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ウルトラマンダイナの第1話
 

新たなる光(前編)
 

ナレーション「21世紀。人類は、大いなる試練を乗り越え、今様々な未知なる世界へと進出していた! 純粋な憧れと、探求心に満ちた地球人類の旅立ち……人々はそれを、ネオフロンティア時代と呼んだ……だが、それは同時に、新たな恐怖の目覚めでもあった」

ガッツウイングが上空を通過。

それをミシナ・マサミ教官、コウダ・トシユキ、ユミムラ・リョウが見ていた。

コウダ「旧GUTSの主力戦闘機も、今はテスト権っスか……」

ミシナ「まだまだ現役でいけますよ。訓練用には、もったいないくらいだ」

リョウ「心配なのは……それを乗りこなす訓練生の腕ね……」

アスカ・シンが他の訓練生とケンカしていた。

その相手はフドウ・タケルだった。

フドウ「アスカ……これがお前と俺の実力の差だ。わかったか?」

アスカ「ただの力自慢を……実力とは言わんぜ!」

アスカとフドウの乱闘が続く。

訓練生「ストリートファイト、素直にに乗るかねぇ……」

アスカが訓練生に倒れる。

訓練生「素直に詫び入れろ!」

アスカ「バカヤロー! この戦いは、ここからだぜ!」

司令室

ミシナ「現在の最高は、78ポイント。この2名が、全くの同点です」

リョウ「へぇー……この高得点に2人もねぇ……」

コウダ「今年のルーキーはかなり期待できそうだな」

ミシナ「まぁ、自主的には何も問題はないんですけどねぇ……」

アスカとフドウの乱闘はまだまだ続いていた。

アスカ「教官、おはようございます!」

後ろを振り向くフドウたち。

フドウ「お前、適当なことを……」

振り向くとアスカの姿はなかった。

「ロック・オン!」

フドウ「え?」

下を見るとアスカがいた。

アスカがフドウに止めを刺す。

アスカ「やりぃ!」

司令室

ミシナ「このアスカですが……語れないというか、無鉄砲というか……」

リョウ「要するに問題児ですか!?」

ミシナ「まぁ……他聞に、父親譲りのところもありまして……」

コウダ「アスカ……ひょっとしてあの、アスカ・カズマの……」

ミシダ「私の同期です。あの事件があった日も一緒に飛んでいて……変わった男でしたが、パイロットとしては超一流だった」

コウダ「確か道の光に向かったときに消息を絶ったと……」

ミシダ「今じゃ伝説です。光に消えた名パイロットってね!」

リョウ「光……」

集会

訓練生やリョウたちが集まっている。

リョウ「ええ、本日の採取試験には、スーパーGUTSの私、ユミムラ・リョウと、コウダ隊員が仮想的として特別参加します。当然ですが……大気圏内での実践シュミレーションは、かなり危険を伴います。各自最新の注意と判断力で……」

アスカだけなぜか聞いていなかった。

リョウ「私、漫才をしてるつもりはないんだけど……」

アスカ「いやぁ、こんな綺麗な先輩と戦えると思うと、嬉しくて嬉しくて……」

リョウ「ありがとう。お礼に、あなたから撃墜してあげるわ」

大気圏 

アスカたちはガッツウイングに乗って訓練開始。

銃弾が訓練生の乗るガッツウイングに当たる。

訓練生「くそっ、不意打ちじゃねぇか!!」

リョウ「訓練に泣き言なんてない。一度帰りなさい!」

リョウが1機を撃墜。

アスカ「やるやる。さすが本職! でも俺は……本職以降だぜ!」

アスカがリョウのガッツウイングを追い詰める。

アスカ「うそだろ!?」

リョウ「約束どおり応じてもらう!」

リョウがアスカの後ろに回る。

アスカ「女に惚れるのは嫌いじゃねぇけど!」

一方、他のガッツウイングもコウダにやられる。

コウダ「タッチダウン!」

しかし、もう1機にやられてしまう。

訓練生「見たかアスカ。これが俺とお前の実力の差だ!」

アスカ「やることがせこいんだよ!」

訓練生「知れた義理か。女を怒らせた天罰だ! あばよ」

リョウがアスカを追い詰める。

アスカ「させるか!」

アスカは猛スピードでリョウを遠ざける。

リョウ「無茶な……」

前は煙で何も見えなかった。

リョウ「どこ?」

するとアスカのガッツウイングの銃弾がリョウに命中。

アスカ「やったぜ!」

リョウ「この私が……ヒットされた……」

司令室

ミシナ「予測通りの展開か……」

隊員「そうですね」

すると警報音が鳴り響く。

ミシナ「何だ? どうした!?」

隊員「エリア内に未確認物体出現! テスト機に迫ります!」

ミシナ「何だと?」

宇宙空間

要塞が大爆発。

アスカ「何だ?」

宇宙球体スフィアが分身。

アスカたちに襲い掛かる。

コウダ「リョウ! 各機、一戦モードに切り替えろ!」

スフィアの銃撃がアスカのガッツウイングに当たる。

アスカ「やべぇ!」

リョウもビームを撃とうとするが、発射できない。

さらにはスフィアに囲まれた。

リョウ「くそっ、焼く気ね?」

1体のスフィアが爆発。

リョウ「……!?」

アスカ「ここは任せろ! 本当の戦いは、ここからだぜ!」

アスカがよけるとスフィアたちが爆発。

アスカ「ヤッホー! 見たか? 俺の超ファインプレー!!」

すると砲撃がガッツウイングに命中。

アスカはそこから脱出。

宇宙をさまよう。

アスカ「静かだな……俺……ここで死ぬのかよ……」

突然光が出現。

少年「お父さん!!」

父親「シン!!」

父親が少年を抱きかかえる。

アスカ「父さん……俺も光が見たいぜ……それまでは死ねるか!!」

アスカが手を伸ばすと1つの光がアスカを吸い込む。

やがて目を覚ますと、ベッドに寝ていた。

そこにはミドリカワ・マイがいた。

アスカ「ここは……どこだ? 君は!?」

マイ「ここはTPC本部の病室。で、私はスーパーGUTSのスーパーレディー・ミドリカワ・マイ!」

アスカ「俺……なにしてんだ?」

マイ「ほんとね。コウダ隊員も驚いてたわ……よくあの状況から生還できたって、奇跡だって!」

アスカ「奇跡……ところでさぁ……」

マイ「ん?」

アスカ「君、可愛いね! 今度デートしよっか!」

マイ「ふふふ。リョウ先輩の言うとおりだ!」

アスカ「リョウ先輩!?」

マイ「うん!」

アスカ「ああ……で、なんだって!?」

マイ「対した男でもないのに、自信過剰だって!」

アスカ「自信過剰……」

マイ「まぁ。侵入隊員もそれぐらいの方がいいらしいけど……」

アスカ「新入隊員!? 俺が?」

どこかの山地

謎の物体が溶け、怪獣と化していく。

アスカが再び目を覚ます。

アスカ「夢か……」

辺りを見回すと、そこは宇宙空間だった。

空からまた光が舞い降りる。

だが、それもまた夢だった。

アスカ「また……夢?」
 

TPC本部基地
 

コウダ「彼が本日より、われわれスーパーGUTSのチームとなる……」

アスカ「アスカ・シンです。よろしくお願いします!」

ヒビキ「よっしゃ。よっしゃよっしゃよっしゃ! 俺が隊長のヒビキだ。よーし、若造……まずは自分の抱負でも語ってもらおう。もちろん、管轄にな」

アスカ「抱負?」

ヒビキ「抱負だよ。よくあるだろ? 「命の限り頑張ります!!」とかよ」

アスカ「ああ、それなら……」

リョウ「……!?」

アスカ「俺は、自信過剰な割りに、たいしたことない男です……でも俺は、前だけを見る。どんなことだってあきらめないし、絶対に逃げもしない! 以上!!」

リョウ「そのためには、手段を選ばずってわけ?」

アスカ「まぁ、選んでる暇がない時は……」

火星基地

主任「試作中の対比改造システムが、完成すれば、低温負号のこの赤い大地に、生命の息吹が満ち溢れるでしょう……」

フカミ「人間の夢と希望は……果てしなくこの大宇宙へと広がる。未来という名の、輝きを求めた……」

主任「サワイ前総監のお言葉ですね!?」

フカミ「うん……彼も、体調が戻り次第、まず……ここの視察に訪れたいといっていた。ハッハッハ」

騒音

主任「こちらへどうぞ!」

合成獣ダランビアが出現。

町を襲撃し始める。

TPC本部基地

フカミ「緊急事態発生! 火星基地が未知の怪獣の襲撃を受けている!」

アスカ「怪獣? 本当ですか!? 入隊早々なんてこった!」

ヒビキ「バカかお前は。浮かれてどうするんだよ新米野郎!」

フカミ「こんな形で、君たちに出動要請することが……」

通信が途絶える。

ヒビキ「スーパーGUTS、出動!! いいか? 総監には指1本触れさせるんじゃないぞ! いいな!?」」

一同「ラジャー!!」

基地からガッツイーグルが出動。

ヒビキ「ネオマキシマ始動! 火星まで一気に吹っ飛ばせ!」

ガッツイーグルがワープ。

火星基地では隊員たちが避難していた。

主任「総監! この奥が、スペースプレーンの洞窟。早く詳細へ。失礼します!」

フカミ「君はどこへ!?」

主任「私はこの研究の責任者です。全員の乗船を確認してから乗ります!」

フカミ「それは……私の役目だ……」

主任「フカミ総監……」

そこへガッツイーグルが飛来。

フカミ「スーパーGUTS……来てくれたか!」

ダランビアが基地を破壊。

ヒビキ「各機、分離形態で攻撃開始!」

ガッツイーグルがα・β・γに分離。

ダランビアに砲撃を繰り出すが、跳ね返される。

リョウ「どういうこと!?」

ダランビアの背中にはバリアが張られていた。

ナガシマ「怪獣の周囲に、亜空間バリアが展開!」

ヒビキ「無闇に撃っても無駄ってことか……」

アスカとコウダの乗るαが怪獣に近づく。

コウダ「おい、まだ隊長からの指示が出てねぇだろ!」

アスカ「いいから、俺に任せてください! 食らえ!!」

αがビームを乱射。

下の部分に命中。

ダランビアが反撃によりαは墜落。

リョウ「あのバカ……」

ヒビキ「何とか怪獣の注意をこっちに逸らすぞ!」

ナガシマ「た、隊長!」

ヒビキ「どうした!?」

ナガシマ「無数の飛行物体が接近します」

再びスフィアが飛来。

αではコウダが頭から血を流していた。

アスカ「コウダ隊員! コウダ隊員!」

コウダ「俺はもう動けない……お前は逃げろ!」

コウダは気を失う。

アスカ「コウダ隊員! コウダ隊員!」

アスカは外に出てダランビアに向けて銃撃を発射。

βも攻撃を仕掛ける。

リョウ「逃げなさい! その武器じゃ無理よ!」

ヒビキ「リョウ! 旋回して、火星基地の守備に回れ」

基地は今、スフィアに破壊されていた。

リョウ「でも、アスカ隊員が……」

ヒビキ「俺たちが行かなくて一体誰が基地を守るんだ! 急げ!!」

リョウ「ラジャー!」

βとγが基地に向かう。

一方、アスカは銃の乱射を続けていた。

しかし、弾が切れてしまう。

アスカ「あれ? やばい!」

ダランビアの攻撃がアスカを吹き飛ばす。

ダランビアがαに迫る。

アスカ「やめろ―――!!」

ダランビアの攻撃に怯まず走り出すアスカ。

アスカ「俺は……あきらめない! 絶対に、あきらめるかー!!」

するとアスカの周りが光で覆われる。

アスカ「何だこれ? うわああ―――っ!!」

巨大な光が出現。

ヒビキ「あれは……」

それによりダランビアの装甲が破壊、解ける。

ヒビキ「一体何が起きたんだ!?」

ナガシマ「あれは……」

カリヤ「まさか……」

リョウ「光の……巨人!?」

突然現れたのは巨人。
フカミはそれを目にする。

フカミ「ティガ……いや違う。しかし……あの巨人もウルトラマンなのか!?」

巨人のビームがスフィアを撃ち落とす。

リョウ「一撃で消滅……」

ナガシマ「巨人の登場から……わずか1分です」

ヒビキ「ああ……ただもんじゃねぇな……」

巨人が振り向くとまた別の何かが出現。

ヒビキ「武器も……ただもんじゃねぇってことか……」

出現したのはネオダランビア。

ダランビアがパワーアップした姿である。

ナレーション「火星に現れた、新たなる光の巨人! 果たして……人類の未来を脅かす謎の敵に、勝利することができるのか!?」
 

(続く)
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