戻る TOPへ

電光超人グリッドマンの最終回
 

さらばグリッドマン
 

ナレーション「武のコンピューターを支配した魔王カーンデジファーは、ここをホストステーションにして、世界中のあらゆるコンピューターワールドを操ることが出来るシステムを作り上げていた。その影響で、全世界は大混乱に陥り、人々の家庭まで主混乱させていた。その頃、直人たちは……」

一平「お前のせいで、どれだけ人が迷惑を蒙ったと思ってるんだ!?」

武史「あれ? みんな僕をいじめるんだ。僕は何も悪いことしてない……」

一平「お前、まだそんなことを……」

直人「一平! どうして君のコンピューターに、カーンデジファーが現れたんだ!?」

武史「僕が気に入ったって言って、突然現れたんだ……! それから、僕の友達になってくれて……」

ゆか「友達ですって!?」

武史「僕は孤独だったんだ。誰も相手にしてくれなかった……でも、カーンデジファー様は違った。僕を頼りにしてくれたし、力を合わせて戦ってくれた」

直人「そのために、世界中の人たちがどうなってもよかったのか!?」

ゆか「そうよ。今、カーンデジファーのせいで世界中が大混乱してるのよ!?」

武史「僕は……僕だって怖かったんだ。だけど、どうしようもなかったんだ!! 僕のせいだ。僕が全部悪いんだ」

直人が武史に歩み寄る。

直人「自分が悪いと思うなら、責任を取ったらどうだ!?」

武史「責任!?」

直人「ホストコンピューターにアクセスして、カーンデジファーの暴走を食い止めるんだ」

武史「ダメだ……僕には出来ない!」

直人「仕方がない。ゆか、彼のコンピューターにアクセスしてみよう……」

ゆか「ええ……」

直人たちが席に着いてアクセスに励む。

武史の自宅では、家の周りは触手だらけだった。

カーンデジファー「人間どもよ、本日を持って……このワシは、この世の支配者になるのだ!! ふっふっふ……」

地下室

ゆか「ダメだわ。アクセスできない……」

一平「どうして!?」

ゆか「武史君のコンピューターが完全ロックされてるのよ……」

悔しがる直人と一平。

グリッドマン「直人! カーンデジファーは、あらゆるコンピューターワールドを、支配し始めている!」

直人「グリッドマン! こうなりゃもう一度!!」

一平「直人、無理すんな! どうやってカーンデジファーに勝つつもりなんだよ!?」

ゆか「そうよ。作戦が必要よ」

直人「作戦ったって……どうすりゃいいんだよ!?」

一平「そうだ。いい手があるぞ! 奴をこっちへおびき出すんだ」

直人「おびき出す!?」

一平「まあ見てろって」

カーンデジファーがテレビに映っているのを人々が町で見ていた。

カーンデジファー「世界は受け継がれ、カーンデジファー様のものとなる! ふっふっふ……」

「でってってー、デジーファー君♪ 地球がほしくてもやんねぇぞ♪」

この歌に受ける人々。

尼崎「何だこれ!?」

一平「やいカーンデジファー! おめぇなんか怖くねぇぞーだ。悔しかったここまでおいで」

ゆか「ほんとにこれでくるかな!?」

直人「奴はプライドが高いからきっと頭にきてやってくるよ。よーし……コラ、カーンデジファー! 潰れた空き缶みたいな顔して、偉そうなこと言ってんじゃないぞ!!」

一平「デジファーの母さん、デーべーソ! ついでにお前も大デベソ!!」

翔一家が2人の声を聞いて考えていた。

宗一郎「何だよこれ?」

大地「今の声、お兄ちゃんに似てたよ」

道子「なんだか奈緒とみたいな声もしたわよね……」

カーンデジファー「誰だ? ワシを苦悩するたわけ者は……発掘地などすぐにわかる。止めてくれるわ!!」

カーンデジファーがワープホールに入る。

地下室

グリッドマン「奴が来る!」

一平「カーンデジファーを見つけ出した! ゆか、解禁プログラムの準備!!」

ゆか「OK!!」

直人「グリッドマン、合体だ!!」

グリッドマン「よし!」

一平「直人、頼むぜ……」

直人「アクセス……フラッシュ!!」

武史「あっ!」

直人がグリッドマンと合体。

武史「あ、あ、あいつがグリッドマンだったのか!?」

ゆか「そうよ。直人とグリッドマンが合体して、あなたが作った怪物と戦ってたのよ」

武史「あいつが!?」

一平「カーンデジファーが来るぞ!」

カーンデジファーが到着。

そこにグリッドマンも駆けつけ、カーンデジファーに挑む。

グリッドマン「ここは貴様のアジトだったのか……」

一平「ゆか、今だ!」

ゆか「最新プログラム、発射!」

最新プログラムがカーンデジファーを包み込む。

カーンデジファー「な、何!?」

ゆかがフロッピーを入れる。

ゆか「ディスクセット完了!」

一平「見てろよ、フロッピーディスクに閉じ込めてやる!」

カーンデジファー「こんな手に引っかかる、私ではない!」

カーンデジファーの電撃がグリッドマンに襲い掛かる。

ゆか「グリッドマンが……」

一平「くそぉ……こうなりゃゆか、ステューボンを届けるんだ」

ゆか「ええ」

画面が表示。

バリアーシールドが転送される。

ゆか「バリアーシールド、転送!」

グリッドマン「バリアーシールド!!」

グリッドマンの手にバリアーシールドが装備される。

カーンデジファーも剣を装備。

2本の剣が互いにぶつかり合う。

カーンデジファーが宙に浮いてグリッドマンを攻撃。

グリッドマンが不利になる。

ゆか「グリッドマン……」

カーンデジファー「貴様たち、ワシを苦悩した罪、重いぞ! ん? 貴様、こんなところで何をしている!? このワシを裏切ってグリッドマンの手先に成り下がったか!!」」

武史「僕は……」

カーンデジファー「うるさい! この愚か者めが!!」

カーンデジファーの電撃が武史に浴びせられる。

武史が倒れる。

ゆか「武史君!」

一平「ゆか、こっちだ」

一平にも電撃が浴びせられる。

一平「うわあああ!!」

グリッドマンへの攻撃はまだ続く。

部屋の隅に隠れる3人。

ゆか「ねぇ、大丈夫!?」

一平「ああ。それよりお前、大丈夫か!?」

武史「な、何で僕のために!?」

ゆか「私たちはあなたを救いたいのよ。いいえ、あなただけじゃない! 世界中の人を助けたいの……」

一平「思い出せ、カーンデジファーにこのまま好き勝手やらせていいと思ってないだろ!?」

カーンデジファーはゴッドゼノン型の模型を破壊。

次にダイナドラゴン型の模型も破壊し、画面のステューボンが破壊されていく。

一平「あっ、ステューボンが!!」

2人でジャンクを操作。

ゆか「ダメだわ、プログラムが全部破壊されてる。きゃあっ!!」

一平「ゆか!!」

ジャンクから火花が散る。

もうグリッドマンのパワーがダウンしているのだ。

ナレーション「カーンデジファーによって、ジャンク内部が破壊され、グリッドマンのパワーとエネルギーは急速に消耗していた」

ジャンクから火花が散り続ける。

一平「グリッドマン! どうした? 立ち上がってくれ!!」

カーンデジファー「ハッハッハ!! わしは貴様たちの世界に更なる恐怖を巻き起こしてやる!! ふっはっは!!」

ゆか「何なの? 恐怖って……」

武史「もしかして……」

一平「『もしかして』……何だ!?」

武史「カーンデジファーは、コンピューターワールドの外に出ようとしてるんだ……」

一平「えっ!?」

カーンデジファー「武史……まず貴様のコンピューターは、世界中のコンピューターを狂わせ、さらにワシが外に出る準備を着々と行っているのだ……ふっふっふ!!」

武史の家から触手がどんどん伸びていく。

人々はそれを見ながら怯えていた。

テレビ局の車も到着。

尼崎巡査が人々を下がらせる。

カーンデジファー「ふっふっふハッハッハ……」

グリッドマン「カーンデジファー……貴様の思い通りには、させん!」

カーンデジファー「ふん! まだそんな元気があったのか」

するとグリッドマンはワープホールをくぐってどこかに向かう。

カーンデジファー「逃げるのか!!」

カーンデジファーも後を追う。

カーンデジファー「待て!!」

一平「グリッドマン! どこへ行くつもりなんだ!?」

ゆか「武史君のコンピューターよ」

一平「ロックされてるんじゃなかったのか!?」

ゆか「カーンデジファーがここへルートを開けるときに開いてたのよ!」

2人は武史のコンピューターワールドに到着。

グリッドマンはホストコンピューターを破壊しようとしていた。

カーンデジファー「貴様……!」

ナレーション「グリッドマンは、武史のコンピューターを修復することで世界の混乱を止め、カーンデジファーが外に出るのを食い止めようとした」

一平「何とかしてグリッドマンを助けなきゃ!」

ゆか「わかってるわよ。だけど……」

パワーが不利なグリッドマンはピンチに陥る。

すると武史が立ち上がり、席に座る。

ゆか「何するのよ!?」

武史「僕に考えがあるんだ!」

一平「考えって何だよ!?」

武史「僕のコンピューターのプログラムを全て消去するんだ。そうすれば、カーンデジファーが外に出るのを阻止できる!」

一平「そうか!!」

武史「カーンデジファーは、僕の心の醜さに引き寄せられていた怪物なんだ。奴を倒さない限り、僕は立ち直ることが出来ない!」

武史の家の前では、霊媒師が除霊などしていた。

尼崎「危ないですから下がって下がって!」

1本の触手からグリッドマンとカーンデジファーの戦いのビジョンが映し出される。

大地「あっ! グリッドマンだ!!」

尼崎「えっ!? ほんとだ!!」

レポーター「皆さん! 信じられないようですが目の前のコピーは、これがあれば、現実に起こっていることとはとても思えません! 地球征服を宣言したカーンデジファーとグリッドマンが戦っています!!」

良枝「ちょっと……あれは一体!?」

彩子「私たちも全然わかんないんですよ!」

寛司「もしかして……コンピューターワールドという世界を襲っている悪魔かもね……」

良仁「じゃあ、あの怪物はこっちにでてくるかも……」

一同「ええ〜〜〜っ!?」

尼崎「何やて!?」

良仁「これは面白い……地球外生命体とファーストコンタクトか……」

かな「グリッドマンは中だけ変なのよ!」

大地「頑張れ!」

寛司「ファイト、連発!!」

カーンデジファーの猛攻にダウンするグリッドマン。

カーンデジファー「貴様の首、表の世界の土産にしてやる!!」

グリッドマンが真剣白羽取りで剣を押さえる。

カーンデジファー「何!?」

地下室では、ジャンクがいかにも爆発しそうになる。

一平「まだか!?」

ゆか「早くしないとジャンクが爆発しちゃうわ!!」

武史「僕のコンピューターは、カーンデジファーごとは解させる。破壊プログラム……もうすぐ完成だ」

ようやくプログラムが完成。

武史「出来た!」

ゆか「もしかして……こんなプログラムを送り込んだら、グリッドマンも消えちゃうんじゃないの!?」

武史「かもしれない……」

ゆか「ええっ!?」

一平「何言ってんだよ!? グリッドマンだけじゃねぇぞ! 直人の奴も掛かってんだぞ!!」

グリッドマンの額のランプが点滅していた。

ゆか「やるしかないわ……」

一平「え?」

ゆか「今はグリッドマンと直人を信じるのよ……直人なら、きっとうまく逃げてくれる」

一平「じゃあ……」

武史「今は信じるしかないんだ!」

グリッドマンは力を振り絞って立ち上がる。

そしてカーンデジファーの剣を叩き折る。

一平「よし、グリッドマンが自由になった!」

武史「転送プログラムを送るなら今だ!!」

一平「ゆか……」

ゆか「……」

武史がエンターキーを押すとプログラムが転送。

ゆか「直人……」

カーンデジファーがグリッドマンを後ろから押さえる。

カーンデジファー「ええい、しぶとい奴! 貴様も表の世界に放り出して、息の根を止めてやる!!」

カーンデジファーがグリッドマンと一緒に現実世界に出ようとしている。

大地「あっ! カーンデジファーが外へ出ようとしている」

一同が逃げる。

良仁はただ1人感心していた。

良枝「良仁! 早く、早くいらっしゃい!!」

破壊プログラムが飛来。

グリッドマンがそれを受け止める。

破壊プログラムからエネルギーが流れ込む。

カーンデジファー「これは……!?」

触手が光り出す。

良仁「このこうよは、ミラクルループにいただきますよ!」

大地「穴が小さくなっていくよ!」

ビジョンが消え、触手がかれる。

一平「やった―――!!」

武史「成功だ」

ゆか「グリッドマン! 早く脱出して。じゃないと消されちゃう!!」

コンピューターワールドが消滅し始める。

カーンデジファー「うわあああ!! おのれグリッドマン……こうなれば貴様も地獄へ道連れにしてやる!!」

グリッドマン「グリッド……ハイパービーム!!」

グリッドハイパービームが炸裂。

カーンデジファー「ぐわあああ!!」

カーンデジファーが消滅。

コンピューターワールドももうすぐ消滅し始める。

一平「やべーぞ!!」

ゆか「直人!!」

グリッドマンはコンピューターワールドもろとも消えてしまった。

一平「グリッドマンが……直人が死んだ……」

ゆか「そんな……」

ゆかが泣き崩れる。

悲痛な3人。

ジャンクから音が鳴る。

そこにいたのはなんとグリッドマンだった。

一平「グリッドマンが生きていた!!」

ゆか「直人……」

ゆかは涙を拭う。

街では、一同がグリッドマンの勝利に喜んでいた。

彩子「やったのね? 勝ったのね!?」

大地「そうだよ。グリッドマンがカーンデジファーをやっつけたんだよ!!」

寛司「ハッハッハ。立派立派!!」

良枝「さすがグリッドマンね!!」

良仁「非常な研究回路だな!」

尼崎「やったな!!」

かな「ママ、悲しくて泣いてる!?」

彩子「もう、なかなか嬉しくて!」

寛司「母ちゃん、泣くなよ!! ハッハッハ!」

レポーター「皆さん! ご覧になりましたか!? 我らのヒーロー・グリッドマンがにっくきカーンデジファーを倒したのです。私たちの平和は守られたのです!! 以上、現場から原がお送りしました……」

一同「グリッドマン! バンザーイ!!」

大地・カナ「グリッドマン!!」

翔家でも、宗一郎・道子夫婦が喜んでいた。

宗一郎・道子「やった―――!」

道子「あなた、よかった!! ねえねえねえ、もうこれで妙な事件に悩むこともないわよ!!」

宗一郎「そうだねそうだね!! そうだママ、お祝いにいっぱい行こうか!」

道子「いいわね……」

地下室

直人、ゆか、一平、武史が手を合わせる。

ゆか「やった……」

一平「心配させやがってお前は」

直人「ははは……」

グリッドマン「直人、一平、ゆか、そして武史君。ハイパーエージェントを代表して君たちの協力を感謝する! 魔王カーンデジファーは消滅した。私は、これからハイパーワールドに帰還しなければならない!」

直人「えっ、帰っちゃうの!?」

グリッドマン「私の使命は終わったのさ……一平君の天才的なひらめきと勇気は、いつまでも失わないでくれ!」

グリッドマンの言葉に照れる一平。

グリッドマン「ゆかちゃん……君の優しさと冷静な判断にはずいぶん助けられたよ」

ゆかが笑みを浮かべる。

グリッドマン「武史君、もう君は1人じゃない。これからはみんなと力を合わせて未来を切り開いていくんだ!」

武史が頷く。

グリッドマン「直人、本当によく戦ってくれた。君がいなかったら、私は任務を成し遂げることが出来なかった。ありがとう……」

直人も頷く。

グリッドマン「私は君たちから教えられた。そう……本当に信頼できる友達を持つことが、最強の武器だということを! それじゃあみんな、元気で!」

武史・一平「さようなら……」

ゆか「グリッドマン。さようなら」

直人「さようなら」

グリッドマンは回線を通り、空の彼方へと消えていった。

直人たちは外に走り出す。

一平「行っちまったぜ……」

武史は何かを取り出し、破る。

直人「何だいそれは!?」

武史「もういいんだ。君たちが、友達になってくれるのを……」

ゆか「もう友達じゃない」

一平「ただし、もうあんま根暗なことすんなよな! お前、人間なんだから……」

武史「そういうこと言うと、またカーンデジファーを呼び出すぞ!?」

直人「何だって!?」

武史「冗談だよ冗談!」

一平「脅かすなよ!」

一同「ハッハッハ!!」

空が光り、ハイパーワールドが空に映し出される。

ゆか「ありがとう!」

一同「グリッドマ―――ン!!」
 

おわり
inserted by FC2 system