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ゾイドジェネシスの最終回

ジーンの攻撃により、ラ・カンを失った討伐軍。
だが、皆の総意によりルージに全指揮権が与えられ、ジーン討伐の意思はますます揺るぎ無いものとなる。
ルージ指揮する討伐軍は、機械兵の真実を目の当たりにして、次々と離反しはじめるディガルド兵たちと手を結び、ついに打倒ジーンへの最後の決戦を迎えようとしていた。

各地でルージと討伐軍の行く末を心配する人々。

カトゥーン

ラルル
「我々としてゾイド修理の技術を始め考えうる限りの援助をルージ君に与えたえてきた………。だが、それも負ける可能性は捨て切れない、バイオティラノは桁外れの強さだ」

ロジ
「もし、そうなったら」

ラルル
「そのときには刺し違えてでもジーンを止める……。それがソラの末裔たる、我々の使命だ」


ピクル村

子供
「ルージがいるのはあっちの方?」

ピクル村村長
「そうだ、ルージ君達討伐軍は、この世界のみんなを守るために戦っているんだ」


ハラヤード

領主のストーン・ハーラとルージの家族が遠方を見つめる。


サクサ村

村人
「どうなったでしょうね。ジーンと討伐軍の戦い」

ジンゴ
「知らん」

興味なさげにジンゴはお茶を飲む。

ジンゴ
「討伐軍が勝てば、わしは天寿を全うできる。負ければ村ごと吹っ飛ぶ……それだけだ」

村人
「あっ…」

ジンゴ
「うん?」

そんな中、サクサ村のジンゴの前にとある人影が…


―再生―



バイオラプターに圧し掛かられて身動きが取れないムラサメライガー。
そんな時、バイオティラノがバイオ粒子砲を撃とうと迫る。


ルージ
「あ……あ…」

ミィ
「ルージっ!!」

ミィは心配するもバイオラプターに邪魔されルージの元に駆けつけられない。

ソウタ
うおおおおおッ!!

そこに、ソウタのランスタッグが大剣・ビーストスレイヤーを突き出しバイオティラノに突っ込む。

ソウタ
(今、こいつで口の中を攻撃すれば、バイオティラノは吹っ飛ぶはずだ)

しかし、バイオティラノは粒子砲を撃つのをやめ、ビーストスレイヤーを咥えてソウタのランスダッグを地面にたたきつけた。

ソウタ
「うっ…うああああ!」

ミィ
「ギンちゃんっ!」

そのままバイオティラノはビーストスレイヤーを押さえつけ、ソウタのランスダッグの動きを封じる。

ソウタ
「くっ…そぉおおおっ…!」

ジーン
「うん、小僧!聞き覚えのある声だな…」

ソウタ
「ジーン!」

ジーン
「そうか、ソウタだな!神のしもべである輝かしい地位を捨て、何故我と戦う?」

ソウタ
「仲間のためにだ!」

ジーン
「ふん、ならばおまえから滅ぼしてくれよう」

ビーストスレイヤーを咥えたままバイオティラノはソウタのランスダッグを激しく振り回し、何度も地面に叩きつけた。

ジーン
「ふはははははは!」

ソウタ
「ぐあああああっ!」

さらに、バイオティラノはコックピットを執拗に踏みつけソウタのランスダッグの角が破壊される。

ミィ
「ギンちゃん逃げて!」

そのままバイオティラノはソウタのランスタッグのコックピットを踏み潰そうとする。

ジーン
「お別れだ、小僧」

そのとき、宙よりフェルミのバイオプテラが飛来する。

コトナ
「バイオプテラ!?」

バイオプテラが真上から、バイオティラノに向けてヘルファイヤーを撃ち込む。
背中にヘルファイヤーの直撃を受けバイオティラノの注意がそれる。


ジーン
「…くぅっ…ええぃ…!おのれ…!」

フェルミ
「ソウタ…!」

バイオティラノはおもむろにソウタのランスダッグのビーストスレイヤーを引きちぎる。

ジーン
「所詮は愚か者であるか」

狙いを定めバイオティラノはビーストスレイヤーを上空のバイオプテラへ向けて投げつける。
突然の反撃をバイオプテラは避け切れず直撃を受け、レッゲルと血でコックピットが赤く染まる。


フェルミ
「…っ…ぅ…」

地上に落下しバイオプテラは爆破四散する。

ソウタ
フェルミ―――っ!!

泣き叫ぶソウタ。

ジーン
「神にたてついた報い貴様も受けるがいい」

続いて、バイオティラノはソウタのランスダッグに止めを刺そうとする。

ルージ
やめろぉぉぉ!

そこに突っ込むムラサメライガーのブレードをバイオティラノは副腕・リブ・デスサイズで受け止めた。

セイジュウロウ
うおおおおおッ!!

しかし、その隙を突いて左方から突撃してきたソウルタイガーに、捕縛していたランスダッグを奪われる。

ジーン
「なにっ!?」

ミィ
「セイジュウロウ…。ギンちゃん大丈夫!返事して!」

ソウタ
「僕は何とか…でもこのランススタッグはもう…」


バイオティラノは尻尾・テイルジャベリンでムラサメライガーを吹っ飛ばす。

ルージ
「うわあぁ!っ…!」

ボラー
「こちら左翼!敵に押されている!」

ルージ
「なんですって!?」

ボラー
「バイオティラノの破壊力を目の当たりにして兵達の間に動揺が広がっている、このままでは突破されてしまうぞ!」

ルージ
「バイオティラノの口だけでも破壊できれば、あの粒子砲は撃てなくなるはず!」

ムラサメライガーから高速戦闘形態ハヤテライガーにエヴォルトするルージ。
セイジュウロウのソウルタイガーと2体の高速攻撃でバイオティラノの口に攻撃をくりだす。


ルージ、セイジュウロウ
うおおおおおおおッ!!

ハヤテライガーの小太刀・ムラサメナイフとソウルタイガーの爪・ソウルバグナウがバイオティラノに向う。
しかし、バイオティラノは左右のリブ・デスサイズで斬撃を受け止め、そのまま2体を弾き飛ばした。


ジーン
「ふははははッ!速さだけがとりえのゾイドが神の雷をどうにかできると思ったか?馬鹿め!!神の雷がいかなるものか、今一度その身に教え込まねばなるまいな!」

倒れたハヤテライガーとソウルタイガーに対して、バイオティラノはバイオ粒子砲の発射体勢に入る。

ルージ
「みんな、逃げて下さい!」

ザイリン
「君も逃げろ!」

ルージ
「え!?」

バイオティラノがバイオ粒子砲を放つ直前、バイオヴォルケーノがバイオ粒子砲を放つ。
ルージ達を守るようにバイオヴォルケーノの粒子砲がバイオティラノの粒子砲を押し留めた。


ジーン
「何っ!? バイオ粒子砲!?」

ルージ
「ザイリン!」

ザイリン
「今こそ共に戦おう!うおおおおぉぉ―――!

バイオ粒子砲同士壮絶な撃ち合いの末、ザイリン渾身の粒子砲がバイオティラノの粒子砲の射線を逸らすことに成功。
爆煙が収まるとそこにバイオティラノが…。至近距離で粒子砲の爆風に巻き込まれたにもかかわらず動き出す姿に驚愕する一同。


コトナ
「動き出したわ!」

ガラガ
「うなっ!馬鹿なッ!」

ロン
「恐ろしいくらい頑丈だね…」

ザイリン
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…しかし、その様では二度と神の雷などというものは撃てまい!」

ザイリンが言うように、バイオティラノの口の砲塔は消し飛んでいた。

ルージ
「バイオティラノはもうあの粒子砲を撃てません!もうジーンを恐れることはないんです!全軍反撃を開始してください!」


その知らせを聞いて士気が高まる討伐軍。全軍総攻撃を開始する。

ダンブル
「これでまともに戦えるぞ!若者どもよワシに続け!」

ダンブルが乗るケーニッヒウルフMk-IIがコマンドウルフ部隊を率いて突撃する。

ガゼル
「討伐軍より入電!バイオティラノの粒子砲大破!」

ボラー
「よし、全軍前へー!」

ボラー少将の指示でディガルド軍の量産型メガラプトルが進軍する

ホー
「進めー!撃てー!」

ホーが率いるセイバータイガー部隊が進軍する。

ガボール
「みんな頼むよ! 突撃!」

シルバーのブラストルタイガーに乗るガボールの指示でグレーのセイバータイガー部隊が進む。

ティ・ゼ
「皆の者、この機会を逃してはならんぞ!進め!」

ア・ラン
「撃てー!」

黒いブラストルタイガーに乗るティ・ゼの指示でア・ラン達、赤いセイバータイガー部隊が進む。

ハック
「うおおおおおおおッ!!」

ハックの乗るエレファンダーがバイオラプターを蹴散らす。

ロン
「まだまだあるんだ」

バンブリアンは大量のバンブーミサイルを発射。
空中で四散し、広範囲に散らばったリーオの弾がバイオゾイドを一掃する。



ルージ
「今ならバイオティラノを倒せます!」

ジーン
「ふん、人が神を倒せるわけがなかろう」

狙われたソウルタイガー。一撃目をバイオティラノの右側へ跳躍して回避。
放たれたリブ・デスサイズによる二撃目も、ソウルタイガーの前脚で凌ぐ。
しかし、そのがら空きの胸部にサンダーハッキングクローが深々と突き込まれていた。


セイジュウロウ
「なにっ!?」

ジーン
「ゾイドにはゾイドコアというものが埋め込まれている…それを破壊されればその二度と動くことはない」

コアを破壊され機能を停止していくソウルタイガー。

セイジュウロウ
「ソウルタイガー…」

ルージ
「セイジュウロウさん!」

ジーン
「ふはははは!いくぞ愚かなる人間どもよ!」

バイオティラノの咆哮が戦場に轟く。


討伐軍は各地で戦いを繰り広げている。

ハック
「絶対引かねえぞ! 仲間の仇を討つんだ!」

ザイリン
「こう敵味方が入り乱れてしまっては…」

ケーニッヒウルフMk-IIのスコープがバイオティラノを捉える。

ダンブル
「いただきぢゃぁ!」

ケーニッヒウルフMk-IIのデュアルスライパーライフルから発射されたリーオの弾がバイオティラノに向う。
二発のリーオの弾は、射線を遮ったリブ・デスサイズによって防がれバイオティラノの頭部に届かない。


ダンブル
「なんというヤツじゃ…」

ジーン
「ふん、神に届く弾などあるものか」

量産型バイオケントロがケーニッヒウルフMk-IIに迫ってくる。

ダンブル
「こりゃいかんわ…」

四方を量産型バイオケントロの大群に囲まれケーニッヒウルフMk-IIは逃げ道をふさがれる。

ダンブル
おのれぇぇええっ!!

量産型バイオケントロのビーストスレイヤーがケーニッヒウルフMk-IIを貫く。


徐々に押され始める討伐軍。あちらこちらに味方のゾイドの残骸が…

コトナ
「なんてことなの、さっきまであんなに優勢だったのに…」

不意にレインボージャークのコクピットが衝撃に襲われる。

コトナ
「うわっ!」

振り向けば、左翼を量産型バイオトリケラのアンカー・ヘルツインホーンに貫かれていた。

ガラガ
「コトナァァァ!!」

飛行ゾイドとしての機動力を奪われたレインボージャークは、バイオラプターのヘルファイアーを鬼のように浴びる破目に…

コトナ
「きゃああああっ!!」

そのままレインボージャークは地上に引き摺り下ろされてしまう。
量産型バイオトリケラの大群がレインボージャークを襲う。


ガラガ
「ここは頼んだぜ!」

デットリーコングの投げた斧を喰らい、レインボージャークを拘束する量産型バイオトリケラが爆破四散する。

ガラガ
「みんな離れてろっ! こいつを使う! 全てを破壊し尽くす!この左腕をォ!

デットリーコングは左腕の封印を解き放ちシザーアームを解放。

ガラガ
「ぐおおおおおおっ!」

デットリーコングはシーザーアームを突き出し量産型バイオトリケラに向って突き進む。
レインボージャークに群がる量産型バイオトリケラを一掃し、そのままバイオティラノに挑む。


ジーン
「うん!?」

しかし、バイオティラノの装甲は破壊できず、リブ・デスサイズでシザーアームを止めらてしまう。

ガラガ
「なにっ!」

ジーン
「全てを破壊し尽くす? 笑わせてくれる」

あざ笑うかのようにバイオティラノはデットリーコングの左腕を握り潰す。
デットリーコングは右腕で殴りかかるが、バイオティラノはリブ・デスサイズで掴んで受け止め握り潰す。
サンダーハッキングクローがゾイドコアを貫きデットリーコングは機能を停止していく。


ガラガ
「てめぇっ…待てよ…」

コアを失い停止寸前となってなお、闘志を振り絞りバイオティラノに追いすがるガラガ。
しかし…その眼前には見渡す限りの量産型バイオケントロの大群が…


ガラガ
「…っ!!」

ルージ
「あ…!」

コトナ
「ああっ…!?」

デッドリーコングに量産型バイオケントロのバックランスが降り注ぐ。
バックランスを全身に浴びつつも、背後のレインボージャークの盾となり身を挺してコトナを守り切った。

ルージの仲間が次々と倒れていく中、ザイリンのバイオヴォルケーノがバイオティラノへと突撃する。
バイオティラノの両腕・副腕の四段攻撃を弾き飛ばし、ジーンと正面から渡り合うザイリン。
バイオヴォルケーノのクリスタルパインがバイオティラノに突き刺さる。しかし…コアまで届かずにヘシ折れてしまう。


ザイリン
「駄目だ!浅い!…ぐっ…」

バイオティラノのテイルジャベリンの一撃がバイオボルケーノを吹き飛ばす。
陸上空母ディグに激突し、バイオボルケーノはそのまま下敷きになる。


ルージ
「ザイリンっ!!」

ロン
「ルージ君!バイオティラノの装甲には相当がたがきている。今ならわざわざ口の中を狙わなくても倒せるはずだよ」

ルージ
「分かりました」

ハヤテライガーは攻撃特化型のムゲンライガーへとエヴォルトを遂げた。
バンブリアンは二本の槍を射出し、さらにモーニングスターを構える。


ロン
「これならバイオティラノといえどもすべての攻撃を避けることは不可能!」

バンプリアンとムゲンライガーが同時攻撃の態勢に入る。
しかし、バイオティラノはバンブリアンが放った二本の槍を受け止める。


ロン
「何っ!?ぐぅああああっ!!」

さらに、槍を返されバンブリアンは刺し貫かれる。そのまま、バイオティラノはバンブリアンを捕らえた。
迫りくるムゲンライガーに対してバイオティラノはバンブリアンを盾に使う。


ルージ 
「バンブリアンを盾に!?」

ロン
「躊躇するな! 構わずに斬るんだ!」

ジーン
「終わりだ…」

その一瞬の隙を突いたバイオティラノのサンダーハッキングクローがムゲンライガーのコアを貫く。

ルージ
「うぅああああっ!!」

コックピットの計器の光が消え、停止していくムゲンライガー。

ルージ
「そ、そんなぁ…」

ディスプレーに灯る『無限』の文字も消えムラサメライガーに戻る。

ルージ
「死ぬな、ライガァァァッ―――――――――!!

ルージの叫びも虚しく、ライガーの体は地面に落下し、ムラサメブレードも外れてしまう…

ルージ
ムラサメライガァァァッ――――――――!!

機能を停止したムラサメライガーにバイオティラノがゆっくりと歩み寄る。

ジーン
「エヴォルトするライガーか、お前はただ倒すだけではすまさん。全ての人間の希望を打ち砕くために見せしめとしてゾイド乗りとともに無様な最後を遂げねばならぬ……砕け散れー!

四本の腕を振りかざし、バイオティラノはムラサメライガーに斬りかかる。

ミィ
させるもんですか!

そこにミィのランスタッグが立ちふさがり、バイオティラノの攻撃を防ぐ。

ミィ
ルージには指1本触れさせない!

ジーン
「ランスタッグごときに、なにができる!

相手にならないとバイオティラノはランスタッグを無造作に投げ飛ばす。
しかし、ランスダッグはすぐに体勢を立て直し、バイオティラノに挑む。


ミィ
「ルージは私が守るんだから!」

ジーン
「うるさい小娘が、すぐに黙らせてやる」

バイオティラノのリブ・デスサイズがランスタッグの左前脚部と右前脚肩部の槍・スラスターランスを切り裂く。

ルージ
「ミィ!?」

ミィ
「ルージが生きてる限り……あなたの思うように、ならないわよ!いつかきっと……みんなが笑顔で暮らせる、平和な世界が来るわ…!」

ジーン
「うるさい!」

サンダーハッキングクローがランスダッグの角・トゥインクルブレイカーを圧し折る。

ジーン
「お前にはもっとも苦しむ最後を与える」

ランスタッグの胴体を持ち上げ、バイオティラノは身動きが取れないランスタッグをグシャグシャに噛み砕く。

ミィ
「きゃあああっ!あああああああっ!」

ルージ
「頼むっ!動いてくれムラサメライガー!みんなを…!仲間たちを…!ミィを救いたいんだ…!!お願いだっ……!!

コックピットの画面にルージの涙が落ちる…


突如、ルージに過去の記憶が蘇る。
弟・ファージが初めてゾイドを動かしたときの記憶が…


ラージ
「なに、ファージが…」

ミン
「ええ、ビームトータスを動かせたんですよ」

ラージ
「そいつはよかった」

シオ
「やれやれ、これでファミロン家も安泰だねぇ…ルージがゾイドをまったく動かせないと知ったときはどうなるかと…」

ミン
「お母さん、その話は…」

ゾイド乗りの家系に産まれながらまったくゾイドを動かせなかったルージ。その話を聞いてしまい、涙する。

ルージ
「…うぅっ……ご先祖様…お願いです、一体だけでいいから俺に動かせるゾイドを…っうう…」

先祖代々伝わるご神体の大刀に願うルージ。


ルージ 「そうか、ムラサメライガーは俺の願いを聞いて!そうだったのか…」

そこに、ゾイドコアの鼓動が…

ルージ
「だったら、もう一度だけ俺の願いを聞いてくれ!」


その頃、バナ達がソラシティから持ち出した資料でエヴォルトについて調べている。

バナ
「エヴォルトといういうのはいったん自らを解体し、再構成させる作業だったんだな。破壊と生産、生と死とを繰り返しているんだ」

パラ
「するとムラサメライガーは…」

バナ
「強烈な再生能力をもっているということだ」


光だすムラサメライガーのゾイドコア。

ルージ
ムラサメライガ―――!!!

ディスプレーに消えていた『村雨』の文字が灯り、計器が、モニターが再び光を放つ。
ゾイドコアが再び動き、ムラサメブレードと合体しムラサメライガーは完全に復活する

バイオティラノの口腔部に咥えられ、ミィのランスタッグは今にも噛み砕かれそうになる。


ミィ
「るー、じ…」

ルージ
ミィィィィィッ!!

今まで以上に格段に素早い機動で通り過ぎたムラサメライガーはミィのランスタッグをバイオティラノから奪い返した。

ミィ
「ルージ…」

復活したムラサメライガーを見て安堵の表情を浮かべるミィ。

ジーン
「馬鹿な!ゾイドコアは完全に破壊したはず!?ん?」

バイオティラノの右前方に、迫り来るデットリーコングの姿が。

ガラガ
「俺もまだ動けるぜっ」

ジーン
「こいつ、ゾイドコアを2つ持っていたのか」

デッドリーコングの背部から伸びる副腕がバイオティラノを押さえ込み、バイオティラノは思うように動けない。
そこにバイオティラノの左前方から、ザイリンの駆るバイオヴォルケーノが各所ブースターを全開にして突進してきた。


ザイリン
「ヴォルケーノは、まだ死んではいない!」

ジーン
「なにっ!」

デットリーコングがバイオティラノにヘルズマスクの一撃を叩き込む。
さらにヴォルケーノが口に咥えたクリスタルパインでバイオティラノを突き刺す。


ザイリン
うああああぁぁぁ!

ザイリンの猛々しい叫びと共に再びクリスタルパインをバイオティラノに突き刺す。
度重なる攻撃でバイオティラノの外壁が崩れ、遂にそのコアが顔を除かせた。


ロン
「ルージ君!ティラノのゾイドコアがむき出しになっている、あれを狙うんだ!」

ルージ
「はい!」

疾駆した勢いをそのまま、前に飛び出したムラサメライガーの体が光る。
そして光から飛び出したムラサメライガーはエヴォルトしムゲンライガーとなった。


ルージ
「この一撃で全てを終わらせる!」

ジーン
「詰めが甘いッ!」

バイオティラノはリブ・デスサイズでデットリーコングとバイオヴォルケーノを持ち上げ盾にする。
そこへ一閃、後方から現れたソードウルフのバイオクラッシャーがリブ・デスサイズを切り裂く。


ルージ
「ラ・カン!」

ラ・カン
「ルージ、今だ!」

ルージ
「はい!」

両方の刀から光を出し、バイオティラノに突撃するムゲンライガー。

ジーン
うおおおぉぉぉ―――――――――ッッッ!

ルージ
戦いはこれで終わりだあぁぁぁっ!!

そしてムゲンライガーの両の大刀が刃の間に挟み込むようにバイオティラノのゾイドコアを捉えた。
切り込みの勢いでムゲンライガーよりも巨大なバイオティラノが吹き飛ばされる。


ジーン
馬鹿な!我は神であるぞぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!

ムゲンライガーがバイオティラノを突き抜け、上下に両断されたバイオティラノは大爆発を起こす。

バイオティラノの消滅と共にバイオゾイドに使われた魂もジーンの強制コントロールから解放され、天へと上っていく。


村人
「間に合ったみたいですね匠」

ジンゴ
「うむ」


ソードウルフから降りてくるラ・カンに駆け寄るミィ。

ミィ
「おじ様っ!よかった…本当によかった…」

ロン
「でもよく無事だったものだね」

ラ・カン
「皮肉なものだ、バイオトリケラのバーリアの力に助けられのだ。後は運よくサクサ村までたどりつき…」

ふと、丘の下を見ると歓喜する討伐軍の皆が…

コトナ
「これで、終わったのね…」

ルージ
「はい」

討伐軍の皆の前でルージが言葉を放つ。

ルージ
「ジーンの軍勢はみんなの奮戦によってここ自由の丘に滅び去りました!今、ここに、ジーン討伐軍の勝利と戦いの終わりを宣言します!」

一同
YOーYOーYOー!!YOーYOーYOー!!

去ろうとするザイリンに声をかけるダンブル。

ダンブル
「行くのかい?お若いの…本当に大変なのはこれからだよ」

ザイリン
「私にもやるべきことがたくさんあるのでね。ルージ君によろしく伝えてくれ。また、会える日を楽しみにしていると」

ルージ
「帰ろう、ミロード村へ…」

エンディングテロップへ。
荒地を一人走るムラサメライガー。
ゾイドコアが拍動する音の中、ジェネレイターが直ったミロード村の遠景で終わる。

Fin
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