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特捜戦隊デカレンジャーの最終回
(ナレーション)
デカベースがエージェント・アブレラに乗っ取られた。
奪還すべく潜入したデカレンジャーだが、アブレラを追い詰めた瞬間、突然変身解除してしまう。
そして、地球に向かった宇宙警察の主力部隊にも、恐るべき罠が仕掛けられていた。
デカベースの全機能をアブレラが掌握しているため、バンたちは変身すらできない。
アブレラの引き連れてきた最凶アリエナイザー、ウニーガ、ガニメデ、スキーラがバンたちを翻弄する。
ホージー「こちら地球署……長官、応答して下さい!」
アブレラ「通信回線もすべて遮断した。もうお前たちにはどうにもならないのだ。ワッハハハハハ!」
バン「負けるもんかぁ……闇に潜んで悪をはびこらすお前らなんか、絶対に滅びる……正義は絶対勝つんだあぁぁ──っ!!」
Episode.50
フォーエバー・デカレンジャー
ウニーガ「クロス・バースト!!」
必殺剣が炸裂する。
反撃の術もないバンたち。
ウニーガ「時間の無駄だ、一気に片付けるぞ」
ガニメデ「ユーたち、これで永遠にバイナラねェ」
スキーラ「じゃあねぇ」
ウニーガ「やれ」
銃口がバンたちを捉える。
絶対絶命かと思われたとき──
銀色の影が飛来。アリエナイザーたちを次々に攻撃する。
スキーラ「何が起こったって言うの?」
すっくと現れたその姿は、マーフィーK9。
ウメコ「マーフィー! 信じてたよ……」
バン「感謝……感激だぜぇ!」
倒れているバンたちを庇うように、マーフィーがアリエナイザーを威嚇する。
ウメコ「今の内にってことね」
マーフィーが頷き、ガニメデに飛びつき、銃にかみつく。
ガニメデ「やめろ、こら!」
ホージー「分散するんだ!」
ウメコ「うん!」
5人がSPシューターでアリエナイザーたちを牽制しつつ、バラバラに逃げる。
彼らの様子をアブレラがモニターで監視している。
アブレラ「逃げたか……だが変身もできない、通信も取れないお前たちに何ができる!」
一方、テツは生身のままデカウイングロボを操縦し、アブレラの操るデカベースロボに果敢に挑む。
テツ「負けるか! 先輩たちも……頑張ってるんだ!!」
アブレラ「小癪な……」
デカベースロボがミサイルを連射。
デカウイングロボは回し蹴りでミサイルを跳ね飛ばす。
テツ「機動力なら、こっちの方が上なんだ!」
アブレラ「おのれ……街の破壊は、チョコマカとうるさい蝿を叩き落してからだ!」
ボスに手によりデカベースから救命ポッドで脱出させられたスワンが、海岸に辿り着く。
デカウイングロボとデカベースロボが戦っている事態に気づく。
異変を察知し、SPライセンスで通信を試みる。
スワン「こちらスワン……ドギー、何が起きたの!?」
応答はない。
スワン「デカベースが乗っ取られた……!? 完成したばかりのあのシステム、ドギーだけは知ってるはずなんだけど……」
SPライセンスを見つめるジャスミン。
ボスの最後の通信の言葉が甦る。
「よく聞け……デカベースの……」
ジャスミン (ボス……あのとき、何を言おうとしたんですか……)
アーナロイドたちが追ってくる。
SPシューターで応戦しつつ、ジャスミンが逃げるが、階段に追い詰められてしまう。
そのとき、階段に転がっているのは──
ジャスミン「ディーソード・ベガ!」
アーナロイド、バーツロイドが迫る。
咄嗟にジャスミンがディーソードを手に、ビームを放つ。
凄まじい反動に、ジャスミンが壁に叩きつけられるが、その威力の前にアーナロイドたちも全滅。
かろうじて危機は脱した。
ジャスミン「はっ……そうだ!」
手袋をはずし、素手でディーソードを握り、目を閉じ、念を込める。
ジャスミン「ボス、教えて下さい……私たちに伝えようとしたことを!」
ナレーション「ジャスミンはエスパーである。物体を通じて、それに触れていた人の思いを読み取ることができるのだ」
ジャスミンの脳裏に、次々に映像が浮かぶ。
マーフィーK9──
マーフィーが休んでいる犬小屋──
その奥にスイッチが──
ジャスミン「見えたわ!」
静かに足音が響く。
階下から人影が迫る。
咄嗟にジャスミンがディーソードを構える。が……
ジャスミン「センちゃん!?」
セン「あ……ジャスミン!」
ジャスミンが手にしているディーソードに、センが気づく。
セン「それ、ボスの……」
ジャスミン「ボスの狙いが見えたの。鉄工所のマーフィーの小屋の奥に、隠しスイッチがある!」
セン「えっ!?」
ジャスミン「そのスイッチをONにすると、デカベースのコントロールの全ては、鉄工所に移るの!」
セン「……それなら一気に逆転できる!」
そこへ最凶アリエナイザーの1人、スキーラが現れる。
スキーラ「今度こそ、2人仲良く天国に送ってあげるわ」
センがSPシューターで牽制。
スキーラが不意を突かれた一瞬、センとジャスミンはディーロープで一気に、階段の吹き抜けから階下へと滑り降りてゆく。
スキーラ「もうっ!」
2人を探し回るスキーラ。
スキーラ「どこ行ったのかなぁ〜出てらっしゃぁ〜い」
追っ手から隠れ、センが逆立ちをしている。
ナレーション「これは、センのシンキングポーズである。これをすると、何かが閃くのだ」
セン「そうだ!」
配電室に入る2人。
セン「これか!」
センがスイッチのひとつを切る。
デカベース署内各所の照明が次々に消える。
アブレラ「ん……? フン、暗くしてその隙に何かしようというのか。小賢しい」
散り散りになっているデカレンジャー一同も、照明の異変に気づく。
ウメコ「何なの、これ? どうしちゃったの?」
バン「敵の作戦か!?」
SPシューターを構えるバン。
そのとき、照明がまた点く。
そして、また消える。
バン「!?」
照明が何度も何度も点滅を繰り返す。
ホージー「これは……!」
配電室。
センがスイッチのON・OFFを繰り返している。
扉がガンガンと鳴り、スキーラの声が響く。
慌ててジャスミンが扉を押さえる。
スキーラ「ここねぇ〜」
ジャスミン「見つかったわ!」
セン「わかってくれ……みんな……!」
スキーラ「ほら、出てらっしゃ〜い」
ウメコ「はっ……SPDシグナル!?」
ナレーション「SPDシグナルとは、スペシャルポリス同士にしかわからない暗号である。長短2種類の符号の組合せで文字を表し、メッセージを伝えることができるのだ」
ホージー「テッコージョ……マーフィー……」
バン「デカベース……コントロール……」
ウメコ「イヌゴヤ……あ、わかった! 犬小屋のスイッチ!!」
センのもとにジャスミンが叩き付けられる。
扉を破り、スキーラが配電室に侵入したのだ。
スキーラ「チカチカと鬱陶しいのよねぇ〜」
セン「ジャスミン、あとはバンたちを信じて、俺たちはこいつを食い止めよう!」
ジャスミン「賛成の反対の反対!!」
デカベースロボの猛攻に、デカウイングロボが吹き飛ばされる。
アブレラ「諦めろ……勝敗は見えている」
テツ「ナ……ナンセンス!!」
アブレラ「フン。しつこく抵抗したところで、もうあと15分!」
宇宙警察の主力部隊が地球に接近する。
アブレラが地球上空の衛星軌道上に配備した攻撃システムにより、このままでは部隊は全滅してしまうのだ。
デカベース内の車庫。
バン、ホージー、ウメコが合流する。
ガニメデがバンたちを探し回っており、突破しないことには鉄工所まで行けない。
バン「どうする、相棒?」
ホージー「相棒って言うな」
ウメコが何かを思いつく。
ウメコ「ここは、リーダーの私に任せて!」
ウメコが走り去る。
ホージー「はぁ?」
バン「……?」
ゆっくりとシャッターが開く。
ガニメデ「ホワット?」
ガニメデが近づく。
シャッターの向こうから現れたのは、何とバスタブ。
ウメコがのんびりと入浴を楽しんでいる。
ウメコ「チュッチュッチュ〜アワアワ〜♪」
ガニメデ「こ、これは!?」
ウメコ「あれ? どうしたの?」
ガニメデ「ヘイユー! なぜバスタイムなのだァ!?」
ウメコ「えぇ? だって汗かいちゃったしぃ〜」
ガニメデ「フツーはこんな状況じゃぁ入らないでしょうガァ!」
ウメコ「え〜そう? そっかなぁ〜そんなことないと思うけど〜」
完全にウメコのペースに巻き込まれたガニメデを尻目に、バンとホージーが鉄工所へ向かう。
ガニメデ「ユー! 正直に言うネェ! 何企んでる!?」
ウメコ「え? 何も企んでないよぉ。そんなことよりも、面白いもの見せてあげる!」
ガニメデが顔を近づける。
ウメコがバスタブの中に潜る。
途端に水柱が立ち上り、あっという間に隊員服姿となったウメコがガニメデの頭の上に飛び乗る。
ウメコ「宇宙警察地球署・胡堂小梅ちゃんは、早変わりもだーい得意って、知らなかった?」
ガニメデ「ミーが……知るわけナイ!」
ウメコがガニメデの頭を飛び蹴りでバスタブに叩き込む。
泡だらけとなるガニメデ。
ウメコ「バンとホージーさんは無事通過したから、あんたたちの野望も水の泡ね!」
ガニメデ「ガッデム!」
ウメコ「行かせないっての!」
配電室。
生身のセンとジャスミンは、スキーラになす術もない。
スキーラ「おとなしくしな! 悪い子ねぇ!」
鉄工所へ急ぐバン、ホージー。
突然、バンが苦しみ出す。
バン「が……がァッ!」
ホージー「どうした!? ……ぐわっ!」
ウニーガが姿を現す。
姿を消したウニーガが、2人の首を締め上げていたのだ。
バン「貴様……!」
ウニーガがそのまま2人ごと壁をぶち破る。
壁向こうのヘリコプター格納庫で、2人が床に叩き付けられる。
テツ「デカバイク・オートコントロール!!」
遠隔操作によりデカバイクがデカベースに特攻。
爆煙が立ち昇る。
衝撃に乗じ、バンとホージーがウニーガの拘束を跳ね飛ばす。
ホージーが、ヘリコプター格納庫のリフトに気づく。
ホージー「バン! そのリフトで上の階から回れ!」
バン「ロジャー!」
リフトに乗るバン。
スイッチ台を見つける。
バン「あれがスイッチか!」
ところがスイッチ台の前に、バーツロイドたちが立ち塞がる。
ホージーにもウニーガの手が。
デカバイク特攻の爆煙の中から、デカベースロボが立ち上がる。
テツ「効いてないのか……!?」
ヘリコプター格納庫。
バーツロイドの前に、バンがリフトから吹き飛ばされる。
ホージーもウニーガに締め上げられている。
バンがバーツロイドに捕らえられる。
ウニーガ「へへっ、素直にあの世に行きな!」
ホージー「バン、とにかく乗れ!」
バン「乗るだけじゃ、動かないだろ! スイッチが……!」
ホージー「いいから乗れ!」
ホージーが床目掛けてSPシューターを撃つ。
床に転がっていたコンクリート欠が銃撃で弾かれ、スイッチに命中。
リフトが上昇し始める。精密射撃を得意とするホージーならではの神業だ。
バン「おぉ!? すげぇぜ相棒!」
ホージ「早く乗れ!」
バン「よっしゃぁ!」
バンがアーナロイドを振り払い、リフトに飛び乗る。
ウニーガが追う。
ホージー「行かせるか!」
リフトに追いすがろうとするウニーガを、ホージーが羽交い絞めにする。
ホージー「後は頼んだぞ!……相棒っ!!」
バン「え……!?」
驚くバン。
バンに「相棒」と呼ばれることを嫌がっていたホージー自身が「相棒」と……
バン「この野郎……相棒って言うなっ!!」
自分の口癖を真似るバンに、ニヤリと笑うホージー。
バンも笑顔を返す。
すべてをモニターで監視しているアブレラは、全く動じない。
アブレラ「何を企んでいるか知らんが、無駄なことだ……もうあと1分で主力部隊が網にかかる。遂に、宇宙警察も終わりだな!」
遂に鉄工所のフロアに着いたバン。
廊下の向こうに鉄工所がある。
バン「鉄工所だ!」
その脳裏に、仲間たちの顔が次々によぎる。
バン (相棒……テツ……センちゃん……ジャスミン……ウメコ……マーフィー……スワンさん……そして、ボス……見ててくれ)
鉄工所目掛けてバンが走る。
バン「俺がきっちりアンカー務めさせてもらうぜぇ!!」
しかしその目の前にイーガロイド、アーナロイドの群れが立ち塞がる。
イーガロイド「やれ」
バン「どけええぇぇ──っっ!!」
署内各署でも、激闘が続いている。
センが踏みにじられる。
ウメコが殴り飛ばされる。
ジャスミンが壁に叩きつけられる。
ホージーが投げ飛ばされる。
テツのデカウイングロボ目掛け、デカベースロボのボルカニックバスターが放たれようとしている。
アーナロイドの群れを潜り抜けたバン。
イーガロイドが剣を振りかざす。
バン「やぁぁ──っ!!」
その剣身を、バンが大ジャンプでかわす。
目の前の鉄工所目掛けてSPシューターを連射。
鉄工所の窓に亀裂が入る。
バンの背後に追いすがるイーガロイド、アーナロイドたち。
バン「うおおぉぉ──っっ!!」
バンがイーガロイド目掛けて突進し、飛び蹴りを食らわす。
その反動を利用してバンが鉄工所の窓に体当たり。窓ガラスをぶち破り、犬小屋に滑り込む。
隠しスイッチをON。
犬小屋の奥が開き、非常用の司令室が現れる。
アブレラ「とどめだっ!」
デカベースロボのコクピットの照明が落ちる。
ボルカニックバスターのエネルギー充填が止まる。
アブレラ「……おぉっ!?」
テツ「と……止まった!?」
アブレラ「ど、どういうことだ!?」
バン「みんな、デカベースのコントロールは取り戻した! もう俺たちのもんだぁ!!」
テツ「先輩!!」
ウニーガ「何だとぉ!?」
驚くウニーガを、ホージーが殴り飛ばす。
ホージー「やったな……相棒!」
ウメコがガニメデを蹴り飛ばす。
ウメコ「……ってことは!」
センがSPシューターでスキーラを吹き飛ばす。
セン「いいんじゃない?」
ジャスミン「フッ……ドーンといってみよう!!」
4人「
緊急変身
(
エマージェンシー
)
・デカレンジャー!!」
宇宙警察長官ヌマ・Oと通信をとるバン。
バン「長官、聞こえますか? すぐに主力部隊を止めて下さい! 地球の周りには罠が張られています!」
ヌマ・O「何だと!? 全艦、緊急停止!」
地球上空、主力部隊が緊急停止する。
すんでのところで部隊全滅は阻止されたのだ。
デカベース内。
デカレンジャーたちが変身能力を取り戻し、形成は完全に逆転。
デカピンクが、デカイエローが、デカグリーンが、デカブルーが、次々にアリエナイザーたちを追い詰める。
ピンク「おりゃぁっ!」
イエロー「えぇい!」
グリーン「はっ!」
ブルー「はぁ──っ!!」
デカベースロボが変形し、デカベースクローラーになる。
意に反したデカベースの稼動に驚くアブレラ。
アブレラ「これは!?」
司令室にバンが現れる。
バン「見たか! エージェント・アブレラ!!」
アブレラ「おのれぇ〜変身もできない状態で、この私を出し抜いたというのか!?」
バン「変身できなくたって……みんなバラバラだって……俺たちの心はひとつだぁっ!!」
SPライセンスを構えるバン。
バン「
緊急変身
(
エマージェンシー
)
・デカレンジャー!! フェイス・オン!」
ナレーション「形状記憶金属デカメタルがバンの体に定着し、デカスーツとなるのだ」
アブレラが銃を放つ。
レッドがそれをかわし、ディーマグナムとディーショットを放つ。
続け様にアブレラ目掛けて飛び蹴り、そのままデカベースの窓を突き破る。
レッド「おりゃあ──っ!!」
アブレラ「うわぁっ!!」
デカベースから吹き飛ばされ、地面に転がるアブレラ。
スキーラ、ガニメデ、ウニーガもデカベースから吹き飛ばされる。
彼らを追い、デカレッド、そしてデカブレイクを含む他の5人も駆けつける。
レッド「エージェント・アブレラ! お前の野望はここまでだ!!」
アブレラ「くっ……!」
レッド「一つ! 非道な悪事を憎み!」
ブルー「二つ! 不思議な事件を追って!」
グリーン「三つ! 未来の科学で捜査!」
イエロー「四つ! 良からぬ宇宙の悪を!」
ピンク「五つ! 一気にスピード退治!」
ブレイク「六つ! 無敵がなんかイイ!」
レッド・ブレイク「SPD!」
レッド「デカレッド!」
ブルー「デカブルー!」
グリーン「デカグリーン!」
イエロー「デカイエロー!」
ピンク「デカピンク!」
ブレイク「デカブレイク!」
6人「特捜戦隊デカレンジャー!!」
アブレラ「私はいくつもの銀河を滅ぼしてきた……こんな辺境の星で、やられはしない!」
レッド「そいつはどうかな!? みんな行くぜ!」
5人「ロジャー!!」
アブレラ「やれ!」
デカレンジャー6人が、アブレラたち目掛け突進する。
イエローとピンクのディースティックがスキーラを斬り裂く。
ピンク「お金のために人の人生を奪う奴らに!」
イエロー「私たちは絶対に負けない!」
ブルーとグリーンのディーロッドがガニメデを斬り裂く。
ブルー「生きるために一番大事なことが何なのか!!」
グリーン「お前らにはわからないだろう!!」
ブレイクの鉄拳がウニーガに炸裂する。
ブレイク「それは勇気と、愛と!!」
レッドのディーマグナムがアブレラに炸裂する。
レッド「正義を信じる心なんだあぁぁ──っ!!」
イエロー「ツインカム!!」
ピンク「シュート!!」
ブルー「ブルーフィニッシュ!!」
グリーン「グリーンクラッシュ!!」
ブレイク「フルスロットル! 必殺拳ソニックハンマー!!」
レッド以外の5人の必殺技が次々に炸裂。
スキーラ、ガニメデ、ウニーガが大爆発。
5人「ゴッチュー!」
レッドもアブレラを追い詰める。
レッド「ハイブリッドマグナム! シュート!!」
ディーマグナム01と02が合体。
強力ビームがアブレラを吹き飛ばす。
レッド「レイン星人アブレラ! 銀河消滅及び、惑星間戦争における大量殺人の罪で、ジャッジメント!!」
ナレーション「アリエナイザーに対しては、スペシャルポリスの要請により、はるか銀河の彼方にある宇宙最高裁判所から判決が下される」
アブレラ目掛けてレッドが突きつけたSPライセンスに、×印が灯る。
レッド「デリート!!」
5人「許可!!」
アブレラ「えぇい、私を倒して終わりと思うな! この宇宙に人類がある限り、絶対に犯罪はなくならない! 誰の中にも、私と同じ欲望があるのだぁ!」
レッド「それでも俺たちは信じてる! 宇宙に生きてる皆の中に、正義の心だって永遠に燃え続けてるってな! それがある限り、悪の栄える未来はないんだぁ!!」
他の5人も頷き合う。
マーフィーK9が駆けつける。
ピンク「マーフィー!」
ピンクが投げたキーボーンをマーフィーが咥え、2連装エネルギー砲に変形。
6人「ディーバズーカ!!」
最強武器ディーバズーカを6人が構え、砲門がアブレラを捉える。
6人「ストライク・アウト!!」
アブレラ「ぐわああぁぁ──っ!!」
強力なエネルギービームがアブレラに炸裂する。
アブレラ「お……おのれ……ぐわああぁぁ──っ!!」
大爆発──
6人「やったぁ──っ!!」
ピンク「やったわ、マーフィー!」
エージェント・アブレラの悪事はここに崩れ去ったのだ。
うまれまくる一同。
ピンクがSPライセンスを手にする。
ピンク「やりました、ボス! エージェント・アブレラを……あ」
イエロー「あ……」
勝利の喜びから一転、一同が言葉を失う。
変身を解除し、元の姿に戻る。
ウメコ「そうだ……ボスは……ボ……」
ジャスミン「ボス……」
2人の目から涙が溢れ出す。
バン「泣くなよ、ジャスミン、ウメコ。泣いたら……天国のボスだって、悲し……むぜ……」
言いながら、バンも目を拭っている。
ホージー、セン、テツも涙を堪えている。
「誰が天国だって……」
一同「ボス!?」「ボス!」「ボス!」
ジャスミン「はっ……」
彼方から人影──
スワンの肩を借り、歩いてくるボスの姿。
マーフィーが喜びの鳴き声を上げ、駆け寄る。
ジャスミン・ウメコ「ボス!!」
スワンに駆け寄るマーフィーを、スワンが優しく抱く。
ジャスミンとウメコがボスに抱きつく。
他の4人も次々にボスに抱きつく。
一同「ボス!!」「ボス!!」「ボス!!」
ボス「みんな……よくやってくれた……! お前たち6人が、宇宙最大のピンチを救ってくれたんだ!」
バン「俺たちだけじゃないっスよ……ボスや、スワンさんや、みんながいてくれたからです!」
他の5人も頷く。
スワン「ねぇドギー……この子たち、とうとう宇宙一のチームになったわね!」
ボス「あぁ……俺は、お前たちを誇りに思う!」
ボスがバンを抱きしめる。
バンが驚き、そして照れ笑う。
テツを、ホージーを、センを、ジャスミンを、ウメコを、次々にボスが抱きしめる。
ボス「これにて一件コンプリート!!」
バン「メガロポリスは……」
一同「日本晴れ──っ!!」
(ナレーション)
地球の危機も、宇宙警察最大の危機も、バンたちのチームワークで見事に乗り越えることができた。
だが、これからもデカレンジャーは戦い続ける。
いつの日か、本当に平和な日が来ると信じて。
ありがとう、デカレンジャー。そして、これからも頼むぞ!
特捜戦隊デカレンジャー!!
メガロポリスにデカレンジャー一同の雄姿。
赤座伴番、デカレッド。
戸増宝児、デカブルー。
江成仙一、デカグリーン。
礼紋茉莉花、デカイエロー。
胡堂小梅、デカピンク。
姶良鉄幹、デカブレイク。
ドギー・クルーガー、デカマスター。
白鳥スワン、デカスワン。
デカマスター「デカレンジャー出動!!」
一同「ロジャー!!」
デカベース。
テツが一同に挨拶している。
胸には以前までの特キョウの金バッジではなく、デカレンジャーと同じ銀バッジが輝いている。
テツ「本日付けで地球署に正式に配属されました。改めてよろしくお願いします。気取らない性格ですので、相棒って呼んで下さい!」
一同「ナ〜ンセンス!」
ホージー「お前にはまだ早い」
ウメコ「な〜んてね! これからもよろしくね!」
ホージー「よろしくな!」
ジャスミン「よろしくっ!」
デカレンジャーの捜査の日々は続く。
マンションのベランダから周りを見回すホージー。
地上で下着泥棒のアリエナイザーが逃げ惑う。
一気にホージーがベランダから飛び降りる。
ホージー「逃がすかっ!」
アンパンと牛乳を手に、暢気に張り込むセン。
街中で通行人が行き交う中、シンキングポーズの逆立ちを始める。
セン「よっこらせ……あ、そうだ!」
駐車場で銃撃戦を演じるジャスミン。
SPシューターの銃撃が、アリエナイザーのライフル銃を撃ち落す。
ジャスミンがクールな仕草で、SPシューターの硝煙を吹き消す。
アリエナイザーに飛び掛るマーフィーK9。
ウメコ「ナイス・マーフィー! じゃ、後はよろしくね〜」
バスタイムを楽しむウメコ。
そこへマーフィーが飛んで来る。
ウメコ「マーフィー、もう! あ〜ごめん、ね、一緒に入ろ!」
バスタブの中、マーフィーをウメコが洗い始める。
テツ「うぉ──っ、待ちやがれっ!!」
バンを彷彿させるような火の玉ぶりで、テツがアリエナイザーを追い詰める。
鉄工所。
新兵器開発に勤しむスワンが、その合間に優雅にティータイムを楽しむ。
デカベースの会議テーブルを囲むボス、デカレンジャー一同。
ボス「デカレンジャー、出動!!」
一同「ロジャー!!」
どこかの夜の街角。
真っ赤な隊員服に身を包んだバンと、1人の少年の姿。
バン「もう大丈夫だぞ」
少年「ありがとう! 僕も大きくなったら刑事さんみたいになる」
バン「そっかぁ、頑張れよ!」
そこへ、ファイヤースクワット創始者のギョク・ロウの通信が届く。
ギョク「何してる、伴番」
バン「だからぁ、1回にしてバンって呼んでくださいよ」
ギョク「いいから戻れ」
バン「じゃあな!」
少年に別れを告げ、バンがギョクのもとに合流する。
バンと同じ、真っ赤な服の隊員たちが勢揃いしている。
バン「お待たせしましたっ!」
ギョク「よし、突入作戦FS4で行く。ファイヤースクワット出動!!」
一同「ロジャー!!」
バン「一気に行くぜぇ──っ!!」
真っ赤なSPライセンスを高々と掲げる。
バン「
緊急変身
(
エマージェンシー
)
!!」
これにて一件コンプリート!
1年間応援ありがとうございました!