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∀(ターンエー)ガンダム 最終回 『黄金の秋』

ポゥ・エイジのスモー(銀色)は、エネルギーが限界に達していた。
ポゥ『まだ使える!補給だって・・・。』
ハリー『いけません!ソレイユ以下の艦隊は、ギンガナム艦隊の制圧をして下さい!
ロラン君は、ターンXをアラハマン山脈の南のロストマウンテンに誘い込んだはずです!』
ハリー・オードは、味方の艦隊に命令をした。
場面は変わってソレイユのブリッジ内。
ディアナ『艦隊輪形はホエールズ以下の艦艇に任せます。
フィル少佐、ソレイユはロストマウンテンへ!』
ディアナ・ソレルは、フィルにソレイユの移動を要請した。
フィル『ハリー大尉の意見は聞くべきです!』
ミラン『ここだけは感情を抑えて下さい!
何としても少佐以下の者達の言葉を聞いて頂きます!』
ディアナ『はぁ・・・。』
ディアナはため息をついた。
フィル『自分もこれで反逆罪に問われても、
女王陛下の為でありますゆえ、後悔はいたしません!』

一方カプル隊のソシエは、コレン・ナンダー機のロケットパンチを持ってきた。
ソシエ『コレン軍曹、またこれを使うの?』
コレン『おーー、よく気が付くな。
嬢ちゃんたちはこいつを前のノズルの左右の指し込みに入れてくれ!』
コレン機のコックピットからノズルが伸び、ソシエとメシェーに投げ渡した。
メシェー『前のノズルの左右の指し込み?よいしょ。えーと・・・』
メシェーは、ノズルの差込口を探していた。
コレン『ソシエ嬢ちゃんも急いでくれぇ。戦争中なんだかんな。』
ソシエ『だからロケットパンチの手だって持ってきてやったんでしょ?』
ソシエも、ノズルの差込口を探していた。
コレン『よーし・・・点火させりゃぁいいんだかんな。』
そう言いながらコックピットに乗り込み、機体を起動した。
コレン『おっ!メシェーのが来た!』
メシェー『はーい!』
ソシエはすでにコードを差し込んでいた。
ソシエ『私の方は?』
コレン『お上手!じゃ、嬢ちゃんたちはお家へ帰って、メシの用意でもしていてくれぃ!』
ソシエ『どういう事?』
ソシエがそう言った直後、カプルが動き出し、ソシエとメシェーを振り落とす。
メシェー『コレン軍曹!』
ソシエ『何をしようって言うんです?』
コレン『バッキャモン!そういう事を言うから素人だってんだ!』
コレンは、ゴーグルを装着した。
コレン『戦史たる者の生き様を後世に伝えぃ!女達よぉ!』
ソシエとメシェーのカプルの頭部に乗ったコレン機は片手を上げた。
ソシエ機とメシェー機のノズルから火が出た。
ソシエとメシェーは足元から逃げ出した。
カプル達が猛スピードで飛び立つ。
コレン『ブルーノ、ヤコップ、どこにいる?嬢ちゃん2人を収容して、家へ帰れぇー!』
コレンは大声で叫んだ。

一方、ブルーノとヤコップを乗せたフラットは、コレンの声に気づく。
ヤコップ『聞いたか?』
ブルーノ『コレン軍曹の声だ。』
ヤコップ『位置は分かるか?』
ブルーノ『特定できた。』
ヤコップ『フラン、ホエールズに行けるな?』
フラン『もちろん。私が地球に降りてきた時、このフラットを使ったんですからね。』
ブルーノ『頼む。』
フラットは発進した。
フラン『ジョゼフ、皆の所に帰れるといいけどね。』
ジョゼフは怪我をしていた。
ジョゼフ『クソォ・・・。』
フラン『気絶している時ぐらい、差別意識なんて忘れなさい!』

一方スェサイド部隊のエイムズとジョンは、ボルジャーノン(ザクタイプのMS)に乗っていた。
エイムズ『ジョン、マヒローは単独でも掛かってくるぞ!』
ジョン『ディアナカウンターの連中がそれを分かってねぇんだよ!』
エイムズ『身内同士って、そういうモンなんだよなぁ・・・ホエールズが出てきたかい。』

一方戦艦ギャロップでは、ホエールズと通信が繋がった事を艦長のマリガンに伝えた。
マリガン『なんだ?繋がったのか?』
ミリシャ兵『近いですからね。』
マリガン『姫様、ホエールズと繋がりました。マイクです。』
マリガンは、リリにマイクを渡した。
リリ『もう。キエル・ハイム、聞こえまして?∀さんの行方、特定できまして?』
場面は変わって戦艦ホエールズ。
ダイスケ『どこのバカが最大出力で発信してるんだ?』
キエル『あそこのギャロップ。』
キエルは右の指をさした。
ダイスケ『無線封鎖!』
だが、その直前ウィルゲムのヤーニの声が無線に割り込んだ。
ヤーニ『誰が決めたんだい?』
キエル『ギャロップの向こう!』
ダイスケ『ウィルゲム?』
ウィルゲムが斜めに降下している。かなり被弾していた。
ミハイル『ヤーニ少尉、無線を使うな!
だいたいお前はブリッジの椅子に座っちゃならん!』
ミハイルは、ヤーニに怒鳴られた
ヤーニ『そうでありましょうが・・・人手がなけりゃ・・・』
グエン『何としてでも工場までは辿り着くんだ!』
ウィルゲムクルー『爆発はしませんから静かにして下さい!』
グエン『す、済まない。』
ミハイル『御曹司・・・ぐわっ!』
振動が激しくなった。ミハイルはよろけてグエンの肩に捕まる。
ミハイル『失礼。』
グエン『いや。』
ミハイル『今さら機械人形の工場に行って、どうするおつもりですか?』
グエン『機械人形を建造しながらほとぼりの冷めるのを待つのだ。ウィルゲムも改修してね』
ミハイル『しかしあのギンガナムが暴れ続ける限り、おぁ』
グエン『ああっ、そうなったらアメリアは終わりさ。
しかし、そうならない時の事を考えなければならん』
ミハイル『戦後の事なんかを考えてるんですか?』
グエン『私がいつでも先の事を見据えているのは知っているだろう!』
ヤーニ『もう駄目です。落ちます!』
グエン『何とかしろ!』
ミハイルはマイクを取り出し、艦内放送をした。
ミハイル『この船は不時着する!私と共にこの船を降りる意思のある者は私の指示に従え!』
グエン『船を降りる事は許さん!』
グエンは怒鳴り声をあげた。
ミハイル『自分達はもう、御曹司には着いていけないと申し上げております!』
グエン『貴様達は、企んだな!』
ミハイル『自分には企むような頭も勇気もありません!』
そう言った時、船が大きく揺れた。森林が船体をこすりつけたのだ。
ミリシャ兵1『こっちに来るぞ!』
ミリシャ兵2『ぶつかるんじゃないのか?』
ミリシャ兵1・2『うわぁ!』
ウィルゲムは不時着した。

一方ロストマウンテンでは、ロラン・セアックとギム・ギンガナムの一騎討ちが始まろうとしていた。
ロランとギンガナムが対峙している。
ロラン『∀はホワイトドールと言われて人々に崇められてきたものなんです!
その本体が機械であれば、使い方次第では皆の為にだってなります!』
ギンガナム『∀が眠っている間に善人にでもなったと言うのか?ふざけるんじゃない!』
ロラン『今の地球を破壊する必要なんてどこにもないんですよ!』
ギンガナム『それがあるんだよ、何も変わらない。
ただ時が流れていくだけの暮らしに耐えられなくなった地球人は、
ターンAを呼び覚ましたんだ、坊や!』
ロラン『そんな事ありません!』
ギンガナム『だったら、何故ディアナは地球帰還作戦を始めたのだ?
何故地球人はそれを拒んだのだ?』
ロラン『何故・・・!?』
ギンガナム『今までの時代は間違っていたのだ。人類は戦いを忘れる事などできはしない!
だから、このターンXですべてを破壊して新しい時代を始める!』
その時、ターンXと∀の間をメリーベルのバンデットのビーム攻撃が降り注ぐ!
∀とターンXはジャンプして爆風から脱出した!
ギンガナム『下がれメリーベル!お前の出る幕ではないっ!』
メリーベル『さっきの月光蝶といい、カッコつけるだけで戦いの下手なギム・ギンガナム!
私が盛り上げてあげるよ!』
バンデットは、∀にワイヤー攻撃を仕掛けた!だが、∀はとっさにこれを避ける!
ロラン『メリーベルさんでしょ!』
∀はビームライフルを発射!バンデットのバックパックに被弾した!
ギンガナム『メリーベル!運河人以下の貴様を今日まで飼ってやってきたのに、
よくもほざいたなぁ!』
ターンXはビームサーベルで∀に斬りかかる!
だが∀はシールドで防御!ライフルを発射するがターンXは回避した!
連続でサーベルを使い、∀に斬りかかる!そしてついに∀のシールドが破壊!
メリーベル『なんだい?出来るんじゃないか、ギム。ハハハハハ!』
ターンXは、真上に斬りかかる!だが∀はサーベルで対抗した!
さらに∀はもう一本サーベルを発振させる!
両機の間から強力な光が発生した!
月光蝶システムが作動したのだ!
ギンガナム『な、なんだぁ!兄弟!』
ロラン『げ、月光蝶を呼ぶんじゃない!』
その光は周囲に広がった!バンデットにも月光蝶の反応があった!
メリーベル『何だこいつ?ヒゲの奴のマークじゃないか!
ギンガナムとロランって子は・・・!?』
ギンガナム『ええい、機能不全に落ちたのか!?引くも押すもできない!
メリーベル、援護しろ!』
その時!
コレン『おうよ!』
ソシエとメシェーのカプルをブースター代わりに使ったコレン機が2機のカプルを放棄!
マシンガンを使いターンXとバンデットに迫る!
バンデットはビームサーベルを抜いた!
メリーベル『あいつは!?』
バンデットはロケット弾を発射した!
コレン『この窓枠がぁ!』
バンデットはビームサーベルを突きつけるが、コレン機は見事に回避!
武器の金棒でコレン機はバンデットの頭部を破壊!
メリーベル『ああああああっ!』
金棒を残し、コレン機はブースターを吹かす!
コレン『その金縛り状態を解かねぇと、また黒歴史が来るぞーーーー!』
コレン機は、胸部のロケット弾を一斉発射した!爆発が乱舞し、コレン機は2機の上に出た!
コレン『その股座にロケットパーンチ!』
コレン機はロケットパンチを発射!それは∀の腕に命中した!
そこから光が発生し、それはコレン機の左腕と胴体を切り裂いた!
コレン『∀だって、時代を切り開けるはずだぁ!!』
そう言った直後、コレン機は爆発した!

ロランとギンガナムは真っ白な光の中にいた。
ロラン(コレン・・・コレン軍曹?)
ギンガナム(戦いの中で人は己の中に闘争本能を蘇らせる!)
ロラン(それが動物というのだろうが、人類は歴史を重ねているのだぞ。)
∀とターンXの背中から強力なエネルギーが迸る!
ギンガナム『ハハハハハハ、それでいい!
我等の闘争本能の赴くままにターン同士のエネルギーを使い切れば、
地球の文明は滅ぼされないかも知れんぞ!』
ロラン『そういうものか!』

場面は変わってホエールズ。
ブルーノ・ヤコップ機は、ソシエ・メシェーを収容してソレイユへ帰艦した。
ソシエ『ソレイユが前へ出ているけど、どういう事なの?』
フラン『ターンXを狙撃したいんでしょ?ディアナ様は。』
ジョゼフは担架に乗せられた。
メシェー『大丈夫なの?』
フラン『ジョゼフは頑丈だわ。』
ソシエ『お姉様はブリッジにいるんでしょうに!』

ソレイユのディアナは、ホエールズに命令した。
ディアナ『ホエールズはハリー大尉以下を援護しつつ後ろを固めて下さい。
ソレイユは全ての火力をターン2機に集中して月光蝶のバリアとなります。』
所変わってホエールズ。
キエル『出来るのでしょうか?』
ダイスケ『出来ると信じるしかありません。』
キエル『御成功を祈ります。』
ディアナ『祈って下さいまし。』
ディアナはソレイユのクルーに前進を命令する。
そしてソレイユは前進した。

ホエールズのブリッジに、ソシエが入り込んだ。
ソシエ『なんでソレイユ1隻が前へ出るの?』
キエル『もうディアナ様の突撃を止める事は出来ません。』
ソシエ『女王の死?王の死?アデスカの王と同じ・・・。』
ソレイユの前方から月光蝶が広がっている。

一方、ミリシャ部隊はウィルゲムの不時着で大慌てしていた。
強い風も吹いていた。
マリガン『全員が飛行船に乗れないんだ!
ルジャーナミリシャが使ってやるから戻れ!なんて連中だ!』
リリ『とうとうミハイル大佐にも見限られてお終いになられましたわね』
グエン『リリ嬢は私がどん底になると現れますね。』
リリ『もう日は昇りませんわね。』
グエン『それは分かりません。人生の最後に成功すれば良い事なのですから。』
リリ『その成功もアメリアがあってこそでしょう?』
グエン『今の私にできるのは、愛するローラの勝利を願う事だけです。』
リリ『ローラは男の子です。そんなにも愛してるならご自分がスカートをおはきになれば?』
グエン『スカートをはいて産業革命を起こせる世の中になるには、まだ時間が、あっ!』
リリ『バンデット!』
メリーベルのバンデットが墜落した。コックピットが開き、メリーベルは落ちた。
リリ『マリガン!・・・もうっ!』
グエン『メリーベル!』
グエンはメリーベルの元へ向かった。
飛行船が飛び立った。
グェン『どうした?ギムは?』
メリーベル『ウィルゲムのメガ粒子砲を貸して!』
グェン『運転手がいなくなった。無理だ!』
そして、グエンの前に飛行船の縄梯子が落ちた。
グエンとメリーベルは縄梯子に引っ付いた。
ミリシャ兵『順々に引き上げますか?』
メリーベル『ロストマウンテンに行くんだ!』
リリ『ごきげんよう。アメリアは私がスカートのまま治めますわ。』
リリは手を振りながら飛行船を見送った。

∀とターンXは、両手を組み合い、力比べをしていた!
ギンガナム『戦うと元気になるなぁ、ローラ!死を意識するから生きる事を実感できる!』
ロラン『その先にあるものが破壊だから、黒歴史は封印されました!』
ギンガナム『違うっ!命を繰り返す為には、戦い続けなければならんから残っていた!』
ロラン『自分勝手な解釈をするなぁっ!』
∀はビームサーベルを突き出すが、ターンXは右手で攻撃を受け止めた!
ギンガナム『貴様は戦っているぞ!』
ロラン『貴方がいるからでしょ!』
ギンガナム『私は人間だ!封印されたままと言うわけにはいかん!』
ロラン『戦いの歴史は、繰り返させません!』
ギンガナム『もう一度封じられるか?このギム・ギンガナムを!』
ターンXの右手が外れ、ターンXは大きく飛び上がった!
ターンXは、足からビームを発射した!
∀はターンXの右手を払い、ビーム攻撃を避けた!

ソシエはフラットでロストマウンテンを目指していた。
ソシエ『ロランは・・・はぁ。』
スモー(金色)の後ろに到着して、フラットはライフルを展開させた。
ポゥ『ハリー大尉の方は?』
ハリー『こちらでも機体を識別できない!全機、月光蝶のエネルギー、こんなものじゃないぞ!』
ポゥ『ソレイユへの直撃だけはさせませんよ!』
ハリー『ソレイユはそこで止まれ!』

一方ソレイユは、バリア展開の準備をしていた。
ディアナ『ソレイユは落ちてもよい!全バリアを放出!
月光蝶の拡散を少しでも食い止めよ!』
フィル『は、はい。出来なくて元々!』
ソレイユはバリアを展開し、月光蝶を防いだ!

ターンXは月光蝶を発動し、再び合体した!
∀がサーベルで斬りかかる!が、ターンXはそれを受け止めた!
∀とターンXの頭部がぶつかり合う!
ロラン『貴方が戦う力を守ってこられたのは、ディアナ様をお守りするという
誇りがあったからでしょう!?』
ギンガナム『その誇りをくれたのがディアナなら、奪ったのもディアナなのだ!
ねぎらいの言葉一つなく、地球へ降りたんだよぉ!』
ターンXは回転し、背中から月光蝶を迸らせる!
ギンガナム『そんなディアナの為に戦う貴様などに、この私は倒せん!』
ロラン『倒す!倒しますっ!!』
∀は急上昇した!ターンXは∀を見失ってしまう!
ターンXの正面からサーベルを構えて急接近した!
ロラン『遅いっ!!』
サーベルは、ターンXの左肩に突き刺さった!
同時にターンXのビームも∀の腹部に突き刺さった!
∀はさらにサーベルを深く突き刺した!
ギンガナム『純粋に戦いを楽しむ者こそ!』
ロラン『自分を捨てて戦える者には!』
∀はサーベルを縦に動かした!
ギンガナム『おのーれぇぇ!!』
ギンガナムは、ターンXの頭部を射出した!
∀のコックピットからロランが降り、走り出す!

ソレイユは不時着した。バリアを展開した影響でエネルギーが消耗したのだ。
金色のスモーがソレイユの前方に走り出る!
ハリー『前を固めろ!!』
ポゥ『コンドラフト!』
ソシエ『ソレイユは墜落!ロラン、声を聞かせてよ!』

ロランは懸命に走っている!そしてロランの前に刀が置かれた!
ロラン『ギム・ギンガナム!?』
ギンガナムが仁王立ちした!
ギンガナム『剣で戦った事は!?』
ロラン『一度だけあります!』
ギンガナム『ふっ、それは結構・・・。』
2人は刀を抜いた!
ギンガナム『勝負!』
ロラン『うわぁぁぁぁぁ!!』
ギンガナム『てやぁぁぁぁぁぁ!!』
ロラン『いやああぁぁぁぁぁぁ!!』
ロランは思い切り刀を振った!
ロラン『うわぁぁぁぁぁぁ!!』
そして、ギンガナムの刀は折れた!
その後、糸のようなものが現れ、ギンガナムはそれに巻きつかれた!
ロランにも迫るが、ロランはそれを逃れた!
∀とターンXも糸のようなものに巻きつかれた!
そしてそれは、繭のような形になった・・・。
力尽きたロランを、ソシエのフラットの手が受け止めた。
コックピットの前まで上げて、無事を確かめた。
ソシエ『あれ、繭の玉が立っているみたい・・・。』
空には、満月が煌々と輝いている。

ディアナは、帽子を取った。
ディアナ『はぁ・・・』
フィル『ターンXと∀の反応、停止しました。』
ディアナ『そうか。ロランは・・・?』
フィル『ソシエ・ハイムが収容しました。』
ディアナ『ああ・・・。』
ディアナはゆっくりと目を閉じた。
戦いは、終焉を迎えたのである。

(ここから、第2期エンディング『月の繭』がBGMとして流れる。)
それから数日後・・・。
ソシエ、キエル、ディアナは車に乗っていた。
ソシエはボーっと外を眺めている。
キエル『ですからこんどは2人きりでね・・・。』
ディアナ『それはいいですね。フフ・・・。』
キエル『皆さんには内緒で・・・。』
2人の会話を聞き、ソシエは席を前に移動する。
運転席にはロランが、助手席にはハリーが乗っている。
ソシエ『ロラン!』
ロラン『はい?』
ソシエは黙り込んでいた。

車はハイム家に到着した
ジェシカ『よくいらっしゃいまして。』
ディアナ『こんにちは。』
サム『お変わりなく。』
ディアナは、ハイム夫人にキスをした。
ソシエは屋敷に入り、ロランは自分の部屋の窓を開けた。

街中で、ブルーノとヤコップは∀とターンXの人形劇をした。
子供達にも人気らしい。

ウィルゲムは、色が黄色に塗装されていた。
その現場を視察するリリ、ボルジャーノ公、ディアナ、
キエル ホレス、ミハイルとヤーニが働いている。

雪が降る中、出発しようとするロランにソシエが泣きついていた。
涙を流しながらソシエはロランとキスを交わした。
立ち尽くすソシエを背に車が動き出す。

船に乗ったキエル、ハリー、ミラン、ブルーノ、ヤコップ
ブルーノ・ヤコップ『では、行ってまいります!』
敬礼を決めるブルーノ、ヤコップ。
キエル『皆様、ごきげんよう。』
頭をたれるキエル
見送る一同。リリ、ソシエ、エイムズ、マリガン、サム、ジェシカ
リリ『ごきげんよう。』
ソシエ『テレビ電話くらいかけなさいよー!』
エイムズ『また行くからなぁ!』
ディアナの船は、改修の終わったウィルゲムに向かっていた。

ロランとディアナは、湖畔で食事を取っていた。
白鳥の群れが飛び立つ
ディアナ『あっ!』
ロラン『すごい数ですね。』
カップを取るディアナの左薬指には、指輪が光っていた。

ウィルゲムが月へ向けて出港した。
ウィルゲムの下部が分離された。
ウィルゲムは、真ん中の部分が分離して月へ向かった。
天窓が開き、キエルとレット隊の面々が顔を出す。

フランは取材車に乗り込んだ。
フラン『夕食までには帰る。』
ジョゼフ『ホントだな?』
ジョゼフの背中には赤ん坊が背負われていた。
ジョゼフは取材車を見送った。

渓谷では、ポゥが何かを見つけ、シドに声をかける。
ポゥ『シド爺さん。』
シド『ハックシュン!』

キース達はトラックに乗って、新店舗を見ていた。
キース『こんな角だったか?』
不動産屋『地図と同じっすよ。』
アニスはひ孫をあやしていた。
ベルレーヌ『あっ、おばあちゃん、危ないわ!』
看板屋『旦那!いい看板でしょ?』

月へウィルゲムが入港した。
キエルは演説した。
キエル『ディアナ・ソレル、また皆様と共にここにおいていただきます。』

美形のDC兵が人力飛行機を操縦していた。。
メシェーはそれを追いかけていた。
主翼が折れて、墜落した。
だが、それでも笑っていた。

ソシエは、ロランの鞄から金魚の置物を取り出した。
自転車で出かけるソシエを、ハイム夫人が横目で見ていた

ソシエ『うわぁぁぁぁぁぁ!!』
坂道を自転車で下りながらソシエは叫んだ!
そしてソシエは川に金魚の置物を投げ捨てた!
金魚の置物は、ゆっくりと流れる・・・。
ソシエ『うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・。』
ソシエは最期まで叫んだ・・・。

秋の湖にボートが1艘浮かんでいた。
森は黄金色に染まっている。

冬の宮殿で、黒歴史の様子を見つめなおすキエルとそれに従うハリー。
コンドラフトにキエルは目で挨拶した。

秋の湖で釣りをするロランと湖畔からそれを眺めているディアナ。
秋の陽射しが降り注いでいる。

冬の夜空に白鳥が編隊を組んで飛ぶ。
厚着して湖畔に立ち、水面の自分の姿を見るディアナ。
ディアナ『フフフ・・・』
ディアナは微笑んだ。

ロストマウンテンには、まだ∀とターンXを包み込んだ繭が残されていた。
もう目覚める事は無いだろう・・・。
ロストマウンテンの空には、まだ満月が輝いていた・・・。

山小屋から、ロランはディアナに声をかけた。
ロラン『あっ、そこにいらっしゃったんですか。今日のスープは美味しいですよ。』
ディアナ『ありがとう、ロラン。』

ロランは、食事の後片付けをした。
ディアナ『美味しかったわね。』
ロラン『ありがとうございます。』
ロランは、食器を台所へ運んだ。
屋根から、雪の落ちる音がした。

ロラン『ディアナ様、また明日・・・。』
ロランはディアナの部屋の扉をゆっくりと閉めた。
ディアナはすやすやと眠っていた・・・。

∀GUNDAM THE END

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