戻る TOPへ

ビーファイターカブトの第1話
 

聖聖学園高等学校

生徒たちが帰っていく。

そこの運動場ではサッカー部の練習試合が行われていた。

2年A組・鳥羽甲平が参加していた。

その妹・ゆいや他の生徒たちが応援していた。

甲平「OK、走れ走れ! そのままそのまま」

ゆい「お兄ちゃん、頑張って!」

女子生徒「甲平、頑張れ!!」

甲平「そのままじゃ出せないから……出せないよ、んなとこじゃ」

女子生徒「行け行け甲平!!」

ゆい「お兄ちゃん、シュート!」

甲平「よっしゃ、行くぞ!!」

キーパーが甲平のシュートをキャッチするも、ボールもろともネットを越えてしまう。

甲平「やったー!! やったやった!」

ゆい「お兄ちゃん、今度は柔道部よ」

柔道道場で生徒を何人も投げ飛ばす甲平。

次にボクシング、バスケ部などにも励んでいた。
 

2代目は高校戦士
 

日本海溝、震度7000m
 

橘健吾の乗る潜水艦がそこを彷徨っていた。

健吾「橘です。半径20キロ以内、生命活動なし。逃げたのか、抹殺されたのか、一体ここで何が!?」

すると山が光りだした。

健吾「うわあっ!!」

海底から何かが這い出てくる。
 

コスモアカデミア・日本支部
ビートル ベース
 
鮎川蘭がピットに呼びかける。

蘭「ビット、ピット!」

しかし、ピットは起きない。

蘭「ピット、起きろ! こら、起きろビット!! 起きないと消去しちゃうぞ」

ようやく目を覚ますビット。

ビット「うわああ!! おはよう蘭、足なんか上げちゃって」

蘭「おはよう、ビット。健吾さんのデータの分析結果は!?」

モニターにデータが映る。

ビット「正体不明だよ。すっごいエネルギーを構築してる……人間なら、邪悪とか凶悪とかって形容詞を付け足すくらいのね」

蘭「邪悪で凶悪なエネルギー!? 博士、これってまさか……博士!」

花の水遣りをしているのは小山内勝博士である。

博士「まさか、現実になろうとは……いよいよあの計画の発動だ!」

研究員や博士が健吾と合流。

健吾「博士!」

エレベーターに乗って地下15階に移動する。

博士「キル!」

「チェックします」

コンピューターが博士を分析。

「登録データ一致、本人と確認しました。入室を許可します」

扉が開くと、そこには初代ビーファイター・ブルービートの甲斐拓也がいた。

拓也「やあ……」

健吾「先輩!」

蘭「いらしてたんですか!?」

博士「それで、ニューヨーク本部はなんと!?」

拓也「例の遺伝を侵略者のものと判断。健吾と蘭を、新たなビーファイターにする計画の発動を正式に承認しました」

博士は拓也から書類を受け取る。

博士「ご苦労さん!」

回想

拓也がコンピュータを操作して3つのビーコマンダーに赤外線を放射。

老師が角の光をアーマーに浴びせる。

拓也「異次元侵略軍団ジャマールの壊滅から5年、アースアカデミアはコスモアカデミアに発展拡大。地球の生命を脅かす、新たな侵略者の出現に備え……計画を準備。戦いを終え、眠りに就いたインセクトアーマーをベースに研究を進め、ついに次世代のアーマーを作り上げることに成功した」

現在

博士「そして、コンピューターが候補者をリストアップ」

博士がコンピューターを操作すると、アーマーの候補者が移る。

ビーファイタークワガーには健吾が、ビーファイターテントウには蘭が選ばれる。

博士「アーマー自身が君たちをともに戦う闘士として選んだわけだが……しかし、最後の1人がどうしても見つからない」

ビーファイターカブトはまだ誰か選ばれていなかった。

博士「特に、戦闘能力に秀でた……あのアーマーを纏うべくもう1人の戦士が」

健吾「もう1人の戦士!?」

博士「いずれにしても、ここまで来れたのは……甲斐君と、そして昆虫界の最高主導者である老師の協力のおかげだ」

そこに、老師が姿を現す。

老師「選ばれし戦士たちよ……」

蘭「わあー、かわいい。鮎川蘭です、よろしくね! おじいちゃん」

蘭が老師の頬にキスする。

健吾「始めまして、橘健吾です」

老師「おおー、聞こえる。新たな侵略者の足音が……急がねばならん! ネオインセクトアーマー……健吾、蘭、受け取るのだ」

2つのアーマーが光りだし、健吾と蘭の手に止まる。

老師「それはお前たちの声にだけ反応するコマンドボイサーだ。それを使えば、超重甲するのだ!」

博士がケースから出したのは3枚のカードだった。

博士「これが超重甲を起動させるインプットカードだ」

街中

甲平とゆいが下校していた。

ゆい「お兄ちゃん!」

轟音が響く。

地割れが起き、ビルが爆発し始める。

甲平「ゆい!」

ゆい「お兄ちゃん!」

消防車のサイレンが響く。

するとビルから謎の芋虫型メカ・ギドーバが出現する。

甲平「何だあれ!?」

人々が逃げる。

ギドーバの攻撃が町を破壊する。

甲平「ふざけやがって、芋虫野郎……ゆい、ここを動くな!」

甲平はカバンをゆいに渡していく。

ゆい「お兄ちゃん!?」

甲平「おい、芋虫野郎! こっちだこっち! ゆい、皆、今のうちの逃げろ」

ギドーバは甲平の声に誘われる。

ゆい「皆、逃げてください! 逃げてください!!」

ビートルベース

博士たちがギドーバの襲撃をモニターで見ている。

博士「ついに始まったのか……侵略者の攻撃が」

健吾「行こう。俺たちだけでも!」

蘭「待ってました!」

健吾と蘭が出動。

博士「頼むぞ。健吾、蘭」

町では、ギドーバをひきつけ続ける甲平。

甲平「ホーラ、芋虫野郎、こっちだこっち!」

戦場に駆けつける健吾と蘭。

蘭「何やってんのよあいつ!?」

健吾「やめろ!!」

甲平「こっちだこっちだ芋虫野郎!!」

2人は甲平を連れて離れる。

蘭「やめて!」

健吾「危険だ、俺たちに任せろ」

甲平「邪魔すんな、放せ!!」

すると、ギドーバの銃撃に3人は吹き飛ばされてしまう。

健吾「危ないところだった……」

蘭「やるじゃん」

すると今度は空が暗くなり、謎の要塞が現れる。

健吾「あれは、あの時の……」

あの謎の要塞は健吾が海底で見たものだった。

要塞の名は巨大生物要塞・メルザードスである。

健吾「こいつだったのか」

蘭「母艦かな!? 敵の」

甲平「今度は何をするつもりだ!?」

地下にするギドーバがメルザードスに還っていく。

マザー「我が子よ、メルザードの古代よ……地球は我ら2億年の眠りから覚めた、メルザード族のものだ――」

一同「うお―――!!」

マザー「抹殺せよ!! 地上に生きる全ての生命を」

ライジャ「お任せください、マザー。予定通り、地上はギドーバが破壊しました……仕上げは、我が手で」

デズル「はっはっは! これだから兄者は。地上にのさばる奴らにもっともっと悲鳴を上げさせ苦しませねば、我らが目を覚ました甲斐がない」

怪人たちが争い始める。

ミオーラ「静まれい! やめろ!! 頭でっかちの兄弟たちが、考えそうなことだ」

ドード「そりゃこっちのセリフでゲスよ。兄弟たち……」

すると、マザーが苦しみ始める。

ミオーラ「儀式だ。マザーが新たな兄弟をお生みになる!」

マザー「誰だ……地上に、我らメルザードの歴史を新たに刻み付けるのは……」

マザーの尻尾が化石を吸収する。

マザー「我が子よ……エレバンモスよ、生まれ出でよ」

尻尾から卵が現れ、巨象獣エレバンモスとなる。

エレバンモス「エレバンモス!!」

マザー「我ら一族に栄えよ……メルザードに栄えあれ!!」

空から落雷が落ち、エレバンモスが高校に現れる。

エレバンモス「エレバンモス! よって地上のはさなった俺をマザーが復活させてくれた!」

3人が駆けつける。

甲平「何だよあれは!?」

健吾「マンモスの怪物……」

蘭「もう、次から次へと!」

エレバンモス「今こそ、地上を俺の時代に……俺の世界に戻し、メルザードの新たな歴史を刻んでやる!」

屋上からミオーラの声が響く。

ミオーラ「そうだエレバンモス。復活のご恩に報いるのだ」

ライジャ「凍らせろ……地上に生きる全ての生命の鼓動を絶て!!」

エレバンモスの手の冷凍ビームが生徒や車を凍らせる。

甲平「やめろ!」

甲平たちは冷凍ビームを交わす。

ゆい「お兄ちゃん!!」

ゆいは小屋に逃げるが、エレバンモスの冷凍ビーム凍ってしまう。

甲平「ゆい!! ゆい、ゆい!」

甲平が小屋に駆け寄る。

健吾「君!」

すると2人のコマンドボイザーが反応し始める。

甲平「ゆい、ゆい! ゆい!!」

するとエレバンモスが猛スピードで走ると、凍った車が爆発する。

花もエレバンモスの足に踏まれてしまう。

甲平「ゆい、ゆい! 待て、ゆいを踏み潰させてたまるか!!」

甲平がエレバンモスにしがみつく。

しかし、あっさり振り落とされ、今度は冷凍ビームに吹き飛ばされてしまう。

エレバンモスの猛攻にどうすることも出来ない甲平。

そこへ、ライジャたちが現れる。

ライジャ「貴様ら人間ごとき、ちっぽけで無能の生き物にこの地上を制する資格はない!」

ミオーラ「健気な……踏み潰せ、エレバンモス!」

エレバンモスが甲平に近づく。

甲平「ふざけるな! お前らこそ、人間の……動物の……昆虫の皆の命を何だと思ってるんだ!?」

甲平はエレバンモスに挑むも、再び飛ばされる。

エレバンモスの火炎放射が甲平に浴びせられる。

甲平の体は傷だらけだった。

甲平「動物は宙に能を生え、走り回る……昆虫は、空を飛び……花は美しい姿で、人間に……安らかな心を与える」

エレバンモス「何もかも一緒に踏み潰してやる!!」

甲平「自然と人間が調和している地球を……破壊することは許さない!!」

ビートルベース

博士「あれは……」

老師「あの熱き思い……あれこそはるかな昔、虫や動物たちと生きていた人間が持っていたもの……」

するとカブトのアーマーが球体となり、甲平の手に止まってコマンドボイザーとなる。

甲平「何だこれ!?」

健吾「まさか……あいつが、あの高校生が!?」

蘭「ウソ……私たちと闘志!?」

蘭と健吾が甲平を起こす。

健吾「君、大丈夫か!? しっかりしろ」

蘭「大丈夫!?」

健吾「君は、僕たちの仲間だ!」

甲平「え?」

健吾「インプットカードだ」

甲平「インプットカード!?」

蘭「超重甲よ」

甲平「超重甲!?」

エレバンモスが唸る。

健吾「超重甲!!」

蘭「超重甲!!」

健吾がビーファイタークワガーに、蘭がビーファイターテントウに超重甲する。

甲平「よーし、俺も。行くぞ! 超重甲!!」

甲平がビーファイターカブトに超重甲。

こうして2代目ビーファイターが誕生した。

カブト「な、何だ!? この鎧は」

ライジャ「貴様らはいったい……」

ミオーラ「何者だ!?」

クワガー「行くぞ、メルザード! ビーファイターが相手だ!!」

カブト「ビーファイター? あの、ジャマールをやっつけた!?」

テントウ「そうよ。私たち仕事で戦いを引き継いだ新たなビーファイターよ。メルザード、覚悟!」

カブト「私たちって……俺も!?」

ライジャ「ビ、ビーファイター!?」

カブト「おーし、行くぞ!!」

ビーファイターがメルザードに挑む。

クワガーが怪人の落とした柱を受け止め、返す。

テントウ「カード01、インプット。スタッグビーム!!」

テントウはインプットカードガンで怪人を撃ち落とす。

カブトはエレバンモスをその突進に耐えながら持ち上げ、投げ飛ばす。

カブト「許さん……」

カブトのチョップとキックが角を切り落とす。

そこへ、クワガーとテントウが現れる。

クワガー「ロードビートルだ!!」

ロードビートルのカードをボイサーにセット。

クワガー「ロードクワガー!!」

テントウ「ロードテントウ!!」

カブト「ロードクワガー? ロードテントウ!? よし、俺も呼ぼう。ロードカブト!!」

3機のロードビートルが現れる。

カブト「すげーや。こういうのがあるなら、最初から言えよ。これが、ロードカブトか……」

クワガー「ロードクワガー!」

テントウ「ロードテントウ!」

3人はそれぞれのロードビートルに乗り込む。

カブトのコンピューターにカブトランサーのデータが送られる。

カブト「よし、フィニッシュウェポン!!」

3人の手に自分たち専用のフィニッシュウェポンが装備される。

カブト「カブトランサー!!」

クワガー「クワガーチョッパー!!」

テントウ「テントウスピアー!!」

エレバンモス「何だ、そんな物……」

クワガー「行くぞ!」

テントウ「行くわよ」

ロードクワガーとテントウが走り出す。

エレバンモス「これでも食らえ!!」

エレバンモスが攻撃を加えるが、全く効いていない。

クワガーチョッパーとテントウスピアーがエレバンモスを切り裂く。

カブト「キャバリアランサー!!」

カブトのカブトランサーがエレバンモスを貫通する。

エレバンモスが大爆発する。

それにより氷付けにされた生徒やゆいが元通りになる。

メルザードス

マザー「我が子よ……ライジャ!!」

ライジャたちがマザーの襲撃に遭う。

デズル「はっはっは……」

ドード「ゲスゲス……ダハハ」

戦いを終え、カブトが小屋に駆けつける。

カブト「ゆい、ゆい、ゆい!」

小屋にはゆいの姿はなかった。

カブト「どこに行ったんだ!? ゆい、ゆい!!」

するとドラム缶からゆいがでてくる。

ゆい「お兄ちゃん? お兄ちゃんだよね!?」

カブト「ゆい……助かったんだな!?」

ゆい「お兄ちゃん!!」

クワガー「よし、これから3人で頑張るぞ!」

テントウ「頑張りましょう」

カブト「お、俺が……戦士に? ビーファイターに選ばれた!? ちょ、ちょっと待てよ」

カブトはヘルメットを脱ぎ、素顔を露にする。

甲平「俺はただの高校生だし、来年は受験だし……第一、部活が忙しい。そんなこと急に言われても……」

その様子を拓也と老師が見ていた。

拓也「地球の平和は任せた。頼むぞ」

老師「ともに戦おう。ビーファイター……」

博士「遂に、遂に誕生した。若き戦士たち、邪悪なメルザードの侵略から地球を守れ。地球に生きる全ての命を守れ……ビーファイタークワガー、ビーファイターテントウ、ビーファイターカブト!」
 

つづく
inserted by FC2 system