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サクラ大戦(TVシリーズ) 第二十五話 「夢のつづき」

燃える上野の街に、不気味な姿をあらわしている穢土城(エドジョウ)。
さくら達花組のメンバーは風組の操縦する翔鯨丸に乗り込み穢土城に向かう。

かすみ 「穢土城まで距離」
由里 「5200」「品川、芝、麻布、どこも火の海です」
かすみ 「夢組からの霊視の結果は?」
椿 「ダメです」「やはり闇の力に邪魔されて、正確な霊視はできないようです」
かすみ 「...」

*****

光武のコックピットのさくらが映る。
さくら (絶対負けない...)
ここでタイトル
第二十五話 「夢のつづき」

*****

炎上する街で。
刹那 「ハハハハハハアッ」
刹那を肩に乗せ、大神の光武に突進する羅刹。左の拳が光武を突く。
大神 「くっ」
刹那 「消えろ!崩れろ!壊れちゃえ!」
加山が銃を取り出し、羅刹の背を撃つ。しかし弾は体から吐き出され、
傷跡がもとどうり再生してしまうのだった。
力をふりしぼり、羅刹を押し返そうとする大神。
刹那 「ふん、まだあのお姉ちゃん達の所へ行くつもり?そんなの、ムダ!ムダ!」
さらに右の拳で大神を横から殴り倒す。倒れてきた光武をあわててよける加山。
光武はそのまま壁に倒れこむ。
大神 「ううっ...」
コックピットで気を失う大神。光武も既にボロボロ。
刹那 「起きろよぉ」
羅刹がむりやり光武を引き起こし、ガシガシと拳を叩き込む。
刹那 「起きろよ、起きろぉっ。起きて命乞いしろよ」
衝撃を受け、気を失っていた大神が気付く。
大神 「俺は...みんなの所へ行くと...約束...したんだー!」
大神の叫びと共に光輝く光武。パワー全開で羅刹を押し戻し始める。
刹那 「どこにそんな力が!?」
大神 「うおーっ!」
羅刹をはじき飛ばす。
刹那 「うはっ」
地面に投げ出される刹那。壁にのめりこむ羅刹。
刹那 「ど、どうして...。こんな時に自分以外のヤツの事かんがえてるんだよぉ」
大神 「狼虎滅却」
刃をクロスして刹那・羅刹兄弟にむかう大神。すかさず刹那はテレポートで逃げる。
大神 「快刀乱麻!」
攻撃は命中し、消滅する羅刹。コックピットをふらふらと降りる大神。
大神 「みんな、今行くからな」
走り出す大神。
刹那 「ううっ...。あんなおかしなヤツとは遊べないよぉ」
加山 「せーつな」
刹那 「ハッ」
加山 「海はいいなー」
刹那が声のする方に振り返ると、そこには炎上していた街はなく、青い海が広がっていた。
刹那 「こ、これは。まさか。ハッ」
背後から加山の手が刹那の肩にかかる。
加山 「お前も催眠術にかかるんだ」「今までいろいろ遊んでくれたよね」
刹那 「...。な、何をする!?」
加山 「決まってるじゃないか。責任をとるんだ」
刹那 「う、うううあー!」
絶叫と共に消える刹那。
加山 「人間をなめるんじゃねーよ」

*****

翔鯨丸にて。
かすみ「穢土城まで距離」
由里 「2850」
椿 「あっ、穢土城城壁に変化」「多数の開口部を確認。城壁内部に熱エネルギー反応」
由里 「砲撃です!」
多数の砲弾がおそいかかり、クルーの悲鳴があがる。
由里 「このままじゃ花組を突入させる前にこっちが落ちちゃうわ」
かすみ 「椿、チャンスは一度しかないわ。ハズせないわよ」
椿 「了解」「距離2000。照準固定。蒸気圧よし。砲弾装填。準備完了」
かすみ 「主砲発射!」
穢土城に命中。大爆発が起きる。
椿 「着弾確認。突入口開きます」
由里 「ま、待って。あれっ」
モニターには、みるみるうちに修復していく穢土城が映し出される。
椿 「そ、そんなー」
タチバナ 「どうしたの、ブリッジ。突入口はどうなったの?」
由里 「はっ、かすみっ」
かすみ 「私達風組の任務は花組を無事送り届ける事。いいわね」
由里、椿 「うん」
かすみ 「全速前進、目標、穢土城!」
砲弾の中を突っ込む翔鯨丸。

*****

叉丹「来たか」
叉丹の真後ろに突っ込んだ翔鯨丸のハッチから、花組の光武が投下される。
「帝国華撃団参上!」
さくら「!!」
すみれ「そこまでですわ、葵叉丹。あなたの野望、この帝国華撃団がたたいてみせますわ」
背をむけたままの叉丹。
すみれ「くうっ」
武器のナギナタを取り出し、叉丹に向かう。そこに雑魚の魔物があらわれる。
すみれ「おどきなさーいっ」
切り捨てるすみれ。
マリア「いくわよっ」「了解」
叉丹「少しはできるようになったか。ならばこちらも相応のもてなしをせねばならん」
初めて振り返る叉丹。叉丹が呪文を唱えると巨大な魔方陣が浮かび上がる。
叉丹「地中深く封じられし闇の眷属どもよ。今こそその力ここにしめせん。」「貴様らの相手は
我が最高傑作、この魔操機兵「神威」がしよう」
紅蘭「山崎はん、そないなみにくいモンに光武が負けるワケにはいかへんのや」
マリア「みんないくわよー、破邪の陣」「了解」
すみれ「カンナさん、参りますわよー」
カンナ「おうよ」
神威の両腕を切り落とすすみれとカンナ。しかしすぐに両腕は再生してしまう。
すみれ「まさか!」
カンナ「腕が再生した」
さくら「はあーっ!」
胴に切りつけるさくら。しかしこの傷もすぐに再生してしまう。
すみれ「な、なんて回復能力」
カンナ「これじゃキリがねえぞ」
叉丹「この「神威」は帝都の大地に染み付いた、憎悪、嫉妬、恨み、欲望、全て人間の負の
力によって動かされている」
さくら「ど、どういうこと?」
叉丹「すなわち、その力は無尽蔵」
エネルギー弾が光武めがけて発射される。穢土城の天守閣の一部が吹き飛ぶ。

*****

アイキャッチ

*****

トラ坊「ちきしょーう」
木の棒で化け物を殴りつける男の子、トラ坊。
トラ坊「ちきしょー、ちきしょー、ちきしょー、ちきしょー!」
化け物がトラ坊の方に目を向ける。
町の人「トラ坊ー!」
トラ坊「うわーっ」
その時、一発の銃弾に化け物は倒れる。
トラ坊「あっ...」
ポカンとするトラ坊の頭に手を置いて、
加山「坊主、心配すんな。今、あそこで戦っている乙女たちがいる。この帝都を帝都に生きる人々の手に
とりもどすために戦っている。だから、彼女達の勝利を信じて待っていてくれ。分かるな」
トラ坊「がんばれー、負けんなー」
町の人々「おーいがんばれー」「がんばってー」

*****

再び穢土城。
爆煙の向こうには倒れた光武達。
花組メンバーそれぞれに、町の人々のはげましの想いが声となって届く。
さくら「トラちゃん、声が聞こえる」「こんな事で負けてなるものか」
次々と立ち上がる光武達。しかし、今度はさらにはげしいエネルギー弾が襲いかかる。
花組「キャー」
アイリス「ハァハァ...、きっときっと約束守ってくれるよね...」
叉丹「お遊びはこれまでだ」
遠くからバイクのエンジン音が聞こえてくる。
叉丹「ん?」「なにっ!」
乗り捨てられて炎上するバイク。その炎の中からゆっくりと立ち上がる姿は、大神。
アイリス「...お兄ちゃーん」
大神「みんな遅くなってすまない」
かすみ「大神さん」

大神「マリア」
マリア「はい」
大神「すみれくん」
すみれ「はい」
大神「カンナ」
カンナ「おう」
大神「紅蘭」
紅蘭「はいな」
大神「さくらくん」
さくら「はいっ」
大神「そしてアイリス。君の力が必要なんだ、アイリス」
アイリス「うん」
輝きだすアイリスの体。
アイリス「イリスマリオネーット!」
その輝きはアイリスの光武を包み、他の花組メンバーの光武も包み込んでゆく。
マリア「これは」
紅蘭「あー、きたでぇー」
すみれ「これが、アイリスの輝きなの!?」
カンナ「おー、力が湧いてきた」
さくら「はーっ、いきます」
大神「破邪の陣」
由里「各光武の霊力反応、急速に上昇中」
叉丹「こざかしいっ」
エネルギー弾をかわし、神威の背後から伸びる触手もよける光武。
由里「今までこんな数値みたことない」
かすみ「すごい、すごいわ」

マリア「スネグーラチカ!」
カンナ「一百林牌」
紅蘭「よっしゃ、がんばってや、うちのチビロボ達」
叉丹「貴様らーっ!」
すみれ「神崎風塵流 胡蝶の舞」
椿「まるで舞台を見ているみたい」
大神「これが、あなたの目指した花組。すごい、素晴らしいです米田指令」
アイリス「みんな」
叉丹「この私が敗北する事など、あってたまるかー」
とうとう叉丹自らも戦闘に加わる。
アイリス「ぜったい、ぜったい、負けないんだからー」
叉丹「くわっ」
さくら「破邪剣征 桜花放神」
叉丹「何故だ、何故私が負ける。何故だーっ」
崩れ落ちる穢土城。それと共に街中の化け物も倒れる。
あやめ「やりましたね指令」
米田「ああ、本当にすげぇ娘達だぜ」

*****

桜満開の中、歌を歌いながら墓地への石段を登る米田。
ふと亡き神宮寺一馬の気配を感じて振り返るがそこには誰の姿も無い。

*****

復興作業の進む市街。そこには元気に材木を運ぶトラ坊の姿も見える。

*****

桜の花見で賑わう公園。
先に来ていた米田のもとへ歩み寄る大神。
大神「米田指令」
米田「ん?」
大神「今回の件ですが...」
話を続けようとする大神に、紅白の横断幕を投げてよこす米田。
大神「あ、あのう、これは...」
米田「そろそろアイツらも来る、だろ。とっとと準備しろや」
大神「はいっ」

*****

墓地にはあやめも来ていた。すでに墓前には米田が供えたであろう清酒桜が。
山崎のペンダントを見つめ、いたずらな春風に微笑むあやめ。

*****

公園の高台から市街を見下ろす花組のメンバー達。
すみれ「帝都の復興も目覚しいですわね。私達も負けない様、良いお芝居をしなくては」
カンナ「ああ、今まで以上にな。頼んだぜトップスターさんよ」
アイリス「アイリスもがんばる!」
紅蘭「おっしゃ、ほんならウチも発明バリバリがんばるでー」
マリア「いい風が吹いてきたわね」
さくら「はい」

公園での花見に仲間達が花組を呼ぶ。
あやめ「みんなー早くいらっしゃい」
手を振るあやめと風組のメンバー。
皆公園の中へ向かう中、最後に歩き出したさくらの背後で小さな男の子が転ぶ。
女の子「だいじょうぶ?」「痛くない、痛くない」
男の子「ほら、乗れよ」
仲間とまた遊び始める子供達。
さくらは心地よい風に吹かれ、もう一度眼下の景色に目をやった。

あやめ「さくらさん、早くいらっしゃいなー」
アイリス「さくらー、早く早くぅ」
さくら「はい!今行きます」

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