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●前回までのあらすじ

”守護聖石(ガーディアンダイヤモンド)”の力で聖地ブリリアントにたどり着いた勇者ミコトとその仲間たち。
”運命の塔”に導かれたミコトは全ての守護聖石(ガーディアンダイヤモンド)を手に入れ、ここに”無敵の盾(ソードブレイカー)”
は真の力を取り戻した。

一方、勇者を抹殺せんとする大預言者(マスター)ズールは、自ら聖地ブリリアントを急襲し、ミコトの前に立ちはだかる。

今まさに、”運命(さだめ)”と呼ばれる戦いに決着がつこうとしていた・・・・







●最終話 〜HEAVEN〜







  (運命の塔の内部。神の妨害を突破し壁に穴を開けたズールがミコトの前に立つ)

神「たのむぞ勇者よ! 人間の未来を守ってくれ!!」

  (神の声が響く中、最後の戦いの幕が上がった)

ズール「ホウ・・・オマエが勇者か・・・いつの間に先を越されたか知らないが・・・」
ミコト「ズール! オマエに勝ち目はないぞ!!」
   「失われた六つの聖石(ダイヤ)がすべてそろい『無敵の盾(ソードブレイカー)』の能力(ちから)は完全になったのだ!!」
ズール「どうかな・・・」

 カッ(胸を光らせるズール)

ズール「ためしてやるぞ!!!」

  ズバアァァ(胸よりエネルギー波を放つズール)



  ドゴゴゴゴオオオ(衝撃で運命の塔が激しく揺れ動く)

  ビシビシビシ(トランスとサーナが見守る前で、運命の塔には無数のヒビが入っていく)

トランス(ミコト!)
サーナ(ミコリン!!)



  (運命の塔内部。ズールのエネルギー波を受けたミコトはしかし傷ひとつ負っていない)

ミコト「ムダだ! オマエに勝ち目はない!」
ズール「!!」

  (さすがに驚くズール)

ミコト「ズールよ」「オマエも魔人になる前は・・・・・・人間だったのか!!?」
ズール「そーだ」
ミコト「なぜだ!!」「『アバル復活』の狂気にとりつかれたとはいえ・・・・・・なぜ世界中の人々を無残に殺すことできる!!」
   「なぜ!!」

  (激しく問い詰めるミコトに対してズールは・・・・)

ズール「オレは・・・人間のぬくもりを知らない・・・・・・」
ミコト「どういう意味だ」
ズール「オレの体は・・・生まれながらにして”病”におかされていたのだ」



  (全身に異様なアザのようなものが浮かぶ赤ん坊のズール)

ズール「”悪魔の奇病”といわれ恐れられた不治の伝染病にな!」
   「オレの母親はオレを抱くことなく死んでいった」
   「オレからの感染者・・・第1号としてな」

  (赤ん坊と同じような痣が全身に浮かび、苦悶の表情で息絶える女性)

ズール「オレの体に指1本でもふれた者は・・・瞬く間に皮膚や内蔵をまるで鉄が錆びるかのように腐食させ絶命する!」
   「だがオレは抹殺されずに生かされた・・・」
   「治療のためではない・・・”悪魔の奇病”を戦争の道具にするためにな!」

  (全身に包帯を巻かれ檻に入れられて移送されるズール)

ズール「地獄のような年月だった」
   「もはや時間の感覚は消えうせ、オレの体にふれるものは注射針・不気味な実験器具・革のベルト・鎖・・・・・・」
   「そして・・・・・・まるでおぞましい毒虫を見るかのような視線・・・それらの”冷たい”感触だけがオレのすべてだった・・」
   
  (パイプで繋がれ注射器や実験器具で体を弄ばれるズール。その目からは涙が・・・・)

ズール「やがてオレの五感は崩壊し・・・極限状態の精神の中で・・・さまよえるアバル様の”怨念と”と出会い一つになったのだ!!」

  (誕生した異形の大預言者ズールは、その場で実験をしていた人間たちを粉砕した)



  (ズールのあまりに凄惨・過酷な生い立ちを知り絶句するミコト)

ズール「オレは人間に対して何の感情も感覚も身につけていない・・・」「オレにとって人間どもは道端に転がる無数の石ころと同じだ」
   「だが・・・・・・オマエは違う!!」

  (ミコトを指差し声を荒げるズール)

ズール「オマエは『アバル神』の復活を邪魔する憎き存在だ!! オレの持てるすべての力でオマエを殺す!!」
   「ヌオオオオオオッ!!!」

  ドゴオオオオ(腕を組み力を噴出させるズール)

  キイイイイン(鎧の太陽の紋章が反応するミコト)

ズール「死ねエエェェェ!!!!」

  グァア(ミコトに突撃するズール)

  カアッ(輝きを放つミコトの紋章)

ミコト「うオオォ!!!」

  ダッ(光に包まれ突撃するミコト)


  ズカッ(”無敵の盾”の鎧を纏ったミコトは、見事にズールを胴体を貫通した)



ズール「グオオオオオオオオォ!!」

  バリバリ(異常な輝きを放ち苦しむズール。その姿は魔人から人間に戻っていく・・・)

ズール「オオオオォォォォ」


神「みごとだ!! 勇者よ!!」



  (横たわるズールの前に立つミコト)

ズール「これで・・・勝ったつもりか・・・・・・・・・・・・」

  (口から血を吐き満身創痍のズール)

ズール「オレの肉体が滅びても・・・オレの・・・”怨念”は滅びない!」
   「千年前 勇者に殺されたアバル様の”怨念”がこの世をさまよいつづけたように・・・・・・」
   「今度はオレの”怨念”が次の邪悪なる者を探し出し・・・ふたたび『アバル神』を復活させるだろう」

  パン(鎧を分解するミコト)

ミコト「ズール・・・戦いは今日で終わりだ」
ズール「オレは・・・負けない・・・たった今から新たなる戦いが始まるのさ・・・」
ミコト「ちがう・・・」

  (微笑を浮かべズールの言葉を否定するミコト。ズールの前に膝をつき・・・優しく彼を抱きしめた)

ミコト「勝ちも負けも・・・もうないんだ・・・・・・」

神「何をする気だ勇者よ!」

ズール「バカめ! 忘れたのか・・・オレの体が”悪魔の奇病”におかされていることをーー」
   「死ぬぞオマエ!!」
ミコト「わかるかいズール・・・」
ズール「!?」

  (ジワジワと奇病におかされていくミコト。だがズールから離れることはない・・・・)



ミコト「これが人間の・・・・・・温もり・・・・・・だよ・・・」



  ドサ・・・(奇病に全身を冒され、倒れたミコト。もはや動くことはない・・・・)

ズール「バ・・・バカな・・・温もりを伝えるために・・・死ぬとわかって・・・」
   「奇病におかされたオレを・・・抱きしめてくれたというのか・・・!!」
   「ああああああああああああああああ!!!」

  (慟哭するズール。その姿はやがて砂のように崩れて消え去った・・・・)

  (トランスとサーナが見守る運命の塔。その頂上より二つの光が飛び立つ)
  (それはミコトとズールの魂なのか・・・・)


「そして二度とふたたびこの世に魔人があらわれることはなかった」

「”運命(さだめ)”という名の戦いはこうして幕を閉じた」





  (こちらは異世界。我々の世界だ)

  (ワタナベ産婦人科では赤ん坊の声が響いている)

   ダダダダ(階段を駆け上ってくるのは虎一だ)

虎一「わりい由佳ーーー!! 道がこんでて」

  (病室に飛び込んでくる虎一)

由佳「シーーーーー! 静かにしてよ!」
虎一「うぷ!」

  (ベットに座る由佳。隣の籠には赤ん坊がいる)
  (由佳にたしなめられた虎一は手で口をふさいだ)

  そ〜〜〜〜(ゆっくり動いて音を立てないように近づく虎一)

虎一「うオ〜〜〜〜なんか猿みてえだな・・・・・・ハハ・・・」
由佳「虎一(パパ)にそっくりでしょ・・・」
虎一「ん? なんかおでこにアザみてえなのがあるぞ」
由佳「ああ・・・別に心配ないって・・・母子ともに健康よ!」
虎一「そっか・・・元気ならいいや! 男は顔(ツラ)じゃねえからな!」



  (虎一と由佳に授かった赤ん坊。その額には紋章が・・・・勇者ミコトの紋章が確かに存在していたのであった・・・・・)



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