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超忍者隊イナズマ!!SPARK(スパーク)のエンディング


西暦2077年。ここはテレビ局・マジカルTVの特撮番組収録スタジオ。

倉田宮「用意…… スタート!」

つばめ演じる超忍者隊イナズマのヒロイン・飛燕が、敵忍者たちを次々に薙ぎ払い、最後に頭領を倒す。

倉田宮「カット! オッケェ!」

つばめの父・三島編集局長が拍手を送る。

三島「ブラボ〜! つばめ〜! キュートでね、クールでね、最高だったよ!」
つばめ「パパ。嬉しいけど、撮影中は来ないで! 皆さんにも迷惑よ」
三島「つばめ……?」

倉田宮「先輩、あいつ、完全に一皮剥けましたね」
ジュン「うん。もう、ほっとけない困ったちゃんじゃないよね」
倉田宮「主演女優も成長したことだし、順風満帆、万事良好! よっしゃあ! いい作品撮るぞぉ〜っ!」(※1)
ジュン「ロジャー! そう言えば……」(※1)

敵忍者の頭領役が仮面を脱ぐ。つばめが江戸時代で出逢った青年、ハヤテ。

ジュン「彼、江戸時代では死んだことになっちゃったけど…… 今のところ歴史も変わってないから、ま、いいよね!」
つばめ「ハヤテさぁん! ハヤテさぁん!」

ハヤテにつばめが駆け寄るが、思いきりつまずく。

つばめ「わ、わぁっ!」
ハヤテ「おい!?」

転びそうになったつばめを、ハヤテがしっかりと抱きとめる。

ハヤテ「やはり、まだまだほっとけないな。つばめは」
つばめ「ハヤテさんにだけは、わざとドジなとこ見せてるの」
ハヤテ「フッ……」

ハヤテが微笑み、つばめも笑顔を返す。

つばめ「合言葉、行くよ!」
ハヤテ「うむ!」
つばめ「せ〜の!」

「超忍者隊イナズマ!!SPARK!!」


廊下に貼られている特撮番組『女宇宙刑事ベッピー』のポスターを、ハヤテが見つける(※2)。

ハヤテ「姉上!?」
ジュン「どうしたの?」
ハヤテ「拙者の姉・ハヤブサに瓜二つ!? このお方は一体!?」
ジュン「教えたくない。私の黒歴史……」
倉田宮「こいつはスッゲェんだぞ、後輩! 寺田先輩の初プロデュース作品! 自信満々で世に出されたが、結果は前代未聞の低視聴率で打ち切り!」
ジュン「前代未聞で悪かったわねぇ〜!」
ハヤテ「この方の本物に、いつかぜひお会いしたい。きっと姉上のように、清楚でつつましいお方に違いない」
ジュン「……」
ハヤテ「そう、優しい春風のような」
声「そこまでよ!」

同番組の主演女優・北別府あゆみ子が、番組衣装でガンアクションとともに登場(※2)。

あゆみ子「あぁ〜! ジュンピー、クラリ〜ン!」
倉田宮「あちゃぁ……」
あゆみ子「おひさしぶりぶり〜!」
ジュン「そういえば今日、DVDの記念イベントだったよね」
あゆみ子「そうなんスよ! もう、この衣装着ると、体が女宇宙刑事しちゃって、もうたいへ〜ん!」
倉田宮「ハハハ……」
ハヤテ「あなたは、まさか!?」
あゆみ子「え、私? ベッピー役で良い子のヒロイン! 北別府あゆみ子で〜す! 初めまして記念、あゆみ子ダ〜ンス!!」

あゆみ子がハイテンションで踊り出す。

倉田宮「変わんねぇな、お前」
ジュン「ハハ……」
ハヤテ「ヤダ…… こんな姉上は、イヤだぁぁ──っっ!!」

絶叫とともに、ハヤテが逃げ出す。

倉田宮「ジェネレーションギャップ……」


(終)



(※1) 元ネタはスーパー戦隊シリーズ『特捜戦隊デカレンジャー』。倉田宮役、ジュン役はそれぞれ『デカレンジャー』のレギュラー、載寧龍ニと菊地美香。「順風満帆」「万事良好」のような四字熟語は、載寧の演じた赤座伴番の口癖。「ロジャー」は同作における「了解」の意のセリフ。
(※2) 『女宇宙刑事ベッピー』の主役・北別府あゆみ子役は、別府あゆみ。 inserted by FC2 system