戻る TOPへ


ウルトラマンタロウ初回


●第一話 ウルトラの母は太陽のように


  (どこかの港によるタンカー)

「ウルトラ六番目の兄弟・ウルトラマンタロウについての物語が、今ここから始まる」

  (タンカーからナップサックを持った青年が出てくる)

青年「やっと帰ってきた・・」

  ドボン! (笑顔で海を見渡す青年。なんとそのまま海に飛びこんでしまう)

船員「お〜い! 誰か飛び込んだぞ〜!」

  (その声を聞いて甲板に出てくるタンカーの船長)

船長「おい! 光太郎くん! お〜い!」

  (海を泳いで行こうとする青年に呼びかける船長)

光太郎「船長! さようなら!」

  (船長に向かって笑顔で手を振る光太郎)

船長「光太郎くん! 船に就職する話はどうするんだ!?」
光太郎「せっかくですがお断りします!」「それから、これを貰っていきますよ! ありがとうございました!」

  (船長への返事の後に、なにやら球根のようなものを取り出す光太郎。そのまま泳いでいく)

船員「船長。東くんの部屋にこれが」
船長「うむ」

  (船員が船長に何かを見せる。それは年配の女性が写った古い写真だった)

船長「身寄りが無いというのに、どうするつもりなんだ?」



  (陸地に辿り着いた光太郎。裸になって服を乾かし、犬と遊んでいる)

光太郎「船長。俺は裸一貫で世界中を歩いてきたけど、やっぱりボクシングやりたいんです。男らしい仕事だと思うんだ」
「それから、チグリスフラワーの球根。砂漠の中で百年に一度しか咲かない花だそうですが、俺が日本の土で育て花を咲かして見せます」
「きれいな、大きな花を!」

  (土を掘って球根を埋める光太郎。と、その時・・・)

  ドドドドドド!!(大きな揺れが発生する)

光太郎「あっ! どうしたんだ!?」


  バシャーーーー!!(海より甲高い声を上げて巨大生物が現れる)

光太郎「超獣だ!!」

  (現れたのは超獣オイルドリンカー。タンカーを狙っている)


船員「こっちに向かってきます!」
船長「全員、退船しろ!!」


  (その様子を見た光太郎)

光太郎「ワン公、待ってろよ!」「おっとっと!」

  (抱えていた犬を降ろし、つまずきながらナイフを片手に走っていく光太郎)


船員「はやく逃げるんだ〜!」

  (逃げまどうタンカーの人々)

  
  (超獣はタンカーに穴を開け、漏れ出した原油を飲んでいる)

  (そこへ飛んできたものが二つ。地球と人類の脅威に立ち向かう組織・ZATが誇る戦闘機である)

副隊長「隊長。攻撃準備完了です」
隊員2「隊長、いましたよ!」
隊長「待て待て、慌てなさんな。相手はタンカーを狙ってるんだぞ。原油に火でも点いたらどうするんだ」

  (原油まみれの超獣の近くには火が吹き出ている)

隊員2「ちくしょう! 副隊長!」

  (うかつに攻撃できないZAT)

  (一方、光太郎は・・・)

光太郎「ちくしょう! 原油タンクを狙ってるな、冗談じゃないぜ!」

  (逃げまどう人々とは逆方向、すなわち超獣の方へ走っていく)

光太郎「通してください!」

  (コンテナのクレーンに乗り込む光太郎)
  (クレーンを操作し、先端を超獣の首に引っ掛ける)

光太郎「ざまあ見やがれ!」

  (動けない超獣)

光太郎「よ〜〜し!」

  ウイ〜〜〜ン!(ウインチを巻き上げて超獣を引きずり寄せる)


隊員1「な〜るほどねえ!」
隊長「頭がいいだけじゃない。勇敢な男だ」


  (だが引っ張られた超獣が暴れだす。その力で揺れまくるクレーン)

光太郎「ちくしょう!」


隊長「よ〜し、攻撃だ!」
隊員2「はい!」

  ドカン、ドカン!(様子を見ていたZATがついに攻撃を開始。戦闘機から火花が飛び散る)

  (さらにクレーンを動かす光太郎。だがその負荷に耐えられずクレーンの鎖が切れてしまう)

   ドボーン!(海にひっくり返る超獣)

副隊長「あっ! ちくしょう!」

  (ひっくりかえった超獣はそのまま海の中へ)

隊長「しまった! 逃がしちまった!」


  (クレーンから出てきた光太郎のところへ人々が詰め掛ける)

作業員「いや〜おかげでオイルタンクが助かりましたよ!」
船長「光太郎くん。いや〜ありがとう!」
光太郎「船長! タダで船に乗せてくれたお礼ですよ。それじゃあ」

  (そのまま立ち去ろうとする光太郎)

船長「光太郎くん、忘れ物だ」

  (船長が取り出したのは例の写真)

光太郎「あ〜!」
船長「君にとっては大切なものだろう?」
光太郎「どうも!」

  (写真をポケットに入れる光太郎)

船長「光太郎くんどうかね? しばらく私の家に泊まっていったら? 子供たちだけしかいないんだが」
光太郎「ありがとうございます。でも、俺は俺のやり方でやっていきます」
船長「うむ」
光太郎「さようなら!」

  (言い残すと立ち去る光太郎)


  (やがて夕日が辺りを照らす頃、光太郎が球根を埋めたところに花が咲いていた)
  (百年に一度しか咲かないというチグリスフラワーの花が咲いたのだ)
  (花が大量の花粉を出すと、なんと大量の花が咲き誇っていた)

光太郎「!? 花が咲いてるぞ!」

  (驚いて詰め寄る光太郎)

光太郎「まさか・・・痛えっ!!」

  (思わず両耳をつねった光太郎)

光太郎「は! 夢じゃない!」

  (満面の笑みを浮かべる光太郎。犬を抱えて大騒ぎだ)

光太郎「ワン公、咲いたんだよ! チグリスフラワーが咲いたんだ! 百年に一度しか咲かない花が咲いたんだ!!」
   「咲いたぞ〜〜! やったぁ〜〜〜!! 咲いたんだ〜〜〜!!」

  (花を飛び越え、ボクシングの構えを取る光太郎)




  (場面変わって夜道。独特な形をした車に乗ったZAT隊員がパトロールをしている)

「宇宙科学警備隊ZATは、逃げた超獣の逆襲に備え東京湾一帯のパトロールを強化していた」


  (そのころ、光太郎はチグリスフラワーのど真ん中で寝袋に入って寝ていた)

  (と、チグリスフラワーから触手が伸びてくる)
  (それに反応した犬は逃げ出すが、触手に捕えられてしまった)
  
  (さらに触手は伸び、ZATの車を襲う)

隊員2「!?」

  ガシャン!(ガラスを割って侵入してくる触手)

隊員2「ちくしょう!」

  バリバリバリ!(隊員がスイッチを捻ると同時に車は電気に包まれ、それを浴びた触手は逃げて行く)

隊員2「ちきしょう・・・・こちらラビットパンダ、埋立地に超獣を発見。急行を願います」

  (車から降りて本部に連絡するZAT隊員)


  (連絡を受けてさっそくやってきた)

隊員2「隊長! こっちです!」
隊長「うむ!」

  (花が咲いている地点に近づくZAT)

隊員2「パンダの電気ショック装置にかかって、また地面に潜っちゃったんです。あれを見てください」
隊員3「ふ〜ん、なるほど。新しいものがあるなあ」

  (穴を調べる隊員3)

隊員2「この花が怪しいんですよ」
副隊長「隊長、ここは埋立地です。地盤の柔らかい所を通って、この地下に逃げ込んだとも考えられますね」

  (ZATの面々が話している中で、寝袋の光太郎は寝返りをうつ)

隊長「わかった、怪しいものは一応処理しよう。スーパーナパームで焼いてしまえ」
隊員2「はい!」

  ゴオオオオ!(隊員が火炎放射器から炎を放ちチグリスフラワーを焼く。と・・・)

光太郎「ギャアアアアアアアア!!」
隊員「?!」
光太郎「アチチチチチチ! 誰だ!?」

  (チグリスフラワーの花の中で寝ていた光太郎が慌てて出てきた)

光太郎「あっ! この野郎! おい、俺をバーベキューにする気か!?」

  (ナパームを使った隊員に詰め寄る光太郎)

隊員3「待てよ! そんなところに寝てるほうが悪いんじゃないか!」
光太郎「!?」

  (光太郎が振り返ると、チグリスフラワーの花は無残に焼けていた)

光太郎「俺の花を! おい、この始末はどうしてくれるんだ!?」
隊員3「バカ! この花の下には超獣がいるんだぞ!」
光太郎「おい、俺の花がどんなに大切なものかお前知ってるのか? えっ? バカヤロウ!」

   バキッ!(怒りのあまり隊員をぶん殴る光太郎。たまらずダウンする隊員)

隊員1「北島さん!」
光太郎「こい!」

  (ファイティングポーズをとる光太郎。負けじとヘルメットをはずして立ち上がる北島隊員)

北島「よっし、いくぞう!」

  (そのまま大格闘をはじめる光太郎と北島隊員)

隊員2「北島さん!」
副隊長「いいんだ」
光太郎「大切な花を!」

  (戦いは互角で決着がつかない)

光太郎「とおっ!」

  (大ジャンプした光太郎、別の隊員の所に移動して殴りつける

隊員1「?! お、俺は違う・・・!」
光太郎「邪魔なんだよ!」

  (殴られて地面を転がる隊員。と、突然地面が揺れだしたと思うと海より超獣が出現する)

隊員2「あ、あいつだ!」
北島「昼間の超獣じゃないか!」
光太郎「見ろ! 超獣はあっちにいるじゃないか!」
隊長「よし、攻撃だ!」
隊員「はいっ!」

  (慌てて攻撃に向かうZAT)

北島「バカ!」
光太郎「バカヤロウ!」


  ゴオオオ!(口から火を吐いてガスタンクを破壊する超獣)

隊長「撃て! 撃て!」

  (走りながら拳銃で攻撃するZATの面々)



光太郎「!? うわああああ!!」

  (再び地面が揺れだし、地中から別の怪獣が出てくる)
  (右腕がムチになった宇宙大怪獣アストロモンスだ)

隊員1「こっちにも別の怪獣が!」
隊長「ナパーム弾!」
北島「はいっ!」「見ろ! 最初にやっつけとけばこんなことにならなかったじゃないか!」
光太郎「そんなこと知るか!」

  (怪獣に攻撃をかけるZATの面々)
  (怪獣の胴体部に大きな花がついている)

光太郎「チグリスフラワーだ!」
北島「お前の花と同じじゃないか」
光太郎「俺の花が怪獣に・・・ちきしょう!」


  (やがて怪獣アストロモンスは、超獣オイルドリンカーと戦いを始めた)
  (頭から突っ込んでいくオイルドリンカーだが、アストロモンスの胴体についている巨大花に飲み込まれてしまう)

隊員「すげえ・・・」
光太郎「ようし・・こうなったら俺自身の手で!」
隊員「おい!」「やめろ!」

  (怪獣に向かって走っていく光太郎)

隊長「撃て!」
隊員「はいっ!」

  (怪獣を攻撃するZAT)

光太郎「この野郎! あっ!!」

  (怪獣の目前まで辿り着いた光太郎。振り下ろされる足を避けると怪獣に飛びつく

隊員1「あっ!あいつ怪獣の足に飛びつきやがった!」
隊長「危ない!」

  (と、怪獣が空を飛んだ。光太郎は足にしがみつく)

光太郎「ハアッ、ハアッ・・・バカヤロウ! どこまで飛んでくんだよっ!」
   「えいっ!」

  (ナイフで怪獣の足を切り、噛み付き攻撃まで行う光太郎)

光太郎「うわああああああああ!!」

  (痛みに怒ったか怪獣が暴れだし、ついに光太郎は落下して地面に叩きつけられる)

光太郎「あいてててて・・・・・はあ・・・痛えなあ・・・・」

  (さすがにきいたかその場で気を失う光太郎)



  (夜が明けるとそこはグラウンド。気絶した光太郎の周りに子供たちが集まっている)
  
子供「どうしたんだろう?」「えい!」
光太郎「・・・・・!」

  (水をかけられた光太郎が動き出す)

子供「生き返ったぞ!」
女性「健一、救急車を呼びなさい」
健一「はいっ!」
光太郎「待ってくれ! 大丈夫だ・・・このぐらい大丈夫だよ・・・・」

  (目を覚まして自力でおきようとする光太郎)

女性「でも、ひどい怪我ですわよ」
健一「そうだ、緑のおばさんを呼んでこよう!」
子供「そうそう、あのおばさんなら怪我ぐらいすぐ治してくれるもんね」

  (健一ともうひとりの少年がその場を離れていく)
  (女性の手当てを受ける光太郎。ハンカチを腕に巻いてもらう)

光太郎「綺麗だ・・」
女性「いいんです、こんなハンカチ」
光太郎「いやあ、あなたのことですよ」
女性「ええ? まあ・・・」
光太郎「ははははは! あいたたたた!」

  (笑いながら立とうとする光太郎だが痛みに顔をしかめる)

?「さあさあ、みんなはやく学校に行かないと遅れるわよ。おばさんに任せてちょうだい」
子供たち「は〜〜〜〜い!」

  (子供たちにつれられて緑のおばさんがやってきた)

女性「おばさん、よろしくお願いします」
おばさん「はいはい、後は私がやるわ」

  (おばさんに任せてその場を離れる子供たちと女性)

おばさん「痛むでしょう? ちょっと脱いで御覧なさい」

  (光太郎の上着を脱がせるおばさん)

おばさん「あらあら、ひどい傷ねえ」

  (腕の傷の手当てをするおばさん。その姿を見た光太郎は笑みを浮かべる)

光太郎「お母さん・・・」
おばさん「えっ?」
光太郎「不思議だなあ・・・死んだお母さんに似てるんです」
おばさん「そういえば、あなたも私の息子に良く似ているわ」
光太郎「えっ?」
おばさん「さあこれで大丈夫よ」「そうだ、いいものあげる」

  (そう言っておばさんが取り出したのはバッジであった。光太郎の腕につける)

おばさん「これお守りなの。大切に持っててちょうだい」
光太郎「・・・・・ありがとう!」
おばさん「ねえ、あなた。やりかけたことは最後までおやりなさいよ。途中で止めたらだめですよ」
光太郎「はい!」
おばさん「気をつけてね」
光太郎「・・・・さよなら!」

  (去っていくおばさん。満面の笑みを浮かべる光太郎)




  (さて、こちらは大都会のど真ん中にあるZATの基地)

「近代科学の粋を集めたZATの本部にはスカイホエール、コンドル、スワロー、ウルフ777(スリーセブン)、ラビットパンダなどの飛行機や車両がいつでも出動できる態勢で待ち構えている」

  (隊長に連れられて来たのはZATの制服を着た光太郎だ)

隊長「諸君、新入隊員を紹介する。東光太郎くんだ」
北島「お・・・お前!」
隊員「生きていたのか!」
光太郎「よろしくお願いします!」
隊長「紹介しよう」

  (ひとりずつ隊員を紹介していく隊長)

隊長「副隊長の荒垣くん」
光太郎「よろしく!」
荒垣「うむ」
隊長「隊員の北島くん」
光太郎「・・・あ・・」

  (昨夜殴りあった相手のため幾分かばつの悪そうな光太郎)

隊長「南原くん」
南原「オスッ!」

  (昨夜、とばっちりで光太郎に殴られた隊員だ)

隊長「西田くん」
西田「こんちわ!」

  (パトロール中に、アストロモンスに襲われた隊員である)

隊長「それからアシスタントの森山くんだ」
森山「よろしくお願いします」

  (オペレーターの女性隊員が挨拶する)

隊長「あ〜〜それから東くん」
光太郎「はい」
隊長「みんなの前で注意しとく」

  (ボクシングの構えを取る隊長)

隊長「これだけは隊内で無しだぞ?」
光太郎「あ・・」
隊長「いいな?」
隊員たち「「ははははははは!」」

  (はやくも打ち解けた様子の光太郎とZAT隊員たち)

森山「隊長!」
隊長「なんだ?」
森山「都心に怪獣が現れこちらに向かっているそうです!」


  (真昼間の大都会を歩くのは昨夜出現したアストロモンスだ)
  (その姿をZAT本部から肉眼で見るZAT)

隊長「奴さんとうとう姿を現したな」
森山「東京湾を飛び去ったものと同じ怪獣ですね」
荒垣「そうだ」
隊長「ようし、出動だ!」
隊員たち「「はいっ!!」」

  (次々と飛び立っていくZATの戦闘機)




  (怪獣はゆうゆと街を行き、人々は逃げ惑う)

南原「逃げてください!」
北島「急いで待避してください!」

  (人々の避難誘導に当たる南原と北島)

  ドガアン!(建物を壊し、車を蹴っ飛ばし、好き放題暴れる怪獣)

  シャアアアア!(さらに巨大花から溶解液が放たれ、ビルをも溶かしてしまう)

  (さらに暴れる怪獣を退治すべく、ZATの戦闘機スカイホエール、コンドル、スワローが飛んでくる)

荒垣「電気ショック作戦を開始する。コンドル、まず奴の気を引け」
西田「了解」

  (西田の乗ったコンドルが怪獣とすれ違い注意をひきつける)

荒垣「ロープ、発射!」

  バシュッ!(スカイホエールから発射されたロープが怪獣に突き刺さる)

荒垣「いいぞ。放電開始だ」

  バリバリ・・(電気を流され苦しむ怪獣)

荒垣「電圧を上げる!」

  シュウウウ(電圧の負荷のため煙を出すロープ)

光太郎「ちくしょう」

  (電気にこたえず進もうとする怪獣。ロープで繋がったスカイホエールが揺れる)

荒垣「うわっ! ちくしょう!」
南原「あっ! ホエールが落ちる!」

  (スカイホエールを繋げたまま歩いていく怪獣)

隊長「荒垣! このままではホエールがやられちまう! かまわん、ロープを切れ!」
荒垣「はいっ!」

  バチィ!(ロープを切り離して難を逃れるホエール。怪獣はZAT本部の方へ行く)

光太郎「本部が危ない! 隊長!」

  ドガドガ!(建物を壊しながら本部へ向かう怪獣。その衝撃で揺れまくる本部)

森山「隊長!」
隊長「大丈夫だ! ZATの本部は滅多なことでは壊れやせん! しっかりつかまってろ!」

  ゴオオオ!(隊長の言葉とともにZAT本部が火を噴いて空に浮かび上がった)
 
  (そのまま怪獣の手の届かない上空へ逃げる本部)

  (一方、スワローに乗った光太郎は)

光太郎「ちくしょう。あの怪獣は俺の手で倒すんだ」

  バシュバシュ!(スワローを突撃させ、怪獣を攻撃する光太郎)

  バシッ!(突撃したスワローが怪獣の腕に当たってしまう)

西田「!? 東隊員!!」

  (火を噴いて落下していくスワロー)

光太郎「!!」

  ドガアン!(街中に落下して爆発を起こすスワロー)




  (炎に包まれる光太郎。だがやがて不思議な空間に包まれた)

「東光太郎は完全に爆発の炎に包まれた。死線を彷徨う光太郎を新しい世界に導いたのはウルトラの兄弟たち」

  (不思議な空間の向こうからエース、セブン、新マン、初代ウルトラマン、ゾフィーのウルトラ兄弟たちが飛んでくる)
  (輪になって光太郎の周りを飛ぶウルトラ兄弟)

「そして今、ウルトラの母が」

  (太陽のような輝きの中にはマントを羽織ったウルトラの母が)
  (輝きの中に運ばれていく光太郎)

ウルトラの母「ウルトラの兄弟たちよ。ウルトラ六番目の弟・ウルトラマンタロウが今誕生する姿を見るがよい」
「お前たち兄弟はみなこうして生まれたのです」

  (横たわる光太郎の周りを囲むウルトラ兄弟。いっせいに手を掲げると光が光太郎を照らし出す)

  (カプセルに入れられた光太郎。輝きの中、心臓の鼓動が聞こえる)

ウルトラの母「見よ! ウルトラの命の誕生を!」

  オギャー、オギャー!(不思議な光に包まれた光太郎から赤ん坊の声がする)

  (やがて光の中から颯爽と現れたのは・・・ウルトラ六番目の弟・ウルトラマンタロウ!)




  (上空に飛び上がり怪獣に体当たりするウルトラマンタロウ。すさまじい戦いが始まった)

  (タロウが一方的に怪獣を攻撃。さらに飛び蹴りを食らわせる)

南原「あっ!」

  (起き上がった怪獣が向かってくるが軽やかによけるタロウ)

  ブシュシュー!(怪獣の腹の花から溶解液が放たれた。もろに喰らうタロウ)

  (苦しむタロウに好機とばかり攻撃するアストロモンス。首に右手のムチを巻きつけて苦しめ、地面に叩きつける)
  (さらに左腕の鎌で攻撃。これをかわし、逆に怪獣を叩き伏せるタロウ)

  バシィン!(怪獣を持ち上げて投げるタロウ。敵はだいぶ弱ったようだ)


タロウ「ストリウム光線!」


  ドカカアアアアアン!!(T字の構えから放たれる必殺光線! 見事にアストロモンスを粉砕した)


南原「うわ〜〜い! やった〜! やったやったぞ〜〜!!」


タロウ「トァアッ!」

  (大空へ飛んでいくウルトラマンタロウ)


西田「隊長! あそこに東隊員が」
隊長「何だと!?」

  (西田の報告を受け、画面を見る本部の隊長)

光太郎「お〜〜〜〜〜〜〜い! お〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!」

  (元気な姿を手を振る光太郎)

隊長「この野郎!」

  (笑顔を見せる隊長)

  (帰還していくZATの戦闘機。本部も定位置へ戻ってきた)




  (場面変わってどこかの家。隊長に連れられた光太郎がいる)

  (隊長が呼び鈴を鳴らすと少年が出てくる。落下した光太郎を助けた健一だ)

健一「ああ! こないだのお兄さん!」
光太郎「ここは君の家か」
隊長「なんだ? 知り合いか?」
光太郎「ええ」
?「さて、朝比奈隊長はどんな若者を連れてきたのかな?」
隊長「おお!」

 (言いながらやってきた人物に挨拶する隊長。それを見た光太郎は・・)

光太郎「ああ! 船長!」
?「光太郎くん!」

  (家から出てきたのは、光太郎が乗せてもらっていたタンカーの船長だった)

隊長「なんだ、親父さんとも知り合いなのか?」
船長「はっはっはっ! こりゃあよかった!」
光太郎「隊長! これはどういうことですか?!」
隊長「どうって・・・・君のほうが良く知っているようじゃないか。今日からの君の下宿だよ」
光太郎「しかし・・・! 隊長そんないきなり・・・」
隊長「隊長命令だこれは!」
光太郎「命令だなんて・・・・」

  (その時、もうひとり家の中からでてきのは、光太郎を手当てした女性。笑顔で会釈する)
  (こちらも笑顔で会釈する光太郎)

光太郎「そうですか。命令ですか・・・・・ゴホンッ!」「考えさせてもらいます」
隊長「なに!?」「おおいっ! 東ちょっと待て! おいっ!」

  (一礼してその場を離れていく光太郎)



  (夕日の中に立つ光太郎。左肩にはおばさんから貰ったバッジがついている)

  (首に巻いていたハンカチをはずし、それを太陽にすかす光太郎)

  (太陽の中には緑のおばさんの姿が)

おばさん「光太郎さん。今日からあなたは一人で生きていくのです。さびしいことなんかありません。あなたの頭の上には、いつも太陽が輝いていることを忘れないでね」

  (おばさんはウルトラの母に姿を変える)

  (太陽に向かってハンカチを振り、笑顔を見せる光太郎・・・・)




inserted by FC2 system