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電撃戦隊チェンジマンの最終回


さらば宇宙の友よ


大星団ゴズマの支配者・星王バズーの秘密を探る為、伊吹長官、シーマ、ナナ、ゲーターは母艦ゴズマートに乗り込んだ。


伊吹「このデータを見ろ。もうすぐ地球にはハレー彗星が近づく……ところがそのハレー彗星に隠れるようにして、謎の星が地球に向かってるということだ! このまま行けば……その星は地球に衝突するんだ!」
ゲーター「何やてぇ!? ほなら、地球は!?」
伊吹「この大きさ、このスピードでぶつかられたら、地球は吹っ飛んでしまうぞ! このデータはゴズマートが、謎の星を誘導していた証拠だ。みんな、バズーの作戦に違いない!」

あちこちから火花が吹き出す。

ゲーター「大変や! ゴズマートが爆発するでぇ!」
ナナ「きゃあっ!」
伊吹「大丈夫か!?」
ナナ「助けて……剣さん……!」

一方、宇宙を行くシャトルベース。

艦内にはチェンジマンの剣 飛竜、疾風 翔、大空勇馬、渚さやか、翼 麻衣の5人。

さやか「剣さん、救難信号よ!」
剣「方位、AS-28・G1-04、フルパワー!」

シャトルベースがゴズマートに追いつく。

大空「ゴズマートだ……」
剣「皆、乗り込むぞ!」

ゴズマート艦内に剣たちが乗り込み、伊吹長官たちを見つける。

剣たち「長官! ナナ!」「ゲーター!」「シーマ!」

そのとき、宇宙空間に星王バズーの姿が浮かび上がる。

伊吹「星王バズー……!」
疾風「バズー……?」
さやか「バズー!」
剣「あいつが……星王バズー!」
バズー「チェンジマン! 伊吹! そして……裏切り者どもよ! よくもこの星王バズーに逆らい、楯突いてくれたな? だがこのわしの最後の作戦は、もう止められんぞ! まずお前たちから、血祭りに挙げてやる!」

あちこちで爆発が起き、艦の崩壊が進む。ギョダーイが悲鳴を上げながら逃げ惑う。

ギョダーイ「ギョダ〜イ……ギョダ〜イ!」
ナナ「ギョダーイ!? ……ギョダーイも助けてあげて!」
大空「よし、任しとけ!」


一同は何とかゴズマートの爆発から逃れ、シャトルベースに逃げ込む。

麻衣「え……地球に星がぶつかるんですか!?」
伊吹「間違いない! ゴズマートのデータ分析によると……あと24時間!」
さやか「24時間……!?」
疾風「ハレー彗星の宇宙ショーに見とれている間に、そんな恐しい星が近づいているなんて……」
剣「何としても、食い止めるんだ!」

剣たちが操縦席につくが……

麻衣「おかしいわ……? 現在位置が出てこないわ!」
剣「何!?」
大空「コンピューター、計算不能です!」
さやか「シャトルベースは方角を失っているわ!」
剣「!?……地球は……どこだ!?」
疾風「駄目だ……太陽も見えない……ハレー彗星もどこかわからない……俺たちは、宇宙の迷子になっちまったんだ!」
シーマ「どうしたらいいの……? こうしている間にも、恐ろしい星がどんどん地球に向かってるのよ!」

剣が呆然と宇宙空間を見詰める。そのとき、宇宙の彼方に、光り輝くものが……。

疾風「どうした、剣?」
剣「何かが光った……おい! 何だあれは……こっちに来るぞ! 見ろ!」

シャトルベースの前方にメモリードールが出現する。

疾風「メモリードールだ……」
剣「メモリードール……」
麻衣「どうしてここに……!?」

シャトルベース艦内に、メルル星人さくらが姿を現す。

疾風「さくらさん……!」
さくら「皆さんとお別れしてから、ずっと宇宙の平和を願って参りました。悪魔の星を止めてください……さぁ、メモリードールがご案内します!」

さくらが思念を込め、メモリードールを動かす。
剣たちが再び操縦席につき、メモリードールを追う。

さやか「ハレー彗星よ!」

シャトルベースの前方にハレー彗星、そしてその尾に隠れて謎の惑星が。

伊吹「ついに見つけたぞ……!」
剣「これが地球を狙っている星かぁ!」

突如、シャトルベースを衝撃が襲う。
謎の惑星からの凄まじい引力により、シャトルベースとメモリードールは強制的に惑星上に不時着を強いられる。

剣たち「皆、行くぞ!」「よし!」

一同が変身。チェンジドラゴン、チェンジグリフォン、チェンジペガサス、チェンジマーメイド、チェンジフェニックスとなり、謎の星の大地に降り立つ。
空中にバズーの巨大な姿が浮かび上がる。

バズー「よくぞ、我がゴズマスターに辿り着いたな。だがお前たちがいくら力を合せても、もはやこの星からは生きて帰れんぞ! 私に逆らっても無駄なことを、思い知らせてやる!」
ドラゴン「バズー! 皆、行くぞ!」
4人「よし!」「OK!」

無数のヒドラー兵が出現。
チェンジドラゴンがチェンジソードで難なく切り捨てる。
だがいくら倒しても、地面からヒドラー兵が次々に出現してくる。

ドラゴン「一体どうなってるんだ!?」

ヒドラー兵が突然消え去ったり、また突然出現したりと、次第にチェンジマンを翻弄し始める。

ペガサス「逃げるな、このぉ!」
グリフォン「うわあっ! いつものヒドラー兵と違うよ、これ!」
ペガサス「ヒドラー兵がこんなに強いなんて、どうなってるんだぁ!?」
マーメイド「どんどん出てくるわ!?」
フェニックス「これじゃ、きりがないわ!」
ペガサス「バズーだ! バズーがヒドラー兵にパワーを与えてるんだ! バズーを狙うんだ!」
一同「よし!」「チェンジソード!」

5人が空中のバズー目掛けて一斉射撃。
だがチェンジソードのビームはバズーをすり抜け、逆にバズーから放たれた攻撃がチェンジマンを襲う。

一同「うわあぁぁ──っっ!!」

苦しんでいるチェンジマンを見かね、伊吹長官が咄嗟にシャトルベースから飛び出す。

伊吹「行くぞ! バズ──ッ!!」

その姿が真の姿であるヒース星人ユイ・イブキの姿へと変わり、さらに光球と化し、バズー目掛けて突撃。

伊吹「だぁぁ──っっ!!」
バズー「うわぁ──っ!!」
ドラゴンたち「長官──!」

バズーの姿が掻き消える。
伊吹も吹き飛ばされて人間の姿に戻り、大地に転がっているメモリードールに叩きつけられ、メモリードールが粉々に砕ける。

ドラゴンたち「長官──!」

チェンジマンたちが伊吹に駆け寄る。
地面にバズーの姿が浮かび上がり、巨大な口で6人を飲み込んでしまう。

ドラゴンたち「うわあぁぁ──っっ!!」

不気味な空間へと吸い込まれる6人。

ドラゴンたち「長官!」「しっかりして下さい!」「一体ここはどこだ!?」
伊吹「あれは……バズーではなかった!」
ドラゴン「え!?」
伊吹「ホログラフィー……ま、幻だ」
フェニックス「何ですって!?」
グリフォン「じゃあ……本当の星王バズーは?」

6人のいる空間が激しく脈動し、不気味な霧が噴出して6人に浴びせられる。

ペガサス「おい、みんな気をつけろ! 体が溶かされるぞ!」

四方八方から触手が伸び、6人を締め上げる。

ドラゴン「皆、チェンジソードで斬るんだ!」

チェンジソードで触手を叩き斬り、何とか拘束を振りほどく。

ドラゴン「早く、ここから脱出するんだ!」
長官「気をつけろ!」

空間内を逃げ惑い、どうにか脈動のない穏やかな場所へ逃げ込む。

フェニックス「ここなら安全ね……」
伊吹「この星は生きてるんだ……さっきの場所は消化器官。私たちは溶かされて、食べられるところだったんだ」
ドラゴン「そうか……わかったぞ! この星がバズーなんだ、この星全体が星王バズーなんだ!」
ペガサス「何だって、この星が……!?」
ドラゴン「いや、星じゃない。正確に言えば、こいつは星の形をした、とてつもなく巨大な生命体なんだ!」

虚空にバズーの姿が浮かび上がる。

バズー「その通り……チェンジマン。わしは宇宙の生命体を食い尽くして大きくなってきた。今度は地球を食ってやる!」
ドラゴン「そんなことをさせるかぁっ!!」
バズー「わしの体の中からは出られぬ!」
ドラゴン「黙れ! 伊吹長官は命懸けでお前の正体を暴いてくれた! ナナちゃんやシーマ、ゲーターにさくらさん、皆が勇気を出して、協力してくれたんだ! それを無駄にしてたまるか! 皆、それに応えるのが俺達チェンジマンだ! 最後まで頑張るぞ!」
4人「よし!」「OK!」
バズー「黙れっ!!」

バズーの口から火炎が吹き出し、チェンジマンたちに浴びせられる。逃げ惑う一同。

グリフォン「さっきの場所に戻ってしまった!」
ペガサス「どうすりゃいいんだ!?」

そのとき、一同の傍らにバラバラのメモリードールが転がっている。彼らと共に飲み込まれたらしい。

ドラゴン「メモリードール……そうだ! パワーバズーカでギョダーイに合図して、メモリードールを巨大化させるんだ!」
4人「よし!」「OK!」
ドラゴン「ドラゴンズーカ!」
グリフォン「グリフォンズーカ!」
ペガサス「ペガサスズーカ!」
マーメイド「マーメイドズーカ!」
フェニックス「フェニックスズーカ!」
5人「パワーバズーカ!!」
ドラゴン「セット!」「ファイヤーッ!!」

5人のズーカ砲が合体、必殺砲パワーバズーカが火を吹く。
いつもパワーバズーカで倒れた獣士を巨大化させている条件反射か、砲撃音を聞いたギョダーイがシャトルベースを飛び出す。

ナナ「ギョダーイ!?」
シーマ「ギョダーイ、待って!」
ナナ「どうしたの、ギョダーイ?」
ギョダーイ「ギョッギョギョギョギョ〜ッ!」

砲撃音の方向目掛けてギョダーイが巨大化光線を発射。
メモリードールの破片に光線が浴びせられる。

ドラゴン「やったぞ!」
ペガサス「ギョダーイの巨大化光線だ!」

砕けていたメモリードールが修復され、巨大化し、ゴズマスターの大地を突き破る。
裂けた大地から、チェンジマンと伊吹長官も姿を現す。

ナナ「皆、無事だわ!」
伊吹「おぉ! メモリードールが巨大化したから脱出できたんだ」

空には地球の姿が。

ペガサス「ち……地球があんな近くに!」
ドラゴン「早くしないとぶつかってしまうぞ!」
伊吹「皆、早くシャトルベースに戻れ!」
一同「はい!!」

一同がシャトルベースに走る。

ドラゴン「俺達はチェンジロボに乗り込むんだ!」
4人「おう!」「OK!」
ドラゴン「行くぞ!!」
4人「おう!」「OK!」

チェンジマン5人がチェンジロボに搭乗。ゴズマスターを飛び立つ。

ドラゴン「電撃剣!!」

電撃剣を構えたチェンジロボが、ゴズマスター内部へと突入。

ドラゴン「皆……覚悟はいいな?」
グリフォン「死ぬときは一緒だ!」
マーメイド「OK!」
ペガサス「よっしゃ!」
フェニックス「うん!」
ドラゴン「電撃剣・スーパーサンダーボルト!!」
バズー「う……!? うわああぁぁ──っっ!!」


チェンジロボの電撃剣の前に、ゴズマスターは宇宙の藻屑と化した──


富士の裾野。

剣たちチェンジマン5人と電撃戦隊の隊員たち。
伊吹長官、ナナ、シーマ、さくら、ゲーター一家、ギョダーイ。
地球人一同と、宇宙人一同が向かい合う。

剣「敬礼っ!!」

剣の号令で、一同が敬礼を交わす。

伊吹「宇宙には、バズーに破壊された沢山の星を再建する仕事が残っている。私はそのために……一生を捧げようと思う」
剣「長官……!」


チェンジペガサス・剣 飛竜。
チェンジグリフォン・疾風 翔。
チェンジペガサス・大空 勇馬。
チェンジマーメイド・渚 さやか。
チェンジフェニックス・翼 麻衣。

5人の心に、今までの戦いの記憶が蘇る。


伊吹をはじめとする宇宙の仲間達が、シャトルベースで宇宙へ飛び立つ。

剣たちが大きく手を振り、それを見送り続ける。


戦いの中で
宇宙人とチェンジマンに様々なドラマが生まれた

どんなに遠く離れていても 姿形は違っていても
宇宙に生きとし生ける者すべて
愛し合い、信じ合い、平和を願う気持ちは同じなのだ

地球で芽生えた愛と信頼を乗せて今
シャトルベースは宇宙へ帰って行く……


おわり
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