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(「ヤマトタケル」は全37話ですが、最後の37話は総集編となっています。ここではテレビ本編の最終回である第36話を紹介します。)

ナレーション「タケル逹はツクヨミに連れ去られたカオルを救出するため魔空要塞に潜入する。そこでタケルはミカヅチとの一騎打ちを迫られ、憎しみに囚われたタケルはミカヅチを一刀のもとに切り裂こうとする。そのとき自分の中にヤマタノオロチの姿を見たタケルは憎しみを捨て我に帰る。ツクヨミの手からカオルを救い出し、魔空要塞を脱出したタケルはオトを助け出すために再び魔空要塞へ向かうのだった」

第36話 光る風ヤマトタケル

惑星イズモに攻撃を加える戦闘機

タケル「行くぞ!」

戦闘機を次々となぎ倒し魔空要塞へ突入するスサノオ。

要塞ではオトがナイフで兵との戦闘を繰り広げる。

タケル「オト!」

タケルの姿を見て逃げ出すオト。

タケル「オト、俺と一緒に帰るんだ!」

ナイフでタケルに切り掛かろうとするオト。

タケル「やめろ、オト!目を覚ませよ、オト!俺達は仲間だったじゃないか!」
オト「お前達の仲間だった覚えはない!」
タケル「仲間だ!仲間だよ!」
オト「黙れ!」

オトがタケルの腕をナイフで切り裂く。

オト「兄さんの邪魔をする者は殺す!」
タケル「オト、みんなが待ってる。帰ろう」
オト「言うな!」

シュラノオとアモンが姿を見せる。

アモン「ヤマトタケル、勝負だ!」
タケル「お前は?」
アモン「魔空戦士アモン!」
タケル「お前がアモンか。よくも母さんをひどい目に遭わせたな!」
アモン「今までお前達を好きに振る舞わせてきた責任はこの俺にある。この場でけじめをつけさせてもらうぞ!」

アモンがタケルに襲いかかる。

タケル「オト!」
オト「相討ちとなって死ねばいい!」

オトは走り去っていく。

ミカヅチはガイオウに乗りヤマタノオロチの居場所を探し続ける。

ミカヅチ「ヤマタノオロチよ、今目覚めさせてやるぞ!」

タケルの力はアモンには及ばない。

アモン「勝負はついたようだな。これで最後だ!」

そのとき要塞の天井が崩れ落ち、アモンとタケルが共に下敷きとなった。

タケル「アモン・・・」
アモン「あと一歩で・・・お前を討てたものを・・・」

アモンはタケルを庇い深い傷を負っていた。

アモン「俺は存分に戦った・・・思い残すことはない・・・」
タケル「アモン・・・」
アモン「行け、ヤマトタケル・・・お前の成すべきことを・・・」

アモンは遂に力尽きた。

ヤマタノオロチの在処を探すオト

ツクヨミ「ふふふふふふ、どこにも逃れることはできぬ。落ち着くのだ、オト。お前は殺しはしない」
オト「そんな甘い言葉に騙されないわ!」
ツクヨミ「お前はミカヅチのかけた呪いに惑わされているのだ。だが、その呪いもやがて消える。お前は私のもとに帰るのだ」
オト「兄さんの力を見くびらないことね!ヤマタノオロチは間もなく兄さんのものになるのよ!」
ツクヨミ「ふふふふ、お前達魔空戦士は私が創り上げた操り人形。お前達が生きてきた時間も私が創り上げたものなのだ」
オト「どういうこと?!」
ツクヨミ「ミカヅチはお前の兄ではない」
オト「え?!」

ミカヅチ「あれだ。あれがヤマタノオロチだ!」

ツクヨミ「お前をミカヅチの妹にしたのはお前の憎しみの力を高めるため。だが互いの役目も終わった。もう偽りの兄弟でいる理由はない」
オト「お前が何と言おうと、ミカヅチは私の兄さんよ!」
ツクヨミ「お前の血はミカヅチに繋がってはいない。お前の血は私に繋がっているのだ」

ツクヨミがオトに掴み掛かる。

オト「嘘よ!嘘よ!」
ツクヨミ「見せてやろう。私の真実の姿を」

ツクヨミが仮面を外そうとしたとき、スサノオが姿を表した。

タケル「オト!」
オト「ヤマトタケル!」

ミカヅチ「これがヤマタノオロチか。遂に俺は宇宙の全てを支配できる力を手に入れたぞ!聞け、ヤマタノオロチ。我こそはお前の支配者ミカヅチだ!最後のオロチ玉は俺の中だ。目覚めよ、ヤマタノオロチ。我に従え!」

ミカヅチが最後のオロチ玉をヤマタノオロチに差し出した。
魔空要塞が揺れ出す。

タケル「何だ?!」
ツクヨミ「ヤマタノオロチが目覚めるのだ」
タケル「何だって?!」
オト「兄さん!」
ツクヨミ「もう誰にも止められぬ。お前達の負けだ」

イズモでは空が曇り、雷鳴が響く。

マ・ホロバ「ヤマタノオロチが蘇る!」

ミカヅチ「ははははは、時は来たり。目覚めよ、ヤマタノオロチ!」

ツクヨミ「ミカヅチよ、ヤマタノオロチをたやすく己のものにできると思ったか?」
オト「え?!」
ツクヨミ「ミカヅチの最期だ!」

ガイオウは大破し、ミカヅチは肉体をヤマタノオロチに取り込まれる。
オトからミカヅチの呪いが解けた。

タケル「オト?!」
オト「兄さん・・・タケル?タケル!」
タケル「オト!」
ツクヨミ「ふふふふふ、ミカヅチの呪いが解けたようだな」
オト「え?」
ツクヨミ「ミカヅチは既にこの世に存在しない。ヤマタノオロチに身も心も吸い取られ消滅した」
オト「嘘よ、そんなこと!」
ツクヨミ「最後のオロチ玉を得てヤマタノオロチは今まさに復活しようとしている。そして、あらゆる星々のエネルギーを、全宇宙のエネルギーを吸い尽くすのだ!」


魔空要塞が崩壊し出す。

タケル「畜生!オトを放せ!」
ツクヨミ「馬鹿め!」
スサノオに攻撃を加えるツクヨミ。

タケル「うわああ!」
オト「ああ!」
ツクヨミ「さあオトよ、私と共にヤマタノオロチを支配するのだ」

オトがツクヨミに取り込まれていく。

タケル「オト!」
オト「いやああ、タケル!」
タケル「畜生!」
アスカ「やめて!オトは渡さない!私のオトよ!お前の手には渡さないわ!」
ツクヨミ「おのれ、またしても邪魔をするか!」
アスカ「オト・・・オト」
オト「母さん・・・母さん!」

しかしツクヨミの力の前にオトとアスカは再び引き裂かれる。

オト「母さん!」
アスカ「オト!」

ツクヨミの手から放たれたオト。


タケル「オト、逃げるんだ!」

イズモでは嵐が吹き荒れる。

マ・ホロバ「キリオミ、カオン、竜の揺籠に戻るのじゃ!」
キリオミ「分かった!死ぬんじゃねえぞ、ヤマトタケル!」

要塞の床が崩れ落ちるも持ち堪えるスサノオ。

タケル「助かったぜ・・・」
オト「でも、どうやって地上へ降りるの?」

タケルが何かを見つけ出す。

タケル「あ、ヤタノカガミだ!」
オト「兄さん・・・」
タケル「ミカヅチ・・・」
オト「タケル、あれがあればヤマタノオロチを封印することができるわ!」
タケル「うん」

タケルが必死に手を伸ばす。

タケル「取った!」

そのとき要塞の壁が崩れ落ちる。

ツクヨミ「ふふふふふ、悠久の時を超え目覚めよ、ヤマタノオロチよ!」

ヤマタノオロチが遂に全貌を現した。
スサノオと共に真逆に落ちるタケルとオト。

ツクヨミ「ふふふふふ、ヤマタノオロチよ、この世の全てを我がものとするのだ!」

竜の揺籠へ避難する人々。

キリオミ「ヤマタノオロチ・・・」
マ・ホロバ「復活してしまった!」
ロカ「じゃあ、タケル達は?!」

地上へ叩き付けられたタケルとオト。

タケル「ああ・・・」
オト「タケル!」
タケル「あ!」

竜の揺籠を飲み込もうとするヤマタノオロチ。
アマノシラトリが地上へと降り立つ

タケル「よし、オオナムの星の魂よ、クサナギノツルギ、ヤサカノマガタマ、ヤタノカガミのもとに集まれ!」

地上から眩い一筋の光がさした。

ロカ「マ・ホロバ様!」
マ・ホロバ「タケルじゃ!」
ロカ、ハヤミカ「え?!」
マ・ホロバ「タケルの善き心がオオナムの星の魂を呼ぶのじゃ。ヤクモが星の魂の集まる場所だったんじゃ!」

オオナムの星の魂がタケルのもとへと集まる。

ロカ「あれは?!」
マ・ホロバ「マホ!まさしく光の塔じゃ!」

ハヤス、ナミハヤの塔が光の塔に繋がり、オオナム系の星々が復活する。

ロカ「これは?!」
マ・ホロバ「七つの星が蘇ったのじゃ!」

ツクヨミ「ヤマトタケルめ、生きておったか!」
オト「タケル!」
ツクヨミ「おのれ!」

ヤマタノオロチがタケルとオトを飲み込もうとしたときスサノオが光の巨神と化した。

タケル「スサノオ!」

スサノオがヤマタノオロチを一刀で倒す。

ツクヨミ「ぐわああ!愚かな人間共よ、ヤマタノオロチは不死身だ。何時の世にか必ず蘇り全宇宙の支配者となることを覚えておくが良い・・・」

ロカ「何もかも無くなってしまった・・・」
タケル「ヤマタノオロチは消えたけど、これじゃあな・・・」
マ・ホロバ「家は崩れ、田は焼けようと蘇らせることはできる。じゃが人の命はそうはいかん。お前達はそれを守ったんじゃ」
ヨシオ「そうだ。家はまた建てればいい。畑には種を蒔けばいい」
ロカ「地球人とヤクモ人が一緒になって村を蘇らせるんですね」
ヨシオ「もう地球人もヤクモ人も無い。ここが私達の故郷なんだ」
タケル「オトもここにいろよ」
オト「私も?」
タケル「ここがオトの故郷だ!いいだろ」


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