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コードギアス反逆のルルーシュR2 第一話

皇暦2010年
日本は世界制覇を進める超大国「神聖ブリタニア帝国」に破れ、植民地「エリア11」となった。
7年後、日本人が希望を失いかけたある日、一人の反逆者が立ち上がる。
仮面の男「ゼロ」
日本の開放を唱えるゼロは「黒の騎士団」を率いてブリタニア軍に決戦を挑む。
だが……その戦いは黒の騎士団の敗北、ゼロの死亡という結果を歴史に刻んだのだった。

a.t.b. 2018
ブリタニア人居住地 トウキョウ租界

租界上空を飛行する飛行船。
飛行船内。飛行船を操縦する少女。

少女「こちら2D4。まもなくトウキョウ租界管轄区域に入ります」

通信士『了解。飛行目的は広報宣伝で間違えないか?』

少女「変更なし、滞空時間も申告通り14時間を予定」

通信士『確認した、上空飛行を許可する』

少女「対応、感謝します」

通信を切り笑みを浮かべる少女。

飛行船内部格納庫。KMF(ナイトメアフレーム)の前に黒の騎士団・四聖剣、卜部巧雪と団員4名が杯を持って立っている。

卜部「かつて、ゼロと共にブリタニアを恐怖させた黒の騎士団も、最早、我々を残すのみ…」

壁にボロボロになった日本と黒の騎士団の旗が掛けられている。

卜部「しかし、絶望にはまだ早い!この飛燕四号作戦さえ成功すれば」

黒の騎士団団員「「「はい!!」」」

卜部「皆、すまん……」

杯に入った酒を飲む卜部。

団員達も頷き、酒を飲む。

卜部「日本万歳!!」

黒の騎士団団員「「「日本万歳!!!」」」

杯を床に叩き付け割れる音が格納庫に響く。



アッシュフォード学園

ヴィレッタ「ルルーシュ」

廊下を歩くルルーシュ・ランペルージに体育教師ヴィレッタが声を掛けてきた。

ルルーシュ「またですか、しつこいですね」

ヴィレッタ「もう逃がさないぞ…あっ」

駆け出すルルーシュ。

男子生徒「よう、この前の」

ルルーシュ「ごめん、今度な!」

ヴィレッタ「待て!ルルーシュ!」

女子生徒「副会長、がんばってー!」

ルルーシュ「はいはい…」

ルルーシュは理科準備室に逃げ込む。

ヴィレッタ「体力勝負に持ち込んだ時点でお前の負けだ」

ルルーシュ「大袈裟すぎませんか、たかが体育の補習に」

ヴィレッタ「だったら、ちゃんと授業に出ろ」

ルルーシュ「単位は問題ないはずですよ」

すでに用意していた、フラスコとシャーレの中の液体を混ぜて煙を発生させる。

ヴィレッタ「う!」

理科準備室が煙で充満し、その隙にルルーシュは逃走する。

ルルーシュ「ただの着色ガスですから」

ヴィレッタ「待て!」

ミレイ「頑張れ、副会長!」

階段を降りるルルーシュに、パンを投げ渡すミレイ・アッシュフォード。

ルルーシュ「あ、どうも!」

ヴィレッタ「おまえ、それでも生徒会長か!」

ミレイ「あ、すいません、思わず」

校舎外に出たルルーシュ。

ヴィレッタ「ルルーシュ!」

窓から飛び降り馬乗りになるヴィレッタ。

リヴァル「うげっ…殺す気ですか、先生」

ルルーシュと思ったのはカツラで変装したリヴァル・カルデモンド。

リヴァル「リヴァル!?いつの間に…」

エンジンの音が鳴る。

ルルーシュ「リヴァル、じゃあこれ借りるな」

弟ロロ・ランペルージの運転するサイドカーでルルーシュは校外へ逃走する。

シャーリー「ルルたらまたぁ〜?」

窓からその様子を見送るシャーリー・フェネット。

【OP】
TURN 01
魔人 が 目覚める 日

ルルーシュ「まったく、放課後くらい自由にさせて欲しいよな」

ロロ「でも、兄さんが授業サボってばかりいるから」

ルルーシュ「かったるいじゃないか、あんなの…」

ミレイからもらったパンを食べ始めるルルーシュ。

ルルーシュ「差し入れ、会長から」

ルルーシュはパンを千切ってロロに差し出す。

両手が塞がっているので、ロロはパンに直接かぶり付くが、バランスを崩し運転がよろめく。

ルルーシュ「おいおい!」

ロロ「だって…兄さんが…」

ルルーシュ「そうか、ごめん」

ルルーシュ(ゼロが起こした反乱事件「ブラック・リベリオン」からもうすぐ1年。このエリア11もすっかり落ち着いた。
事件当初はいろんな噂が飛び交って、俺達兄弟もブリタニア本土へ帰ろうかとも思ったけど…)

ロロ「進路調査票は出した?」

ルルーシュ「え?」

ロロ「ヴィレッタ先生が、怒ってたから」

ルルーシュ「ああ」

ロロ「大学に行くの?」

ルルーシュ「まだ決めてないんだよ。学生って身分も飽きたし、とはいえ、人に使われるってのもさ」

ロロ「ふふ、兄さんらしいよ」

ルルーシュ(でも無駄か…社会に出てもどうせ上には、大企業や貴族様が居座っている。完成された世界…大人のヒエラルキーに組み込まれるだけさ)

ビルの上に設置されたスクリーンでブリタニア兵がイレブンを射殺し、エリア11総督・カラレスが演説を始める。

カラレス「これはイレヴンに対する差別ではない、区別だ!イレヴンは、ゼロという詐欺師に踊らされ日本人という名に戻ろうとした、好戦的で危険な人種である。
故に我らブリタニアによって管理・教育されねばならない」


逮捕された黒の騎士団、副指令、扇要。軍事総責任者、藤堂鏡志郎。第弐特務隊隊長、玉城真一郎。四聖剣、千葉凪沙。
逃走中の広報・諜報・渉外総責任者、ディートハルト・リートと技術開発担当、ラクシャータ・チャウラーの手配書が掲示されている。

ルルーシュ(イレブンは負けた。力が無かったから、大人しくしていれば矯正教育エリアに格下げされることも無かったのに。ゼロ…馬鹿な男だ…何をやってもどうせ世界は……)

総司令ゼロは処刑されたと写真に提示されている。



政庁

ブリタニア兵「お急ぎください、カラレス総督。中華連邦の方々が」

カラレス「わかっている。それより、機情局の作戦は?」

ブリタニア兵「はい、バベルタワーで」

カラレス「よりによってこんな日に、皇帝陛下は何をお考えなのか?今更、黒の騎士団の残党に、何かできるとは思えぬが…それにゼロはもう死んだのだからな」


バベルタワー基部の建設現場

ブリタニア人「手を休めるな!イレヴンの猿が!」

イレヴン「は、はい」

ルルーシュを監視する一団

通信兵「対象が到着しました。想定どうりです。BS3より、フィフスゲートに入ります」

機密情報局局員「今回こそ現れますかね?」

機密情報局隊長「そうでなくては困る。租界外円部まで出すというリスクまで負ったのだからな」


バベルタワー地下駐車場

ルルーシュ「まぁ、いいけどさ本当は、送ってくれるだけで良かったんだ。今日のは非合法だし」

ロロ「補導じゃすまないよ」

ルルーシュ「ふふ、警察なんか」

ロロ「でも、どうして?兄さん、お金が欲しいわけじゃないんでしょ?」

ルルーシュ「決まってる。もっと強いヤツと戦いたいからさ」

エレべーターに乗る二人。

ルルーシュ(嘘だ、こんなのただの退屈しのぎ。要するに、俺は…)

エレベーターの中で微妙な苛立を見せるルルーシュ。


カジノ

アナウンス「さあ、本日注目の兄弟対決、生き残るのは兄か弟か?なんとこちらの試合…」

闘技場でイレブンの兄弟が泣きながら格闘している。

ロロ「兄さん、帰ろう。ここは…」

ルルーシュ「いいじゃないか、わかりやすくて」

ロロ「え?」

ルルーシュ「見ろよ、笑って遊ぶのは俺たちブリタニア人、笑われて働くのがイレブン、見ないふりをしたって結局は…」

ロロ「だからって…」

奥に進むルルーシュ。
ルルーシュ「わかってる、でも事実だ。イレブンは二度負けたんだ、枢木首相の時とゼロの時。力も無い癖に反乱なんか…」

カレン「あぁ!」

バニーガールとぶつかり、ルルーシュのズボンにバニーガールが運んでいた飲み物がかかる。

カレン「申し訳ありません」

ルルーシュ「いや、いいって」

カレン「私はイレブン、あなたはブリタニアの学生さんですから」

ルルーシュ「なら、尚更だ。嫌いなんだ、立場を振りかざすのは」

カレン「でも、力の無い人間は我慢しなくちゃいけないんです」

ルルーシュ「え?」

カレン「例え相手が間違っていても」

ルルーシュ「君たちの価値観を俺に押しつけないで欲しいな」

カレン「申し訳ありません」

バニーガールは、拭くしぐさをしながらルルーシュに発信機をつけようとするが、後ろから頭をつかまれ発信機を落とす。

カレン「ああ…!」

黒のキング「顔を見せてくれないか、んん?ふぅん、いい商品だ」

店員「本日のうさぎ狩り、大猟で何よりでございます」

3人のバニーガールが繋がれている。

それを見て顔を顰めるルルーシュ。

カレン「私は……売り物じゃない…!」

黒のキング「売り物だよ、勝ち取らないものに権利などない」

通信兵「イレギュラー、トラブルが発生しました」

機密情報局隊長「ちっ!」

黒のキング「力なき自らの生まれを悔やみたまえ、皇帝陛下もおっしゃっているだろ」

ルルーシュ「皇帝…」

黒のキング「弱肉強食、それが世界のルールだ」

ロロ「兄さん、マフィアだよ…」

ルルーシュ「傲慢だな」

黒のキング「ん?」

ルルーシュ「自分は食べる側に居るつもりか?」

黒のキング「学生君、これが大人の世界だよ」

ルルーシュ「なら、大人の世界と学生、どちらが食べる側か、とりあえずこれでハッキリさせよう」

ルルーシュは、持っていたケースを開け、チェスセットを見せる。

キング「チェスで?」

ロロ「兄さん、いけない!」

キング「もう遅い!な?」

キングの部下達「「ハハハハハ」」

黒のキング「学生は本当に何も知らない」

ルルーシュ「そうでもないさ、黒のキングさん」

黒のキング「ん?」

ルルーシュ「こっちの世界では名の知れた打ち手なんだろう?」

黒のキング「ほう、知った上でかね」


収容所

玉城「ぐわっ!」

通路に放り出され、苦渋の表情を浮かべる玉城。

玉城「くぅぅぅ…ゼロさえいればお前らなんかに…」

千葉「もう言うな、裏切り者のことは」

玉城「裏切ってなんかねぇよ!ゼロは!」

看守「静かにしろ!」

看守に銃で殴り倒される玉城。

玉城「うわっ!わかった!ごめんなさい!」

殴られ続ける玉城。

扇「何か事情があったんだろう…」

千葉「事情!?最終決戦で、指揮官がいなくなる理由なんて…」

藤堂「やめろ!いずれにせよゼロは死んだのだ」

扇「っ…死んだ」



カジノ

ルルーシュ「チェックメイト」

黒のキング「っ!?バカな!?」

客A「学生が勝った…」

客B「黒のキングが負けるなんて…」

周りがざわめき始める。

ルルーシュ「食べられるのはそちらでしたね」

黒のキング「ふぅ…困ったな。こんな噂が広まっては私のメンツが立たない」

ルルーシュ「言いふらすような趣味は!」

黒のキング「違うよ学生君、君がしかけたイカサマの話をしているんだ」

ルルーシュ「イカサマ!?」

黒のキング「いけない子供だ」

ルルーシュ「あっ!待ってくれ!」

カレン「チェスでイカサマなんて」

ロロ「できるわけがない」

黒のキング「拘束しろ。さて・・・証拠を作ろうか」

ルルーシュ「薄汚い大人が!」

黒のキング「正しいことに価値は無いんだよ」

銃を取り出すキング。

ルルーシュ「ぐっ!」

キングの部下に拘束されるルルーシュ。

ロロ「兄さん!」

轟音と共にバベルタワーが揺れる。

黒のキング「テロか!?」

カレン「フッ!」

バニーの耳を取りキングを殴り倒す黒の騎士団零番隊隊長、紅月カレン。

飛行船が、バベルタワーの真上に取り付く。

カレン「ハアッ!」

銃を撃つキングの部下を蹴散らすカレン。

卜部「出撃!」

黒の騎士団のKMF(ナイトメアフレーム)月下に乗り込み出撃する卜部。

それに続くKMF(ナイトメアフレーム)無頼が3機、飛行船からタワーへ突入する。

カレン「来て、こっち!」

カレンがルルーシュ手を引き連れ去る。

ルルーシュ「ああ、おい!」

ロロ「兄さん!」

二人を追いかけるロロ。

機密情報局隊長「飛行船とはな。最後のあがきか」

KMF(ナイトメアフレーム)サザーランドに乗り込み起動させる機密情報局隊長。

機密情報局隊長「機密情報局、オペレーションヴァルハラ7号開始」

機密情報局局員「「「イエス!マイロード!!」」」


ルルーシュ(なんだ?何が起きているんだ?何が!!)



政庁

総領事として派遣された、中華連邦の大宦官、高亥(ガオハイ)と副官、黎 星刻(リー・シンクー)を出迎えるカラレス。

カラレス「ようこそ、エリア11へ」

高亥「大層な出迎えですな。ゼロは死んだと聞いていましたが?」

カラレス「ゼロ?いえいえ、中華連邦の方々に我がブリタニアを理解して頂くには話が早いかと思いまして」

高亥「ほう、存外勅裁的な手を」

ブリタニア兵「お腰の物をこちらに」

星刻の刀を取り上げようとするブリタニア兵。

ブリタニア兵「治安は万全です。そのようなアンティークは…」

星刻「っ!」

星刻は剣を抜きブリタニア兵二人のポーチを一瞬で切り落とす。

カラレス「なっ!?」

高亥「星刻、無礼であろう」

星刻「失礼しました。我ら中華連邦をご理解頂くには話が早いかと思いまして」

カラレス「この…」

バベルターワーの方向に爆音が鳴り、煙が上がる。そちらに目を向ける星刻。



バベルターワー

カレン「うわっ!」

しりもちをついて倒れるカレン。
カレン「あれっ?」

カレンは何が起きたか理解できず呆然とする。

ロロ「兄さんこっち」

ルルーシュ「あっ、おい」

ロロはルルーシュの手を引き逃走する。

カレン「あっ、待って!」

天井が崩れ、墜ちてきた瓦礫の山に遮られて、カレンは二人を見失う。


月下の中で飛行船にいる仲間と通信する卜部。

卜部「何!?目標を見失った!」

黒の騎士団団員「はい、私たちも突入します」

卜部「わかった」

飛行船から煙幕を張り、無頼がスラッシュハーケンでバベルタワーに近づいてくるVTOL機を打ち落とす。

通信兵「バベルタワーを襲撃したテロリストは、ナイトメアを数機保持している模様」

通信兵「作戦開始に伴い、周辺クリーニングは完了」

機密情報局隊長「よし、セブンスシークエンスに入る」

通信兵「隊長、カラレス総督が」

機密情報局隊長「地方の官吏など無視しろ。我々は皇帝陛下の命を受けているのだ」

通信兵「イエス、マイロード」


ルルーシュ(テロリスト、黒の騎士団の残党がどうしてこんな所に?)

ロロと走るルルーシュの目の前に、ゼロ専用無頼が現れる。

左手をルルーシュに差し出す無頼。

ルルーシュ「!?」

窓からサザーランドが飛び込んでくる。

ロロ「ブリタニアの軍だ!」

周囲の被害を考えず無頼にアサルトライフルを発砲するサザーランド。

ルルーシュ「うわっ!」

民間人A「はわっ」

民間人B「わぁっ」

流れ弾に当たり民間人が死ぬ。

無頼は盾になるようにサザーランドの攻撃を受けて左手を破壊される。

ルルーシュとロロはさらに逃走する。



カレン「ブリタニアがっ!!」

仲間と合流するカレン。

カレン「ごめん、私がちゃんと捕まえなかったから」

黒の騎士団団員「気にするな。今、卜部さん達が探している」

言いながら、そばにあったコンテナを開く団員。

カレン「わかった」

カレンは起動キーを取り出しコンテナの中のKMF(ナイトメアフレーム)に乗り込む。

カレン「っ!」

起動キーを差込み、黒の騎士団最強のKMF(ナイトメアフレーム)紅蓮弐式甲壱型腕装備が起動する。



ルルーシュ「ロロ、こっちだ!」

ルルーシュとロロは工事区画へ逃げ込む。
 
ルルーシュ(どういうことだ?さっきのナイトメアは…まさか、俺を?)

ロロ「兄さん、これから…」

ルルーシュ「安心しろ、絶対に逃げられる。逃がしてやるから」

ルルーシュの言葉に、複雑な表情を浮かべるロロ。

ロロ「そうだね、僕たちは…」

ルルーシュ「ロロ!!」

撃たれそうになったロロをルルーシュが庇う。銃弾が肩を掠めてバランスを失い 、同時に爆風が吹き抜け落下する。

ロロが手をつかもうとするが間にあわない。

ロロ「兄さーーん!!」



アッシュフォード学園

シャーリー「ルルったら、ロロまで悪事に引き込んで…」

ミレイ「素直に言えば?ルルちゃんが心配だって」

シャーリー「違います!」

リヴァル「またまたぁ」

シャーリー「う…もぉ…」

顔を赤かくし、目をそらすシャーリー。



バベルタワー

落下したルルーシュは下に張ってあったネットで助かる。

ルルーシュ「ロ、ロロ……ロローーー!!!」

携帯を取り出すが通話できない。

ルルーシュ(通じないか、どうする?このままじゃ俺達は…いや、助けてみせる。たったひとりの弟を救う力くらいあるはずだ、俺にだってそれくらいの力は…俺にだって!)

ルルーシュ「!?」

階段を上ったところで、ブリタニア人、イレヴン関係なく殺され、放置されている死体の数々を目にするルルーシュ。

ルルーシュ「テロリストの仕業?しかし、イレヴンまで」

イレブンの死体の手の中にゼロの写真があるのを見つける。

ルルーシュ「まだ、ゼロなんかにすがって…はっ!」

ルルーシュの目の前に先ほどの無頼が現れる。

ルルーシュ「黒の騎士団!?」

無頼のコックピットが開く。

ルルーシュ「殺す気か?どうする、逃げたとしても…」

C.C「ルルーシュ……」

コックピットから現れたのは飛行船で通信をしていた少女C.C。

ルルーシュ「!?」

C.C「迎えに来た、ルルーシュ。私は味方だ、お前の敵はブリタニア」

ルルーシュ「え?」

C.C「契約しただろう?私達は共犯者」

ルルーシュ「契約?共犯者?」

C.C「私だけが知っている、本当のお前を」

ルルーシュ「本当の、俺…?」

その言葉に導かれるように、少しづつC.Cに近づくルルーシュ。

その時、銃声が響きC.Cが背後から撃たれる。

C.C「ル、ルルーシュ…」

コックピットから崩れ落ちたC.Cをルルーシュが抱える。

ルルーシュ「お、おい!!………っ」

目の前にサザーランドと機密情報局局員数人が現れる。

ルルーシュ「ブリタニア軍?」

局員がまわりの死体を火炎放射器で燃やす。

ルルーシュ「おい、待てよ…何を…」

民間人「うぁぁぁっ!!」

ルルーシュ「やめろ!!まだ生きている!!」

かまわず銃弾で民間人に止めを刺す局員。

サザーランドから機密情報局隊長が現れる。

機密情報局隊長「お役目ご苦労、ルルーシュ・ランペルージ君」

ルルーシュ「役目?何の話だ!?」

機密情報局隊長「私達は、ずっと観察していた…」

「LELOUCH'S ACTIVITY NOTE」と書かれた赤いノートを取り出し、読み上げる。

機密情報局隊長「6時59分起床、7時12分より弟とニュースを見ながら朝食。視聴内容に思想的偏りはなし、8時45分登校。
ホームルームと1時間目の授業は出席せず、屋上で読書。2時間目、物理の授業は…」

ルルーシュ「今日の…俺だ」

機密情報局隊長「飼育日記というところかな、餌の」

ルルーシュ「餌!?」

機密情報局隊長「罠と言ってもいい。その魔女、C.C.を誘い出すための」

ルルーシュ「待ってくれ!何を言っているんだ!?」

機密情報局隊長「私は男爵だからね、これ以上餌と話す気はない。さ、処分の時間だ」

銃を構える局員。

機密情報局隊長「これで目撃者はいなくなる」

ルルーシュ「はっ…処分!?」

ルルーシュ「俺は…終わる…?何もわからずに、こんな簡単に……」

怒りで顔を顰めるルルーシュ。

ルルーシュ「ふざけるなっ!力、力さえあれば、ここから抜け出す力っ!!世界に負けない力が!!!」

C.C.が起き上がりルルーシュにキスをする。

視界が暗転する。

ルルーシュ「なんなんだ、これは?」

C.C「力が欲しいか?」

ルルーシュ「その声、さっきの?」

C.C「力なら、お前はもう持っている!忘却の檻に閉じ込められているだけだ…思い出せ!本当のお前を、王の力を!今こそ封印を解き放つ!」

フラッシュバック。

ルルーシュ「そうか、俺の日常にとげのように突き刺さっていた苛立ち…ああ、すべては偽りの記憶」

脳裏に浮ぶ神根島での記憶…。

ルルーシュ「思い出した!俺は、俺は…」

ゼロの仮面が割れその素顔はルルーシュ。

ルルーシュ「俺が、ゼロだ!」

スザク「ルルーシュ、許しは請わないよ。友達だろ、俺達は…」

ルルーシュ「ああ、それがお前の答えか、スザクっ!」

立ち上がるルルーシュとC.C。

ルルーシュ「私を処分する前に、質問に答えてもらいたい」

局員A「あの女生きてる!?」
局員B「馬鹿な!?心臓を打ち抜いたのに…」

ルルーシュ「無力が悪だと言うのなら、力は正義なのか?復讐は悪だろうか?友情は正義足り得るだろうか!?」

機密情報局隊長「悪も正義もない、餌にはただ死という事実が残るのみだ」

ルルーシュ「そうか、ならば君たちに事実を残そう。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる、貴様達は…死ね!!」

ルルーシュの左目に紋章が浮かび、いかなる命令にも従わせることができる「絶対遵守」のギアスが発動する。

機密情報局隊長「まさか!?」

機密情報局隊長と局員にギアスがかかる。

機密情報局員「「「イエス・ユア・ハイネス!」」」

機密情報局隊長「はっ!」

銃で自らを撃つ、機密情報局隊長と局員達。

ルルーシュ(あの日から、俺の心には納得が無かった。噛み合わない偽者の日常、ずれた時間、別の記憶を植えつけられた家畜の人生…
しかし、真実は俺を求め続けて…そう、間違っていたのは俺じゃない!世界のほうだ!)

天井をぶち破って紅蓮弐式と月下が現れ ルルーシュの前にひざまづく。

ルルーシュ「世界は変わる、変えられる…」

卜部「お待ちしておりました、ゼロ様!どうか、我らにご命令を!」

ルルーシュ「いいだろう!なぜならば、私はゼロ! 世界を壊し、世界を創造する男だ!」

     
ブリタニア帝国

ブリタニア皇帝シャルル・ジ・ブリタニアに謁見する帝国最強の騎士ナイトオブラウンズ。

ナイトオブスリー。ジノ・ヴァインベルグ。

ナイトオブシックス。アーニャ・アールストレイム。

そしてナイトオブセブン。枢木スザク。

スザク 「イエス・ユア・マジェスティ。誰にも譲るつもりはありません…ゼロを殺すのは自分です」

【ED】
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