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百獣戦隊ガオレンジャーの第1話
 

母親が少年をベッドに寝かせている。

母親「さあ、あったかくしてね」

少年「お母さん、お話お話」

母親「むかーし昔、あるところにおじいさんがいました。せまーい店に……」

「むかーし昔竹取の翁……」「1人ぼっちの女の人がいました。かわいい赤ちゃんがいたので」

ナレーション「皆さんは、この平和な世界が……永遠に続くかのように錯覚していませんか!? 21世紀を迎えたこの星の上、その闇の中で……人知れず、邪悪なものたちが生まれているのです」

店の窓にタービンオルグがぶつかった後、屋上に移る。

そこへ、ガオホワイトが獣皇剣で挑む。

だが、返り討ちにあい、逃げられる。

今度はガオブラックがタービンオルグを持ち上げ、壁にぶつけて投げ飛ばす。

続いて水からガオブルーが現れ、タービンオルグを水中に引き寄せて引っかいた後、外に出す。

空からガオイエローがタービンオルグを掴み、壁に激突させる。

タービンオルグは反撃しようとするが、ホワイトに助けられる。

ブルーやブラックも合流する。

するとどこからか電流が放射され、4人に浴びせられる。

電流を流したのはプラグマオルグだった。

奴は再びガオレンジャーに電流を浴びせる。

それによりビルが崩れ、人々は逃げまとう。

「象が逃げたぞ!!」

そこへ警察が表れ、銃を向ける。

警官「このままじゃ危険だ。行くぞ!!」

象の前に、獅子走(かける)が現れる。

走「撃たないでくれ、俺に任せろ!」

警官「無茶をするな!」

走「俺は獣医だ……」
 

Quest 1
獅子、吼える!!
 

走「どうしたんだ!? 俺に話してみろよ……」

象が鳴き始めると走は目を閉じて聞き取る。

象に近づく象に、警官が避ける。

走「よし、もう大丈夫だからな。もう大丈夫だ……怖かったろう」

ガオズロック内では、テトムが走が象に乗るを伺っている。

走「どうだ!? もう怖くないぞ」

戦場

2体のオルグが消える。

ブルー「悔しい……あと1歩だったのに!」

ブラック「初めてだ……一辺に2匹のオルグなんて」

ホワイト「やっぱり、必要なんじゃないの!? テトムの言ってた……5人目の戦士が」

イエローが降り立つ。

イエロー「俺たちだけの力じゃ、足りないって言うのかよ!?」

テトム「皆さん、見つかりました。ガオレンジャー5人目の戦士が……」

翌朝

アナウンサー「昨夜、都心で爆発事故が相次ぎ、ケガ人が多数出ました。爆発の原因は調査中ですが、記依然不明です……騒動に驚いたサーカスの象が暴走しましたが、警察が出動し……無事、取り押さえました」

走が犬の手当てをしていた。

走「よしよし、これでどうだ!? よくなったなぁ……もう大丈夫だ」

犬を逃がし、帰ろうとすると前には鷲尾岳と大河冴がいた。

冴「私たちと、一緒に来てください……」

走「え?」

右腕を牛込草太郎が、左腕を鮫津海が抑える。

草太郎「悪いな……」

海「ちょっと確かめたいだけなんだ……」

岳は走の腹を殴り、気絶させる。

走がジャングルで寝ていると、目を覚ます。

ナレーション「人生の天気というものは、本人も思いもしない形で突然訪れます。この青年に、それが起ころうとしています……」

走「どこだ!?」

空を飛ぶのは、イエローのパワーアニマル・ガオイーグルだった。

走「わああ―――っ……」

ジャングルの向こうは草原だった。

走「何だここ!?」

草原ではブラックのパワーアニマル・ガオバイソンとホワイトのパワーアニマル・ガオタイガーが走に駆けつける。

そうはガオバイソンの鼻息に吹き飛ばされる。

今度は湖からブルーのパワーアニマル・ガオシャークが泳いでいた。

4体のパワーアニマルが目にしたのは、崖の上に立っているガオレッドのパワーアニマル・ガオライオンだった。

走「赤い……ライオン!? 夢なら……覚めんなよ!!」

崖を上ってガオライオンの元に駆け寄る走。

だが、途中で滑り落ちるが、止まる。

走「この島……空の上に浮かんでるよ!!」

そう。ここは天空島アニマリウムで、パワーアニマルの住む島なのだ。

ガオズロック

岳たちが走の様子を見ている。

岳「ほぉー、怖がってないな……」

テトム「その青年こそ、あなた方のリーダーです」

海「リ、リーダー!? ちょ……なんでだよ、テトム!? 僕の方がよっぽど強そうだろ!? なあ、ブラック!」

海が草太郎にしがみつく。

テトム「ガオライオンに選ばれたガオレンジャーは……5人のリーダーになるんです」

アニマリウムでは、走が崖を上り続ける。

ガオライオンが走の方を見た後、崖から飛び出すと走は落ちそうになる。

だが、間一髪ガオライオンに助けられる。

走「お前……かっこいいな!」

すると走はガオライオンの言葉を聞き取る。

走「え、俺を探してたって? どういうことだよ!?」

ガオライオンの目が光ると、走が突然苦しみ出す。

走「熱い……」

走の右手が赤く光り、ライオンの紋章が記される。

するとそこから赤い球体が現れ、ガオの宝珠となって手に止まる。

走「こ、これは!?」

さらに今度は走の体が光り、ガオズロックに落ちてしまう。

岳「ハロー……」

走「あーっ! お前たちはさっきの……これは、夢じゃないのか!?」

テトム「夢ではありません……私はテトム。あなたが会った……パワーアニマルたちの意思を伝えるための巫女です。パワーアニマルは、この星を守るための聖なる力!」

走「はぁ!?」

テトム「あなたは……彼らとともに戦う戦士・ガオレンジャーなんです!」

走「ガオレンジャー!?」

テトム「オルグと戦うための、5人の戦士です」

走「いや……何言ってるか全然わかんないよ」

すると聖なる泉が暴走し始める。

岳「おいでなすったぜぇ……」

海「見てみなよ……」

湖にはプラズマオルグの姿が写っていた。

走「お、鬼!!」

岳「あれがオルグさ……」

テトム「オルグは……地球を虫歯の怪物です。放っておけば、地球は重い病に陥る。あらゆる生命体は絶滅に追いやられるでしょう」

走「え?」

冴「ダムが破壊されたら、下流の町が危ないわ」

海「よぉーし、つべこべ言ってる暇はないぜ。なあ、ブラック!」

テトムは走に変身アイテム・Gフォンを授ける。

テトム「Gフォンを。これには、ガオライオンのパワーが宿っています」

走「何!?」

岳「よし、行こうぜ!」

海「さあ、早く!!」

走「ちょ、ちょっと!」

5人は早速出動。

人々がダムから逃げる。

タービンオルグ「でやーはっはっは! 風神・タービンオルグ様の本物の風を受けてみよ!」

タービンオルグの風が人々を吹き飛ばす。

プラグマオルグ「雷神・プラグマオルグの雷から逃げられないのよ!」

プラグマオルグの雷撃が施設を襲撃する。

そこへ5人が駆けつける。

海「うわあー、ひどいなぁ……」

岳「おい、行くぞ」

すると走が山を目にする。

人々は苦しみ、動物たちは逃げる。

走「皆……怯えてる……」

走の脳裏にテトムの言葉が甦る。

(テトム『これには、ガオライオンのパワーが宿っています』)

走「俺にも、あいつらを倒す力があるのか!? 教えてくれ!」

冴「ええ。出来るはずよ」

岳「ガオライオンの目が確かならな……でも、危険な戦いになるぜ!?」

走「俺は獣医だ。救いを求める命を黙って見てるわけにはいかない!」

冴「私たちの後に続いて」

走が頷く。

4人「ガオアクセス!!」

走「ガオアクセス!!」

4人「はぁ!!」

走「はぁ!!」

一同「サモン・スピリット・オブ・ジ・アース!!」

一同の体にスーツが装着され、それぞれのパワーアニマルの幻影がヘルメットとなって頭部に形成される。

ナレーション「風が、大空に命を伝え、パワーアニマルの心を目覚めさせるとき……自然の力と人の思いが1つになり、地球を守る5人の戦士が生まれるのです」

イエロー「いくぞ!!」

ガオレンジャーに変身した5人は戦場に駆け寄り、2体のオルグに挑む。

イエロー「獣皇剣!!」

イエローの獣皇剣がタービンオルグを切り裂く。

タービンオルグ「また貴様らか……」

イエロー「ガオイーグルに選ばれし戦士……孤高の荒鷲・ガオイエロー!!」

今度はブルーが上から両手の爪でタービンオルグを鮫の口のように引っかく。

ブルー「ガオシャークに選ばれし戦士……怒涛の鮫・ガオブルー!!」

ブラックはプラグマオルグを持ち上げ、木に投げる。

ブラック「ガオバイソンに選ばれし戦士……鋼の猛牛・ガオブラック!!」

木の上からホワイトが爪でプラグマオルグを引っかく。

ホワイト「ガオタイガーに選ばれし戦士……麗しの白虎・ガオホワイト!!」

レッド「うおおお―――っ!!」

ガオレッドがキックでタービンオルグを倒す。

レッド「ガオライオンに選ばれし戦士……灼熱の獅子・ガオレッド!!」

プラグマオルグ「おのれぇ……」

3人は一斉に爪でプラグマオルグを引っかくが、電撃に怯む。

イエローとブルーもタービンオルグの突風に吹き飛ばされるが、岩を踏んで切り裂く。

止めを誘うとするが、止められる。

プラグマオルグ「ああっ、タービンオルグ……助っ人するぞ」

プラグマオルグの電気が2人を引き上げ、電撃で襲う。

そこへレッドたちが駆けつける。

そして2人の合体攻撃が炸裂する。

一同「うわあああっ!!」

するとレッドの胸のライオンが光りだす。

レッド「皆、聞いてくれ!」

4人が立ち上がる。

ブルー「戦いの最中だぞ!?」

イエロー「お前の御託なんて聞いてる暇はない!! でやああ!」

イエローが突進するが、レッドに止められる。

レッド「俺の心に、ガオライオンが呼びかけてるんだ……」

ブルー「え?」

レッド「今の俺たちの戦い方はバラバラなんだ。5人のパワーを1つにまとめれば、もっと強くなれる!!」

ホワイト「え? どうすれば!?」

レッド「皆の武器を……」

ブラック「よしっ!」

5人はそれぞれ破邪の爪を取り出す。

レッド「ライオンファング!!」

イエロー「イーグルソード!!」

ブルー「シャークカッター!!」

ブラック「バイソンアックス!!」

ホワイト「タイガーバトン!!」

ナレーション「5人の気持ちが重なり合い、彼らの剣によこしまなる者を破る聖なる力が集まるのです……」

5人の破邪の爪が合体し、破邪百獣剣となる。

レッド「破邪百獣剣!!」

プラグマオルグ「へっ、こしゃくな!」

プラグマオルグが走り出す。

タービンオルグ「プラグマオルグ!!」

プラグマオルグ「うおおお―――ッ!!」

レッド「邪気、退散……!! でやああ―――ッ!!」

レッドは百獣剣を振り下ろし、タービンオルグを真っ二つに切る。

タービンオルグ「プ……ラグマ……」

百獣剣は5つの破邪の爪に分離されていた。

プラグマオルグ「ぐわああ―――ッ!!」

タービンオルグは大爆発してしまい、残骸だけが残る。

レッド「やったぜ!! 俺たちって、すげーよな……よし、よしよしよし!!」

一方、タービンオルグは傷を負っていた。

タービンオルグ「誰だ!?」

現れたのはデュークオルグ・ツエツエとヤバイバだったが、消える。

タービンオルグ「今の1本角は、何かすごい力を感じる……」

2人の笑い声が響く。

後ろにツエツエとヤバイバが姿を現す。

ツエツエ「そうでしょ!? 角はオルグの力の象徴ですものね……」

タービンオルグ「お前たちは何者だ!?」

ヤバイバ「俺たちはデュークオルグさ……」

ツエツエ「全てのオルグの神である、オルグマスターに仕えるものです……」

ヤバイバ「俺たちと一緒に戦わないか!?」

ダムにやってくるガオレンジャー。

イエロー「何かやな雰囲気がするぜ……」

するとタービンオルグが巨大化し始める。

テトム「わああ―――ッ……オルグがあんなに大きくなるなんて……」

タービンオルグの猛攻に周辺が爆発する。

イエロー「でかすぎる……こんな奴にとても敵わないぜ」

レッド「このぉ!」

レッドが獣皇剣でタービンオルグに挑むが、1発で吹き飛ばされる。

レッド「こいつ……」

するとレッドの獣皇剣が光りだし、左手にはガオの宝珠が手に止まる。

レッド「これは……」

レッド以外の4人の手にもそれぞれの宝珠が手に止まる。

イエロー「何だ!?」

今度はテトムの胸のクリスタルが輝きだす。

テトム「その時が来たのね……皆、獣皇剣にガオの宝珠を」

5人はテトムに言われたとおり、宝珠を獣皇剣に入れると刃が光り、メロディーが流れてアニマリウムに響く。

ナレーション「獣の剣と魂の宝珠が合わさって、剣の音色が天空を越えて響くとき、その音色に応え……大自然の精霊たちは光の未知をかけ、地上に降臨するのです」

アニマリウムから5匹のパワーアニマルが地上に降り立つ。

レッド「パワーアニマル……」

イエロー「奴らがやってきてくれるなんて……」

ブラック「ああ!」

ブルー「一緒に戦ってくれるのか!?」

ホワイト「うん……」

レッド「よーし! ガオライオン!!」

ガオライオンがタービンオルグに飛び掛かる。

ホワイト「頼むわ、ガオタイガー!!」

ガオタイガーの爪がタービンオルグを引っかく。

ブルー「突っ込め、ガオシャーク!!」

ブラック「ぶちのめせ、ガオバイソン!!」

ガオシャークとガオバイソンの突進攻撃が炸裂する。

イエロー「行けー、ガオイーグル!!」

ガオイーグルのフェザーボムが炸裂。

レッド「よし、俺たちもパワー集中させるぜ!!」

パワーアニマルがガオレンジャーの元に集まる。

レッド「命あるところ、正義の雄叫びあり! 百獣戦隊!!」

一同「ガオレンジャー!!」

獣皇剣とパワーアニマルからガオソウルが放たれ、タービンオルグに炸裂し、大爆発してしまう。

一同「よっしゃー!」「やったー!!」

テトムがホッとする。

ナレーション「聖なる獣たちの力と戦士たちの勇気が1つになり、邪悪なものを打ち倒す力が生まれました。しかし、青い地球を救う戦いがどれほど長く、険しいものになっていくか……まだ彼らは知らないのです」

レッド「うおお―――っ! やる気満々だぜ!!」
 

つづく
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