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超力戦隊オーレンジャーの最終回


(前回からのハイライト)

ナレーション「自らの力で超力を蘇らせたオーレンジャー。地球を取り戻すため、バラノイアとの最後の戦いの火蓋は、切って落とされた」

海岸でオーレンジャーたちが、カイザーブルドント、マルチーワ、バーロ兵たちと戦いを繰り広げる。
バラノイアの地上宮殿では、ブルドントとマルチーワの間に生まれた赤ん坊を、ヒステリアが抱いている。

ヒステリア「やめておくれブルドント、マルチーワ。お前たちが死んだら、この子が……この子が……」


次第に劣勢に追い込まれるブルドントたち。
そのとき、バーロ兵たちにさらわれて連行されてゆく人間たち。
ブルドントたちがその中に、赤ん坊を抱いた女性を見つける。

マルチーワ「よこせぇ!」
母親「やめて、お願い!」
レッド「やめろぉ!!」

ブルドントとマルチーワが赤ん坊を取り上げ、どこかへ逃げてゆく。

母親「お願い、あの子を助けて!」
レッド「任せて下さい!」


ブルドントたちを追い、資材置場へやってきたオーレンジャー。
マルチーワが赤ん坊を抱き、剣を突きつけている。

ブルドント「オーレンジャー、変身を解け! この子の命がどうなってもいいのか? お前たちの使命は、地球と人々の命を守ることじゃなかったのか?」
レッド「その通りだカイザーブルドント。俺たちの使命は……地球と人々の命を守ることだ!」


ヒステリア「カイザーブルドント……この子も、あの赤ちゃんと同じ命よ……」


ブルドント「早く変身を解けぇ!」


愛の勇者たち


やむなくオーレンジャーたちが変身を解く。

吾郎「さぁ変身を解いたぞ。赤ちゃんをこっちへ返せ!」
ブルドント「バカめぇっ!」

生身となった5人に、ブルドントが容赦なく攻撃を繰り出す。
変身を解いた5人に反撃の手段はない。

樹里「私たちは、最後まで人の命を守ってみせるぅ!」
桃「それがオーレンジャーなのよ! 私たちの使命なのよ!」
裕司「そうだ! この地球にいる、生きとし生けるものすべての命を守ってみせるぅ!」
ブルドント「バカめ! だから人間はおろかなのだ! 自分の命がどうなってもいいというのかぁ!?」
吾郎「返せぇ……赤ちゃんを返せっ!!」

隊長を除く4人が必死にブルドントに飛び掛り、動きを封じる。

昌平「隊長!!」

吾郎がブルドントの剣を奪い、マルチーワに投げつける。
マルチーワの剣が弾かれる。
すかさず吾郎が飛びかかり、赤ん坊を取り返す。

マルチーワ「あぁっ!?」
ブルドント「貴様ぁっ!!」
マルチーワ「ブルピー!」

吾郎「カイザーブルドント……これが人間だ! これが人間の本当の勇気だ!!」
ブルドント「おのれぇっ!!」

赤ん坊の母親が駆け寄り、赤ん坊を手にする。

母親「良かったね……」
吾郎「さぁお母さん、急いで」
母親「はい!」

赤ん坊を取り戻した母親が逃げてゆく。

吾郎「よし、みんな行くぞ!」
4人「おぉ!!」
5人「超力変身!!」

オーレンジャー、最後の変身だ。

レッド「オーレッド!」
グリーン「オーグリーン!」
ブルー「オーブルー!」
イエロー「オーイエロー!」
ピンク「オーピンク!」
レッド「超力戦隊!」
5人「オーレンジャー!!」

ブルドント「おのれぇ!!」
レッド「ダイナマイトアタック! とぉっ!」
5人「超力ダイナマイトアターック!!」

5人が超力のエネルギー球と化し、ブルドントたちに炸裂。

ブルドント「こうなったら最後の手段だぁ!」

すかさず、いつものようにマシン獣を巨大化させるため、侍従のアチャとコチャが登場する。

アチャ「アチャァッ!」
コチャ「コチャァッ!」
アチャ「ア、あれ?」

アチャとコチャの手を借りるまでもなく、ブルドントとマルチーワが自力で巨大化する。

アチャ「お呼びで……」
コチャ「ないみたい……」

レッド「そうはいくか! 行くぞ、オーレンジャーロボ!!」

オーレンジャーロボが出撃。5人が乗り込む。


ブルドント「オーレンジャー! これが最後の戦いだ。僕の本当の力を見せてやる!」
レッド「来い! カイザーブルドント、マルチーワ!」

オーレンジャーロボがブルドントとマルチーワと戦う。
しかし、2人相手では分が悪い。
その様子を三浦参謀長とキングレンジャーが見上げる。

参謀長「オーブロッカーがなくては、勝つことができない」
キング「でもオーブロッカーはレッドパンチャーと一緒にバラノイアに……」
参謀長「助けに行くんだ!」


バラノイア地上宮殿に参謀長とキングレンジャーが侵入する。

参謀長「あの奥だ……行こう!」

衛兵を蹴散らしつつ、2人が奥へ進む。

キング「参謀長!」
参謀長「あぁ!」

やがて、奥に巨大な壁を見つける。

参謀長「あそこだ! あの特殊な金属の壁のせいで、超力が届かなかったのか……破れるか?」
キング「やってみます」

壁の方へ向かうキング、しかし途中で電撃が轟き、キングが苦しみだす。

キング「うわぁ──っ!」
参謀長「キング!?」

そこへアチャとコチャが現れる。

アチャ「あーっはっはっは!」
コチャ「ふふふふ……」
アチャ「そうはいきませんよぉ」
コチャ「いきませんよー」
アチャ「もっと苦しめぇ! あーはははは!」

アチャが壁のスイッチを入れると、電撃が強さを増し、キングが苦しみ続ける。
参謀長が助けに行こうとするが、たちまちバーロ兵たちに囲まれる。
生身の参謀長に兵たちの刃が迫り、まさに絶体絶命。

そのとき──光が閃き、参謀長のもとにガンマジンの神像と黄金の鍵が現れる。

アチャ「わ! バーロ兵、鍵を取らすなぁ!」

鍵を取らせまいとする兵たちを制しつつ、参謀長が鍵を手にし、神像に差し込む。
神像がガンマジンへと変形。

ガンマジン「ガンーマジン──!!」
参謀長「ガンマジン!」
ガンマジン「新しいご主人様、願い事は何でござるかな?」
参謀長「あの壁を、破ってもらいたい!」
ガンマジン「おぉっ、承知つかまつった!」

倒れているキングを助け起こす。

ガンマジン「大丈夫でござるか?」
アチャ「わぁ〜ちょっと待て!」

飛び掛るアチャをガンマジンが難なく跳ね除け、キングに引き渡す。

ガンマジン「あとはご自由に」
アチャ「ひぇ〜っ!」

アチャに迫るキング。
ガンマジンは剣を抜く。

ガンマジン「マジン一刀流・七の太刀!!」

ガンマジンの剣により、壁が切断され、オーブロッカーとレッドパンチャーが現れる。
そして、超力基地から放たれた超力が2体に注がれ、2体が蘇る。

参謀長「超力が届いた! やった……キング、急ぐんだ!」
キング「はい!」


オーブロッカーとレッドパンチャーが、オーレンジャーのもとへ飛来する。
オーブロッカーのコクピットにはキングレンジャーが。

キング「オーレッド、レッドパンチャーに乗るんだ!」
レッド「レッドパンチャー! オッケイ!」

レッドがレッドパンチャーのコクピットへ転送される。

ブルドント「おのれぇ……僕たちに勝てると思っているのかぁっ!!」

3大ロボがブルドントたちに挑む。

ブルドント「マルチーワ、行くぞ!」
2人「ラブラブペアアタッーク!!」

2人がハート型の光球と化し、3大ロボに炸裂。

レッド「うわぁっ! ……負けてたまるか! 俺たちには、取り戻さなくてはならない地球の自然があるんだ! 守らなくてはならない人々の愛があるんだ!」
ブルドント「愛だとぉ? そんなものがあるから人間は弱いのだ! 地獄へ行けオーレンジャー!!」

ブルドントがさらに攻撃を繰り出そうとしたとき、タックルボーイが飛来。
全ロボ揃っての総力戦だ。

ブルドント「マルチーワ!」
2人「ラブラブペアアタック!!」

2人が繰り出す攻撃を、オーレンジャーロボが跳ね返す。

ブルドント「おのれぇっ……!」
レッド「これで最後だ! キングレンジャー!」
キング「OK! キングピラミッダー!」
レッド「キングピラミッダー・バトルフォーメーション!」

キングレンジャーの巨大要塞キングピラミッダーが出現。
オーレンジャーロボが5体の超力モビルに分離して内部に収容され、さらにレッドパンチャーが合体。
最強形態のキングピラミッダー・バトルフォーメーションとなる。

6人「スーパーレジェントビーム!!」

最強技のスーパーレジェントビームが2人に炸裂。

2人「があぁぁっ!!」
ブルドント「お……おのれオーレンジャー! たとえ僕たちが負けても、マシンは永久に滅びない……!」


大爆発──カイザーブルドントとマルチーワは敗れ去った……。


バラノイア地上宮殿。

ヒステリア「カイザーブルドント! マルチーワ!」
アチャ「わぁぁ〜っ!!」
コチャ「来たよ来たよ来たよぉ!」

宮殿の中へオーレンジャーが突入してくる。

ヒステリア「私たちをどうするつもりだい? オーレンジャー」
レッド「お前たちがいる限り、また地球は危険にさらされる!」

5人がキングブラスターを抜き、ヒステリアに向ける。

アチャ「わぁ〜!」
コチャ「危ない危ない!」
ヒステリア「お待ち。私はどうなってもいい。でも、この子の命だけは助けてちょうだい」
レッド「カイザーブルドントとマルチーワの子か……?」
ヒステリア「この子には何の罪もありません。だから……!」

赤ん坊が泣いている。
ブラスターを手にするレッドの手が振るえ、徐々に下がってゆく。

グリーン「どうしたんです隊長! まさか助けてやるっていうんじゃないでしょうね?」
ブルー「そうだよ! マシン獣は1匹でも生かしておいたら、いつまた地球を……!」
ヒステリア「お願いです……オーレンジャー、私は自分の罪を償います。だから、この子だけは……お願い……」

ヒステリアが赤ん坊を揺り篭に置く。
無邪気に泣く赤ん坊を見、4人の心が揺らぎ始める。

ピンク「できない! 私には撃つことができない!」
ヒステリア「オーレンジャー、この子を頼みます!」

ヒステリアの手に爆弾が。

5人「あぁっ!?」
ヒステリア「頼みましたよ……さらば!」


自爆──


ピンク「ヒステリア──ッ!!」

爆煙と炎だけが残る……。

レッド「カイザーブルドントは、マシンは非情だと言った。でもそうじゃなかったんだ。ヒステリアにも、子供を愛する気持ちがあったんだ。マシンにも、愛する心があったんだ……!」


海岸に佇む三浦参謀長。
そこへ吾郎たち5人が駆けて来る。

吾郎「参謀長──っ! 参謀長!」
参謀長「これで……やっと地球に平和が蘇った。これから……われわれオーレンジャーの成すべきことは、我が地球に自然を取り戻すこと、そして愛を。みんな! ……頑張ってくれよ!」
5人「はいっ!!」

「お──い!」

リキとガンマジンが現れる。
ガンマジンは、ヒステリアが遺した赤ん坊を抱いている。

ガンマジン「みんなぁ!」
吾郎「ガンマジン!」
昌平「リキ!」
ガンマジン「マルチーワが遺したこの子は、拙者が立派に育ててごらんにいれよう。ご安心下され」

吾郎が赤ん坊を見つめ、頷く。

ガンマジン「フッ、それにもう2人! そこでコソコソしている2人、根性を叩き直してやる! 出て参れぇ!」

草むらの影からおずおずと現れたのは──アチャとコチャ。

アチャ「は、はい……」
コチャ「はい……」
吾郎「アチャ!?」

ガンマジン「では、これにて……さらばじゃ!」
コチャ「わぁ、待ってぇ!」
アチャ「ちょっと、ガンマジン!」

ガンマジンが空へ昇ってゆく。
慌てて、アチャとコチャもそれを追う。

ガンマジン「拙者は夢と希望を叶えるガンマジン……夢や希望が欲しくなったら、また拙者を呼んで欲しいでござる……本当に困った人に、この鍵を使って欲しいでござる……」

ガンマジンの手にしていた黄金の鍵が光と化し、どこかへと飛んでゆく。

ガンマジン「さらばでござる! ガンマ──ッ!!」


ガンマジンが消えてゆく。

ガンマジンが飛び去った後、空から地上へ光が降りてくる。
現れたのは──力尽きたはずのドリン。

リキ「ドリン! ドリン!」
ドリン「リキ……」
リキ「戻って来てくれたんだね、ドリン!」

リキとドリンが手を取り合い、再会を喜ぶ。

参謀長「超力の成せる技かもしれんな。ドリンが元気になったのも……」


オーレッド・星野吾郎。
オーグリーン・四日市昌平。
オーブルー・三田祐司。
オーイエロー・二条樹里。
オーピンク・丸尾 桃。

海岸に立った5人が、これからの新たな使命に向けて決意を固める。


海岸に、ガンマジンの黄金の鍵が輝いている……。


Thanks Ohranger

おわり
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