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超星艦隊セイザーXの最終回
 

ナレーション「西暦2500年、未来の地球は闇に包まれていた。その未来の歴史を変えるためにセイザーXが現代へやってきた……長く苦しい戦いを続けてきたセイザーX。全てを闇で1つにしようとするネオデスカルを倒すため、拓人は信じあう仲間たちと共に最後の戦いに挑む! 過去と現在と未来をつなぐ壮大な物語が遂に終わりを迎える……」

レミー「もう絶対躊躇しない!」

ブラックライオ「全てが闇で1つになるのだ……」

ライオ「お前が言うような未来になんか絶対させない。未来は、俺たちが作るんだ!!」
 

最終回
友情は時空を越えて…
 

ライオ「ライオブレイカー! はぁっ!!」

ライオセイザーがライオブレイカーを、ブラックライオがブラックライオブレイカーを取り出す。

一方、外では満と厚がダークゲランやグレートライオを見ていた。

母親「満ちゃん、厚君、何してるの!? 早く逃げるのよ!!」

満「大丈夫だよ……」

母親「え?」

厚「あの兄ちゃんたちが絶対地球を助けてくれるんだ」

レミー「これが本当にいう最後の戦いね。もう絶対躊躇しない!」

アド・ケイン・ブレアードがコアブレイバーのコックピット内にいた。
 
アド「レミー、俺たちが突入してきっちり5分後にハウリング・クラッシュを発射するんだ」

レミー「OK、5分後ね……」

ケイン「何があろうと、5分後だよ」

レミーは頷く。

2人「X、装着!!」

アドがイーグルセイザーに、ケインがビートルセイザーに装着。ブレアードもそれを真似する。

イーグル「行くぞ!!」

コアブレイバーが立ち上がり、ダークゲラン目掛けて走り出す。

イーグル「はああ―――っ!!」

ビートル「ぬああ―――っ!!」

ブレアード「うおお――っ!!」

その光景を見上げるアクアルたち。

その頃、ダークゲランの体内ではダブルライオが死闘を繰り広げていた。

お互い1歩も譲らない。

ブラックライオが振りかかった瞬間、ライオが受け止める。

ライオ「俺は、絶対に負けない。地球の未来は、俺たちが……俺たちが守るんだ!!」

ブラックライオは剣をはじかれるが、ライオを切り裂く。

ライオ「うわぁっ!!」

ブラックライオ「これでおしまいだ」

ライオはとうとう追い詰められてしまった。その時、轟音が轟く。

コアブレイバーがダークゲランの体内に侵入したのだ。

ダークゲランの腹部はそれを噛み付く。

レミー「あと4分20秒」

「ちょっとあんた」

レミーが振り向くとなんと、アクアルとサイクリードがいた。

レミー「あーっ!」

アクアル「何であんたは攻撃を続けないのよ!?」

サイクリード「なーんで俺だけ何が起こってるかわからないんだ!?」

レミー「ていうか、何であなたたちがここにいるの!?」

そこに、アインとツバインも入ってくる。

アイン「すいません……」

ツバイン「黙って見てられなくて……」

アクアル「さっさと仲間を援護しなさいよ」

サイクリード「そうだよ」

レミー「今はエネルギーを溜めてるの!! 最後の一撃のためにね」

戦場。
 
春子「あの中に拓っ君が……!?」

由衣「お兄ちゃんを助けて……」

宗二郎「拓人……」

ダークゲランの腹部はコアブレイバーを食い尽くしてしまう。

「突入成功みたいだな」

ライオ「え?」

イーグル「待たせたな!」

ビートル「助けに来たよ」

ブレアード「正義のヒーロー、ここに誕生!!」

ブラックライオ「何!?」

ライオ「いつからお前、正義になったんだよ!?」

ブレアード「へっ、最初からだ」

イーグルたちはブラックライオ目掛けて走り出す。

ライオ「お、おい!?」

ブラックライオを囲む3人。

ビートル「胸に『ライオン1』が!!」

イーグル「取り返すぞ!!」

ビートル「OK!!」

後ろからブレアードがブラックライオを取り押さえる。

ブレアード「へへっ、捕まえた」

イーグルとビートルも押さえつける。

イーグル「今だ、拓人!!」

ライオ「よしっ、うおお―――っ!!」

ライオは『ライオン1』を流れるスパークに耐えながら掴み取る。

だが、ブラックライオはイーグルたちを投げ飛ばし、再び『ライオン1』を奪おうとする。

ブラックライオ「これだけは取られるわけにはいかない」

こうして『ライオン1』は再びブラックライオの手に渡った。すると、『ライオン1』が反応する。

ブラックライオ「何!?」

ライオ「え?」

『ライオン1』は再びライオの手に渡った。

ライオ「どうやら『ライオン1』は俺の方が好きみたいだぜ!!」

ブラックライオ「バカな……」

ライオ「とどめだ! ライオファイヤー!!」

ブラックライオはライオファイヤーを受けて消えた。

ライオ「やったか!?」

「ふっふっふっ、私には実態はない。この闇自身を倒さなければ私の意思も死なないのだよ……飲み込まれてしまったお前たちの命はもはや時間の問題だ」

一方、グレートライオはハウリング・クラッシュの準備に入った。

アイン「エネルギー充填、確認!」

ツバイン「1回分のエネルギーしか残されていません……」

レミー「その最後の一撃にみんなの未来を託すのよ」

ライオ「そういうことか!!」

イーグル「この最後の攻撃に……」

ビートル「全てをかける!」

ブレアード「何秒だろうと」

ビートル「18秒……」

満「頑張れ!」

厚「頑張れ!!」

アクアル「あと10秒。9……」

由衣「8、7、6……」

アイン「5、4……」

ブレアード「3!」

イーグル「2!」

ビートル「1!」

ライオ「0!!」

レミー「ハウリングクラッシュ発射!!」

ブレアード「デスブレイバー!!」

イーグル「イーグルタイフーン!!」

ビートル「ビートスラッシュ!!」

ライオ「ライオファイヤー!!」

ハウリングクラッシュと4人の必殺技がダークゲランに命中。

パトラ「光が……」

ダークゲランの体内から光が照らされる。
 
「世界を……世界を1つに……!!」

ダークゲランが大爆発。

「うわああっ!!」

アイン「やった」

一同「やったー!!」

空の闇が消えていく。

母親「闇が消えていく……」

厚「あの兄ちゃんたちが地球を守ってくれたんだ」

満「信じてたよ、僕!」

春子「拓っ君」

その時、1つの光が空から舞い降りてくる。

宗二郎「あれは……」

由衣「お兄ちゃん!!」

春子「拓っ君!」

光の中にはヘルメットなしのセイザーXとブレアードがいた。

サイクリード「バンザーイ!!」

アクアル「全く、あんたたちには敵わないわ……」

一同が喜ぶ。

拓人たちは無事に着陸する。

拓人「揃ったぜ、全部のコスモカプセルがな!!」

やがて、地球の周りの闇も消えていく。

隊長「拓人……」

拓人「はい……」

隊長「この時代の、地球の代表としてお前が願いを唱えるんだ。そしてその瞬間から未来は変わり始める……」

拓人「でも……」

レミー「やって拓っ君」

拓人「レミー」

レミー「私たちが未来を作るのよ。私たちが、これからの未来を……」

頷く隊長。

宗二郎が拓人の肩をたたくと、拓人は12個のコスモカプセルのそばに近づく。

拓人「コスモカプセルに願う! これは、ここにいるみんなの願いだ……コスモカプセルよ、消滅して未来を変えてくれ!!」

拓人がそう言うと、コスモカプセルの回転は早くなる。

さらに、G2の目が光り、トビーの映像が映し出される。

アド「未来から通信だ!」

トビー「シャーク隊長! 光が、世界が光に包まれて、変わり始めました……未来が変わり始めたんだ。やったんですね、シャーク隊長。コスモカプセルを消滅させたんですね……あなたが与えてくれたこの未来は素晴らしい。なんてすば……」

通信が途絶え、コスモカプセルは消えてしまう。

ブレアード「さらば、コスモカプセル。か」

その時、ブレアードたちの元に消えたはずのコスモカプセルが現れた。

拓人「『ライオン1』……どういうことだ!?」

アド「コスモカプセルは消えない」

ケイン「でも、未来は変わったって!」

サイクリード「おい、なんか写ってるぞ! この中に」

ケイン「母ちゃん、みんな……」

アド「ビオード星」

拓人「俺のは何にも写ってないぜ?」

レミー「私も」

由衣「何で私に!?」

隊長「そういうことか。古代から巡るコスモカプセルの歴史……その中で消滅を願った物を言ったはずだ。しかし、永遠と繰り返されるのはコスモカプセル自身は消滅しないという証拠なのだろう」

拓人「だったら、俺たちが願った夢はなかったってこと!?」

隊長「それは違う。コスモカプセルは願いを叶える力を持つ代わりに、強力な武器にもなる……あとはお前たち12人がだいだいそれを1つずつ持ち続ければ、永遠に1つになることはない……」

ケイン「もしかして、僕たちは選ばれたの!?」

隊長「ああ、そういうことだ。俺たちがコスモカプセルを探していたのではなく、コスモカプセルが俺たちのことを探していたのだろう。それを永遠に保管し続ける12人のコスモカプセルの戦士たちをな」

アド「俺たちが……」

ケイン「12人の……」

拓人「コスモカプセルの戦士?」

サイクリード「僕も!?」

アクアル「私も!?」

ブレアード「え? あ、そうなの!?」

由衣「私が戦士!?」

レミーが頷く。

隊長「どうやら、本当の別れの時が来たようだな」

空から渦が現れ、隊長の体に光が照らされた。

隊長「さらばだ、宗二郎……レミー、いつまでも我が子のように思っている」

レミーは涙目になっている。

隊長も涙をこらえていた。

シャーク「俺がお前たちに伝えたいことはただ1つ。素敵な未来を作ってくれ」

拓人たちはいつものポーズを取る。

さらに、隊長の体も消えていく。

レミー「シャーク隊長!」

レミーは隊長に駆け寄るが、間に合わず隊長は渦の中に消えてしまった。

そして、空の渦も消えた。

ケイン「見て」

シャークが消えた後、シャークリーガー、ドリルアングラー、マグナビート、ウインドイーグル、グレートライオ、そして拓人のナックルクロスも消えてしまう。

安藤家。

アド「俺たちは、ここに写る世界に行くことになると思う」

アイン「え?」

アド「シャーク隊長が消えたということは、未来から来た俺たちもここには存在できないはずだ。そして未来が変わり始めた以上、元いた未来とは違う、別の世界に行くことになると思う……」

拓人「別の世界!?」

由衣「じゃあ、これでみんなお別れなの!?」

アドは首を横に振る。

アド「俺たち12人は、過去と未来に分かれたコスモカプセルの戦士となるんだ」

サイクリード「なんかピカピカしてます!」

ブレアード「俺たちが最初だったか……」

アクアル「そうみたいね」

サイクリード「宇宙に戻るんだ。3人で宇宙に戻るんだな!?」

アクアル「そうよ、結局そこが私たちの居場所なの」

ブレアード「お前とは決着をつけたかったがな、拓人」

拓人「友達となんで決着着けなくちゃいけないんだよ!?」

ブレアード「友達!?」

拓人「ああ、そうだよブレアード」

春子「もう、宇宙海賊なんかしたらダメよ」

ブレアード「ああ! これからは宇宙を飛び回って、腹が減ったらそこらの星で降りて……飯をふんだくって生活していくんだ!!」

拓人「それが宇宙海賊っつーんだよ!!」

ブレアード「お。成長したな、拓人。突っ込みが早くなった」

拓人「それが成長かよ!」

ブレアード「そうだ、それが成長だ」

拓人「はぁ!?」

サイクリード「いやあ、結局最後まで何が起こったのかわからなかったけど……」

アクアル「これは、永遠に持ち続けるわ」

拓人「約束だぞ」

ブレアード「ああ……」

三将軍が消え始めようとしている。

ブレアード「みんな、最後に言わせてくれ!」

拓人「うん……」

ブレアード「こんなかっこいいこと言うのは俺のキャラじゃないかもしれん」

拓人「うんうん」

ブレアード「だが、言わせてくれ。かっこいいこと言わせくれ!」

拓人「うんうん」

ブレアード「俺はお前たちが……ああっ!!」

アクアル「早く言いなさいよ!!」

ブレアード「しまった!!」

三将軍は『スタッグ7』『ピジョン10』『スワン6』と共に消えた。

拓人「何なんだよ、かっこいいことって! すっげー気になんじゃんか―――!!」

結衣「最後までブレアードらしいね」

春子「うん。さようなら、ブレアード……」

今度はゴルド・パトラ夫婦の『ウルフ5』と『マンティス11』が光りだした。

パトラ「どうやら次は私たちみたい。私たちはねぇ、夫婦で大学芋屋開くみたい」

一同は笑う。

アド「泣くなゴルド!!」

ゴルド「ううっ、OK。館長……」

アド「お前の館長であったこと、誇りに思う」

ゴルド「あなたの……クルーでいること、誇りに思います」

拓人「いつまでも、仲良くな」

レミー「喧嘩しちゃダメだよ」

消えていく2人。

アド「さよなら、ゴルド」

次は、ケインの『ビートル3』が光りだした。

ケイン「あ、次は僕みたい……」

アインとツバインの『オックス9』と『スピア8』も光っていた。

アイン・ツバイン「僕たちもケインさんと一緒です」

ケイン「え?」

アイン「ケインさん1人には……」

ツバイン「しておけませんからね」

ケイン「じゃあ、お別れだね」

レミー「ケイン……」

ケイン「レミー、悲しい時は、笑うんだよ。僕はそうしてきた!」

レミー「うん……」

ケイン「拓人……どんなに離れても、僕たちは友達だよ」

拓人「ああ、わかってるよ」

アイン「いいお風呂、ありがとうございました!」

ツバイン「さようなら、皆さん」

ケイン「お世話になりました。じゃあね、みんな」

アイン・ツバイン「さようなら……」

ケインたちも消えていった。

最後に、アドの『イーグル2』が光りだした。

アド「さて、最後は俺か……」

結衣「アドさん!」

アド「俺が行くのは、この時代のビオード星らしい。この時代からビオード星を変えろということだな……拓人、俺はお前に教わった……家族を思いやる気持ちをな。それを現代のビオード星に伝えて、今の地球の負けないくらい……素晴らしい星にしてみせる」

拓人「アド」

アド「ここであったことは、永遠に忘れない!」

最後に、アドも消えていった。

残ったのは『ライオン1』の拓人、『シャーク4』のレミー、そして『ホエール12』の結衣だけだった。

拓人「何で俺たちのには何も見えねぇんだろうな!?」

宗二郎「自分で、未来を決めろということだろう……」

 
数ヵ月後
 

拓人はいよいよ父・俊作のいるイギリスに旅立つのだ。

拓人「じゃあ。行って来る!」

春子「気をつけてね」

由衣「イギリスに行ったら、お父さんによろしくね……」

拓人「おう」

一方、宗二郎はG2の修理をしていた。

拓人「じいちゃん!」

宗二郎「ああ……」

拓人「行って来ます」

宗二郎「ああ、拓人。お前、大きくなったな……」

拓人「うん。じゃあ、行って来ます」

と、そこへレミーが帰ってきた。

レミー「はあはあ、間に合った……」

拓人「何だお前またバイトか!? ヨレヨレだな」

レミー「夜勤明けなんだからしょうがないでしょう!?」

中からは由衣と春子が覗いていたが、去ってしまう。

拓人「なーんか昔の俺みたいだな」

レミー「一緒にしないでよ!」

拓人「ハハハハハ。レミー」

レミー「何?」

拓人「安藤家はお前に頼んだ!!」

レミー「うん! 行ってらっしゃい。拓人……」

拓人「『拓人』はやめろよな!」

レミー「フフフ。拓っ君私ね、拓っ君みたいに人に勇気や希望を与えてみたい」

拓人「え?」

レミー「拓っ君はみんなにそれを与えたの……」

拓人「俺が?」

レミーが頷く。

レミー「拓人、素敵な未来を作ろうね……」

拓人「おう、素敵な未来を作ろう!」

2人はハイタッチする。

レミー「ただいま」

拓人「行ってきます」
 

すてきな未来を
みんなでつくろう!
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