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電磁戦隊メガレンジャーの最終回


健太 (ナレーション)「俺たちのロボが次々に破壊され、最後に残ったギャラクシーメガも大ピンチになっている。ユガンデとシボレナは何とかやっつけた。後は……Dr.ヒネラーとの決戦だ!」

ヒネラー「おのれメガレンジャーども、見てるがいい! 総攻撃の準備は整った! 悪魔科学によって生み出された私の最高傑作で、地獄に送ってやる……!」


夜の街。
不気味な姿の怪人が、体液を滴らせながら歩いている……。


つかむぜ! 俺たちの卒業証書


ユガンデの最後の挑戦により、街中に倒れたギャラクシーメガ。
中では、久保田博士やINETの隊員が修理にあたっている。
そこへ、健太たち5人がやってくる。

健太「おっさん……」
博士「お、どうだ? コクピットの方は」
健太「駄目だ……」
博士「そうか……」
耕一郎「動力回路が、まったく機能しないんです……」
瞬「メインコンピューターが原因なら……絶望的かも」
博士「立ち上がることさえできんのか……インカム!」
隊員「はい!」

博士が隊員の1人からインカムを受け取り、通信を試みる。

博士「早川、聞こえんのか! 早川! 早川!」

ユガンデの猛攻で壊滅したINET月面基地。
ボイジャーマシン格納庫の発進口も潰されており、早川裕作がメガウインガーで必死に作業に当たっている。

裕作「聞こえてますよぉ……」
博士「メガボイジャーは、何とかなりそうか?」
裕作「当分無理ですね。なんせ、メガウインガーもやっと動いてるんですから」
博士「何……?」

千里「……今日は……無理だよね……」
みく「出たかったけど……卒業式……」
健太「こらこら、何弱気になってんだよ」
瞬「そうだぞ。卒業式はまだ終わったわけじゃないだろ」
隊員「博士、モニターを見て下さい!」

ギャラクシーメガの周囲に大勢の人々が寄ってくる様子が、モニターに映し出される。
メガレンジャーの戦いで街に被害が及ぶことを、快く思っていない人々だ。

健太「何だあれ? もしかして俺たちのファンか?」
瞬「そんなわけないだろ!」
耕一郎「行こう!」

健太たち5人がギャラクシーメガの外へ出ると、たちまち人々が食って掛かる。

人々「あんたたち、何でこんなとこにいるんだよ!」「ここに居座られて、こっちまでとばっちり受けたらたまんねぇんだよ!」

そこへ博士が飛び出し、割って入る。

博士「待って下さい! この子たちには何の罪もない、攻めるなら私を!」」
千里「博士……」
健太「おっさん……!」

人々「助けてくれぇ!」

あの怪人が出現。人々が逃げ惑う。

健太「出やがったな、ネジレジア!」
人々「ほら見ろぉ、お前たちのせいだ! 助けてくれぇ!」
健太「みんな、インストールだ!」
4人「おぉ!」
5人「インストール・メガレンジャー!!」

メガレンジャーに変身する5人。

レッド「メガレッド!」
ブラック「メガブラック!」
ブルー「メガブルー!」
イエロー「メガイエロー!」
ピンク「メガピンク!」
レッド「電磁戦隊」
5人「メガレンジャー!!」

イエロー「ここまできたら、もう私たちだけを相手にしなさいよね!」
ブルー「博士もギャラクシーメガの中に!」
博士「うむ!」

ギャラクシーメガのほうへ走る博士。
そのとき怪人が突然、博士の前に立ち塞がり、博士の首を締め上げる。
とっさにレッドがキックで怪人を吹き飛ばす。
しかし怪人はなおも、メガレンジャー5人を次々に跳ね除け、執拗に博士に襲い掛かる。

レッド「メガスナイパー!!」

レッドがメガスナイパーで怪人を牽制する。


諸星学園。
校門に「第四十二回 諸星学園高等学校 卒業式会場」の看板が掲げられている。

廊下を走る恵理奈。
大岩先生が包帯姿のまま追う。

大岩「待て恵理奈、待てって!」

恵理奈が校長室に駆け込む。
大岩先生も彼女を追って校長室に現れる。

恵理奈「校長先生!」
校長「なんだね君は!?」
恵理奈「卒業式を延期して下さい!」
大岩「恵理奈!」
校長「おぉ、退院したか」
大岩「はぁ……おい、恵理奈!」
恵理奈「うちのクラスの5人は……健太たちはまだ戦ってるんです! せめて5人が来るまで、卒業式を延期して下さい!」
校長「馬鹿言うんじゃないっ! あの5人がいないからこそ、無事に卒業式を開けるんじゃないか!」
恵理奈「そんなの冷たすぎます!」
校長「正義のヒーローだか何だか知らんが、我が校にとってはそんな生徒は迷惑なだけだ!」
恵理奈「ヒーローだって人間です! 1人1人の高校生です!」
大岩「やめろ恵理奈……! あいつらは来る……! ネジレジアを倒して、絶対卒業式に来るさ!」

たまりかねた恵理奈が、校長室を飛び出す。

大岩「恵理奈!!」


メガレンジャーが怪人と戦い続ける。

レッド「ドリルスナイパーカスタム!」
ブラック「マルチアタックライフル!」
レッド「シュート!!」
ブラック「シュート!!」

2大必殺武器を怪人が難なく跳ね返す。

レッド「何て奴だ……!?」

しかし怪人が突然苦しみだし──姿が、Dr.ヒネラーへと変わる。

博士「鮫島……!?」
レッド「Dr.ヒネラー!?」
ヒネラー「く……久保田っ!」
博士「鮫島……」
ヒネラー「貴様だけは……この手で……うぅっ!」

博士目掛けて突き出したヒネラーの手が突然、ねじれ始める。

博士「鮫島……やはりお前の体は……」
ヒネラー「言うな! ……戦いはこれからだ! 私の科学の頂点を、今こそ見るがいい!」
博士「鮫島!」

空にネジレジアの移動要塞デスネジロが出現、ヒネラーが中に吸い込まれる。

博士「鮫島ぁ──っ!!」
ヒネラー「おのれメガレンジャーども、地獄に送ってやる!」
レッド「裕作さん、ボイジャーマシンは!?」
裕作「何とか発進できそうだけど、出せる力は70%ってとこだ……」
レッド「それなら、俺たちが130%で戦えばいいってことだろ!?」
ピンク「そうよ!」
ブラック「お願いします!」
裕作「よし、わかった!」

メガウインガーのダメージが限界に達したか、全身から火花が飛び散り、メガウインガーが倒れる。
火花の飛び散るコクピットの中、裕作がケイタイザーで指令を送る。

裕作「ボイジャーマシン発進!!」

ボイジャーマシン5機が月面を飛び立つ。

裕作「死ぬなよ……みんな……!」


ボイジャーマシン5機が合体して巨大ロボ・メガボイジャーが完成。
地上に降り立ったメガボイジャーに、メガレンジャー5人が乗り込む。

レッド「メガボイジャー……最後の決戦だぁ!!」
ヒネラー「来たな……久保田のつまらぬ科学が生んだ産物めが!」
レッド「負けるもんかぁっ!!」
ヒネラー「見るがいい。この神の手が生み出した最高の生命体だ!」

デスネジロから腕が生え、脚が生え、頭が出──巨大ロボットに変形する。
ネジレジア最強最後の戦力、グランネジロスである。

イエロー「デスネジロがロボットになった!?」
ピンク「信じらんない……」
ブルー「これが……生命体なのか!?」
ヒネラー「これこそ私の科学が生んだ傑作中の傑作……その威力を存分に味わうがいい!」

グランネジロスがメガボイジャーに猛攻を加える。

ヒネラー「どうしたメガレンジャー……」
レッド「なめるんじゃねぇ……ボイジャースパルタン! くらえっ!!」

必殺砲ボイジャースパルタンが炸裂。
グランネジロスの右腕が落ちる。

ピンク「やったぁ!」
レッド「よっしゃぁ!」

しかし、その傷口から新たな右腕が再生する。

ブラック「何だ!?」
イエロー「どうしてぇ!?」
ヒネラー「馬鹿め……グランネジロスは、私という最高の頭脳を不死身の肉体に組み込んだ、究極の生命体だ!」
博士「鮫島……自らを犠牲にしてまで……なぜだっ!!」
ヒネラー「見ているか久保田、これは復讐だ!! 人間どもが私を排除する原因となった、お前への!!」
博士「鮫島……!」
ブルー「どういう意味だ、何の復讐だ!」
ヒネラー「私にもかつて不完全だった時代があった。人間を信じ、人間のために科学を使おうとした青い時代が!」


回想。

ヒネラー「宇宙開発のために、どんな環境にも耐え得るよう、人間の体を強化しようとした私は、誰からも期待の目で見られた……」

ヒネラーのかつての姿・鮫島博士が、シボレナそっくりの女性に改造強化実験を施している。
そしてその実験結果を書き立てる新聞・雑誌の記事。

「宇宙環境開発研究の先駆者 鮫島博士 実験に失敗」「愛娘が実験台となり死亡」
「危険すぎた未知の研究」「早過ぎた独自理論の人体実験」
「殺人科学者!! 鮫島博士 悪魔の人体実験」「学会永久追放確定」


ヒネラー「だが、進んで実験台となった娘が命を落とすと、人間どもは途端に私を攻め立てた。殺人科学者! 悪魔だと! それは久保田、お前の掲げたメガスーツ理論が、私の理論に代わって脚光を浴びたからだ! 人間の弱さ脆さに何の手も加えず、ただスーツで人間を守ろうとした浅はかな理論が!!」

操縦席に拳を叩きつけるヒネラー。

ヒネラー「人間を神に近づけようとした私のどこが悪い! 科学者として当然ではないか。どこが悪い、どこが悪いというのだぁっ!!」

怒りを込めたグランネジロスの攻撃が、メガボイジャーに炸裂する。

イエロー「悪いとか、否とかじゃない……それであなたは幸せなの? 娘さんまで犠牲にして、幸せなの!?」
ヒネラー「ならば聞こう……お前たちは幸せか? 久保田の科学でメガレンジャーとなり、挙句の果てに人間どもに裏切られ、それでも幸せかぁっ!!」

5人の胸に、ヒネラーの言葉が痛烈に響く。
そして自分たちの戦いを非難する人々声が甦る……。

レッド「だからって……だからって、こんなことしてもいいのかよ!?」
ヒネラー「人間は裏切る。感情に左右され、すぐに平気で裏切る。だが科学は裏切らない……ジャビウスは私に、私の科学を完成させてやると言った。それを確かめるために、私はネジレ次元に飛び込んだ」
ブラック「科学は人間のためにあるんだ。お前のためにあるんじゃないっ!!」
ヒネラー「そんな人間レベルの科学のくだらなさ、証明してやる!!」

グランネジロスの手に剣が現れる。
メガボイジャーの左腕が切り落とされる。

ピンク「あっ!?」
レッド「あぁっ……左腕が!?」
博士「いかん……ギャラクシーメガの修理を急がねば。みんな、急いでくれ!」
隊員たち「はいっ!」
博士「みんな急いでくれ、メガボイジャーが危ない!」

グランネジロスの猛攻の前に、メガボイジャーが次第に学校の方へと押されてゆく。

ピンク「まずいよ、このままじゃ私たちの学校の方へ行っちゃう!」


3年A組の生徒たちが窓の外を見、メガボイジャーとグランネジロスの戦いに気づく。
教室へ黒沢先生が飛び込む。

黒沢「おいみんな! 君たち、早く逃げるんだ! 卒業式は中止だ! さぁ早く、逃げるんだぁ!」

生徒たちが扉へ駆け出す。

恵理奈「待ってみんな! 戦ってるのは健太たちなのよ! 私たちのために戦ってくれてるのよ……」

その言葉に、生徒たちの足が止まる。
戦いの衝撃で、校舎が揺らぐ。

黒沢「だめだぁ! 早く!」

たまらず生徒たちが逃げ出す。
ただ1人、恵理奈だけが取り残される。


ヒネラー「私を認めない者は……死あるのみだぁっ!!」

しかし、ヒネラーの体がまた捻じれ始める。

ヒネラー「うぅっ……たとえ命つきるとて、悔いはない……メガレンジャー、お前たちを倒すことで、私の科学の素晴らしさは証明されるのだ……!」
レッド「負けるかよ……そんなお前なんかに!」
ブルー「そうだ! 俺たちの青春、潰されてたまるか!」
ブラック「俺たちは、人間を信じたいんだ!」
イエロー「そうよ! 1人1人は弱いけど、仲間がいれば強くなれる!」
ピンク「私たち、それが心からわかったんだから!」
ヒネラー「ほざくなぁっ!!」

グランネジロスの猛攻がメガボイジャーを襲う。
コクピットの中、メガレンジャー達が苦痛に苛まれる。

そのとき……5人の耳に声が届く。


「がんばれーっ!」「健太!」「耕一郎!」「千里!」「瞬!」「みく!」


校舎の窓。
恵理奈が、包帯姿のままのジロウが、そして大岩先生が絶叫している。

ジロウ「がんばれーっ! 千里──っ!!」
恵理奈「千里──っ!! みく──っ!!」
大岩「みんなーっ! 頑張れーっ!! 頑張れよ──っ!!」

レッド「み、みんな……!?」

そのとき。
窓から級友たちが次々に顔を出し、声援を飛ばし始める。

「頑張れ──っ!!」「負けるな──っ!!」「頑張れ──っ!!」
恵理奈「みんな……!」
レッド「わかってくれたんだ……!」

シンタロウが、校門でメガボイジャーを呆然と見上げる。

ヒネラー「うるさい蝿どもだ……!」

グランネジロスの剣が校舎目掛けて振り下ろされる──が、間一髪でメガボイジャーが止める。

レッド「させるかよっ!! そっちには絶対に行かせねぇっ!!」
ヒネラー「お前たちの無力さを教えてやる。ハハハハッ、友情とやらの儚さもな!!」

グランネジロスの剣が、メガボイジャーの胴を貫く。

5人「うわあぁ──っ!!」
大岩「大丈夫か、みんなーっ!!」

コクピットの中に火花が飛び散り、5人の変身が解ける。

瞬「あぁっ……メガスーツが!?」
耕一郎「何て奴だぁっ……!」
千里「ゴホッ……ゴホゴホッ」
みく「嘘っ……」
ヒネラー「ハハハハハ……!」
健太「負けるかよ……負けるかよぉっ!!」
瞬「そうだ! 俺たちまだまだ……やることがあるんだっ!!」

生身のまま、果敢に操縦桿を握る5人。
しかしグランネジロスの攻撃が続く。

5人「うわぁぁ──っ!!」

コクピットに火花が飛び散り、生身のままの5人を容赦ないダメージが襲う。
たまらずシンタロウが校舎に戻り、級友たちとともに窓から顔を出す。

シンタロウ「死ぬなぁ! 死ぬなぁ──っ!!」
恵理奈「シンタロウくん……」
シンタロウ「みんな、頑張れぇーっ!!」

健太「Dr.ヒネラー……俺たちは絶対に、お前を倒すっ!!」
ヒネラー「馬鹿め……!!」

グランネジロスの猛攻が降り注ぐ中、メガボイジャーが捨て身で突進する。
渾身の力を込めたパンチが炸裂。
グランネジロスの剣が吹き飛ばされ、それをメガボイジャーが受ける。
そしてメガボイジャーの振るった剣が──グランネジロスの頭部に炸裂。


ヒネラー「があぁぁ──っ!!」


火花の飛び散るグランネジロスのコクピット。
ヒネラーの体の捻れも、もはや限界に達しようとしている。

ヒネラー「おのれぇっ……! グランネジロスは不死身だというのに、か、体が……」

グランネジロスがメガボイジャーにしがみつく。

ヒネラー「だが私は神だ……私は勝つ……! お前たちを道連れに、人間界に別れを告げてやる……」
千里「道連れって!?」
瞬「まさか……自爆するつもりか!?」
健太「みんなを巻き添えにするわけにはいかねぇ、なるべく高くジャンプだ!」

グランネジロスをしがみつかせたまま、メガボイジャーが大ジャンプ。

恵理奈「みんな!?」


メガボイジャーがグランネジロスともども、空高く上昇してゆく。

健太「インストールできるか!?」

苦痛の中、一同が必死にデジタイザーに手を伸ばす。

みく「駄目……ちょっと、無理……みたい……」

ヒネラー「久保田ぁ……俺はお前に勝つ!! 今それがわかる!! ハッハッハッハ……見ろ、ユガンデ、シボレナ、メガレンジャーの最期だぁっ!! ハッハッハッハ……」

グランネジロスのコクピットが火に包まれる。
そして、メガボイジャーのコクピットも次々に爆発。

5人「わああぁぁ──っ!!」

博士「みんなぁぁ──っ!!」


大爆発──。


ジロウ「健太……!?」
恵理奈「千里……みく……!?」
大岩「瞬……」
シンタロウ「耕一郎……!」


メガボイジャーとグランネジロスが跡形もなく消え去り、爆煙だけが空に残る……。


諸星学園、卒業式会場。


「卒業証書授与。3年A組、相沢直也」
「はい!」
「五十嵐美由」
「はい!」
「尾崎武彦」
「はい!」
「川村優子」
「はい!」
「岸本佳代」
「はい!」

「和田シンタロウ」
シンタロウ「はい!」


全員の卒業証書の授与が終わった──。


大岩「最後に……今日は来られなかったが、この学園を守って戦ってくれた……5人の勇気ある生徒たちの名前を呼んでやりたいと思います」


悲痛な表情の生徒たち。
健太たちに冷たい態度をとった校長の顔も、沈んでいる。


大岩「伊達健太!!」


沈黙が続く。


「おっ待たっせしました〜っ!!」


一同「えぇっ!?」

驚いて一同が後ろを振り返る。
なんと、メガレッドがサイバースライダーで卒業式会場に飛来。
そしてブラック、ブルー、イエロー、ピンクが次々に飛来する。

恵理奈「みんな……!!」

レッド「メガレッド!」
ブラック「メガブラック!」
ブルー「メガブルー!」
イエロー「メガイエロー!」
ピンク「メガピンク!」

大岩「お前ら……!」
恵理奈「みんな無事だったのね!」

壇上に立った5人がヘルメットを脱ぎ、素顔を晒す。


健太「みんな、ありがとう! みんなが応援してくれたから、俺たちは……勝てたんだ!」
耕一郎「ありがとう……!」

健太たちが頭を下げる。

みく「爆発と同時に、間一髪で脱出してたの。間に合って良かった!」
恵理奈「そうだったんだ。良かった……本当に良かった!」

生徒たちが一斉に健太たち5人に駆け寄る。
たちまち健太たちが、歓声の中に飲み込まれる。

シンタロウが、みくのもとへ歩み寄る。

みく「あ、シンタロウくん……」
シンタロウ「ごめん……俺……」
健太「もういいんだよ!」
シンタロウ「でも……!」

目を拭うシンタロウ。

みく「涙は、嬉しい時のためにとっておくものだよ」

その言葉に、余計にシンタロウが号泣する。

健太「あ〜あ、みく、お前泣かすよぉ!」
みく「そんなぁ! シンタロウくん! ね、シンタロウくん泣かないでぇ!」
大岩「はいはいみんな、改めて、卒業証書の授与だ!」
一同「イェ──イッ!!」



      証 ぬ 地 全          
校 諸   明 い 球 過 貴     三 卒
長 星   す た の 程 方     | 業
  学   る 事 平 を は     A 証
高 園     を 和 終 当       書
寅 高     こ を 了 学     伊  
成 等     こ 守 及 園     達
紀 学     に り び の     健
  校                 太



「伊達健太、メガレッド!」
「遠藤浩一郎、メガブラック!」
「並木瞬、メガブルー!」
「城ヶ崎千里、メガイエロー!」
「今村みく、メガピンク!」

学生服に着替えた5人が、次々に卒業証書を受け取り、そして生徒たちに胴上げで勝利を祝福される。
駆けつけた久保田博士と裕作も、満足げな笑顔で拍手を送る。


一同揃って記念撮影。
中央の健太を囲み、久保田博士と大岩先生。

博士「すいませんでした……!」
大岩「いえいえ……!」
みく「写真、写真!」
博士「へ?」

パシャッ!!


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