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侍戦隊シンケンジャーの最終回
 

遂にシンケンジャーと外道衆の最後の決戦が始まった。

シタリ「封印の文字が効かないとわかってて仕掛けてくるとはねぇ……昔っからシンケンジャーってのは、私たち外道集より命を大切にしない奴らだったよ」

ドウコク「だから気にいらねぇ……人間なら人間らしく命乞いして、泣き喚けばいいものを……が、今日上げさせてやろうじゃねぇか! 命乞いじゃねぇ……早く殺してくれって悲鳴をな!」

シタリ「うん……」

ドウコク「突っ込め!! シンケンジャー!!」
 

最終幕
侍戦隊永遠
 

六門船から血祭ドウコクが飛び降りる。

ドウコク「シンケンジャー……」

レッド「血祭ドウコク!」

ドウコクの胸には封印された傷跡が残っていた。

レッド(確実に封印の傷跡を狙う!)

薫《志葉家のモヂカラは、破壊的だ。お前がというよりディスクを持たない。使えるのはおそらく……1回だ》

レッド「1回……」

レッドはインロウマルにディスクをセット。

スーパーシンケンレッドとなる。

レッド「流ノ介」

ブルー「はっ! 茉子、ことは。殿の進路の確保を……源太は後ろを守れ!」

ゴールド「よっしゃ!」

イエロー「はい!」

ピンク「了解」

ゴールド「任せとけって」

ブルー「千明は私と!」

グリーン「丈瑠の盾になるんだろ!?」

ブルー「ああ……」

レッド「狙うは血祭ドウコク! 行くぞ!!」

シンケンジャーが猛スピードでナナシ連中に挑む。

レッド(この一撃……絶対に!)

ブルーたちは一気にナナシ連中やノサカマタを一掃。

ドウコク「来い……絶望ってのを……教えてやる」

ピンク「丈瑠!」

イエロー「今です」

ドウコク「はっ!」

ブルーとグリーンがレッドの盾となり、ドウコクの攻撃を受ける。

レッド「志葉家19代目当主……志葉丈瑠、参る!!」

レッドのスーパーシンケンマルがドウコクの封印の傷跡を突き刺す。

グリーン「行け!」

レッド「はあっ!!」

ドウコク「なるほど……ちったぁ、考えてきたらしいな……」

レッド「え?」

ドウコク「が、こんな程度じゃ俺は倒せねぇぜ……でやあっ!!」

レッド「うわあっ!」

ドウコクがレッドを投げ飛ばす。

一同「丈瑠!」「丈ちゃん!」「殿!」

ブルー「失敗か……」

ドウコク「所詮てめぇらは偽者ってことだ……」

するとレッドのディスクが砕ける。

ドウコク「さぁて……てめぇらが泣き叫ぶまでどれくらいかかるか……はぁっ!!」

ドウコクの衝撃波によりダイゴヨウが吹き飛ぶ。

ゴールド「ダイゴヨウ!」

ドウコク「さあ、泣け! はぁ!!」

一同「うわああっ!!」

ドウコクの猛攻により変身が解除。

丈瑠たちは倒れる。

ドウコク「ああ? 聞こえねぇな……命乞いならもっとでけぇこえで言え!」

千明「誰が……」

茉子「戦いはまだ、これからでしょ?」

ドウコク「それだ……その目! どうして泣き喚かねぇ? 助けてくれと言わねぇ!? さっさと絶望して見せろ!!」

一同「うわあっ!!」

ドウコク「シンケンジャー……すぐには殺さねぇぞ。てめぇらの目の前に、志葉の小娘の首を置いてやろうじゃねぇか……せいぜい楽しみに待ってることだな」

ドウコクはその場を去る。

丈瑠「ま、待て……」

丈瑠は気を失う。

志葉家

志葉薫がもう1枚ディスクを作ろうとすると、丹波歳三が止めに入る。

丹波「おやめください!」

薫「離せ! もう1枚ディスクを……」

丹波「そのお怪我ではとても……ディスク1枚作るだけでも、お体に相当なご負担があったのですぞ!?」

薫「いいから離せ!」

薫は丹波の制止を振り切り、文字を書こうとするが、倒れてしまう。

丹波「無茶でございます……それに影……いや……ご当主たちはドウコクに敗れ……もう……」

薫「生きているならもう1度立つ!」

丹波「いや、それは……」

薫「立つ! 丈瑠は……絶対に戦いをやめない。丈瑠が影と知っても……そばを離れなかった侍たちも同じだ! 私はそう見込んだから……彼らに託した。だから私も今できることを!」

丹波「しかし……姫は志葉家の……」

薫「丹波、なぜわからぬ?」

丹波「……」

薫「志葉家だけが残っても意味はないのだ!」

薫が立ち上がる。

薫「この世を、守らなければ……その思いは皆同じはず……皆が力を合わせれば、きっと……」

「殿ー!」

日下部彦馬が現れ、ナナシ連中に挑む。

彦馬「殿!」

源太「ジイちゃん……」

丈瑠「お前たち……立てるよな?」

千明「当然でしょ」

源太「ちょっと休んでただけだ」

ことは「うちも……」

茉子「この程度で倒れてたら……この世も人も守れない!」

流ノ介「我々全員……この1年で嫌というほど!」

千明「ああ……!」

ことは「絶対に……外道衆を!」

6人は剣を構え、ナナシに斬りかかる。

彦馬「殿ー! 皆も大丈夫か!?」

丈瑠「ああ……すぐにドウコクを追う」

流ノ介「大丈夫です……」

ことは「きっと勝ちます」

千明「ジイさん……全部終わったら、うまいもん食わせてくれよな」

彦馬「わかった! お前たちの好きな物、全部用意しておく!」

茉子「楽しみにしてます」

源太「こいつ頼む」

源太はダイゴヨウを彦馬に託す。

源太「ダイゴヨウ……帰ってきたら直してやるからな」

ダイゴヨウ「親分……」

丈瑠「行くぞ!」

流ノ介「はっ!」

丈瑠たちはドウコクの元へ向かう。

彦馬「どうか……」

丈瑠たちが破壊された町にやってくると、丹波が跪いていた。

布から薫の作ったディスクを取り出す。

丹波「これを。姫が渾身のディスクです」

茉子「お姫様が?」

ことは「あんなに怪我してはったのに……」

丈瑠がディスクを受け取る。

もう1枚ディスクを取り出す丹波。

丹波「それからこれは……不肖、丹波が得意とするモヂカラ……ご武運を……」

町では、人々がナナシ連中から逃げ惑う。

太鼓の音

振り向くと丈瑠たちがいた。

ドウコク「てめぇら……待ってろと言ったはずだぜ!?」

源太「わりぃな……俺たちもせっかちでな……」

丈瑠「その先へは行かせない……お前を倒し……必ずこの世を守る! シンケンレッド、志葉丈瑠!」

流ノ介「同じくブルー、池波流ノ介!」

茉子「同じくピンク、白石茉子!」

千明「同じくグリーン、谷千明!」

ことは「同じくイエロー、花織ことは!」

源太「同じくゴールド、梅盛源太!」

丈瑠「天下御免の侍戦隊!」

一同「シンケンジャー、参る!!」

変身前の生身の姿のまま、名乗りを決める6人。

ドウコク「しょうがねぇ……そんなに死にたきゃ始末してやる」

丈瑠たちが猛スピードでナナシ連中に突き進む。

一同「はぁ―――っ!!」

幾多の戦いを潜り抜けた6人に雑兵のナナシ連中など敵ではない。刃が次々にナナシ連中を一掃する。

丈瑠がショドウフォンを構える。

5人「一筆奏上!!」

源太「一貫献上!!」

最後の変身を遂げる6人。

ドウコク「あきらめろ! てめぇらは俺に勝てねぇ!!」

レッドを除く5人のモヂカラがドウコクの動きを封じ込める。

ドウコク「ちゃちな真似してくれるじゃねぇか……」

烈火大斬刀に「双」のディスクをセット。

すると烈火大斬刀がもう1本出現。

レッド「はぁ―――っ!!」

2本の烈火大斬刀がドウコクを切り裂き、突き刺す。

するとドウコクの衝撃波がレッドを後ろに下がらせる。

レッド「今だ!!」

グリーンたちがドウコクを押さえつける。

するとブルーがモヂカラのディスクを発動。

ブルー「ドウコク、覚悟!」

ブルーのシンケンマルが封印の傷跡を突き刺す。

そしてとどめの一撃が炸裂。

するとドウコクは再び衝撃波を発射。

6人の変身が解除。

ドウコクはもがき苦しみ、大爆発。

ことは「やった……」

千明「いや、まだ。まだ2の目がある……」

ドウコクが巨大化再生。

ドウコク「おのれシンケンジャー! 生きて終われると思うな!」

源太「こっからが……本当の力ずくか……」

丈瑠「ああ……」

一同「折神大変化! 全侍合体!!」

11体の折神が合体。サムライハオーが完成。

6人が生身で乗り込む。

一同「サムライハオー、天下統一!!」

ドウコクの猛攻に怯むサムライハオー。

ドウコク「へっ。無駄にでけぇなりしやがって。てめぇらに勝ちはねぇんだ! はぁっ!!」

ドウコクの猛攻がサムライハオーを吹き飛ぶ。

コックピットがボロボロになる。

ことは「やっぱり……2の目になっても強い!」

茉子「力ずくって言っても……そうは持たないかも」

源太「それでも倒す。はぁっ!!」

丈瑠「待て! モヂカラを使うな……」

5人「え?」

丈瑠「小出しにするな……残ったモヂカラ全部……一撃に集中する!」

千明「一撃!? 外れたら終わりか……」

丈瑠「だから絶対はずさない至近距離まで突っ込む……どんなに攻撃されても……バラバラになっても……たとえ折神1体になっても突っ込む!」

流ノ介「なるほど……わかりました!」

茉子「覚悟はできてる」

千明「いけるって。ジイさんたちに飯、約束したしな!」

丈瑠「いくぞ! 全員モヂカラを集中しろ!」

サムライハオーが前に進む。

ドウコク「とっとと倒れちまえ。はぁっ!!」

ドウコクの猛攻にサムライハオーから烏賊、海老、牛折神が分離。

テンクウシンケンオーとなる。

ドウコク「てめぇら……何の真似だ?」

ドウコクの猛攻が続く。

源太「みんな……がんばれ!」

テンクウシンケンオーから兜、舵木、虎折神が分離。

シンケンオーのみとなった。

ドウコク「この……なんでてめぇらはあきらめるってことを知らねぇ? はあっ!!」

ドウコクの猛攻によりシンケンオーのコックピットはすでにボロボロ。

丈瑠「今のうちに言っておく。お前たちと……一緒に戦えてよかった。感謝している」

丈瑠の一言にハッとする5人。

千明「何だよいきなり……?」

流ノ介「殿……私の方こそ!」

ことは「うちもです……」

茉子「6人一緒だから、戦ってこれたんだし」

源太「丈ちゃん……巻き込んでくれてありがとな」

千明「っしゃあ! 行こうぜ。最後の1発だ!」

一同「はあっ!!」

ドウコクの剣がシンケンオーの胴を突き刺す。

6人が剣を抜くとダイシンケンにモヂカラが注入。

一同「はあっ!!」

シンケンオーがドウコクに斬りかかる。

ドウコク「ぐわああっ!! シンケンジャー……」

ドウコクがシンケンオーにしがみつく。

ドウコク「俺がいなくなっても……いつかてめぇらも泣く時がくる……三途の川の隙間は……開いてるぜ……」

ドウコクがシンケンオーもろとも大爆発。

これにより三途の川と六門船があの世に戻る。

シタリ「ドウコク、太夫……悪いが私は生きるよ。三途の川だって……泥の中だって……生きることが私の外道さね! うわーっ!!」

六門船がシタリもろとも三途の川に沈んでいく。

遂に外道衆は滅び去ったのだ。

彦馬が町に駆けつける。

するとそこへ現れたのはふらついた6人だった。

彦馬「殿……お前たち! 殿!」

丈瑠たちが喜ぶ。

志葉家

薫と丹波が屋敷を去ろうとする。

丈瑠と彦馬が見送りに来ていた。

薫「丈瑠……志葉家を頼む。ドウコクを倒したとはいえ、三途の川がある以上、志葉の当主は必要……」

丹波「姫はこの丹波がしっかりと育てますゆえ、19代は頼みますぞ。ご当主……」

丈瑠「ああ……」

彦馬「お気をつけて……」

薫たちは黒子たちとともに屋敷を去る。

丹波「姫。お見合いでもと考えておるのですが……ちょっと顔が長いんですがな」

薫が丹波をハリセンでたたく。

薫「気が早い」

丹波「姫! お待ちを」

一方、黒子は千明の荷物を運んでいた。

千晶「サンキューな、黒子ちゃん!」

ことはや茉子も荷物を持って集まる。

彦馬「お前たちも忘れ物はないな? もう1度部屋を見ておけよ」

茉子「大丈夫です……彦馬さん……お世話になりました!」

彦馬「寂しくなるな……茉子はハワイか……」

茉子「はい。しばらく両親と暮らして、また戻ってきます」

千明「いいなぁ……俺も海外、行っちゃおうかなぁ!?」

流ノ介「お前はその前に大学受験のし直しだろう!」

千明「ふんっ!」

ことは「流さん……京都で歌舞伎する時ゆってな。お姉ちゃんと観に行くし」

流ノ介「みんなにもね、招待状送るからね……」

ことは「うん!」

千明「あ、俺はいいや」

流ノ介「って、おい!」

源太「おーいお前ら! これ、選別」

千明「お、ナイス!」

源太「俺、去年雑誌に乗ったろ? で……ここはもう1つ飛躍を目指して、おフランスはパリで屋台引こうかってな!」

4人「パリ!?」

ダイゴヨウ「パリは、三ツ星の本場ですから。いや……」

流ノ介「お前ここイタリアになってるぞ!」

源太「え?」

千明「恥ずかしい!」

一同がざわめく中、丈瑠が現れる。

丈瑠「仕度……できたのか!?」

一同が集まり、座り込む。

流ノ介「殿!」

茉子たちは辛そうの表情を取る。

すると流ノ介が立ち上がる。

流ノ介「お別れの前を一指し!」

一同「え?」

流ノ介が舞を始める。

源太「丈ちゃん……おフランスの土産、楽しみにしてろよ!」

ダイゴヨウ「行って参りやす」

ことは「殿様……ほんまに……ほんまにありがとうございました……」

千明「ま、追い越すのは……次に会った時だ。忘れんなよ」

茉子「外道衆が現れたら、いつでも飛んでくるし……あ。でも人見知りは直したほうがいいかも」

丈瑠「ああ……じゃあな」

流ノ介が舞を終えると源太たちは去っていく。

彦馬「行ってしまいましたな……ここがこんなに広いとは……」

丈瑠「……なんだ。ジイも孫のところへ行くんじゃないのか!?」

彦馬「なんの。孫にはいつでも……それよりジイはこれから、殿に侍以外の生活も体験していただこうかと思いまして……まずはカルチャー教室などいかがかと。パンフレットも、この通り! 料理、英会話、カラオケ。あ、ちなみジイは、これを……」

彦馬が丈瑠にギターを見せる。

彦馬「どうです殿も」

丈瑠「いい。1人でやってろ……」

彦馬「試しに持ってみるだけでも……ほら、殿!」

ナレーション「皆で掴んだこの世の平和……その中への旅立ちは、嬉しいながらも、少し寂しい……それでも、いつかまた会うときもある。侍たちの心は晴れ渡り……侍戦隊シンケンジャー、これにて一件落着!」
 

(終)
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