星史｢(ナレーション)オーボスの、地球総攻撃が始まった。アフリカ、南米、チベット、オーストラリアの4つの開放点がヒットされて、大地が避けていく。セイバーズとランダーズは、それを止めるために大地の裂け目に飛び込んで行った。遺されたダ・ガーンとセブンチェンジャーの2人だけじゃ、到底オーボスにかないっこない ……だけど、地球と……地球に生きる全ての生き物の心が1つになれば必ず伝説の力が発動するはずなんだ!　絶対にあきらめるもんか。俺は、未来を信じてるんだ!｣

 

風の未来へ

 

テレビ局

テレビに星史の母・美鈴が写っている。

美鈴｢テレビをごらんの皆さん……この危機を救えるのは皆さんの心です!　私たちの星・地球を救えるのは、私たちの心なのです!　国境を越えて、地球を信じてください。伝説の力を信じるのです……私たちはこれまで、自分たちの利害だけを追い求め、あまりにも母なる地球をざいがしろにしてきました……今、私たちには、心を1つにする必要があります。今こそ思いをともにし、願いを共にする必要があるのです……もう一度言います。『星の定めを共にするものたちよ……星と想いを共にせよ。星と願いを共にせよ……黄金の光に集いきて、新たなる道を照らすであろう……』これが、伝説の言葉です｣

それぞれの国では、セイバーズ、ランダーズが大地の裂け目を戻そうとしていた。

ビッグランダー｢うおお―――っ!!｣

ドリルランダー｢どっち行かれても2人でやって見せるぜ!!｣

マッハランダー｢地球を裂けさせるわけにはいかねぇ!!｣

ターボランダー｢うおおお―――っ!!｣

蛍が立ち上がる。

蛍｢厳光寺……｣

蛍はどこかに向かおうとする。

ひかる｢桜小路さん!｣

ブッチョ｢どこ行かはるんでっか!?｣

街では、セブンチェンジャーとレッドガイストの戦いが続いていた。

レッドガイストのキックが炸裂する。

セブンチェンジャーが墜落する。

ヤンチャー｢うわあっ!｣

一方、ひかるたちは厳光寺に戻っていた。

ブッチョ｢このお寺でええんやな!?｣

春夫｢ちょっとみんな、そっちは危険だよ!?｣

根元｢一体、どうなってるんですか!?｣

つくし｢さあ……｣

戦場

セブンチェンジャーが苦戦に強いられていた。

ヤンチャー｢何やってんだセブンチェンジャー!｣

セブンチェンジャー｢王子、このままでは……危険だ。避難してほしい……｣

ヤンチャー｢そんなこといってる暇があったら、攻撃しろ!!｣

セブンチェンジャー｢しかし……｣

攻撃を交わしてグリフォン形態に変形するセブンチェンジャー。

攻撃が炸裂するも、反撃されて元のロボモードに戻り、厳光寺に墜落する。

ヤンチャー｢うわぁっ!｣

セブンチェンジャー｢王子、脱出を……｣

ヤンチャー｢何言ってんだ!　お前と俺は……｣

セブンチェンジャー｢私の役目は、王子を守ること!　このまま、巻き添えにするわけにはいかん!｣

ヤンチャー｢やめろ!!｣

セブンチェンジャーは体内からヤンチャーを地上に降ろす。

ヤンチャー｢こら、何すんだ!!　おい、俺の命令が聞けねぇのか!｣

春夫｢彼は……｣

つくし｢まあ、あの子があのロボットさんに!?｣

ヤンチャー｢セブンチェンジャー、戻って来い!!｣

セブンチェンジャー｢許せ、王子……うおおお―――っ!!｣

セブンチェンジャーが右腕がレッドガイストの胸に当たる。

レッドロン｢小賢しいまねを……｣

レッドガイストの銃撃が炸裂する。

セブンチェンジャー｢うわああっ!!｣

ヤンチャー｢なあ……｣

ひかる｢ヤンチャー君……｣

ヤンチャー｢え?　おめぇら、こんな危ねぇところで何やってんだ!?　ここには解放点があるんだぞ!?｣

ひかる｢え?｣

ブッチョ｢あ、ダ・ガーンや!｣

シアンがグレートダ・ガーンGXを捕らえて現れる。

星史｢セブンチェンジャーが……｣

レッドロン｢ようやく届いたな。もう貴様には用はない!　死ね!!｣

レッドガイストの銃撃がセブンチェンジャーの銅を貫通する。

セブンチェンジャー｢ぐわああ!!｣

セブンチェンジャーはそのまま墜落する。

ヤンチャー｢セブンチェンジャー!｣

セブンチェンじゃー｢王子、大丈夫だ……私のことは、死んではいない……｣

星史｢ダ・ガーン、セブンチェンジャーにエネルギーを分けてやれ!!｣

ダ・ガーン｢了解……｣

ダ・ガーンの額からエネルギーがセブンチェンジャーに放射される。

レッドロン｢身の程知らずが!!｣

レッドガイストがダ・ガーンに体当たり。

シアン｢ダ・ガーンを―――勝手に手を出すな―――｣

ダ・ガーンが墜落。

星史｢ダ・ガーン、大丈夫か!?｣

ダ・ガーン｢ああ。大丈夫だ!｣

ヤンチャー｢星史、しっかりしろ!!｣

後ろからヤンチャーが叫んでいた。

ヤンチャー｢星史、ここには最後の解放点があるらしいんだ。セブンチェンジャーも危ねぇし、お前が負けちまったら、この地球は……この宇宙はどうなっちまうんだ!?｣

ひかる｢大丈夫よ｣

ヤンチャー｢え?｣

ひかる｢星史君は負けないわ!｣

ヤンチャー｢だけどよ……｣

根元｢星史君って……じゃあ、ダ・ガーンには星史君が!?｣

ひかる｢星史君!　お母さんがテレビで世界中に伝説の心の言葉を知らせてるわ!!　地球みんなの全てが星史君とダ・ガーンを応援してるのよ!!｣

星史｢母さんが!?　そうか……よーし、ダ・ガーン!　みんなの応援を無駄にするな!!｣

ダ・ガーン｢了解!!｣

ダ・ガーンが立ち上がる。

シアン｢そうだ―――向かって来い、ダ・ガーン―――伝説の力、オーボス様に捧げるために―――｣

ダ・ガーン｢グレートボンバー!!｣

シアンが毒を吐くが、バリアによって交わされる。

シアン｢レッドロン―――貴様にこいつを預ける―――殺すなよ｣

シアンはどこかに飛び去る。

レッドロン｢ああ……｣

ダ・ガーンはレッドガイストの銃撃を交わしながらダ・ガーンブレードでレッドガイストを突き刺す。

一方、シアンは活性化装置を用意する。

ブッチョ｢アカン!　解放点の活性化装置や!!｣

ひかる｢え?｣

活性化装置が地面に穴を開ける。

ブッチョが分身してどこかに向かう。

ブッチョ｢えらいこっちゃえらいこっちゃ!｣

胸のガ・オーンが火を噴く。

ダ・ガーンは活性化装置の元に向かう。

レッドロン｢バカ者……逃がさん!｣

レッドガイストはチェーンをダ・ガーンに巻きつけ、銃撃を繰り出す。

ダ・ガーン｢うわあああ!!｣

レッドロン｢貴様がいかに最低なクズロボットであるか、わが愛すべきレッドガイストによって証明する!　これが美学というものだ。ハハハハ!!｣

ダ・ガーンの装甲がボロボロに破壊されていく。

ダ・ガーン｢ぐわあああ……｣

ヤンチャー｢星史……セブンチェンジャー、いつまで寝てんだ!　立て!!　たってダ・ガーンの援護をしろ!!　あいつらをやっつけるんだ!　敵を取るんだ!!｣

蛍｢星と、定めを共にする者たちよ……星と、思いを共にせよ……｣

一同｢星と、願いを共にせよ……｣

レッドガイストがダ・ガーンを地上に叩きつける。

星史｢うわああ―――っ!!｣

シアン｢フッフッフ……ハッハッハ……さあ出でよ、伝説の力よ―――｣

謎の銃撃が活性化装置に炸裂する。

シアン｢何!?｣

戦車が到着。

ブッチョたちが乗っていた。

ブッチョ｢蛍はん、見ててや。ワイが止めてみせまっせ!!｣

ヤンチャー｢ああっ!｣

ひかる｢団長さん!｣

ブッチョたち｢ワイかて男や。やる時はやるんや!!｣

戦車の連続銃撃によって活性化装置が止まる。

ブッチョ｢止まった。やったやったで!!｣

シアン｢余計な真似を―――｣

シアンの光線が戦車に炸裂。

戦車が爆発。

ブッチョ｢うわああ!!｣

ひかる｢団長さん!｣

レッドロン｢もはやこれまで。ダ・ガーン、死んでもらう!｣

学者ロボがレッドロンに話しかける。

レッドロン｢うるさい!　伝説の力は出なかったのだ。ダ・ガーン、覚悟!!｣

｢待て!!｣

そこには剣を突き刺してふらつくセブンチェンジャーの姿だった。

セブンチェンジャー｢この星は……いや、この宇宙は……貴様たちだけのものではない。貴様たちを、許すわけにはいかん!!｣

落雷がセブンチェンジャーに落ちる。

ヤンチャー｢セブンチェンジャー!!｣

セブンチェンジャーが走り出す。

セブンチェンジャー｢ダ・ガーン、この星を守ってくれ!｣

レッドロン｢死に損ないが!!｣

セブンチェンジャー｢でやああ!!｣

それぞれの剣が互いの銅を貫通する。

ヤンチャー｢ああ……｣

セブンチェンジャー｢星史、王子を頼むぞ……｣

星史｢セブンチェンジャー!!｣

レッドロン｢貴様たちは負けたのだ。勝ったのはこの私だ!　ハッハッハ!!｣

セブンチェンジャーとレッドガイストがレッドロンもろとも大爆発。

ヤンチャー｢セブンチェンジャー!!｣

ダ・ガーン｢セブンチェンジャー……｣

黒煙から勇者の石が落ち、ヤンチャーはそれをキャッチ。

石の輝きが消え、ひびが入る。

ヤンチャー｢そんな……嘘だろ!?　セブンチェンジャー!!｣

シアンが活性化装置を修復してしまう。

星史｢ダ・ガーン、止めるんだ!　あの装置を破壊しなきゃ、みんな死んじまうぞ!!｣

ダ・ガーン｢了解……｣

シアン｢愚か者め―――｣

シアンがダ・ガーンに巻きつく。

ダ・ガーン｢があああ……｣

シアン｢フフフ。これで伝説の力が出ても、死あるのみ―――まだ生かしているだけありがたいと思え―――｣

ダ・ガーンのマスクが砕け、口が露になる。

星史｢ダ・ガーン、しっかりしろ!｣

ダ・ガーン｢星史……私はもう……｣

星史｢弱音を吐くなダ・ガーン!　信じるんだ。俺はまだ信じてるぞ!｣

活性化装置によって地割れが起きる。

ひかる｢助けて……本当に伝説の力があるのなら……助けて……｣

ダ・ガーン｢ぐわああ!!｣

世界中の人々が祈っていた。

光一郎｢地球よ……私も信じている……｣

美鈴｢お願い。伝説の力……地球を守って……｣

世界中の人々や動物から光が散らばる。

星史｢光……ダ・ガーン、聞こえないか!?｣

ダ・ガーン｢ああ。確かに……これは人々の声……動物たちやキリンの声……｣

星史｢地球だ。地球に生きる全ての生き物たちの声だ!!｣

ひかる｢え?｣

活性化装置が止まる。

光がセイバーズやランダーズにも吸収される。

ビッグランダー｢ん?　このエネルギーは……｣

マッハランダー｢すげぇ……俺たちを呼んでいる!｣

ドリルランダー｢みなぎってきたぜ!!｣

ターボランダー｢パワーが越えた……｣

シャトルセイバー｢導きの声だ!｣

シャトルセイバー、ターボランダー、ジャンボセイバー、ドリルランダー、ジェットセイバー、ビッグランダー、ホークセイバー、マッハランダーから光が抜き取られる。

ヤンチャー｢黄金の光だ……｣

蛍｢黄金の光、集いきて……新たな道を照らすであろう……｣

セブンチェンジャーの石も輝きを取り戻し、他の光とともにダ・ガーンに吸収される。

シアン｢何!?｣

ダ・ガーン｢星史……｣

星史｢わかってる。いよいよだ……｣

ダ・ガーンが黄金に輝き始める。

シアン｢ぐわああ―――っ!!｣

シアンはそれによって爆発する。

ヤンチャー｢ああっ……｣

ダ・ガーンの体は黄金に輝いていた。

星史｢ダ・ガーン……オーボス星に向けて、出動だ!!｣

ダ・ガーン｢了解!!｣

オーボス星に向かって地球を去るダ・ガーン。

オーボス星内

星史｢オーボス、出て来い!!｣

オーボス｢貴様はすでに、ワシの中にいる―――｣

ダ・ガーンが止まる。

オーボス｢さて、そのパワー、どのような味かな―――!?｣

星史｢オーボス!　伝説の力はお前が手に入れられるような力じゃない!｣

オーボス｢なぜわかる―――!?｣

星史｢この力は、地球と……地球に生きる全ての生き物の生命の証だ!!｣

オーボス｢ならばワシを殺してみよ―――伝説の力に触れて死ねるなら、本望だ―――｣

星史｢何だって!?｣

するとダ・ガーンのボディが砕け始める。

ダ・ガーン｢ぐおおお―――っ!!｣

オーボス｢この感触が伝説の力か―――｣

ダ・ガーンはオーボスの力に耐えてGバルカンとGバスターを発射。

オーボス｢伝説の力、もらった―――｣

ダ・ガーンが結界に閉じ込められる。

星史｢ダ・ガーン、頑張れ!!｣

ダ・ガーン｢ぐおおお―――っ!!｣

結界が破壊。

星史｢この光は、未来を照らす光なんだ!!｣

GバルカンとGバスターが合体。

ダ・ガーン｢GXバスター!!｣

GXバスターがオーボス星を次々と貫通。

オーボス｢ぐおおお―――っ!!｣

星史｢やったか!?｣

オーボス｢未来は、永遠の静寂の中にある―――｣

暗黒の光がダ・ガーンを包み込む。

オーボス｢貴様に、暗黒の未来を与えよう―――｣

星史｢冗談じゃねぇ……俺は明日を信じてるんだ。明日は……俺たちが作るんだ!!｣

オーボス｢これで死ねるのか―――｣

オーボス星が大爆発。

そこから黄金の光が散っていく。

レディ・ピンキーが宇宙を彷徨っていた。

ピンキー｢やったわね。あの子……｣

地球

ヤンチャー｢やったぁ。星史のやつが勝ったんだ!!｣

ひかる｢本当!?　星史君が勝ったの?｣

ブッチョ｢ほんまでんがな!　ワイら、勝ったんでっせ｣

ひかる｢団長さん!｣

ブッチョ｢へへへ。ワイだけ生き残りましたんや……｣

ひかる｢うっそぉ!｣

ヤンチャーはダイレクターから両親の形見を取り出す。

ヤンチャー｢父上、母上……ついにやったよ!!｣

根本｢あっ!　本官のパトカー!!｣

春夫・つくし｢え?｣

根本｢うわ!!｣

ダ・ガーンが宿っていたパトカーが門の上に墜落し、大破してしまう。

ひかる｢星史君は!?｣

蛍｢あそこ｣

ひかる｢え?｣

空に光る1つの光。

その中で星史が気を失っていた。

｢星史……星史｣

星史が目を覚ます。

ダ・ガーン｢心配は要らない。残ったエネルギーで、君を守っているのだ……｣

星史のそばにノーマルのダ・ガーンの幻が現れる。

ダ・ガーン｢我々は、再び眠りに入る……｣

星史｢え?　じゃあ……｣

ダ・ガーン｢そうだ、お別れだ｣

星史｢そんな……｣

ダ・ガーン｢我々の使命は、終わったのだ。あとは、君たちが道を作るのだ……｣

星史｢新たなる道……!?｣

ダ・ガーン｢そうだ。そろそろ、エネルギーが尽きていく……星史、さよならだ｣

星史｢ダ・ガーン!!｣

ダ・ガーン｢君が言っていた未来……私も、信じている｣

ダ・ガーンはそのまま消えていく。

星史｢さよなら……ダ・ガーン!!｣

風が吹く。

星史｢風だ……故郷の風だ。父さんや母さん、ひかるや蛍やみんなの、故郷の風だ。みんながいて、俺がいる。今まで、これからも……きっと、ずっと……!｣

これからの未来は星史たちが作っていく……。

 

(終)