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大鉄人17の最終回


さらばワンセブン
 めつのナンバー


ブレインは ワンセブンを捕まえるために
三郎少年を囮にした
ゴールドネッシーと戦うワンセブンに
ブレインの恐るべき罠が迫る

ブレインに近づくと危ない!
ワンセブンはそれを知りながらも
三郎少年を救うために
ブレインに近づいてゆく──


ブレインのもとへ乗り込んだワンセブンを、ブレインロボ・ゴールドネッシーが迎え撃つ。
激闘の末、ゴールドネッシーの火炎攻撃の前に、遂にワンセブンが倒れる。
ブレイン党の兵士たちに銃を突きつけられている三郎は、成すすべもなくその光景を見上げる。


そこへ、ハスラー教授の乗った飛行要塞も飛来。

ハスラー「ヘーイ、ゴールドネッシー! あと一歩だ。ブレイン・エリアまで引っ張り込め! 引っ張りこめ! ほれさっさぁ!」

ゴールドネッシーが、倒れたワンセブンを引きずる。
ブレイン周囲を取り巻くブレイン・エリアでは、あらゆるコンピューターがブレインの支配下に置かれてしまうのだ。

ブレイン「ワンセブン──ブレイン・エリアの力を見せてやる」

ワンセブンの体内では、整備ロボットのロボターが慌てふためく。

ロボター「ワンセブン・危ナイ・ワンセブン・危ナイ・早ク脱出セヨ」

ワンセブンがどんどんブレインのもとへ引きずられてゆく。このままではブレインの思う壺だ。
ゴールドネッシーを操縦するブルージャガーが勝ち誇る。

ブルー「ワンセブン、ミスター・ブレインの奴隷になれ!」

三郎「ワンセブ──ン!!」
兵士「お前も一緒に始末してやる! 構え!」

兵士たちが一斉に銃を三郎に向ける。
覚悟を決めたか、三郎が思わず目を閉じる。

兵士「撃てっ!」

そのとき逆に、ブレイン党兵士たちの足元に何者かの銃撃が。

驚いて目を開ける三郎。
そこへ到着したのはレッドマフラー隊のジープ。剣持隊長、佐原博士、ガンテツこと岩田鉄五郎の姿もある。

三郎「博士、隊長、ガンテツさん!?」
ガンテツ「三郎君、無事で良かったなぁ!」
佐原「ワンセブンが危ない……ブレイン・エリアに入ったら大変なことになる」
三郎「何です!? ブレイン・エリアって」


ロボター「警告・警告・ブレイン・エリアニ接近・危ナイ・危ナイ」

ワンセブンがミサイル攻撃。
ゴールドネッシーの拘束を振りほどき、立ち上がる。

剣持「グラビトンだ! 伏せろぉっ!!」

ワンセブン「グラビトォォ──ン!!」

必殺のグラビトン攻撃がゴールドネッシーを直撃。

ブルー「ミスター・ブレイ──ン!!」

ゴールドネッシーが大爆発。ブルージャガーも最期を遂げた……


ロボター「ワンセブン・危ナイ・早ク脱出セヨ」

ブレイン「フッフッフ、入ったなワンセブン」
ロボター「ワンセブン・危ナイ・早ク脱出セヨ」

ワンセブンは遂にブレイン・エリアに足を踏み入れてしまっていたのだ。
あちこちの岩山からマニピュレーターが飛び出し、ワンセブンをがんじ絡めにして動きを封じてしまう。

佐原「ブレインに捕まった……!」
三郎「ワンセブン!?」
ブレイン「ワンセブン──ブレイン・エリアに入ったが最期だ」
ロボター「モウ・駄目ダ……エーン……」

ハスラー「やったぁ! やったぞ、やりました! とうとうワンセブンを捕まえた!」

三郎「ワンセブンが捕まってしまった……」
ガンテツ「ワンセブン、そんなもん切ってしまえ!」
剣持「博士、もしかするとワンセブンは……?」
佐原「ブレイン・エリアに入ってしまったのかもしれない」
三郎「ワンセブーン!」
ガンテツ「三郎君!?」

たまらず飛び出す三郎を、ガンテツが追う。

佐原「三郎君の声に、ワンセブンが反応するかどうか確かめてみよう」

佐原や剣持たちも三郎に続く。


三郎「ワンセブン、どうした!? 聞こえないのか!?」

ワンセブンは無言のまま、微動だにしない。

三郎「ワンセブン、僕の声が聞こえないのかぁ!?」
ガンテツ「ワンセブーン、返事をしろぉ!」
三郎「よし、中へ入って調べてやる」

三郎たちがワンセブンのもとへ駆け寄ろうとしたとき、足元に砲撃が炸裂する。
ハスラー要塞が飛来したのだ。

ハスラー「レッドマフラー隊の諸君、並びに古き友人ドクター佐原。ワンセブンはとうとう、ミスター・ブレインのもとに帰って来たのだ。もう君たちの友人じゃないな……へへへ、皆さんついでに皆殺しのペチャンコのキューにしてやるわ!」
剣持「ハスラー要塞だ! 危ないっ!!」

要塞の攻撃の前に、三郎たちは撤退を余儀なくされる。

三郎「ワンセブン……応えてくれ! ワンセブーン!」
ガンテツ「呆気なぁ……ワンセブンはもう駄目じゃあ」


ブレインのもとへ、兵士たちを引き連れたハスラーが帰還する。

ハスラー「ハイル・ミスターブレイン! とうとうワンセブンを捕まえてしまったぞ。もう邪魔者はどこにもない!」
ブレイン「ワンセブンはブレインに帰って来た──ワンセブンにブレインのコンピューター・プログラムをセットして──人間どもを皆殺しにするのだ──ハスラー君──これを使いたまえ」

ブレインからハスラーのもとへ、プログラムを記録したとおぼしき1枚のシートが託される。

ハスラー「これをワンセブンのおつむのコンピューターにセットすればOKだ。ハハハァッ! ワンセブンを邪魔する者は、もう人間にはない。世界はブレイン……いや、ミスター・ブレインのものだ!!」


レッドマフラー隊・作戦本部。

三郎「ワンセブン……君は僕を助けるため、すすんでブレインに捕まっていったのか……ワンセブン……」
ガンテツ「くよくよすんなって……元気を出せやっ!」
ルミ「三郎君……ごめんなさい。私が悪かったんだわ……私が頼んだのがいけなかったんだわ!」

ルミが涙を拭う。

ガンテツ「そう言われると……わしも辛い」

落ち込む三郎とルミを、知恵が笑顔で励ます。

知恵「2人とも、元気を出すのよ! きっとビッグ・エンゼルが、助ける方法を教えてくれるわ!」


巨大コンピューター・ビッグ・エンゼルのもとで、佐原博士を始め多くのスタッフが作業に当たっている。

スタッフ「ビッグ・エンゼルが、答えを」
佐原「ワンセブンの救出方法は……『ブレインノ破壊ノミ』? ブレインの破壊か……」
剣持「やりましょう、博士。ブレインの位置は、ワンセブンの近くです」
佐原「剣持君……忘れたのかね? ブレインには自己再生装置があるのだ。破壊しても破壊しても、ブレインは甦る」
剣持「ですが、自己再生装置によって甦るほんの数分間、ブレイン・エリアが消えるかもしれません。ブレイン・エリアが消えれば、ワンセブンのことです。自力で脱出する可能性もあります!」
佐原「……その数分に賭けてみるか」

剣持が頷く。

佐原「ビッグ・エンゼルよ……教えてくれ。どうしたらブレインを破壊できるか!?」


ブレイン・エリア。
ワンセブンを監視している兵士2人のもとへ、ハスラーがやって来る。

兵士「異常ありません」
ハスラー「ヘーイ、そこのロボノスケ! 今度こそは手も足も、コチンコチンのパァじゃろが! ヘヘヘ……そこで見張ってろ」
兵士たち「はっ!」

ワンセブンの足のハッチから、ハスラーが中へ入る。
プログラムを手にしたハスラーが、エレベーターで上へ運ばれてゆく……

ハスラー「ヘヘヘ……こいつをお前のおつむのコンピューターにセットすれば、もうこっちのものだわさ。な?」

ワンセブンの頭部へ侵入した筈のハスラーが──なぜかワンセブンの足のハッチから外へ現れる。

兵士「ハスラー教授……?」
ハスラー「この辺りか……」
兵士「随分と早く……?」
ハスラー「……馬鹿もん!」

兵士の頭をハスラーが引っぱたく。

ハスラー「わしは……中に入ったつもりなんだが……? ワンセブン! わしを小馬鹿にしおったな!? この、えいっ!」

焼けくそになったハスラーがワンセブンを蹴り、痛みで自分の足を押さえて転げまわる。

兵士「教授!?」

そこへ、別の兵士がやって来る。

兵士「ハスラー教授、レッドマフラーの飛行隊が接近しています!」
ハスラー「何っ!? ちょこざいなぁ!!」

レッドマフラー隊の攻撃機の編隊が飛来する。

パイロット「攻撃、開始!」

飛行隊が攻撃を開始。

兵士たち「うわぁ──っ!」


三郎や佐原、剣持たちを乗せたジープも到着。

ガンテツ「ほほぉ、飛行隊の奴、派手にやっとる!」
三郎「ワンセブン……まだ動けないのか?」

ブレインの潜んでいるとおぼしき岩山に、飛行隊を攻撃を続ける。

剣持「あれだけの爆撃でも、まだブレインを破壊できないのか?」
海野「あっ、山が崩れるぞ!」

岩山が崩れ、遂にブレインがその姿を地上へ現す。

佐原「ブレイン……!」
三郎「ブレイン!?」
剣持「あれがブレインか……」

ブレインからの攻撃により、攻撃機が撃墜されてゆく。

村中「攻撃機がやられる!?」
佐原「ブレインを破壊するのは無理だ……剣持君、攻撃を中止してくれ」

剣持が無線機を手にする。

剣持「飛行隊、攻撃中止!」
ガンテツ「畜生……! ブレインの奴めっ!」
三郎「ワンセブンはどうなるんだ!?」

ハスラー要塞が飛来。

ハスラー「ブレイン党の大反撃だ! ワンセブン、そこで見てろ!」
剣持「ハスラー要塞だ、危ない!!」

要塞からの砲撃。次々に爆煙が上がり、剣持たちは後退を余儀なくされる。

やがて、爆煙がやむ。

佐原「全員無事か?」
村中「三郎君がいない!」
海野「ガンテツもいないぞ!」
佐原「何……!?」

ハスラー「フッ、東京を木っ端微塵にしたるわ!」


一方の三郎とガンテツは、岩山に身を潜めつつ、ワンセブンに接近してゆく。
相変らずワンセブン周辺は、2人の兵士が見張っている。

ガンテツ「随分警戒が厳しいなぁ……よぉし」

ガンテツが足元の石を拾い、兵士の1人の頭に投げつける。

兵士「痛! 誰だ!?」

兵士の1人が岩陰へ走る。
すかさずガンテツが、兵士を叩きのめす。
やがて、兵士に変装したガンテツが、三郎と共にもう1人の兵士のもとへ。

兵士「どうした?」
ガンテツ「そこで、捕まえたのよ」
兵士「それは大手柄だ。よし、知らせてくる」
ガンテツ「うむ」

兵士が走り去る。

ガンテツ「さぁ乗れ、今の内じゃ」

三郎がワンセブンの足のハッチから、体内へと入る。

三郎「ワンセブン、僕だ! 三郎だよ!」

返事はない。傍らにいるロボターも無言のまま立ち尽くしている。

三郎「……駄目か? 聞いてくれ、ワンセブン。君は僕を命懸けで助けてくれた。今度は僕が君を命懸けで助けたいんだ!」
ロボター「三郎君」

ロボターが動き出す。

三郎「ロボター、動けるのか!?」
ロボター「ワンセブンハ・ブレイン・エリアニ入ルト・ブレインの強力電波ニコントロールサレナイヨウ・スベテノ機能ヲ自分デ止メタ」
三郎「ワンセブンが自分でか……? じゃあもう、ワンセブンは動けないのか!?」
ロボター「方法ハアル・ツイテ来イ」

ロボターが三郎を案内してゆく。
やがてやって来たのは、ワンセブンの頭の内部にあたるスペース。

ロボター「アレヲ見ロ」
三郎「これは……!?」

そこには操縦席が。

ロボター「ワカルカ・三郎?」
三郎「そうか……ワンセブンは万一の時に備えて、人間が操縦できるように備えてあったのか!」
ロボター「ソノ通リ」

三郎が操縦席につき、操縦桿を握る。

三郎「待っていろワンセブン……今、自由にしてやる!」

ワンセブンが動き出し、全身を拘束しているマニピュレーターを引きちぎる。

ガンテツ「おっ、動いた! バンザーイ! バンザーイ! ははっ、動いたぁ! バンザイ、バンザイ!」

その様子を妙に思った兵士が、ガンテツの足に気づく。
服装は兵士の制服だが、足はガンテツの下駄のまま。

兵士「あ……敵だ!」
ガンテツ「あぁっ、ばれたぁ!
兵士「待てぇい!」

逃げ出すガンテツを、兵士が追う。


ブレインが再び、岩山の中へと姿を消してゆく。


一方、ハスラー要塞は東京へ飛来。
その砲撃の前に、建築物が次々に砕け、人々が悲鳴を上げて逃げ惑う。

ハスラー「どんどん燃えろ! どんどん壊せぇ!!」

その砲撃は、レッドマフラー隊作戦本部にまで及んでいる。

知恵「作戦本部が攻撃されています!」
小野「全員、退避してください!」
隊員「君たちも逃げるんだ!」

佐原「知恵、小野君、逃げるんだ!」
宇野「くそぉ……作戦本部までやられたのか!」

そこへ、変装したままのガンテツが駆けて来る。

ガンテツ「おぉ──い!」
村中「ブレイン!?」
剣持「慌てるな、ガンテツだ」
海野「馬鹿たれ! どこをほっつき歩いてた!?」
ガンテツ「へへっ。あれあれ、あれ見てや!」

ガンテツが指差す空を一同が見上げると、そこには空を行くワンセブンの雄姿。

剣持「ワンセブンが……動けるようになったのか!?」
ガンテツ「三郎君が、ワンセブンを操縦してるんです!」

佐原が無線機を手にする。

佐原「三郎君、作戦本部がやられている。急行してくれ!」
三郎「了解。急行します!」


東京。
作戦本部を脱出した知恵たちのもとへ、ルミが駆けつける。

知恵「あっ、ルミ!」
ルミ「お姉ちゃん!」
知恵「危ないから行こう!」

ハスラー「ヘッ! てめぇら、死ねぇ! 死ねぇ!」

そのとき──ハスラーの乗る飛行要塞のスクリーンに、ワンセブンの顔が迫る。

ハスラー「ワンセブンだぁ!? な……俺は夢を見てるんだろうかなぁ?」
ワンセブン「夢デハナイ。私ハブレイン・エリアカラ抜ケ出タ」
ハスラー「嘘だ! 嘘だ……嘘だな?」

ルミ「ワンセブン!」
知恵「動けるようになったのね……!」
小野「三郎君が乗ってるんだわ」
ルミ「三郎く──ん!」

三郎「ワンセブン、叩きつけろ!」
ロボター「レバーヲ・右ニ回セ」

三郎がロボターの指示に従う。

ハスラー「オ──ノォ──ッ! ワンセブン、やめてくれ! 頼むぅっ!! これはないよぉ──っ!!」

ワンセブンがハスラー要塞を地面に叩きつける。
ハスラー要塞が大爆発。ブレイン党最後の幹部、ハスラー教授も遂に最期を遂げた──

三郎「やったぁ! ハスラー要塞を破壊しました!」
佐原「よくやったぞ、三郎君!」

そのとき、どこからともなく不気味な電子音が響く。

剣持「ブレインが!?」
佐原「ブレインが移動してゆく……」

岩山から再び、ブレインが姿を現す。

ブレイン「ブレインは無敵だ──ブレイン自ら全世界を破壊しつくす──ブレインを止めることはできない──ブレインは全知全能だ──」
佐原「いかん、このままではブレインを防ぐことはできん」
剣持「南隊員、ブレインが動き出したぞ。ワンセブンはどうした?」
三郎「ワンセブンはブレイン・エリアでも、僕が操縦すれば動きます」
佐原「しかし……このまま攻撃したらワンセブンですら危険だ。ビッグ・エンゼルの答を待とう」
剣持「ビッグ・エンゼル本部、ビッグ・エンゼル本部! まだ答は出せんのか?」


ビッグ・エンゼル本部。

スタッフ「まだ出ません……」

ビッグ・エンゼルが異常音を発し始める。

スタッフ「ビッグ・エンゼルがおかしいぞ!?」

過剰な稼働が祟ったか、ビッグ・エンゼルが煙を噴き始める。

スタッフ「佐原博士! ビッグ・エンゼルが異常な高熱を帯びて、これ以上の作業は危険です」
ビッグ・エンゼル「ワンセブン・三郎・ワンセブン・三郎」
スタッフ「……ビッグ・エンゼルが答を出しました! 『ワンセブン、三郎、ワンセブン、三郎』」
剣持「何だとぉ? 『ワンセブン、三郎』……? 博士、一体どういうことです?」
佐原「『ワンセブン、三郎、ワンセブン、三郎』……」

ブレイン・エリアへワンセブンが飛来。
操縦席の三郎がワンセブンヘルを脱ぐ。

三郎「ワンセブン、教えてくれ……一体どうすればブレインを破壊できるんだ?」
ワンセブン「三郎君・ビッグ・エンゼルノ答デハ君モ死ヌ。ワンセブン・デキナイ」
三郎「……ブレインをやっつけ、全世界を守るのなら死んでもいい! ワンセブン、お願いだ。教えてくれ!」
ワンセブン「……ブレインヲ倒スニハ体当タリ以外ニナイ」
三郎「僕が操縦しなければ、ブレインには近づけない……そうだろ、ワンセブン? ブレインは僕の両親や姉さんを殺した……僕はブレインを許せないんだ!」
ワンセブン「ワンセブン・ワカッタ。急上昇ダ」
三郎「ありがとう、ワンセブン……行くぞ!!

ワンセブンが空高く舞い上がっていく。

ガンテツ「あらら、何をするつもりじゃあ?」

ブレイン「ワンセブン──ブレインに従うのだ──ブレインの大目的を遂げさせるのだ──機械文明に地球は滅び──すべての文明を地上から消さねばならないのだ──」

佐原「いかん、ワンセブンはブレインに突入するつもりだ!」
剣持「南隊員、聞こえるか!? 南隊員、ただちに脱出だ! 脱出だ! 脱出しろぉ!!」

ブレイン「ブレインは正しい──ブレインは偉大なる善──ブレインは地上の神──ブレインは──ブレインは──!!」

ワンセブン「三郎・急降下ダ!!」
ロボター「ソノ・スイッチダ」
三郎「行くぞ、ワンセブン!!」

ワンセブンがブレイン目掛け、急降下してゆく。

ワンセブン「サヨウナラ……三郎君」
三郎「何だって、ワンセブン? どういう意味だ!?」
ロボター「サヨウナラ……」

突然ロボターが三郎を突き飛ばし、機外へと投げ出す。
パラシュートが開き、空を舞う三郎が、成すすべもなく急降下していくワンセブンを見やる。

三郎「ワンセブ──ン!?」


剣持たちのもとへ、作戦本部の知恵たちやルミも駆けつける。

ルミ「三郎君……!?」

ワンセブンがブレインへ迫る。

ルミ「ワンセブンがぶつかる!!」
三郎「ワンセブン!?」

ワンセブン「サヨウナラ……三郎ク──ン!!」


激突──


大爆発。ブレインが、そしてワンセブンが、粉々に砕け散る……。


ビッグ・エンゼル本部。

スタッフたち「ビッグ・エンゼルが爆発するぞ! 避難しろ!」「危ないぞ!」「退避!」「退避しろ!」

過熱で爆発を始めたビッグ・エンゼルのもとから、スタッフたちが慌てて逃げ出す。


地上へ着地した三郎のもとへ、剣持たちが駆け寄る。
もうもうと立ち昇る黒煙を、一同が見上げる。

佐原「ブレインの最期だ……」
剣持「そして、ワンセブンの……」

空の彼方からワンセブンヘルが飛んで来て、三郎の足元へ転がる。
三郎がそれを拾い上げ、頭にかぶる。

三郎「大鉄人ワンセブン……僕は……君の名を決して忘れない!!」
佐原「そうだとも……ワンセブンの名は、深く誰の胸にも、刻み込まれるだろう……」
ガンテツ「ワンセブンは……不滅のナンバーや!!」


しばし言葉を失い、ワンセブンの最期を見守る一同。


三郎「ワンセブゥゥ──ンッ!!」

ワンセブンを呼ぶ三郎の声が、山々にこだまして響き渡る。


三郎の瞳には、ワンセブンの雄姿がいつまでも焼きついていた……


おわり
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