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雨の日の事…どこなのかは不明だが、運転手(カッペイ)の車が駐車されている所に一人の少女が、
手にカバンを持ちながら駆け付けて来た。 少女の名前は『リー』で、この漫画の主人公である。

リー「運転手さん、ちゃおv村までよろしくー♪」
運転手「あいよ〜。」
リーはそのままタクシーに乗り、目的地まで発車した。

運転手「ちゃおv村へは何しに行くだ?」
彼は運転しながらリーに問い掛けた。
リー「引越しです。 世界一おいしいくだものがあるってウワサをきいたのv すっごく楽しみーーー!!」
彼女はじゅるるっと涎をたらし、張り切りながら笑顔で答えた。
運転手「それは楽しみだべ。 あっ、ちゃおv村が見えてきただ。」
リー「わーーー、ひろーーーい。」
外は既に雨が止み、彼女は窓の外を眺めてみた。 そこには美しい緑に囲まれたちゃおv村があった。

リー(きっとこのどこかにサイコーのくだものがーーーっv)
彼女は心の中からそう思いながら、期待し続けた。

〜ちゃおv村〜

村の役場に着いたリーは、早速役場の中に入り、窓口にいるぺりこと会う。

ぺりこ「役場の窓口をしているぺりこと申します。 おうちにはこの地図を見ながら行って下さいね。」
彼女は優しい笑顔のまま、村の地図をリーに渡した。
リー「はい。」

役場から出たリーは、早速地図を頼りにし、カバンを持ちながら、自分の家を探していた。
リー「えーと、こっちかな。」

しかし、彼女が自分の家を探している最中、何かを目にした。 それは一本のりんごの木である。
リー(あっ、くだものの木っ!! このりんごがもしかして、世界地のくだもの!?)
彼女は心から思いながら、ドキドキしながら、一つのりんごを手に持った。 そして彼女は早速そのりんごに一口食べてみた。

しかし彼女が一口だけそのりんごを食べた後、一瞬にいまいちそうな表情に変わった。
リー「…おいしいけど…。」

リー(ふつーのりんごだぁ)
残念そうに彼女はそう思った後、今度は別のりんごの木を目撃した。
リー「あっ、あっちにもあるっ。」
彼女はカバンと地図をその場に置きながら、次のりんごの木に向かった。 彼女はその木から取ったりんごを一口食べると、
再び残念そうな表情に変わった。
リー「これもふつう。」
次に彼女は別のりんごを一口だけ食べてみるが、これも残念そうな表情に変わった。
リー「これもふつう。 これも。 これも。」
こうして彼女は次々のりんごを食べてみるが、どれもこれも同じ結果であった…。

あれからどのりんごを食べても同じ結果となり、リーは溜め息を吐きながら諦め掛けていた。
リー「はぁ…なかなか見つからないなぁ。 とりあえずうちに行こうっと…ん?」
彼女は自分の手を見ると、何かを忘れていた。 そう、彼女はりんごを調べている最中、うっかり地図とカバンを置いてしまったのだ。
それに気付いたリーはショックを受けた。
リー(地図がないっっ、バッグも〜〜〜っ、おとしたーーーっ、ぎゃーーー! どうしよう、どうしよう!)
早速彼女はパニック状態になり、慌て始めた。

…その後、とある家で誰かがドアをノックしていた。
???「はーーーい、だれ〜〜〜?」
その家の持ち主がそう答えた後、ドアを開け、そこから出て来た。 彼女はちゃおv村の住民で、黄色い象の女の子であった。
名前はエレフィンで、彼女がドアを開けると、そこには半泣き状態のリーが立っていた。
リー「ここはどこでしょう…わたしのおうちはどこでしょう…」
エレフィン「……」
明らかに迷子状態になっていたリー。 そんな彼女を見たエレフィンは多少唖然となっていた。

その後、エレフィンはリーを家の中に入れさせ、落ち着かせるように彼女を椅子に座らせた。 次にエレフィンは紅茶をカップに注ぎ、
それをリーの前にあるテーブルに置いた。
エレフィン「落とし物ならもんばんさんのところに届けられてるかもね。 あとでいっしょに行ってあげるわ。」
リー「ホ…ありがとう。」
そう聞くと、リーは一安心した。

そんな彼女は紅茶を手に持った後、部屋全体を見回した。 そこには色んな家具が揃ってあった。
はながらのかべがみ、ラブリーチェアにテーブルにタンスにキッチン、リンゴのテレビ、とたけけの写真、
きのこのベッド、ゆきだるまランプ…どれもこれも可愛いタイプの家具ばかりであった。 そんなリーはエレフィンの部屋に見惚れていた。

リー「それにしてもステキなお部屋…v」
エレフィン「フフンv でしょー、こーいう部屋に住みたくて一人ぐらし始めたの。 あなたも?」
リー「ううん。 わたしは世界一おいしいくだものをさがしにきたの。」
エレフィン「へ? そんなものないわよ。 そもそもこの村りんごしかないしーーー」

リー(ないっ!?)
その事実を知ってしまったリーは思いっきりショックを受け、『ない、ない、ない』と言う言葉を頭に浮かびながら凹んだ。
そんな彼女を見たエレフィンは慰めようと慌てながらフォローし始めた。
エレフィン「あっ、でも季節が変われば新しいくだものも増えてくるし…住んでるうちに見つかるかもよっ!!」
リー「…うん。」
そんなリーは半分泣きそうであった。

その後、エレフィンはリーを村の関所まで案内し、門前にいるもんばんさんBからリーのカバンと地図を受け取った。
もんばんさんB「ごくろうさまです、はい。」
小さい声でありながらも、彼は二人にそう呟いた。
エレフィン「よかったね地図あって!! にもつも。」
リー「うん。 いろいろありがとーv」

そしてリーとエレフィンは関所から出た時、偶然にも熊のぬいぐるみのような姿をしたちゃおv村の住民、パッチと出会った。
そんな彼は片手に釣竿を持ちながら、彼女達に手を振った。
パッチ「あれー、エレフィンちゃんだーーー。」
エレフィン「あっ、パッチくん。」
リー「こんにちは、リーです。」
パッチ「こんにちはー、はじめましてだね〜〜〜。」

その後、パッチはリーがこの村に引っ越して来た理由を聞いた。
パッチ「え? 世界一おいしいくだものならボクもってるよーーー。」
リー「ホント!?」
パッチ「うん、はい。」
彼が手に出した果物は、村中どこにでも見掛けるあのりんごであった。
リー「りんご…?」
少し唖然としていたが、彼女はそれを受け取り、それを上げながら、目を煌かせていた。
リー(ふつーに見えるけど、今までとはちがうりんごなのかも〜〜〜!)

リー「いただきまーす。」
彼女は期待しながらも、早速そのりんごを一口食べてみた。 彼女はそのりんごをよく齧り、味を確認する。
すると突然の期待が残念そうな表情に変わり、再び落ち込んだ。
エレフィン&パッチ「どうしたの?」
リー「だってこれふつーのりんごだもん。」
彼女は泣きそうな目でそう言った。

パッチ「ボクにとってはサイコーのりんごなんだけどなぁ。 だって自分の村でとれたかわいいくだものだもん♪」
彼はエヘヘーと笑いながらそう言い出し、それを聞いたリーはなぜか感心していた。

リー「な、なるほど☆ そうかんがえたらすごくおいしいかもーーーっ。」
そう言った後、彼女は喜びながらそのりんごを食べ続けた。
パッチ「あはは。」
エレフィン「たんじゅんねー。」

『世界一おいしいものは、意外と身近にあるものなのかもネv』

その後、彼女は喜びながら、一人自分の家に戻る事にした。
リー「そーだ!! わたしもかわいいお部屋めざそう♪ あらたなもくひょうv」

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