トップをねらえ! 本話は全編亜シネスコサイズ(シネスコとビスタの中間のサイズ)で、
西暦2048年。夫のオオタコーチを前年暮れに亡くして未亡人となったカズミは、ノリコとともにガンバスターのパイロットとして選ばれ、カルネアデス計画を遂行すべく、銀河系中心部へと向かった。 やがて、宇宙怪獣の猛攻が始まった。多くの犠牲を払い、必死でブラックホール爆弾を守り抜くうち、ようやく爆縮開始へのカウントダウンが始まる。しかし、カウントが0になっても、ブラックホール爆弾は爆発しない。作戦は失敗かと思われたが、最後の手段として、バスターマシンの大型縮退炉を使ってブラックホール爆弾は起爆させるため、カズミとノリコはガンバスターでブラックホール爆弾へと突入するのだった。
○ブラックホール爆弾(内部) 変形を解いて降下して行くガンバスター。 ノリコ「……あれが木星?」 敵主力到達まであと8分 オペ男「各部隊、収容を終わりました」 降下を続けるガンバスター。 カズミ「表面温度、1,600度。外圧、15,600tpm。大丈夫、まだもつわ」 ガンバスターに近づくユングのシズラー(ブラック)。 ユング「あたしも行くわ」 段々とひしゃげて行くシズラーブラック。 ユング「……構わないわ」
○ヱルトリウム(ブリッジ) その会話を無言で聞いているタシロ、副長。
○ブラックホール爆弾(内部) ノリコ「これで最後にしたいのよ……」 無言でうなずくユング。 ノリコ「じゃあね、ユング」 降下するガンバスターを見送るシズラーブラック。 ユング「ノリコ、カズミ、……帰って来たら」 涙を流すユング。 ユング「お帰りなさいと言ってあげるわ……」
○ヱルトリウム(ブリッジ) タシロ「……済まん……」 ヱルトリウムのブリッジのモニターから消えるノリコ、カズミの顔。
○ブラックホール爆弾(内部) ノリコ「お願い、耐えて!ガンバスター!」 「バスターホームラン」 カズミ「これでバスタービーム、バスターコレダー、全て使えなくなったわ…」 カズミ「静かね……」 木星中心部スレイブジェネレイター 中心部に到達、ゆっくりと着地するガンバスター。 ノリコ「やるわ!」 無言でうなずくカズミ。 ガンバスター、胸の装甲を引き千切る。 ノリコ「うわぁああああ!」 ノリコ、自分の服を引き千切る。 ノリコ「ごめん、ごめんね、ガンバスター……」 ガンバスター、自分で自分の縮退炉(1号機)を取り出す。 カズミ「電源OFF、1号炉、全力運転」 稼動している縮退炉。 カズミ「縮退、開始!」 縮退炉、明るく輝く。
○ヱルトリウム(ブリッジ) ブラックホール爆弾の外観、光に覆われ始める。 オペ男「重力縮退を確認、ガンバスターです」
○ブラックホール爆弾(内部) 縮退炉を持つガンバスターの右手が段々と溶け始める。 カズミ「あと、ゼロ、2……臨界点突破!ノリコ!」 ガンバスター、縮退炉をスレイブジェネレイターに突っ込む。 ノリコ「脱出!」
○ヱルトリウム(ブリッジ) オペ男「再始動、確認」 光を放射し始めるブラックホール爆弾。 タシロ「……全艦、離脱。予定通り、超長距離ワープに入る」 机にうつ伏せで泣いているユング。 オペレーター男の声「全艦、ワープ準備」 ユング「ノリコ、カズミ。ほんと……ほんとに生きて帰って来て」 ワープに突入する艦隊。
○ブラックホール爆弾(内部) ブラックホールへと変わって行くブラックホール爆弾。 ノリコ「ごめん、キミコ……もう会えない……」
○地球 「ママとノリコおばさんがもう1度逢えますように タカミ」と書いてある短冊。 キミコ「……?」 立ち上がって空を見上げるキミコ。 タカミ「ママ、どうしたの?」 星空。
○銀河系の遠景 銀河系。
○太陽系 一万二千年後 変化した銀河系。 太陽系 上半身だけになった無残なガンバスター。 ノリコ「1万……2千年後か……」 遠くに見える地球。 ノリコ「もう……沖縄がどこにあるのか、分からなくなっちゃった……」 段々と近づく地球。 ノリコ「人間は!?……灯りが、見えないわ……」 だんだんと降下して行くガンバスター。 カズミ「この辺り……沖縄だった……」 千羽鶴を見るカズミ。 段々と降下して行くガンバスター。 「オカエリ」 ノリコ「ああ……!?」(表情が急に明るくなる) 「オカエリナサイ」(イは左右反転) ノリコ「あはははははは……。お姉様!」 ガンバスターの体から2つの光が飛び出す。 ここからカラー。 リングワールドが輝く地球に吸い込まれて行く2人の光。
○スタッフロール 完
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