動させてよ」
博士「むっ!? ……馬鹿を言っちゃいけないよ。ゲッターロボは宇宙開発の為に造ったんだ。怪獣をやっつけるために造ったんじゃない」
元気「ちぇっ、つまんないの。ゲッターロボがどんなに強いか楽しみにしてたのになぁ」
ミチル「きゃあっ!」

突如、大地を割ってメカザウルス・サキが出現。
湖から地上へ上がったところのゲッター3を叩きのめす。

博士「ミチル、すぐ基地に戻りなさい。達人、練習用ゲッターは武器を装備していない。ゲッター1にチェンジして空へ逃げるんだ!」
達人「そうします。チェンジ・ゲッター1!」

ゲッター3が3機に分離。ジャガー号とベアー号が合体。
さらにイーグル号が合体しようとした瞬間、メカザウルスが光線を浴びせて合体を妨害する。

達人たち「おわぁっ!?」

ジャガー号、ベアー号が爆発。

博士「た、達人!?」
竜馬「コーチ!?」
元気「達人兄ちゃん!?」

そして皆が目を見張る中、イーグル号も墜落し、大爆発──


司令室が静寂に包まれる。
モニターに映るのは、もうもうと上がる黒煙のみ……

博士「た、達人……」
竜馬「コーチ……」
元気「兄ちゃぁん!」

そこへミチルが駆け込んでくる。

ミチル「達人兄さんたちは、脱出したの!?」

しかしミチルは、司令室の雰囲気で一瞬にして状況を理解する。

ミチル「兄さん……あぁ……」

気を失いそうになるミチルを、竜馬が支える。

竜馬「しっかりするんだ!」
ミチル「……大丈夫よ」
博士「口の中に熱線発射装置を準備しとるように見えたが」
ミチル「全身、鋼鉄製のようでした」
竜馬「とすると……メカ恐竜?」

突如、モニターに恐竜帝国の帝王ゴールの姿が映る。

ゴール「その通りだ」
博士「お前は誰だ!?」
ゴール「恐竜帝国の帝王ゴールだ」
博士「この地球のどこかに、科学力を持った恐竜帝国があるというのか?」
ゴール「間もなく人類は滅び、地球上は再び爬虫類の天下となるのだ。命令する。ただちにゲッター計画を中止せよ。よいな!?」
博士「……」
ゴール「わかったな、すぐに中止するのだ」

博士が机上に拳を叩きつける。

博士「断る!」
ゴール「何ぃっ!?」
博士「ゲッター計画は私が30年間費やして造り上げたものだ。簡単にやめるわけにはいかん!」
ゴール「しからば破壊するまでだ。メカザウルス・サキよ、早乙女研究所を襲え!」

メカザウルスが研究所目指して闊歩を始める。

竜馬「こ、こっちへやって来るぞ!」
所員「博士、どうします? あと4時間もすれば奴はここに!」
ミチル「私が何とかやってみるわ」
竜馬「ミチルさん!?」

司令室を駆け出したミチルが単身、コマンドマシンで飛び立つ。

ミチル「いた! よぉし……」

研究所を目指すメカザウルスが炎を吐くが、ミチルは必死にそれをかわす。

竜馬「危ない……このままではコーチの二の舞だ」
博士「ミチル、無茶はやめなさい!」
ミチル「だって、研究所が襲われたらお父様のゲッター計画も水の泡だわ!」
博士「ミチル、私の計画などどうなってもいい! 戻っておくれ! 頼む、ミチル!」
元気「お父さん、今こそ本物のゲッターロボを出すべきだよ」
竜馬「本物のゲッターロボ? ……何ですか、その本物のゲッターロボとは?」
博士「……竜くん、私は宇宙開発のみにゲッターロボを使いたかった。しかし、こうなっては兵器を備えたゲッターロボを……」
竜馬「兵器を備えた……?」
博士「そう。戦闘用のゲッターロボだ。しかし搭乗員がみんな殺されてしまった今となっては……」
元気「3人いなければ駄目なんだなぁ」

ミチルのコマンドマシンは、いまにもメカザウルスに撃墜されそうである。

博士「危ない、ミチル!」
竜馬「3人いればいいんですね!?」

司令室を駆け出す竜馬。

博士「竜くん、どこへ行く!?」
竜馬「心当たりがあるんです!」


竜馬がサイドカーで研究所を後にする。

竜馬 (ミチルさん、もうすぐ助けに行く……頑張ってくれ)


浅間学園柔道部。

武蔵たちが柔道の稽古に励んでいる所へ、竜馬が飛び込んで来る。

竜馬「武蔵ぃ!!」
武蔵「おぉ!?」
竜馬「武蔵、力を貸してくれ。ミチルさんが危ないんだ!」
武蔵「何、ミチルさんが!?」


浅間学園寮。

隼人が窓際でハーモニカを奏でているところへ、竜馬が乗り込んでいる。

竜馬「なぁ。隼人、頼むよ。僕たち3人でゲッターロボに乗ろうじゃないか!」

隼人の返事は無言。

竜馬「そうか、人の命に関わる時でも、お前はそうやって平気でいられるのか。わかったよ! もう頼まないよ! 隼人の馬鹿野郎!」

竜馬が寮を飛び出すと、サイドカーの側車には武蔵が乗り込んでいる。
剣道の胴にドカヘル、背には日本刀とマントといういでたちだ。

武蔵「おい竜! あんな奴、相手にすんな! 早くミチルさんを助けに行こうぜ」
竜馬「よし」


隼人が十字架のペンダントを見つめる。その中に仕込まれた、亡き母の写真。
その写真に、ミチルの面影が重なる。

(竜馬『ミチルさんがピンチなんだ。助けなきゃ、殺されてしまう』)


竜馬がサイドカーで研究所を目指す。
突如、目の前に颯爽と躍り出る1台のバイク。乗っているのは隼人だ。

竜馬「隼人、一緒にやってくれるのか!?」
武蔵「何だ、おめぇみたいな冷血漢でも、モナリザのミチルさんでも助けようっていう気になるのかよぉ」
隼人「へへっ、俺はボインちゃんが大好きでな」


研究所に到着した3人が、カートで格納庫へと運ばれて行く。

武蔵「おい竜、一体どこへ行くつもりだ?」
竜馬「ゲットマシンに乗るんだ」
武蔵「ゲットマシン……?」

やがて格納庫。ゲットマシン3機が待機している。
合体訓練に使われていた訓練機と同型だが、イーグル、ジャガー、ベアーがそれぞれ赤、水色、黄に塗り分けられている。

武蔵「へぇ……これがゲットマシンか」

竜馬と隼人がそれぞれ、イーグル号とジャガー号へ。

武蔵「あぁ、おい!?」

2人がそれぞれのコクピットに乗り込む。

武蔵「おい……?」

ためらいつつ、ベアー号のもとへ歩み寄る武蔵。

武蔵「おいら、こんな機械動かせねぇよ。それよりこれで十分よ!」

そういって武蔵は背の日本刀に手をかけてみせる。
スピーカーから早乙女博士の声が響く。

博士「武蔵くん、マシンはフルオートになってるから心配ない。あとは補助的な操作をする、君たちの優れた運動神経と精神力にかかっとる」
武蔵「運動神経と精神力? しかし……」

周囲の所員たちが武蔵を無理やり捕まえ、ベアー号のコクピットへ詰め込む。

武蔵「あぁ!? おい、何すんだよぉ!? おいら自転車にも乗れんのだよぉ」
竜馬「よし、隼人、武蔵、行くぞ!」

イーグル号、ジャガー号のジェットエンジンが噴射。

武蔵「えーっと、あ、これか?」

武蔵が適当にコクピットを操作すると、ベアー号からロボットの両脚が伸びる。

博士「それはチェンジレバーだ、武蔵。その左のレバーだ」

慌てて武蔵が操作をし直すと、今度こそジェットエンジンが噴射。

竜馬「ゲットマシン・イーグル号、発進!!」
隼人「ゲットマシン・ジャガー号、発進!!」
武蔵「ゲットマシン、ベアー号、発進……」

遂に研究所から、3人を乗せたゲットマシンが飛び立つ。

博士「いいか、空中合体で行くぞ。まずゲッター1だ!」
竜馬「了解!」
武蔵「行くぞ、隼人」

ベアー号のスクリーンに、地上で暴れるメカザウルスの姿が映る。

武蔵「わぁぁ、恐竜だぁぁ!?」

ベアー号が制御を失い、明後日の方向へ飛んでいく。

隼人「どうした、武蔵!?」
武蔵「だって恐竜がぁ!」
隼人「そうさ、奴と戦うんだ!」
武蔵「だって……大変なことになった、おいら爬虫類が大嫌いなんだよ」
博士「いいな、合体はタイミングなんだ。チームワークだ。落ち着いてやれば必ずできる!」
竜馬「頼むぞ、隼人、武蔵!」
武蔵「わぁそんなぁ! とてもおいらにゃできないよぉ!」
ミチル「みんな、応援に来てくれたのね? ありがとう!」
武蔵「え? へへ、それほどでもないけど……よぉし、隼人、行くぞ!」

ジャガー号の後ろへベアー号が迫る。

竜馬「よぉし、そのまま突っ込め!」
武蔵「突っ込めったって、そんな余裕なんかないよぉ!」

ベアー号が進路を誤り、イーグルのほうへ接近してしまう。

隼人「武蔵、何してんだ! ジャガーはこっちだ!」
武蔵「ジャガーだろうがタイガーだろうが何でもいいけど……」

再びメカザウルスの姿が、ベアー号のモニターに映る。

武蔵「わぁ〜! 爬虫類だけはどうしても馴染めないよぉ〜!

メカザウルスの姿におびえた武蔵が操縦席内で大暴れ。偶然にも足がコクピットのボタンに触れる。
その拍子にベアー号がジャガー号に合体。両腕と両脚が伸びる。

竜馬「よし! チェンジ・ゲッター1!!」

ジャガー号先端にイーグル号が合体。頭部と胸部となり、ゲッター1が完成する。

竜馬「行くぞ、隼人、武蔵!」

ゲッター1が宙を舞い、メカザウルス目掛けて空中から飛び蹴りを見舞う。
さらにパンチ、キックの連続攻撃。

竜馬「ミチルさん、もう大丈夫だ」
ミチル「ありがとう。ほら、気をつけて!」

メカザウルスがゲッター1に迫る。

武蔵「ぎゃあ〜っ、来るぞぉ!」
隼人「武蔵! 何やってんだ、お前は!」

メカザウルスが口から炎を吐いてゲッター1に浴びせ、さらに尻尾をゲッター1の首に巻きつけて電流を流す。

博士「竜くん、ゲッター1の武器はゲッタービーム砲とゲッタートマホークだ」
竜馬「了解! ゲッタービ──ム!!」

ゲッター1が腹部からビームを放つが、メカザウルスには応えない。

ゴール「ゲッター線防御装置は完璧だ。もう恐い物はない、サキ。暴れろ!」
竜馬「くそぉ、ゲッタートマホーク!!」

ゲッター1が肩から片刃の斧、ゲッタートマホークを引き抜く。
メカザウルスが尻尾の攻撃でゲッター1を苦しめるが、ゲッター1は尻尾をトマホークで叩き斬る。

竜馬「食らえ! コーチの仇だ!!」

ゲッター1がトマホークをブーメランのように投げる。
メカザウルスの放ったミサイルをゲッター1がかわし、メカザウルスの首をトマホークが斬りおとす。

竜馬「ゲッターキ──ック!!」

とどめとばかりに、斬りおとされた首をゲッター1がキックで踏み潰す。
そして残されたメカザウルスルが胴体が大爆発──

ゲッターロボの初勝利だ。

竜馬「やった……!」

十字架のペンダントを見つめて微笑む隼人。
武蔵は操縦席でヘトヘトになっている。

博士「竜くん、隼人くん、武蔵くん、よくやった。君たちのお陰でミチルも助かった」
ミチル「あなたたちが守ったのは、私の命だけじゃないわ。このゲッター計画……人類の未来を守ったのよ」
博士「達人もこれで報われるだろう……」
元気「あ──っ! 竜さん、後ろ!!」

ゲッター1の背後の岩山を砕き、メカザウルスが現れる。
そして海から、空から……世界各地を襲っていた3大メカザウルスだ。
メカザウルスが次々に、嵐のような連続攻撃をゲッター1に浴びせる。

隼人「どうやら囲まれたようだぜ……」
武蔵「もうやだ! 降ろしてくれぇ!」
竜馬「何を言うんだ! 武蔵!」


凶悪 メカザウルス・サキを倒したのも束の間
さらに恐るべき 三大メカザウルスに囲まれてしまった
竜・隼人・武蔵の乗るチェンジロボ・ゲッター1は
どう戦うのであろうか


つづく

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