戻る TOPへ

激走戦隊カーレンジャーの第1話
 

恭介(ナレーション)「平和で穏やかな惑星ハザードが、宇宙の暴走族・ボーゾックに教われた」

ハザードがどんどん燃えている。

ダップが必死に逃げる。

町は火の海だった。

ダップ「ママ……」

一方のボーゾックたち。

ガイナモ「惑星ハザードの宝は統べてもらった!」

ゼルモダ「この星に用はない。行け!」

ハザードが爆発し、花火となる。

バリバリアン内

そこへ色っぽい女性・ゾンネットが降りてくる。

ゾンネット「まちまち! もう」

ボーゾック「一緒に飲もうよ……」

ガイナモ「あのぉ、ゾンネット……次はどの星だ!?」

グラッチ「チーキュ」

ゾンネット「チーキュ!? とーっても素敵……」

ゾンネットの尻にガイナモがメロメロになる。

ゼルモダ「ガイナモ!」

ガイナモ「な、何だ? ゼルモダ」

ゼルモダ「とぼけんな! ゾンネットの尻、なめてる場合じゃねぇぞ」

地球で謎の光が5つ光っている。

ガイナモ「な、何だありゃ!?」

謎のフードの人物が姿を現す。

謎の男「この5つのヒカリこそ、まさしく惑星ハザードに長く伝わる星座伝説・激走戦隊カーレンジャーの輝き……」

ガイナモ「激走戦隊カーレンジャー!?」

謎の男「この宇宙が邪悪に襲われたとき、車を象った5つの星座が、輝きを持つ5人の若者にクルマジックパワーを与えて、激走戦隊カーレンジャーに変身させ、変身した激走戦隊カーレンジャーが邪悪を倒し、宇宙の平和を、守る! 激走戦隊カーレンジャーになるべき5人の若者は、地球にいたのか……」

ガイナモ「地球!? てめぇ、ボーゾックじゃねぇな!?」

ゼルモダ「何者だ!?」

ボーゾック「やっちまえ!」「やっちまえ!」

謎の男がボーゾックの攻撃をかわす。

フードを取るとそれはなんと、ダップだった。

ダップ「お前たちに花火にされた惑星ハザードの戦士・ダップ!!」

ガイナモ「何!?」

ダップ「車をかたどる5つの星座よ、我にクルマジックパワーを、与えたまえ!!」

5つの光がダップに吸収される。

ダップが消える。

ガイナモ「おのれぇ……」

恭介(ナレーション)「その頃、俺たちは……」

地球・自動車会社ペガサス

上杉実が車を誘導していた。

実「オーライ、オーライ、ああ、OK!」

車から陣内恭介が出てくる。

この他にも志乃原菜摘、八神洋子、土門直樹が働いていた。

恭介「やっぱり俺たち、社長にだまされてるって! 俺たち、車の修理しに、この会社入ったわけじゃないよな!?」

直樹たちが頷く。

恭介「自分たちの好きなように夢の車、作らせてくれるって言うから。でも、作らせてくれたのは、この夢野車のだけ出し。こんな会社、辞めてやる!!」

すると、模型が光りだす。

今度は光が舞い降り、ダップの姿となる。

5人の体も小さく光る。

ダップ「君たちが激走戦隊カーレンジャー!? ダップゥ……」
 

戦う交通安全
 

恭介「俺たちが、宇宙の平和を守る……激走戦隊カーレンジャー!?」

ダップ「そう!」

恭介「ちょっと待ってよ……!」

ダップ「待てない! 宇宙の暴走族ボーゾックが、すぐそこまで来ている」

バリバリアンが地球に近づいている。

ダップ「あーッ、あれは!?」

恭介「あれは、バランシングマシーン」

ダップ「ダップ! クルマジックパワーで、あのマシーンの奥を激走戦隊カーレンジャーの秘密基地にする!!」

恭介「わけのわからないこと言いやがって!」

ダップ「クルクル・クルマジック!!」

マシーンが消え、扉ができる。

ダップ「ダップ!」

恭介「あーッ、勝手にそういうことするな!」

ダップがドアを開ける。

ダップ「クルクル・クルマジック!!」

5人が部屋に引き寄せられる。

ダップ「プッププ。おいで。クルクル・クルマジック!!」

今度は移動用マシン・スピーダーマシンが出現する。

ダップ「えへっ。これが君たちの、スピーダーマシンだ!!」

実「カッコええ……」

ダップ「クルクル・クルマジック!!」

今度は恭介たちの左腕に変身アイテム・アクセルチェンジャーが装着される。

恭介「何だこりゃ!?」

ダップ「アクセルチェンジャー!! ダップ」

一同「アクセルチェンジャー!?」

轟音と警報。

ダップ「ついに、来たか……」

地球にバリバリアンが襲来。

壷が現れ、そこから戦闘兵・ワンパーも現れ、町で暴れ始める。

ボーゾックの幹部が姿を現す。

ガイナモ「人間たちに飼いならされ、戦うことを忘れたチーキュの車たち……今こそ目覚めよ。お前たちは、兵器だ!」

ボーゾックたち「兵器だ。兵器だ!!」

ガイナモ「兵器となって人間たちを、支配せよ!」

すると突然、消防車が走り出す。

消防車だけではなく、パトカーや自転車も走りだす。

ダップ「激走戦隊カーレンジャー、出動……」

5人の姿がない。

ダップ「隠れても無駄ダップ!」

それぞれの姿の一部が少し見えている。

ダップ「よぉーし、クルクル・クルマジック!!」

小さな電撃が5人を痺れさせる。

町では車の混乱が続いている。

ダップは5人を無理やり連れて歩いている。

ゼルモダ「何だ、お前たち!?」

ダップ「ご紹介しまーす! 宇宙の平和を守る激走戦隊カーレンジャーダップ!」

ロープが消え、倒れる5人。

恭介「じょ、冗談じゃないって言うの。どうして俺たちがあんな会社で働きながら、激走戦隊カーレンジャーにならなきゃいけないんだよ!? 給料税込みで19万3000円で、どうして宇宙の平和まで守らなきゃいけないわけ!?」

ボーゾック「いけないわけ!?」

洋子「私のお給料は20万ちょっと」

菜摘「私は20万2千円……」

実「俺なんか17万8千円やで!?」

直樹「21万でございます」

ダップ「給料のことなんかどうでもいいの!!」

恭介「よくない!!」

ボーゾック「よくない」「それはよくない」

ダップ「もういい。君たちにはもう頼まない! ボーゾックはやっぱり、私が倒す!」

ゼルモダ「生意気だ!」

ゼルモダとダップが閃光となって激突する。

恭介たちが様子を見に来る。

しかし、ダップは倒れてしまう。

ゼルモダ「決まったなぁ……」

一同「ダップ!!」

恭介たちが階段を下りてダップの元に降りる。

ゼルモダは階段を上って仲間の元に戻る。

恭介「ダップ、しっかりしろ!!」

ダップ「ママは……あいつらに、殺された……」

回想

ボーゾックのメカがハザードを襲撃する。

そんな中、ダップがママを探す。

ダップ「ママ……ママ……!?」

ダップが目にしたのは、瓦礫に埋もれているダップのママだった。

ダップ「ママ―――!!」

瓦礫をどける。

ダップ「ママ……ママ―――ママ……」

ダップのママ「惑星ハザードが……滅びても、宇宙の平和は……星座伝説の、激走戦隊カーレンジャーが……守ってくれるでしょう……わが息子・ダップよ」

ダップ「はい……」

ダップのママ「クルマジックパワーの使い手となって、激走戦隊カーレンジャーを探すのです……」

ダップのママが倒れる。

ダップ「ママ―――!! ママ……」

現在

ダップ「陣内恭介……」

恭介「うん」

ダップ「土門直樹……」

直樹「はい」

ダップ「上杉実……」

実「うん」

ダップ「志乃原菜摘……」

菜摘「……」

ダップ「八神洋子……」

洋子「だ…ダップ!?」

ダップ「私は……信じる……君たちが、ハザードに伝わる星座伝説の、激走戦隊カーレンジャーであることを……」

ダップの手が下り、目が閉じる。

恭介「ダップ―――!!」

ダップの右手には5本のアクセルキーが落ちる

恭介(ナレーション)「この時、俺たちの心の何かが変わった……」

5人が立ち上がる。

恭介(ナレーション)「俺たちは、激走戦隊カーレンジャーなる決意をした」

アクセルキーを手にする。

恭介「激走!」

一同「アクセルチェンジャー!!」

アクセルチェンジャーにキーを指す。

恭介がレッドレーサーに、直樹がブルーレーサーに、実がグリーンレーサーに、菜摘がイエローレーサーに、洋子がピンクレーサーに変身する。

ダップが目を覚ます。

ダップ「だぷぅ……やった―――!!」

一同「ダップ!?」

ダップ「最初から素直に変身してくれれば、こんなお芝居しなくてすんだのにぃ……」

レッド「俺たちをだましたな!?」

ダップ「おっと、君たちの戦う相手は私じゃない。宇宙の暴走族・ボーゾックだ!」

しかし、ボーゾックの姿はなかった。

ダップ「あれぇ? ボーゾックがいない……」

こけるカーレンジャー。

町では、ボーゾックが消防車で暴れていた。

するとカーレンジャーがスピーダーマシンで駆けつける。

ガイナモ「な、何だあれは!?」

5人はスピーダーマシンを止めて降りる。

レッド「レッドレーサー!!」

ブルー「ブルーレーサー!!」

グリーン「グリーンレーサー!!」

イエロー「イエローレーサー!!」

ピンク「ピンクレーサー!!」

一同「戦う交通安全! 激走戦隊カァ―――レンジャー!!」

カーレンジャーが名乗りを上げた後、レッドが消防車を止める。

イエローとピンクが子どもを助ける。

ピンク「早く逃げて!」

少年「うん!」

一同「バイブレード!!」

カーレンジャーのバイブレードがワンパーを切り裂く。

一同「オートブラスター!!」

ワンパーがタコになる。

ガイナモの角が光り、消防車が巨大化して変形する。

ブルー「消防車が……」

消防車が総攻撃をかける。

するとカーレンジャーが飛び掛る。

梯子がビルに突っ込む。

ブルーとグリーンが振り落とされる。

とうとうレッドも落ちてしまう。

レッド「シフトアップ!」

オートブラスターが変形する。

一同「オートパニッシャー!!」

オートパニッシャーが消防車を落とす。

レッド「とああ――ッ!!」

レッドがバイブレードでガイナモを突き刺す。

レッド「フルパワー!!」

柄の付け根の部分を引っ張るとフルパワーになり、ガイナモに電磁波を浴びせる。

グラッチ「びっくりしたな、もう……」

ゼルモダ「やるじゃん!」

ガイナモがレッドを殴り飛ばす。

グリーン「大丈夫か!?」

ブルー「レッド!」

ガイナモの攻撃が消防車に当たる。

ガイナモ「引け、とっとと引け!!」

ボーゾックの3人が消える。

ダップ「皆――ッ!!」

一同「ダップ……」

ダップ「君たち、なかなかやるダップ……」

レッド(ナレーション)「こうして俺たちは、激走戦隊カーレンジャーとなった……」

レッドが親指を立てる。
 

つづく
inserted by FC2 system