戻る TOPへ

ドラゴンヘッド

第89話
〜世界の終わりに独りは嫌だ〜



やっとのことで東京まで帰ってきた青木照(テル)と瀬戸憧子(アコ)。
そこで黒雲の切れ間からあるはずのない物を見た。

テル「富士‥‥山‥‥が‥‥
黒雲で何も見えなかった方角に‥‥」
その時、富士のような山が噴火しているのが見えた。>>

『そういや‥‥
東京に帰って来る前に見た火柱‥‥‥‥
それに‥‥
ボンヤリした奇妙な光で包まれていた
東京湾の方角‥‥‥
それから地下に掛かっていた
あの北斎の絵‥‥‥‥‥』

テル「知ってたのか?あいつら‥‥
あの絵は‥‥このことだったのかッ!!
東京に‥‥‥‥
まるで消えてしまった富士山と
そっくりの山ができてるって‥‥ッ!!」
東京の町に火山岩や瓦礫が降ってくる。>>

テル「ちきしょう
あいつらのところまで行きたいのに‥‥
ごめんよ瀬戸さん‥‥
俺‥うちにおいでなんて言って
こんな‥‥ッ」
アコ「!?眠気が‥‥!?
うう‥ん大丈夫‥‥
‥‥なんか‥‥不思議ね
東京のど真ん中で
テル君と富士山みたいな山が
噴火するのを見てるなんて‥‥
テル「‥うん‥‥」
アコ「でもこの世が終わりだったとしても
独りじゃなくてよかった‥‥
この世の終わりに独りはイヤよ」
テル「ああ‥‥そうだね‥‥」



人間は頭の中に
恐ろしい力を持っている

闇の中に悪魔の顔を見れば
世の中はそういう世界に変貌する‥‥

ノブオやカッターで自分の腹を切った奴らや
そして僕も‥‥

おばさんが言ってた‥‥
敵は他人や世の中とは限らないんだ
人間の心の闇に潜む怪物‥‥

それを克服しなければ
人間はいくら長く生きれたって悲劇だ

でもその一方
人間の想像力は世界を発展させて来たものでもあるんだ

そうだ
世の中はどのようにでも
そんざいすることができる

そうだ
僕らも‥‥想像できるはずだ

未来を‥‥

それがどういうものかはわからないけど

新世界を‥‥‥






おわり

ドラゴンヘッド 完

inserted by FC2 system