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天装戦隊ゴセイジャーの最終回


ネガーエンドの儀式に必要な日食が近づいていた。

ブラジラ「もう間もなくのようだ……」

アラタ「まだだ…… 俺は絶対にあきらめない!」

ハイド「待て、アラタ!」

アラタ「!?」

ハイド「今の俺たちでは……ブラジラ荷勝てない……」

アグリ「何?」

ハイド「だから、アラタに……俺のシーイックパワーを託す」

アラタ「え?」

アグリ「頼む。アラタ……」

ハイド「俺たちの力を使ってくれ!」

モネ「お願い!」

エリ「アラタ!」

ブラジラ「愚かな極みだ…… 浅墓な奴らだ……」

アラタ「俺は誰の力も欲しくない! みんなわかってるだろう? 互いを守り、支え合ってそして、その先に……護星の指名があるんだろう!」

ブラジラ「まだほざくか……」

すると救星主のブラジラがエネルギー弾を発射。

アラタはそれを素手で跳ね返す。

アラタ「みんな!」

ハイド「そうだ…… 俺たちは護星天使だ!」

モネ「命を守り……守り抜くために戦う!」

エリ「護星の指名に……恥じない戦いをする!」

アグリ「俺たちは……5人揃ってこそのゴセイジャーだ!」

5人が並び立つ。

アラタ「みんな、行くぞ!」

一同「おう!!」

「ガッチャ!」

一同「チェンジカード、天装!!」

アラタ「嵐のスカイックパワー、ゴセイレッド!」

エリ「息吹のスカイックパワー、ゴセイピンク!」

アグリ「巌のランディックパワー、ゴセイブラック!」

モネ「芽萌のランディックパワー、ゴセイイエロー!」

ハイド「怒涛のシーイックパワー、ゴセイブルー!」

一同「地球(ほし)を護は天使の使命! 天装戦隊ゴセイジャー!!」

epic 50
地球を護るは天使の使命

名乗りながら最後の変身を遂げるゴセイジャー。

レッド「ブラジラ! これ以上地球を傷つけることは許さない!」

ブラジラ「たった5人で何ができる?」

レッド「5人じゃない! ゴセイナイトがいる。マスターヘッドも、データスもヘッダーたちも、望も天知博士も人々もみんな、俺たちの仲間だ!」

ブラジラ「人間が仲間だと?」

ブルー「そうだ! 同じ地球の仲間だ!」

ブラック「仲間を切り捨てて平気なおめぇとは違う!」

ブラジラ「ほざけ!」

5人はゴセイウェポンを取り出し、ブラジラに立ち向かっていく。

レッド「いくぞブラジラ!」

するとあたりが暗くなり始める。

ブラジラ「日食だ。ネガー・エンドの時が来た」

ブラジラがレッドに切りかかる。

ブラジラ「今こそ私のダークゴセイパワーを注ぎ込む!」

レッド「みんな、絶対に食い止めるんだ!」

一同「おう!!」

レッド「パニッシュ!」

『ゴセイダイナミック!』

ブラジラ「邪魔はさせん!」

ゴセイダイナミックとブラジラの光線が激突。

一同「はぁ―――っ!!」

ブラジラ「この程度のゴセイパワーなど……」

ゴセイジャーが押される。

レッド「みんな、負けるな!」

ブルー「ああ!」

ピンク「当然よ」

イエロー「私たちの力は……」

ブラック「こんなもんじゃねぇ!!」

一同「はぁ―――っ!!」

ブラジラ「何!?」

5人はゴセイブラスターの砲撃を繰り出す。

ブラジラ「これが、お前たちの執念か…… 不覚を取った…… だが、私の地球救星計画はもう1歩で完遂する。絶対に邪魔はさせん!」」

ブラジラが巨大化。

ブラジラ「お前たちなど、一瞬で打ち砕いてくれる!」

レッド「天装合体! 行くぞ!」

ゴセイグレートがドラゴンソードを振るう。

ブラジラ「雑魚が……」

レッド「ヘッダーアタックだ!」

一同「おう!」

ゴセイグレートがヘッダーを射出。

しかし、すべて弾かれてしまう。

ブラジラの猛攻は続く。

一同「わああっ!!」

ブラジラ「とどめを刺してやる……」

レッド「みんな! 日食が終わるまで、持ち堪えるんだ!」

ブルー「ああ!」

ブラック「おう!」

スカイック、ランディック、シーイックブラザーが出現。

ブラジラに砲撃を繰り出す。

その後、ゴセイグレートと合体。

一同「スカイランドシーゴセイグレート、降臨!」

ブラジラ「はああっ!!」

ゴセイグレートはブラジラの光線を交わしながら前に突き進み、ブラジラに挑む。

ブラジラ「護星天使ごときが……」

レッド「みんな! このまま撃つぞ!」

一同「おう!」

ブラジラ「消えろ!!」

一同「スカイランドシーストライク!!」

ブラジラ「何!?」

一同「はぁ―――っ!!」

ブラジラ「ぐわああ―――っ!!」

スカイランドシーゴセイグレートとブラジラが大爆発。

気絶した5人は目を覚ます。

ブルー「ブラジラは、どこだ?」

ブラジラはふらつきながら立ち上がる。

ブラジラ「これで、全てが終わる…… 再び始まる!」

レッド「はあっ!!」

レッドがブラジラに挑む。

ブラジラ「ゴセイレッド!」

4人「アラタ!」

レッド「ブラジラ! なぜお前はそんなに地球を破壊したいんだ! お前だって、地球から生まれた命じゃないか!」

ブラック「そうだ…… 俺たちを生み、育ててくれたのは地球だ」

イエロー「地球から力をもらって、私たちは生きてる!」

ブルー「お前の力は……いったい何のためにあるんだ?」

ピンク「地球の命を、守るためにあるんじゃないの!?」

ブラジラ「フッフッフ……」

レッド「え?」

ブラジラ「ハッハッハ! くだらん。実にくだらん話だ! 私は救星主だ、もう護星天使ではない。惨めな命を、惨めに生きるもどもよ、消えてなくなれ!!」

ブラジラが火の玉を繰り出す。

するとピンクたちはそれを交わす。

レッド「みんな!」

4人「アラタ!!」

レッド「うん!」

レッドはスカイックソードにスカイダイナミックカードをセット。

レッド「惨めな命なんか1つもない! 俺はこの剣に、地球と地球に生きる命すべての……思いを込める!」

ブラジラ「ふん!」

レッド「いくぞブラジラ!」

4人が踏み台を作る。

レッドが踏み台をジャンプ。

レッド「レッドダイナミック!!」

レッドの渾身の一撃が炸裂。

ブラジラ「何? ぐわああーっ!!」

ブラジラは倒れ、瞳が消える。

日食が明け、アラタは変身を解除。

ハイド「やった…… やったな!」

エリ「やったねアラタ」

モネ「ついにブラジラを倒した……」

アラタ「うん」

すると突然ブラジラが目を覚まし、攻撃を仕掛ける。

ブラジラ「ただでは死なん! 救星はならずとも、破壊だけは必ず果たす! 地球は、護星界共々滅ぶがいい! ハッハッハ!!」

ブラジラは黒い粒子となり、3本の楔に入り込む。

データス「な、何だ、このパワーは? ぐわああっ!」

データスハイパーがデータスに戻る。

データス「デスデスデス……」

マスターヘッド「ブラジラのダークゴセイパワーが、注入されたのか?」

ナイト「うわああっ!」

ゴセイグランドもゴセイナイトに戻る。

ナイト「く、楔が…… 3本の楔が、打ち込まれてしまった……」

楔が打ち込まれたことによってダークゴセイパワーが暴走する。

ハイド「ブラジラは、自分の命と引き換えに楔を打ち込んだのか……」

アグリ「なんてやつだ……」

アラタ「悲しいな……」

アラタの声に振り向く4人。

アラタ「ゴセイパワーは……自分だけのためじゃなくて、誰かのために使ったほうが、お互い幸せになれるのに…… ブラジラは、どうしてそれがわからなかったんだろう…… 俺たち、どうしてわからせてやれなかったんだろう」

折れたダークサーベルを抜くアラタ。

エリ「アラタ……」

するとテンソウダーが鳴り響く。

マスターヘッド「みんな、よく聞くんだ。地球破壊まで残された時間はあと10分しかない!」

ダークゴセイパワーが町を次々と破壊。

噴火が起こり、波も荒くなる。

博士「これは大変だ! 天変地異ですよ! 天変地異……」

望「あっ!」

博士「望、どこ行くんですか!?」

天知望が下に下りる。

望「僕にやれること、やるべきこと……」

天知秀一郎博士も後を追いかける。

外に出ると風はひどく吹き荒れていた。

博士「望!!」

望はりんごの芽を守っていた。

博士「こんなときに何してるんです? 家に入りなさい!!」

望「あきらめないよ!! 僕。これは、地球の未来なんだ! 未来を育てていくのは、僕なんだから!」

アラタ「みんな、行くぞ!」

4人「おう!」

5人は手を重ね、それぞれダークゴセイパワーが放出される穴に向かう。

アグリ「ダークゴセイパワー…… すごいぜ。吹っ飛ばされそうだ!」

モネ「だけど、私たちの力だって、すごいもん!」

エリ「私のゴセイパワーで、このダークゴセイパワーを……」

ハイド「完全にかき消す!」

アラタ「やるぞ…… みんな!」

4人「おう!!」

一同「天装!!」

5人はそれぞれ天装術を発動。

するとダークゴセイパワーは暴発してしまう。

モネ「まだまだ…… もう1度!」

『ガッチャ!』

アグリ「何度でもやってやるぜ…… 天装!」

ハイド「あきらめて、たまるか……」

エリ「そうだよ。絶対何とかなる!」

アラタ「みんな! 聞いて…… ずっと疑問に思ってた。どうして、俺たち護星天使がゴセイパワーという力が備わっているのか…… どうして、命を守るって言う大きな使命を与えられたのか。俺たち……まだまだ未熟者なのに。でも、今わかったんだ! 俺たち護星天使の力を持っているのは……未熟だからこそだからじゃないかって」

4人「未熟だからこそ?」

アラタ「だからもっと……地球の美しさや、人々のたくましさや命のすばらしさを学ぶために、俺たちは……この力を与えられたんだよ」

アグリ「そうだな…… 俺たちには、まだまだ知らねぇことがたくさんある!」

モネ「うん。私……もっともっと、地球のこと知りたい!」

エリ「地球から生まれたことに、感謝もしないとね……」

ハイド「そうだな…… ここで終わらせるわけにはいかない!」

アラタ「うん。だから……俺たちは!」

一同「護星の力で、この星を守る!」

5人は背中に翼を生やし、飛び立つ。

アラタの下にエリたちが集まる。

一同「ゴセイグローバル! アウトブレイク、ゴセイパワー!!」

強力な光が穴を塞ぐ。

データス「ダークゴセイパワーが、消えましたデス……」

さらに、光が天に注がれる。

ナイト「あれは……天の塔か?」

天の塔が出現する。

マスターヘッド「5人のゴセイパワーと地球の力が、再び地上と護星界をつなげたのだ……」

5人は木の周りに降り立つ。

そこへ望と博士がやってくる。

望「アラタ、みんな!」

望「アラタ!」

望がアラタの胸に飛び込む。

天知天文研究所

りんごの芽が生えていた。

望「アラタの知らせなきゃ!」

マスターヘッド「護星界の決定を伝える。護星界は、お前たち見習いの5人を全員正式な護星天使と認める!」

一同「はい!!」

マスターヘッド「同時に、地上研修は終了…… 護星界への帰還を許可する! データスも、長い間ご苦労だった……」

データス「はいです! 僕も皆さんと一緒に、護星界に戻りますです!」」

ナイト「私はしばらく、眠りにつこうと思う。ゴセイパワーをもう1度満たすために……」

アラタ「マスターヘッド…… お願いがあります」

マスターヘッド「何だ?」

アラタ「俺たちまだ、地上にいたいんです」

マスターヘッド「何!?」

データス「ええっ!?」

アラタ「見習いが取れたって……俺たちは、護星天使としても、地球に生きるものとしても……まだまだ未熟です。もっと、色々なものを見て、色々なことを知って、色々な人に会ってみたいんです……」

マスターヘッド「……」

アグリ「俺、まだまだ修行が足りません!」

モネ「私は、お兄ちゃんより強くなりたい!」

ハイド「俺は……地球に生きる様々な生き物の研究をしたいんです」

エリ「私は、みんなの夢と笑顔を見守り続けたいんです……」

アラタ「お願いします! マスターヘッド……」

一同「お願いします!」

マスターヘッド「護星界の長い歴史上……お前たちのようなことを言い出した護星天使は、1人もいなかった…… わかった。許可しよう!」

そこへ望がやってくる。

一同「やった!!」

望「みんなよかったね」

アラタ「ありがとう。望」

望「これからも、みんなと一緒に暮らせるんだね!」

しかしアラタたちは黙り込む。

望「もしかして……みんな、出て行くの?」

ナイト「望……」

望「そっか…… そうだよね。これからもみんな、やらなきゃならないことがいっぱいあるもんね…… 宇宙にずっといるわけには、いかないもんね…… そうだ。僕、用事を思い出した。ちょっと出かけてくる!」

データス「あっ!」

望が外に飛び出す。

博士も戻ってくる。

博士「望? どうしたんです!?」

りんごの苗を見つめる望。

そこへアラタがやってくる。

望「このりんご……僕とアラタで育てるって言ったじゃん」

アラタ「そうだよ…… これは、俺たちのりんごだ。そばにはいられなくても、これからもずっと……ずっとそうだよ」

望「だったらどうして? アラタなんか嫌いだ!」

アラタ「俺は望が好きだよ…… なんたって、地上に来て1番最初にできた友達だから…… 離れていても、これからも……大切な仲間……」

望「アラタ!」

望がアラタの胸に飛び込む。

アラタ「ほんとだよ…… 望……」

その光景を博士とエリたちが見ていた。

そして、別れの時が近づいていた。

博士「体にはくれぐれも気をつけてくださいね……」

データス「です!」

博士「何かあったらすぐに連絡を……」

一同「はい!」

ハイド「今まで本当に、ありがとうございました!」

データス「です」

エリ「お世話になりました!」

アグリ「元気でな、望!」

モネ「手紙書くからね」

頷く望。

博士がアラタとハイドを思い切り抱きしめる。

アグリたちがそれを止める。

ゴセイナイトが望の肩に手を置く。

ナイト「お前に会えてよかった…… 感謝している」

望「うん!」

そして、アラタたちがいよいよ旅立つ時が来た。

望「アラタ…… また会えるよね?」

アラタ「もちろん! 護星天使は……人には気づかれなくても、いつでもそばにいる…… ずーっと、みんなを見守ってる」

望「うん! みんな……またね」

アラタ「うん、また会おう……」

アラタたち7人はそれぞれ飛び立って行った。

望「約束だよ! アラタ、みんな!! いつか、また……」

グランディオンヘッダーとデータスは別のところに飛び立つ。

ハイドは浜辺に、エリは子供たちのいる公園に、アグリとモネは草原に降り立つ。

アグリ「いくか、モネ」

モネ「OK!」

最後にアラタはビルの屋上に降り立つ。

1枚の羽が望の手に落ちる。

望「ありがとう…… 護星天使」

(終)

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