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パーマンの第1話
 
 
パーマン登場!!
 

諏訪家

テレビに火災のニュースが放送されていた。

レポーター「火は、あっという間にマンションを包みました。まだ中には誰かいるようです!」

母親「助けて! 子供が……」

消防車からはしごが上る。

レポーター「はしごが、伸びております。あと10m、5m、4m、3m、2m。あーっ、残念。わずかに及びません!」

子供たちは未だに助けを求めてる。

すると空からパーマン1号と2号が駆けつける。

レポーター「あーっ! あれはパーマンです。皆さん、パーマンです! 少年ヒーロー・パーマンがやってきてくれたのです!」

母親「パーマン……」

1号とブービーがマンションに入る。

レポーター「何と勇敢な少年でありましょう。

2人は子供たちをベッドに乗せて脱出。

レポーター「頑張れパーマン! やった。やりました!! パーマン、またしてもお手柄であります!」

少年と母親が再会。

母親「坊やたち!」

レポーター「ねえちょっと、ちょっとだけ君の本名聞かせてくれませんか!? どこに住んでるの? そのすばらしい超能力はどこで手に入れたの!?」

1号「それは秘密です。では、パワーッチ!」

1号とブービーが飛び立つ。

レポーター「ああっ、ちょっと待ってくださいよ!!」

ママ「偉いわねぇ……」

ガン子「お兄ちゃんと同じ年頃なのに……」

後ろではコピーみつ夫がせんべいを食べながら漫画を読んでいた。

ママ「みつ夫ちゃん! 宿題があるんじゃないの!? 漫画ばっかり見てて」

コピーみつ夫「わかってるよ……」

1号が諏訪家に帰ってくる。

窓を開けようとするが、鍵が掛かっていた。

1号「おい、開けてくれ。おいったら!」

ベッドにコピーが眠っていた。

1号「おい、起きろったら!!」

ガン子が1号がベランダにいるのを発見。

ガン子「あーっ! パーマンよ!!」

みつ夫の部屋

1号「ダメじゃないか。人が一生懸命働いてきたって言うのに、お部屋でお昼寝なんかして! おい、君はコピーロボットだぞ!? 君はパーマンが安心して活躍できるように身代わりを、責任を持って務めるのが……」

コピーみつ夫「僕はちゃんとやってるよ!? コピーロボットは、このボタンを押した人に、顔と形だけじゃなく、性格や能力もそっくりになるんだからね。僕は普段の君と同じ用に振る舞ってただけだから」

この言葉にこける1号。

1号「いいから、おでこを出せよ」

2人は額と額をくっつける。

1号「こうすると留守中に君が見たり聞いたりしたことが全部伝わるんだ……」

コピーのしてきたことが1号の脳裏に移る。

1号「いつもと同じだな。別に変わったこともなかったようだな……よし、では」

ボタンを押すとコピーみつ夫が元のコピーロボットに戻る。

1号はコピーロボットをしまう。

その後、マスクを脱ぎ、マントをマスクに入れてみつ夫の姿に戻る。

するとガン子がみつ夫の部屋に入ってくる。

みつ夫「黙って入って来ちゃダメだよ!!」

ガン子「パーマンはどこ!? ちゃんと見たのよ。窓から入ってきたんでしょ!?」

みつ夫「え? ああ、パーマンならそう、帰ったよ。忙しいものだから……」

ガン子「お兄ちゃん、パーマンの友達!?」

みつ夫「うん。まあな……」

ガン子「わあ、すごい! 今度紹介してよ!」

みつ夫「ああ……」

空き地

カバ夫「ワハハハハ!! うそつけ! みつ夫とパーマンが友達だなんてよ!」

ガン子「ほんとだってば!」

カバ夫「うそだ。うそ言っちゃってよ!」

カバ夫とサブが去る。

みち子「ねえガン子ちゃん、あなたがそんなにむきになってるくらいだから、きっと本当なのね!?」

ガン子「もちろんよ!」

みち子「いいわねぇ。私もパーマンに会いたいなぁ……」

みつ夫の部屋

みつ夫「えーっ!? みっちゃんが僕を食事に招待してくれるって!?」

ガン子「お兄ちゃんじゃないわよ、パーマンを連れてきてって。みっちゃんがこの前お世話したお礼がしたいんだって」

みつ夫「グフフ、そりゃそうだな!」

みち子の家

1号とみつ夫が席に着いていた。

みち子のパパ「いやあ、よく来てくれたねパーマン。君が助けてくれなかったら道子はどうなっていたか……」

みち子「ありがとう、素敵なパーマンさん!」

みつ夫「嫌だなあ、そんなに褒められると。あんなのたいしたことじゃないんです!」

みち子のママ「まあ……」

みち子「みつ夫くんじゃなくて、パーマンよ!?」

みつ夫が倒れる。

それから、1号は料理を食べまくっていた。

1号「おいしいなぁ。こんなの初めてだ! これもこれもああおいしい!」

みつ夫「おい! あのぉ、ちょっと失礼します……」

みつ夫と1号が外に出る。

1号「何だよ。これからいよいよステーキに掛かるところなのに……」

みつ夫「お前なぁ。少し意地汚すぎんだよ! パクパクムシャムシャ食べ続けてないか? パーマンの名誉にも関わるよ。交代しよう!」

1号「ええっ!?」

みつ夫がマスクを取る。

食堂

1号「いやあ、失礼しました。ではこれから本当にステーキをいただきましょう。ああ、いい肉ですね」

1号がステーキを口に運ぼうとすると、バッジが鳴り響く。

1号「こちらパーマン。なんかあったの!?」

ブービー「ウキウキアキキキ!」

1号「大事件らしいです! 残念ながら行かねばなりません」

みち子「ええっ!? じゃあ、気をつけてね……」

1号「はいっ!(ご馳走、取っておいてくれるかなぁ!?)」

玄関

みち子のパパ「社会の平和のため、頑張ってくださいよ!」

1号「はいっ! 行ってまいります。そんなに時間はかかんないと思います……パワーッチ!」

1号が飛び立つが、足が電線に引っかかってしまう。

1号「うわあぁっ!!」

さらに犬小屋を壊し、家に頭をぶつけてしまう。

みち子の家

コピーみつ夫はご馳走を食べ続けていた。

コピーみつ夫「こんなおいしい料理はウチでは滅多にないから……」

さらにはビールまで飲んでしまう。

みち子のパパ「おいおい、それはそりゃ、ビールだよ!」

山中

1号とブービーが飛んでいた。

ブービー「ウキウキウキキ!」

1号「山で、2人連れが道に迷っておなかをすかせて凍え死にそうだって!?」

ブービー「ウイーウイー!」

1号「そりゃ大変だ。急ごう! ご馳走も食べ残してることだし」

2人はキャンプの後に着く。

1号「近いぞ。最期の力を振り絞って山を降りようとしてるんだ! 早く探さないと、取り返しがつかないぞ」

草むらに何かが潜んでいた。

1号「いないなぁ……」

草むらから熊が出る。

1号「ああっ!! 何だ、人違い……いや、熊違いか。こんなときに邪魔なんだよ」

熊はこけたあと1号に襲い掛かる。

1号「どこかな!?」

熊は1号に再び襲い掛かろうとするが、持ち上げられる。

1号「うるさいな。今、お前なんかにかまってる暇はないんだよ!」

1号が熊を投げ飛ばす。

木からいろんな動物が落ちてくる。

空が暗くなる。

1号「ダメだ。暗くて10m先が見えないよ……明かりがあればなぁ」

ブービー「ウッキー!」

1号「マッチ!? そんなものないよ……」

ブービー「ウイー。ウキキキ!」

1号「ん? そうか!」

1号は木を抜いたあと、他の木にこすりつける。

ブービー「ウキー、ウキー!」

ようやく火がつく。

ブービーももう1本で火をつける。

1号「よし!」

早速前に進む2人。

男「ん? 火だよ。火が近づいてくる!」「俺たちを助けに来てくれたんだ!!」「おおーい!!」

それから2人は任務を終えて帰還する。

1号「というわけで2人は病院へ。すぐ元気になるっていうことだ」

ブービー「ウイーウイー!」

1号「ご苦労だったね。じゃあ、またな!」

ブービー「ウッキキー!」

1号「バイバーイ!!」

みち子の家

1号「ええっ、もう終わったの!?」

みち子「ええ。みつ夫さんったらビールまで飲んで酔っ払ってしまって……パパがおんぶして送って行ったのよ!」

1号「あいつめ……みっともないことを」

みち子「あなたは違うわよ。みつ夫さんのことよ!?」

1号「だから……みつ夫はつまり、その……なんだ。その、こうなりゃ何もかも打ち上げちゃうぞ!」

みち子「何もかもって何を!?」

1号「実はね、パーマンの正体は……」

すると1号が消えてしまう。

みち子「あら! パーマン!? あら……」

外では、バードマンが1号を持ち上げていた。

1号「ああーん……何すんだよ!!」

2人は家の屋根に下りる。

バードマン「パーマンの正体は、誰にも明かさない約束だろ!?」

1号「だってさ、あんな誤解受けたら……」

バードマン「我慢しろ。いいか!? もしもだ、誰かに秘密をしゃべったら、君を動物に変身させるぞ!?」

1号「変身? 動物に!?」

1号はいろいろな動物をイメージする。

バードマン「これは規則なんだ」

1号「でもなぜなんです!?」

バードマン「それは、パーマンの力を悪人が手に入れたらどうなる!? どんな恐ろしいことだって出来るだろ!?」

1号「そうか……」

みつ夫の部屋

コピーみつ夫が寝ていた。

ママ「ママはこんな恥ずかしい思いをしたことはありませんでした」

ガン子「子供がお酒飲んじゃいけないんだ。ねぇママ」

ママ「当たり前です! みつ夫、聞いてるの!?」

窓から1号が覗いていた。

1号「あーあ。パーマンになるってつらいことなんだなぁ……」

男「ああっ!!」

1号「はっ!」

男「誰か覗いてますよ。あんた泥棒でしょ!?」

1号「ち、ち、違いますよ」

男「うそつけ!」

1号が飛び立つ。

1号「あのおっちゃん、パーマン知らないのかなぁ!? だいぶ遅れてんな!」
 

(続く)
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