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ゼクス「完全平和を作る為には条件がある。」
リーブラの中央に立っているガンダムエピオン(以下エピオン)が翼とビームソードを展開する。
ヒイロのウイングガンダムゼロ(以下ゼロ)がエピオンに向かってくる。
ゼクス「ひとつは全ての兵器を排除すること。
    もうひとつは人々から……戦う意思を取り除くことだ!」
エピオンがバーニアを吹かし飛び立った瞬間ウイングゼロがバスターライフルを発射。
エピオンはすんなりと回避する。
ゼクス「リーブラを落とす!
    この行動しか完全平和への道は無い!!」
エピオンのビームソードとゼロのビームサーベルがぶつかり合い、ウイングゼロは距離を置く。
ヒイロ「地球を失った人々はお前を憎み、コロニーはお前に頼る!
    お前がいる限り同じ過ちが何度も繰り返される!!」
ウイングゼロは肩のマシンキャノンを発射。
エピオンはそれを回避しヒートロッドをバスターライフルに巻きつけ弾かせる。
ゼクス「!!」
ヒイロ「!!」
完全なビームサーベルでのぶつかり合いとなる。


その戦いをノインが見ている。(トーラスのコックピットから)
ノイン(ゼクスは、ここは死に場所と考えている……。
    それは、戦いによる潔い結末を求めているからではない……。
    人類粛正の罪を……一人で被るつもりなのだ!
    ヒイロがその事に気づいているはずだ!気づいているはずなのに……)

そして巨大要塞リーブラは主砲を封じる為に突っ込んだピースミリオンと共に地球に向かって降下を始める。



                     ー最後の勝利者ー



OZ(オズ)宇宙基地MOーU(エムオーツー)
レディ・アン(以下レディ)「兵の撤収状況は?」
兵士「80%は無事生還しました。
   しかし、MSは壊滅的です。67%は破壊されたものと思われます。」
レディ「よし!残りのMSは回収と同時に破壊しろ!」
兵士「は?」
レディ「全ての兵器はこの地球圏には残しておいてはならない!
    それがトレーズ閣下の意思だ!」
(トレーズは前話で戦死している。)
?「ふーん、なるほどね。」
レディ「!?」
声のしたほうを振り向くとそこにはサリー・ポゥ(以下サリー)とハワードとリリーナがいた。
サリー「トレーズ・クシュリナーダも完全平和を目指していたのね。」
兵士「何者だ!?」
兵士が銃を抜こうとするがレディに差し押さえられる。
レディ「……ようこそ、女王陛下。」
兵士「女王(クイーン)リリーナ……!?」
ざわめく基地内。
リリーナ「どうかもう、その呼び名はやめてください。」

一方ピースミリオンのブースター近くに一機のMSが近づいていた。
死神の様なMSもとい、ガンダムデスサイズヘル(以下デスサイズ)である。
リーブラの内部にて不運にも(?)発見してしまったガンダムの開発者である4人の技師を運んでいるのである。
通路に着くとバスターシールドで壁を破壊しアクティブクロークを開く。
デュオ「さあ到着したぜ。」
ドクターJ「ご苦労じゃったな、デュオ。」
デュオ「後はよろしく!
    俺は外の奴らの相手をしてくるぜ!」
ドクターJ「おい!ドンパチはここでやるなよ!邪魔になる。」
と言った側からMD(モビルドール)ビルゴUが迫ってくる。
デュオ「敵に言ってくれよ、敵に!」
そしてデスサイズはビルゴに向かって突っ込んでいく。


MOーUでは、レディが拳銃をリリーナに差し渡そうとしていた。
レディ「見ての通り魂の抜け殻ですが、どうか父上のご無念をお晴らしください……。」
何せリリーナの養父(ドーリアン)を自らの手で殺めてしまったから当然の報いだと思っている。
しばらくするとレディに近づくリリーナ。しかし拳銃を受け取らず退かせる。
リリーナ「もう終わりにしましょう。復讐も、戦いも。」
レディ「…………はい。」

ハワード「さて、問題のリーブラとピースミリオンだが……。」
兵士「それなら既に被害範囲を予測し、落下地点には避難勧告も出しています!」
ハワード「避難勧告じゃと!?馬鹿を言うな!!
     あの二つ戦艦の被害は質量だけの問題ではない!!」
どういうことか説明する為コンピューターを操作する。
ハワード「もしあの戦艦の動力炉が大気圏を抜けて、地上で爆発するようなことになれば……
     たとえ一時被害は数100キロでも、爆発によって巻き上げられた塵は、太陽光線を遮り
     地球全土の寒冷化をもたらすのじゃ!」
リリーナ「そんな……」
サリー「地球は、人の住める所じゃなくなるわね。」
ハワード「回避するには機動を逸らすか、大気圏外で爆破するか。
     どちらにしても難しい……。」
レディ「いや、望みはある。
    ガンダムが一機、ピースミリオン動力部付近にいる。」
リリーナ「ヒイロですか?」
レディ「いや、恐らくガンダム02。(ゼロツー(OZ内でのデスサイズのコードネーム))」
ハワード「デュオか。ならあいつらも一緒か、確かに望みはあるな。」
サリー「他のガンダム達は?」
兵士「現在、MDが動き回っていて確認できません。」
不安な表情をするリリーナ。


一方リーブラの内部ではMDコントロールルームでトロワがナイフでコードを切っている。
MDのコントロールを壊す為だ。
トロワ「俺は戦い続けてきた。その度に心を殺し続けてきた。
    だから俺の心はとっくの昔にカラッポになっている。
    人間として生きている価値などないのかもしれない。……しかし生きて行かなければならない。」
ドロシー「何故?」
トロワ「…………俺には、帰る場所がある。」
ドロシー「……私(わたくし)には、もう帰る所なんて何処にもないわ。」
作業を終えるとカトルのもとに寄る。ドロシーとの戦いで負傷している為カトルは息を荒くしている。
トロワ「立てるか?カトル。」
カトル「ト……トロワ。お……お願いが……僕のことより、彼女を……。」
思わずドロシーはカトルのほうを向く。
トロワ「心配するなカトル。あいつは自分を見失うほど弱くはない。」
カトル「そ……そうだね。」
カトルの肩を抱えコントロールルームを後にする2人。そこにドロシーに向けてヘルメットが飛んでくる。(恐らくトロワが投げた)
それを受け取るドロシー。
トロワ「急いだ方が良い。」
カトル「……死なないで。」
二人が部屋を出るとドロシーはヘルメットを抱えて泣き出す。

一方ビルゴUはデスサイズと交戦中に動きを止める。
デュオ「!?、動きが止まった?」
通信が入る。
デュオ「トロワか!」
トロワ「任務完了した。これより合流する。」
デュオ「了解!……おっ?カトルは!?」
カトル「僕なら大丈夫です。」
しかし傷が疼くのか苦痛の表情を浮かべている。
デュオ「よーし!この仕事がうまくいったら、極上のシャンパンを飲もうぜ!!」
カトル「良いですね。でも、ノンアルコールでね……。」

MOーU
兵士「ノイン特尉!ノイン特尉!こちらMOーU、応答願います!」
サリー「彼女を呼んでどうするつもりなの?」
レディ「いずれ分かる。
    問題は、時の流れが私の予想を上回っているかどうかだ。」
通信が繋がる。
兵士「特佐、繋がりました!」
モニター越しで敬礼するノイン。
ノイン「ご無沙汰しております特佐。」
レディ「ノイン、ヒイロとゼクスの戦いはモニターしているな?」
ノイン「はい。」
レディ「その映像をこちらにまわせ。」
ノイン「私はもうOZではありません!命令は聞けません!」
レディ「命令ではないよ、頼んでいるのだ。平和を願う同士として。」
ノイン「…………了解した。」
MO−Uのモニターにゼロとエピオンの戦いが映る。
リリーナ「ヒイロ……。」
レディ「この戦いを地球圏全てに送信するのだ!」
兵士「は?…………はい!」


そしてその戦いの映像は地球及び全てのコロニーに伝わった。
その様子にざわめく人々。
「何だあれは!?」
「ガンダム同士が戦っている!」
「戦争は終わったんじゃないのか!?」
レディ「この戦いはコロニー側にも地球側にも意味はありません!
    しかし、戦わなければならない必然があります!この戦闘は共にコロニーを守るための戦いだからです!
    AC(アフターコロニー)195年、戦闘の歴史の幕が下ろされようとしています!
    しかし、この2人が戦わなければ平和は来ないのです!!
    感じますか?この戦いが悲しさが!見えますか?この戦いの向こうにある平和が!
    ……この戦いは、皆さんに突きつけられた平和への問題定義です!!」
会議場ではレディの声に議員達が驚いていた。
「レディ・アン代表……」
「生きていたんだ……」

一方ピースミリオンの動力部ではドクターJらが作業をしていた。
ドクターJ「通常の噴射では軌道は変えられんな。」
プロフェッサーG「動力シリンダー内の圧力のリミッターを外すしかあるまい。」
ドクターJ「暴走を止めるために他を暴走させる。わしらが良く使う手じゃ。」
そして作業が完了する。しかし……
?「どうかそのまま動かないで頂きたい!」
銃を構えたカーンズが現れる。
ドクターJ「カーンズか、久しぶりだ……おぉ!」
銃声が鳴りJが肩を撃たれる。
カーンズ「動くな!と言ってます!」
ドクターJ「殺して構わんぞ!作業は完了した。」
カーンズ「あなた方には本当に手を焼かされます!
     我々のオペレーションメテオを何度邪魔をすれば気が済むのです!」
ドクターJ「(本物の)ヒイロ・ユイの復讐はガンダムだけで充分じゃろ……。
      前回も、今回も……」
カーンズ「あなた方がガンダムパイロットの命令内容を変更しなければ、人類の覚醒は
     もっと早く訪れるはずだったんですよ!」
ドクターJ「そうじゃな……。
      しかしわしらは地球と人類をもう少し買い被っておる!」
カーンズ「よせ!!」
プロフェッサーG「やはり今回も邪魔させてもらう!!」
プロフェッサーGがキーを押す。それとカーンズが同時発砲。
なんと大爆発が起こった。ガンダムの開発者らは運命を共にするのであった。



ドクターJらのお陰でピースミリオンのエンジンは起動し、リーブラを押し出していく。
ゼロとエピオンは依然戦っている。その様子をノインのトーラスが見つめている。
ヒイロ「お前とトレーズは同じだ!弱いものを守る為に大儀を振りかざす!
    しかしそれは決して、弱いものを助ける事にはならない!!」
ゼクス「弱者を作り出すのは強者だ!!
    “地球”という強者の存在が“コロニー”という弱者を作り、追い詰めていったのだ!!」
激しい攻防が続き、ゼロがリーブラのブロックに着地する。
しかしその瞬間揺れだし振動によって隙が生じエピオンにビームサーベルを弾かれてしまい、ビームソードを突きつけられる。
ゼクス「さあ、勝負あったぞ!」
ヒイロ「俺は弱い奴が嫌いだった。奴らはいつ自分が攻撃されるのかと絶えずオドオドしていた。
    誰も信じることが出来ず、言いたい事は何一つ言えない。そんな奴らを俺は許せない!!」
ゼクス「強者がそうさせるだ!!」
切りかかろうとした途端エピオンの後ろで爆発が起こる。
ゼクス「うわっ!」
ノイン「しまった!」
2機から引き離されるトーラス。
その隙にゼロはビームサーベルを拾い、エピオンに突きつける。
ゼクス「くっ!」
ヒイロ「ゼクス、強者など何処にもいない!人類全てが弱者なんだ!
    俺もお前も弱者なんだ!!」

再びMO−U
兵士「ピースミリオンとリーブラが地球から離れていきます!」
その報告を喜ぶ兵士達。……しかし
兵士「まだです!!リーブラの一部が、地球に落下していきます!」
レディ「何っ!?」
兵士「コロニー代表団の声明発表が入りました。」
「我々コロニー代表団は、世界国家の敗北宣言に対し、コロニーすべての一致を得た決議をここに発表する。
 我々はホワイトファングに要求の撤回を求め、地球の世界国家との共存を望む次第である。
 そして我々は、如何なる理由においても戦闘行為を排することを宣言し、これに世界国家が同調することを強く希望する。
 また我々の態度が不鮮明であったが為にこの戦争で、多くの人々に苦渋を強いた事を深く謝罪させていただく。」
軍のMSリーオーが撤退するなかデスサイズ、ヘビーアームズ、サンドロックが落下中のリーブラブロックへ向かう。
デュオ「くそっ、まだか!?」
カトル「少しでも破壊して、地球への被害を食い止めなければ……!」
3機が向かうなかアルトロンガンダム(以下アルトロン)が先行する。
トロワ「五飛(ウーフェイ)!?」
アルトロンの右手にはエピオンとの戦いで弾かれたツインバスターライフルが握られている。
ヒイロ「終わりだぞゼクス。」
ゼクス「いや、まだだ!」
ヒートロッドを振りブロックに穴を開ける。
ゼクス「私はまだ、自分を弱者と認めていない!!」
その穴に逃げ込むエピオン。それをゼロが追う。

ハワード「まずいな!」
サリー「動力システムは?」
ハワード「無論積んである。あのブロックだけでも世界の冬は終わらん!」
兵士「ガンダム02、03(ヘビーアームズ)、04(サンドロック)、05(アルトロン)
   Aブロックにとりつきました!」
リリーナ「!!、あの中にはお兄様(ゼクス)とヒイロがいるのでは!?」
レディ「あの2人は最後までカードを手放さないつもりか……」
リリーナ「ダメよ2人とも!ダメぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!!」
しかし、彼女の叫びは空しく響くだけであった。

ブロックの中でゼロとエピオンが激しくぶつかり合っている。
ゼロはマシンキャノンで応戦。
……まだぶつかり合っている。ヒートロッドをゼロにぶつけても怯まない。
そして未だに2機は戦う。
ヒイロ「コロニーは自らの判断で完全平和への道を歩み出した!
    お前の行為は無意味だ!」
ゼクス「所詮は血塗られた運命、今さらこの罪から逃れようと思わん!
    決着をつけるぞ、ヒイロ!!」
エピオンが突進する。
ヒイロ「!!」
ゼロもバーニアを吹かし突進する。
ヒイロ「未来は見えているはずだ!!」
ゼクス「おぉぉっ!!」
ヒイロ「てやぁ!!」
ゼロとエピオンが交差する!
結果、エピオンのコックピットに電気が走り、ゼロのコックピットは何も起きていなかった。
エピオンの左腕が切り落とされたのである。
そしてゼロは振り向かず立ち尽くす。
ゼクス「何故殺さない!?」
ヒイロ「リリーナが悲しむ。」
通信が突如入る。
カトル「ヒイロ!」
ヒイロ「カトルか?」
カトル「ああ良かった!このブロックは、まだ地球に降下しています。」
ヒイロ「分かった!この艦の動力システムを破壊する!」
ゼロはエピオンを背に動力炉へと向かっていく。
ゼクス「……くっ!」
ゼクスは戦い負けた為か悔しがる。

デュオ「でやぁ!!」
デスサイズがツインビームサイスで内部を切る。
デュオ「こんな破片、地球に落ちる前にバラバラにしてやるぜ!!」

ヘビーアームズがビームガドリングガンと胸部ガドリングで内部破壊を試みている。
トロワ「最後まで望みを捨てない。……この機体に乗って学んだことだ!」

サンドロックもヒートショーテルで破壊している。
カトル「せ……成功の確率はほとんどない。で……でも、何もしないよりはましだ!」
しかし、破壊作業の途中で爆発が起こり吹き飛ばされる。
カトル「うわぁぁぁ!!……!?」
強い衝撃が来るかと思われてたが、何かに支えれらる。マグアナック隊である。
ラシード「大丈夫ですか!?カトル様!!」
カトル「み、みんな!だ……ダメじゃないか!こんなトコまで来ちゃ……」
ラシード「水臭いですぜ!俺達もお手伝いします!」
アブドル「ここまで来たら一蓮托生ですよ!」
ラウダ「やらせてください!カトル様!」
カトル「す……すまないみんな。」

動力炉の前にゼロが立っている。
ヒイロ「これが……。」
ビームサーベル電源を何故かカットしマシンキャノンで破壊を試みようとするが、エピオンとの戦いで使い果たした為
弾は出なかった。
ヒイロ(残された手段は……自爆装置か!)
(なんでビームサーベルでやらないのやら……)

兵士「リーブラAブロック、大気圏突入まであと200秒!もう限界です!!」

ヒイロ「さようなら……リリーナ。」
いざ意を決して自爆装置のスイッチを押そうとしたその時、エピオンがゼロの前に立ちはだかる。
ゼクス「完全平和の為に必要なものがもうひとつあった!
    人を思いやり、理解してやる強い心だ!お前の様な……。
    お前は純粋すぎる、そして優しすぎる。しかし、そうでなければ生きる資格がないということか……」
ヒイロ「…………………………。」
ゼクス「ならば私は、何処までも生き抜いてみせる!!」
エピオンがビームソードを振り下ろす。その刃先はなんと動力炉であった。
ヒイロ「ゼクス!」
ゼクス「誰よりも厳しく、戦士としてだ!!」
爆発でゼロが吹き飛ぶ。
ヒイロ「ゼクス!!」
ゼクス「また会おう!ヒイロ!!」
そしてエピオンは爆発と共に消えていく。

兵士「動力システム、爆破確認!
   しかし、依然一部が地球に落下中!燃え尽きません!!」
レディ「船体落下よる被害はやむ得ん!ガンダム達を脱出させろ!!」
五飛(通信)「待て!!」
レディ「!?」

多少ガタつきながらも脱出をはかるゼロ
ヒイロ「ゼロよ……俺を導いてくれ!」
途中で爆発が起こる。煙が晴れるとツインバスターライフルを持ったアルトロンがいた。
五飛「受け取れ!忘れ物だ!」
アルトロンからツインバスターライフルを受け取るゼロ。
ヒイロ「……任務了解!」
意を決しヒイロは最後の任務にかかる。

一方マグアナック隊と共に破壊活動を行なっているサンドロックでありますが……
ラシード「カトル様、もう限界です!脱出しましょう!」
カトル「みんなは先に脱出して!僕はまだ戦えます!」
アブドル「やれるだけやったじゃないですか!?」
ラウダ「このまま死んだら犬死ですぜ!!」
どうするべきか悩むカトル。……そこに通信が入る。
五飛「ヒイロにバスターライフルを渡した!」
マグアナック隊「おおっ!!」
ラシード「カトル様、聞こえましたか!?」
カトル「ああ!僕らはヒイロの邪魔になる、ここから離脱します!」

デュオ「よっしゃあ!」
デスサイズもブロックから離脱する。

トロワ「了解した!離脱する!」
ヘビーアームズも全ミサイルを撃ちつくしてから離脱する。

そしてリーブラブロックは大気圏に突入してしまった……。
兵士A「大気圏に突入しました!」
兵士B「先行する機体があります!……あれは、ウイングゼロ!?」
ゼロがMS形態で大気圏に突入していた。
リリーナ「ヒイロが……」
ハワード「いくらなんでも無理じゃ!」
サリー「いいえ、彼だったらやれるわ!」
兵士「しかし、大気圏の高熱の中ですよ!?」
レディ「いや、私の知っているガンダムはどんな困難も克服して来た!」
リリーナ「そうです!彼は信じられます!!
     ヒイロはみんなに、希望を与えてくれる人なのですから!!」

ゼロはある程度距離を置くと反転しツインバスターライフルを構える。
ヒイロ「!!」
しかし引力の影響か標準がなかなか定まらない。
なおもバーニアを吹かし踏ん張るも表面の装甲が剥げていきコックピットにも火花が走る。
ヒイロ「俺は……俺は……俺は………………
    俺は死なないっ!!!!」
そして標準が定まり、その瞬間ツインバスターライフルを最大出力で発射!
ビームはブロックに見事命中!そして大爆発を起こす。

その一部始終は4機のガンダムとマグアナック隊も見届けていた。

兵士「やりました!!破片は大気圏で燃え尽きます!!」
歓喜を挙げる兵士達。
リリーナ(ヒイロ……)
しかしリリーナはヒイロの安否を伺っていた。

閃光を見つめるガンダム達。しばらくして……
デュオ「来たっ!!」
閃光の中からバード形態のウイングゼロが現れた。
デュオ「やったな!ヒイロ!!」
五飛「ふんっ!当然だ!」
トロワ「ふっ、大した男だ。」
カトル「今分かりました。宇宙の心は彼だったんですね!」

コックピットでたたずむヒイロ。
ヒイロ「任務……完了。」
満面の笑みでそう言った。
そしてゼロは飛び去っていく。

一方地球ではリーブラブロックの破壊の影響か空に流星が沢山振っていた。
ナレーション「AC195年。この日、地球圏統一国家が発足されることが
       コロニーサイドと地球側世界国家の間に協議制定された。」

時は流れとある墓地。
トレーズの墓とゼクスの墓にドロシーがたたずんでいる。ノインが花束を手に訪れる。
ノイン「今日も来ていたのか……。」
ドロシー「ええ……。
     でも、もう来ません。振り返ることに飽きましたから。」
ノイン「そうか……。」
何故かトレーズの墓だけに花束を添えるノイン。
ドロシー「ノインさんどうして、ミリアルド様のお墓に何もしないのですか?」
(ミリアルドはゼクスの本名)
ノイン「必要ないからだ。」
ドロシー「えっ?」
ノイン「あの方はどこかで生きているに違いない。」



場所は変わってとあるコロニー。
議員「ドーリアン外務次官!」
議員がリリーナを引き止める。(どうやら養父の跡を継いだらしい)
議員「また地球へお発ちになるのですか?」
リリーナ「ええ。地球圏代表にこの“テラフォーミングプロジェクト”一刻も早く見てもらいたいのです。」
議員「しかし今日は、次官の誕生パーティーを我がコロニーで催すことになっていたのですが……」
リリーナ「申し訳ありません。」

シャトルの準備が整い、乗り込んだリリーナ。席に向かう途中一人の職員にぶつかる。
職員?「失敬。」
リリーナ「いいえ。」
そして席に着いた途端あるものを見つける。そこにはバースデーカードを抱えたテディベアが座っていた。
カードを取り出しそれを読むとすぐ窓ごしに外を見つめ、先程ぶつかった職員を見つけると
リリーナ「ヒイロ!」
リリーナの声に反応してか職員が振り向く。リリーナの察し通り職員はヒイロであった。
そしてバースデーカードを破る。
リリーナ「今度はちゃんと手渡しなさい!」
何故かその行為に対しヒイロは笑顔を返した後その場を去った。
そしてリリーナも満面の笑みを浮かべる。






                          おわり

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