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世界忍者戦ジライヤの最終回


妖魔一族の最期!
さらばパコ=磁雷神!!


磁雷矢が合身した磁雷神と、妖魔の秘術で巨大化した鬼忍・毒斎との戦い。
磁雷神を見守る山地哲山、姫忍・恵美破、山地学。
磁雷矢の加勢に駆けつけた貴忍・麗破、城忍フクロウ男爵、雷忍ワイルド、爆忍ロケットマン、風忍・馬風破。
毒斎を見守る妖忍クモ御前。

クモ御前「いいぞよ、いいぞよ〜!」
毒斎「見たか! 妖魔一族頭領、鬼忍毒斎の力を!」

激闘の末、遂に磁雷神の剣が毒斎に炸裂する。

学「やったぁ!」
フクロウ男爵「Nice Fight!」


巨大化が解けて倒れた毒斎に、クモ御前が駆け寄る。

クモ御前「毒斎殿、毒斎殿!」
毒斎「おぉ、クモ御前」
クモ御前「大丈夫かえ、毒斎殿」
毒斎「あぁ大丈夫だ。まだ負けはせぬ! 妖魔一族最後の力を見せてやる!」
クモ御前「そう、その意気じゃ!」


地球を滅ぼさんと、宇宙の彼方から暗黒星が迫る。
磁雷神との合身を解いた磁雷矢が外に現れ、愛刀・磁空真空剣を見つめる。

磁雷矢「遂に……お前との別れのときが来た。俺は悲しまない。お前は……パコを守って、宇宙の彼方に飛び立つのだ! さらばだ。ありがとう、磁空真空剣!」

磁雷神のもとから飛び降りる磁雷矢。

磁雷矢「磁空真空剣!!」

磁雷矢が磁空真空剣を磁雷神の胴体目掛けて投げつける。
磁空真空剣が磁雷神内部に吸収される。
そのまま地上に降り立つ磁雷矢。

学「兄ちゃん!」


磁空真空剣を得たことで、磁空矢が大空目掛けて飛び立つ。

学「磁雷神が……磁雷神が飛んで行く」
フクロウ男爵「Oh……God!」

クモ御前「あぁ……世紀の秘宝パコが、大空へ消える! 宇宙の宝物が、私の手から逃げてゆく……」
毒斎「おのれ、磁雷矢め!」
クモ御前「毒斎殿!」


今にも空へ消えようとしている磁雷神から閃光が放たれ、地面目掛けて注がれる。

学「今のは何だろう?」
磁雷矢「わからん……」


パコが、磁雷神と共に宇宙の彼方に飛び立った
それを知った、第3銀河系から飛来した暗黒星は
そのまま未曾有の宇宙の海へ消えて行った


毒斎「磁雷矢、決着をつけてやる!」
哲山「毒斎、まだわからぬのか。パコはもう地球にはないのだ! 無駄な戦いはやめるのだ!」
毒斎「聞く耳持たぬわ」
クモ御前「磁光真空剣のない磁雷矢など、敵ではないぞよ! 今日こそお前を、あの世に送ってやるぞよ!」

哲山から手渡された刀を構え、磁雷矢が毒斎に挑む。

磁雷矢「毒斎、お前には人の心がないのか!」
毒斎「人の心だとぉ?」
磁雷矢「人を愛する心……優しさだ!」
毒斎「フン、笑わせるな! 俺はそんなものは、この世に生まれた時から持ってはおらぬ!」
磁雷矢「何ぃ……許さんっ!! お前の野心のために倒れていった人たちの怒りを込め、妖魔一族頭領、毒斎をこの世から抹殺する!」
毒斎「できるものならやってみろ!」
磁雷矢「覚悟しろ、毒斎!!」
毒斎「来い、磁雷矢!!」

磁雷矢対毒斎、哲山対クモ御前との激闘が始まる。
変幻自在のクモ御前の忍法に惑わされつつも、哲山の剣がクモ御前の本体を突く。

クモ御前「ああぁぁ──っっ!?」

大爆発。クモ御前は倒れた。

毒斎「おぉ、クモ御前!?」
哲山「闘破!!」
毒斎「よくもクモ御前を……!」
磁雷矢「親父、助けはいらん! 俺はこの毒斎と正々堂々と戦い、勝ってみせる! 下がっていてくれ!」
哲山「……わかった!」

磁雷矢が単身、毒斎に挑む。
しかし毒斎の猛攻の前に、磁雷矢が劣勢に追い詰められる。

フクロウ男爵「磁雷矢──ッ!」
学「父ちゃん!」
ワイルド「助太刀するぜ!」
哲山「待て! 闘破が命をかけた戦いに、手出しはするな!」

哲山の気迫に、仲間たちも加勢を思いとどまる。

哲山「ケイ、学。戸隠流の真の闘破の命をかけた戦いを、よく見ておけ!」
恵美破・学「はい!」

磁雷矢の戦いを見守る恵美破。

恵美破「闘破……頑張って! 負けちゃだめ、闘破!」

毒斎の忍術が次々に決まる。
絶体絶命の中、磁雷矢、目を閉じる。
心眼で敵の気配をとらえる、戸隠流極意・磁光心眼斬りだ。
磁雷矢の剣が遂に、毒斎の仮面を割る。
現れた素顔は──父、哲山。

磁雷矢「俺はもう騙されん! 迷わず、斬る!!」

毒斎の剣が磁雷矢の肩を割る。
磁雷矢の剣が毒斎の胴へ。

毒斎「うぉぉ──っっ!?」
磁雷矢「くっ……!」


大爆発──


学「兄ちゃん!!」
恵美破「闘破!?」

炎の中から、磁雷矢が立ち上がる。

学「兄ちゃぁん!」
恵美破「闘破ぁ──っ!」
学「兄ちゃ──ん!」

磁雷矢に駆け寄るケイ、学、仲間たち。

学「兄ちゃん!」
恵美破「闘破!」
磁雷矢「ケイ……学……親父」
哲山「うむ」
磁雷矢「みんな……」
ワイルド「磁雷矢……」
フクロウ男爵「よくやった!」
馬風破「磁雷矢!」
磁雷矢「さぁ、行こう!」


そのとき、磁雷神から放たれた光が注がれた地面が、眩い光を放っている。

恵美破「わぁ綺麗……何だろう?」
学「行ってみよう!」


闘破たちが忍者スーツのヘルメットを脱ぎ、光の源に駆けつける。
そこには、美しい花が咲いている。

ケイ「わぁ素敵。綺麗な花……」
学「見たこともない花だ」
レイ「大空に飛び去った磁雷神から放たれた光、その光でこの花が咲いたのね」
哲山「うむ。それはパコからの贈り物に違いない。パコは自分の身体の一部を犠牲にして、私たち地球人に、平和を愛する心を見たんだ。だからこの花を最後に残した……違うだろうか」
フクロウ男爵「That's right! 哲山の言う通りだ」
馬風破「うん……この花は実に美しい。この世のものとは思えん」
ワイルド「本当だな……」
ロケットマン「この花を見ていると、戦いが嘘のように思えてくる」
闘破「俺は、いつかパコがもう一度戻ってくるような気がする……」
ケイ「えっ!?」
闘破「俺たちが住む銀河系の太陽は、何億年、何十億年後かには燃え尽きて、地球は暗黒の世界へ閉ざされる。そのときパコは、宇宙の彼方から巨大な太陽となって戻ってきて、銀河系の命の源となる……暗黒の世界に閉ざされ、冷えきった地球に、燦々と暖かく優しい光が差し込む……そしてまた緑が芽吹き、草花が咲き、小鳥たちが歌い、動物たちが草原を飛び跳ね、子供たちの明るい声が青い空にこだまする……地球に新しい命を与えるのがパコだ。俺はそう思っている……」

頷き合う仲間たち。
学が天を仰ぎ、空へ消えた磁雷神へ呼びかける。

学「さようなら、磁雷神──!! パコをいつまでも守ってくださ──い!!」


フクロウ男爵「磁雷矢、別れの時が来た。See you again!」
闘破「うん!」

硬い握手を交わす闘破、フクロウ男爵。

馬風破「俺は別れは言わないぜ」
ワイルド「俺もだぜ、磁雷矢」
ロケットマン「磁雷矢、俺が必要な時は、いつでも呼んでくれ!」
ワイルド「そうとも。どこにいても、駆けつけるぜ!」
闘破「みんな……ありがとう!」


磁雷矢の友、世界忍者たちは去って行った
パコからの贈り物のような、花のような美しい友情と
再会を期して……


両親の墓前に手を合せる闘破。

闘破 (母さん……俺、もっともっと修行して、立派な忍者になってみせる!)


忍者修行に励む闘破。
その胸に、今までの世界忍者たちとの戦いの記憶が甦る。

闘破 (俺が生死をかけて戦った世界忍者たち……いつまでも忘れない……)


戸隠流忍法武神館。

哲山「天暦宇宙合掌、始め!」
闘破「行くぞ!」
ケイ・学「はい!」

哲山の合図で、闘破、ケイ、学の組み手が始まる。

闘破「ケイ、やるな!」
ケイ「行くわよ!」
哲山「ケイ、学、闘気を入れて!」
ケイ・学「はい!」


一流の忍者を目指し、山地闘破の忍者修行の日々は続く……


やがて、山地闘破は戸隠流35代目を継ぐだろう
そして日本、いや、世界一の忍者になるだろう
がんばれ、山地闘破
ありがとう、世界忍者・磁雷矢!!


おわり
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