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●前回のあらすじ

幾多の試練や強敵を乗り越えて”針の塔”にたどり着いた爆はついに炎と再会した。

だがそこで爆は、憧れの存在である炎こそがツェルブワールドを混乱に陥れている張本人であると知る。
いまや本性をあらわした炎は、自らの夢である”惑星征服”に乗り出そうとしていたのだ。

爆を自らの同志に誘う炎。だが、これを決然と拒否した爆は、”最強のGC”炎に戦いを挑む。

今ここに、全世界と人々の夢をかけた最後の戦いが開始された・・・・・・・・・・・













  (緊張した面持ちで炎と対峙する爆、およびジバクくん)

炎「爆・・・オマエに俺は倒せん」「あきらめろ・・・」
 「オマエはオレの戦士(モノ)だ!」
爆「だまれェエエエ!!!」











●最終話 ”夢に向かって生きろ!”の巻











爆「”大”バクシンハ!!!」

  (炎の言葉を否定し、必殺技を叩き込む爆。精神エネルギーが炎を襲う)


  す・・・(まったく慌てることなく、手を掲げる炎)

炎「”∞(無限)”ドウハ!!!」


  ゴッ(炎の似たような技で爆の技は苦もなく弾かれ、さらに爆本人も吹き飛ばされれしまう)


炎「オレのライセンスは”∞”」「地球上のすべてのライセンスを会得している」
 「どんな技でこようとオレの威力の方が上だ!」

  ぐいっ(倒れた爆を右手で持ち上げる炎)

炎「もうこれ以上逆らうな爆」
 「オレにはオマエが絶対必要なんだ!」

  (絶望の表情の爆。と、その時・・・・・)



?「プリティーピンクミラクルボンバー!」

  カッ(炎の後ろから飛んできた聖霊が輝きを放つ)

炎「!?」

  (光の中から現れたのはセカンのGC・ピンク)

ピンク「その手を離してちょうだい・・・」
   「それ以上爆は傷つけさせないわ!」
爆「ピンク・・・!」
ピンク「どうして・・・・・・・・・」「どうしてあなたが爆と戦ってるの炎・・・」
炎「フッ・・・まだわからんのかーー・・・」
爆「!」「やめろッ・・・」
炎「この世界でおこっている災い(トラブル)はすべて オレが仕掛けたものだ!」
爆「炎ッ・・・!」

  バッ(怒りとともに炎の腕を引き離す爆)

爆「ピンクは・・・ピンクは貴様のことが好きで ここまで頑張ってきたんだッ」
 「それをよくもッ・・・」

  (激しい怒りを露にする爆)

ピンク「・・・・・・大丈夫だよ爆」
爆「ピンク」
ピンク「炎・・・あたしアナタに伝えたいコトがあるの・・・」




  (かつて幼い頃、炎に助けられた時のことを思い浮かべるピンク)

炎「自分の中に最後まであきらめない強さがあるのなら・・・叶えられない夢はないよ!」





ピンク「アタシ・・・最後まであきらめないでGCになったよ」

  ギュッ(唇をかみ締めるピンク)

ピンク「そしてこれからも決してあきらめない強さをーーー」「爆達やおばあちゃんからもらったわ!」

?「オレ達もですよ・・・ピンクさん」
爆「オマエら!」
?「全世界のGCが爆殿から”あきらめない”強さをもらいうけました!」

  (爆が振り向くと、そこにはカイを先頭に各世界のGC達が勢ぞろいしていた)

カイ「だからこの世界は我々の手で守り抜くッ」

  (決意を込めた表情で立つGC達)



炎「・・・・・・よかろう」
 「どこまであがけるかやってみろ!」

  (手元のコントロールパネルを操作する炎)

炎「かかれ! 零式兵」

  ガシャン、ザン(炎の操作と同時に、無数の零式兵が一斉に動き出した)


零式兵『ジュ・・・バク・・・』

  (何体かの零式兵がデッドに手を伸ばす)

  ゴオッ(動きを封じられるデッド)

デッド「こッ・・・これは僕の技ッ・・・!!??」
炎「零式兵には歴代のGCのデータが投入してある・・・」「むろんオマエら全員の能力もな」

爆「くそッ・・・!」

  ダッ(デッドを助けようと走り出す爆)

  ズン(突然倒れる爆。炎が後頭部に手刀を食らわせたのだ)

炎「行かせはせんぞ爆・・・オマエをオレの側から離しはしない」

  ドッ(その場で倒れる爆)



カイ「爆殿ッッ」

  (爆にかけよろうとするカイだが、背後から零式兵が襲う)

  ザン(あわやというカイを助けたのは、棒を振るって突進してきた激だった)

カイ「仙人ッ・・・」

  バッ(激にかけよろうとするカイ)

激「オラぁ! 気ぃ抜くなカイ!!」

  ビクッ(激の叱咤に思わず怯えるカイ)

激「この世界は我々の手で守り抜く・・・か」
 「いっちょ前の啖呵切るよーになったじぇねえかカイ・・・!」
カイ「・・・・・・はいッ!」

  (涙を浮かべつつ返事をするカイ)





?「シンハ!」

  (超能力系の技で吹き飛ばされる零式兵。それをしたのは・・・・)

ピンク「おばーちゃん!」

  (そう、それは若返ったピンクの祖母・シルバだった)

ピンク「どーしてここへ?」「それにその姿ーーー」
シルバ「針の塔から光の玉が飛んできてね。なんだか力がみなぎってきて若返ったのさ(ハート)
   「それに呪いの方もホラ!」
ピンク「あ!」

  (腹部を見せるシルバ。針の塔の呪いの証であるマークが消えている)


炎(姉上の仕業か・・・)

  (遠目でシルバを見ている炎)


ピンク「よかったァ〜〜・・・」
   「アタシなんもできなかったけど〜ォ」「おばーちゃん元気になってよかったぁ!」

  ぐひぐひ(涙を流して喜ぶピンク)

シルバ「鼻水垂らしてんじゃないよバカ孫っ!」

  ゴス(ピンクの脳天にカカト落としを見舞うシルバ)

ピンク「だッ・・・」
シルバ「オマエは今おばーちゃんのためだけでなくみんなのために戦ってんだろ・・・」
   「最ッ高に強いとこアタシに見せとくれよ」

  (笑みを浮かべるシルバとピンク)

ピンク「いくよッ! おばーちゃん」
シルバ「ああピンク!!!」

  (零式兵の真っ只中に突っ込んでいく二人)

  バッ(背後からピンクを襲う零式兵)

シルバ「ピンクっっ!!」


  (だが零式兵は雹によって粉砕された)

ピンク「え・・・!?」
シルバ「貴様ぁ〜〜・・・」

  (かつて自分に呪いをかけた張本人と、憎しみの表情で雹を見るシルバ)

雹「今さら許しを乞おうとは思わない・・・この戦いが終わったら好きに裁くがいいさ・・・」
 「あの時オマエが言った永遠の意味が 今の僕にはわかるから」
シルバ「・・・・・・とりあえずこの場は 孫の命を救ってくれた礼を言っとくよ」
   「その後のことはその時考えるさッッ」

  (言い残して再び戦いに赴くシルバとピンク)


  (後に残った雹を見つめているハヤテ)

雹「・・・・・・テンパのGCかい」
 「ともに僕ら一族の宿命にーーー決着を着けよう!」

  (肩を並べて戦う二人の鳥人・・・・・)




  (GCとGSがそれぞれの戦いを始めている中、炎の背後に立つ人物)

炎「GSが勢ぞろいか・・・」
 「オマエもオレに背くつもりか・・・・・・・・・現郎(ウツロー)」
現郎「炎さまオレは アナタの強さと気高さを敬愛してる」
  「いつだって誰よりもアナタにふさわしい戦士になりたかった・・・」
  「従うことがアナタに対する忠誠だと思ってた・・・・・・」
  「だけど違う! 過ちを止めることがアナタへの忠義だッッ!!!」


  (現郎の叫びを聞きながら何かに反応する炎)

  (激、シルバ、雹がそれぞれの武器や技を手に炎に攻撃をしかけた)

現郎「炎さま お許しをッッッ!!!」

  ダンッ(現郎も飛び上がり、三人の攻撃に加わる)


  (GS四人による同時攻撃! しかし・・・)


  ドン(炎が腕を振るうとバリアが発生し、四人を軽く弾き飛ばす)

  (激や雹の武器は破壊され、現郎は血を吐く)

炎「弱き忠義などいらん・・・」


  バゥン(弾き飛ばされ地面に叩きつけられるGSたち)

カイ「仙人ッッ!」
ピンク「おばーちゃん!」
ハヤテ「!」

  (動揺するGCたち)

  ザ・・・(GSたちの前に立つ炎)



炎「聖霊達よ 来いッ!」

  パッ パッ パッ(炎が命じると、聖霊たちがGCから離れ彼の元に集まる)

ダルタニアン「えッ・・・」

  (動揺を隠せないGCたち)

炎「もともと聖霊はGCのデータを集めるために オレが作り出したモノだ」
 「爆と共に連れて行くぞ!」

  ブッ(爆を抱え、聖霊達とともにテレポーテーションする炎)




雹「ギャーーッ 爆くぅ〜ん」

  (青い顔で慌てる雹)




ダルタニアン「そ・・・そんなバクレツ伯爵が炎の手先だったなんて・・・」

  カラン・・(聖霊に裏切られたショックのあまり剣を落とすダルタニアン。その場に膝を着く)

ダルタニアン「もうダメだッ! GSの人達だってやられちゃったし・・・」
      「聖霊なしで僕らが勝てっこないよッッ!!」

  (戦意を失ったダルタニアン。その隙をついて襲いかかる零式兵)

ダルタニアン「!」
ピンク「危ないっっ ダルタニアン!」


  ザッ(その時、1体の零式兵がダルタニアンの剣を拾う)

  ビッ(そのまま剣でダルタニアンを襲った零式兵を倒した)


?(息子よ・・・誇りを持て)

  (唖然とするダルタニアンの心に響く声)

?(怯えて泣く事しかできないオマエに強さを教えてくれたのは誰だ!)


  (かつて爆に助けられた時のことを思い浮かべるダルタニアン)



爆「涙を流してやる事だけがやさしさか・・・」



?(GCをあきらめかけたオマエに誇りを取りもどしてくれたのは誰だ)



爆「また会おうぜ! フォスのGCダルタニアン!」



  (ダルタニアンに響く声の主は、彼を助けた零式兵だった・・・・)



零式兵(今度はオマエが友を救う番だ!)
   (できるはずだダルタニアン! 私を救うことができたオマエならば!!!)
   (オマエはフォスのGCだ!)


  ズゴッ(ダルタニアンに語りかけていた零式兵だが、別の零式兵に攻撃される)

ダルタニアン「!」

  ずん(胸に穴をあけられて倒れる零式兵)

ダルタニアン「と・・・うさま」
      「・・・・・・この兵にはあなたのデータが投入されているのですね・・・」
      「それに乗り移ってボクをーーー」

  (もはやもの言わぬ零式兵から剣を手に取るダルタニアン)

  ビシッ(剣を振るい別の零式兵を倒すダルタニアン)

ダルタニアン「勝てるよみんなッ だってボクらには機械のデータなんかにはない 強い思いがあるんだから!」

ピンク「ナニ言ってんのよダルタニアン・・・ずっと言ってるでしょ(ハート)」
   「爆だってきっと大丈夫!」
   「アタシ達全員ーーーあきらめない強さを持っているのよ!」

  (ピンクを中心に、いささかも戦意の衰えていないGCたち)







  (一方、炎に連れていかれた爆は、機械のモニターやメーターなどで埋め尽くされた部屋で目を覚ましていた)

爆「う・・・」
炎「気がついたか爆!」
爆「ここは・・・?」
炎「宇宙船の操縦室だ」「いよいよ宇宙に向かって飛び立つ日が来たんだ!」
爆「ふざけるなッ 宇宙船が発進すれば ツェルブワールドは崩壊すると姫が言ってたぞッッ!」

  ガバッ(立ち上がる爆)

爆「そんなコトは絶対させん!」
炎「爆・・・オマエは世界征服が夢だと言ったな」
 「もっと大きな野望を持て!」
 「オレとオマエのふたりならーーーー宇宙すら制覇できるんだ!」

  (爆の両肩を掴む炎)

炎「”今度こそ”放しはしない・・・」
 「オマエはオレが ただひとり認めた男の血を受け継ぐ者だッ・・・」



 「真ーーーーオレの星 最強の戦士!」



  (炎が語る真・・・・巨大な剣を背負ったその男は確かに爆と似ている)






  ドオオオン(攻撃を受けて破壊されている都市。それは炎の故郷)


  (幼い炎が姉である姫とともにいる)

姫「じきにこの部屋にも敵が攻め込んでくるでしょう・・・」
 「炎・・・王子としての誇りを最後の瞬間まで持ち続けるのですよ!」
炎「わかっています姉上!」

  バンッ(勢いよく開かれた扉。そこから現われたのは・・・・)

炎「真!」
真「行くぞ 姫 王子」

  (炎を肩車する真)

炎「え・・・でも城の外には敵兵がー・・・」
真「片付けた」



「真はたったひとりで城を囲む何万もの敵兵を倒しオレと姉上を救出に来てくれた」



  (炎を肩車し姫を連れて荒野を歩く真)

真「頑張れもう少しだ」
 「この先に現郎達が用意した脱出用の宇宙船が待ってるぞ!」

  (荒野の果てにたどり着いた真たち)

  ヒュウウウ(だが彼らが見たものは、空しく風が吹きすさぶだけの谷だった・・・・)

真「な・・・何もない!?」
 「馬鹿な 確かにここで待ってると言ったのに!」
 「!」

  ハッ(ショックを受けた様子の真。だがそれに浸るヒマさえなく、敵の存在を察知する)

真「ちッ・・・もう追手が来たか!」

  ザッザッザッ(谷を埋めるようなロボットの大部隊が迫ってくる)

  (汗を流し絶望の表情を浮かべる炎)


  ドオウ(一斉にビームを撃つ敵部隊。大爆発が起こる)

  (衝撃に巻き込まれようとしている炎と姫)

炎「真!」

  (見ると、真が剣で敵の攻撃を受け止めバリアを張っている)

真「大丈夫だ! オレのシールドで守ってやる」

  (苦悶の表情を浮かべる真)




「当時のオレにはテレポーテーションする能力すらなく」

「ほとんど壊滅状態になった故郷の中に絶望的になっていた」



  ギュッ(幼い手を強く握り締める炎)

炎「もう無理だよ・・・宇宙船だってないし」「このまま潔くこの星の王子として僕は死ぬよ!」
姫「炎・・・」

  (唇をかみ締める炎に対し、真は・・・・)

真「前々潔くなんかないぞ」「あきらめて死ぬことほどみっともないモンはないんだ!」
 「絶対に最後まであきらめるなよ!」




「それから丸4日間 真は背中に敵の砲弾を浴び続けた!」




  ドオオン ドオン(絶え間ない敵軍の攻撃が続く)

  (全身に力を込めシールドを張り続けている真。すでに剣にはひびが入っている)

姫「・・・・・・真ありがとう・・・もう・・・十分です」
 「あなただけでも生き延びーー」
真「オレなぁーー・・・」
 「世界中を冒険してまわるのが 夢なんだ」
 「いろんな世界を旅して・・・見たことない風景を全部見てやるんだ」
 「きっとオレなんかまだまだ知らないーー」
 「ブッ飛ぶよーなすげェもんがいっぱいあるんだろーなァ」

  (苦しい中で笑みを浮かべる真)

真「大丈夫 オレ達はまだ死なん」

  ゴゴゴ(空に宇宙船の姿が見える)



真「人が命を賭けるのは戦争なんかのためじゃない」
 「自分の夢を叶えるためだ!」



  ダッ(宇宙船がようやく到着。現郎が飛び出してくる)

現郎「炎さまーッ 天姫(あまのひめ)さまーッ」
  「申し訳ありません 交戦に手間取って遅れましたッ・・・」




「こうしてオレ達は惑星から脱出した・・・」






  (正面で向き合う爆と炎)

炎「オレにとって真は命の恩人でありーーーーこの世で唯一認めた男なんだ」
 「真とふたりなら今度こそ最強の国を再建できると確信していた・・・」
 「なのにアイツはオレの前から去った・・・」




真「くだらん! そんな野心などに興味はない」
 「オレはこの星で自分の夢のために生きる!」



炎「その時のオレの実力では真を止められないことはわかっていた」
 「だがいずれは力をつけて必ず連れもどすつもりだったさ」
 「姉上の邪魔さえ入らなければな・・・・・・」

  ゾク・・・(姉への憎しみに満ちた炎の表情に冷や汗を浮かべる爆)

炎「長い歳月を経てやっと目覚めた時ーーー」
 「オレから真を奪ったこの星をすぐさまぶッ潰してやろうと思ったよ・・・」
 「しかしその時考えたんだ」
 「ひょっとすると真の血を引いた奴がどこかに存在するするんではないかとーーーー」
 「オレは自らGCとなり ツェルブワールド中真の子孫を探し歩いた」
 「そして爆ーーついにオマエと出会ったんだ」
爆「じゃああの森でオレにGCウォッチを渡したのはーーー」
炎「オマエの中に真の資質を見出したからだ」


  (爆と炎の最初の出会い。モンスターと戦っている爆の背後で炎はその資質を見出したのだ)


炎「オマエが真の能力を受け継いでいるのなら GSになり針の塔まで来ると信じていた」
 「見事期待に応えてくれてうれしいぞ」

爆「ふざけるな・・・」

  (怒りを湛えた爆の声に沈黙する炎)

爆「オレの力は真のモノでもなんでもない」「オレ自身のものだ!」
 「貴様のくだらん野望の道具になるつもりは 一切ない」

  (激しい怒りを浮かべて宣言する爆)

炎「・・・・・・やれやれ 逆らい方まで真とそっくりだな・・・」
 「最初からオマエが素直に言う事を聞くなんて思っちゃいないさ」

  ピ!(指を伸ばして何かのスイッチを押す炎)

  ゴゴゴゴゴ(同時に針の塔が音を立て始める)

炎「続きは宇宙でふたりっきりになってから ゆっくりと聞かせてもらうぞ!」



  ゴゴゴゴゴ(激しい音を立てる針の塔。その外壁にヒビが入っていく)

  メキメキ(針の塔の外壁が崩れていき、真の姿である宇宙船が見えてくる)



爆「!」
 「炎ッッ! 今すぐ発進を止めろぉーッ!」

  ガッ(炎の肩に掴みかかる爆)

炎「ムダだ・・・いったん入力された発進スイッチは解除できん!」



  ゴゴゴゴ(揺れはますます激しくなり、海が荒れている)


  ゴッ!!!(ついに発進する宇宙船。だが・・・・)


  ゴッ(宇宙船の先端が何かに遮られ動けない)



  ズン・・・(宇宙船の内部で異常を感じる爆と炎)

爆「なんだッ・・・!!?? 動きが止まったぞ」
炎「まさかッ・・・!」




  (炎が予想したとおり、宇宙船を結界で食い止めていたのは彼の姉・天姫だった)


天姫「炎! この命に賭けて 今度こそアナタを止めますッッ」



炎「姉上ぇええーーッツ!!!」「どこまで邪魔をするつもりだあああああああ」

  (凄まじい形相で叫ぶ炎)

炎「テレポートして始末して来てやるッッ」

  ザッ(天姫の下へ向かおうとする炎。その前に立ちはだかる爆)

  ガツッ(炎の顔面にパンチを食らわせた爆・・・・と思いきやその一撃は炎の腕で受けられていた)

爆「貴様ぁ〜〜〜〜〜もういい加減にしろッ」
炎「・・・・・・一発ぐらいはオレに入れられるようになったか」
 「オマエにも少しだまっといてもらおう」

  ポウッ(炎の周囲に聖霊達が現われる)

炎「行けッ! 聖霊達」

  パアア(一斉に爆へと飛び掛り、爆発しようとする聖霊達。だが・・・・)




  カッ(輝きの中、爆はシールドを貼って他の聖霊の攻撃から彼を守っているジバクくんの姿を見た・・・・・)

  グラ・・・・(ジバクくんに手を伸ばす爆。だがその手が届く前に力尽きて倒れるジバクくん)


爆「・・・・・・誰がそんな勝手なコトをしろと言った・・・」

  (足元に転がったジバクくんに手を触れる爆)

爆「オイ返事しろ生物(ナマモノ)」
 「オイ・・・何か言えよ オイ・・・」

  ポタポタポタ(動かないジバクくんに落ちる水滴。それは・・・・)




爆「うわあああああああああーーーーーーーツツ!!!!!」




  (大粒の涙を流す爆・・・・・)




  (その様子を見て動かない他の聖霊達)



炎「何をしている・・・攻撃を続けろ!」

  (聖霊達に命じる炎。だが彼らは動かない)


爆「炎・・・」
 「聖霊は貴様が作り出したモノか・・・・・・」
 「でもコイツらはずっとずっと長い間ーーーー」
 「地上でGC達と暮らしてきたんだ」
 「その間にはいろんな素晴らしい出会いがあったし」
 「辛い別れだってあった・・・」

  (思い浮かぶのは過去のGS・閑とヒロトの姿・・・・)

爆「いつだってオレ達の夢とともに コイツらは生きてきたんだ」

  (動かないジバクくんを右手に乗せ、涙を流して語る爆)


  す・・・(やがて聖霊達が動き始める)

ジバク王「・・・・・・」

  パアア(ジバク王が杖を立てると、聖霊達が輝きを発する)

  しゅうう(ジバク王を先頭に、聖霊達がジバクくんに向かって行く)


炎「ナニっっ!!?? 聖霊達がジバクくんの体の中に・・・」


  ギュム・・ バン(腕を動かし、歯をむき出しにするジバクくん)

爆「! ジバクくん!!!」

  (爆の手の中でジバクくんは見事に復活していた)

炎「そんな馬鹿な・・・」
 「聖霊達がオレの意志に反した行動を取るなんてッ」

  ぐっ(ジバクくんを持ち上げる爆)

爆「炎・・・コイツらは貴様の言うことなんぞ決して聞くもんか」
 「GCは聖霊と唯一心を通わせる事ができる者だ!」

  バッ(ジバクくんを持って大きく振りかぶる爆)





爆「”全世界(ツェルブ)”バクシンハ!!!」





  チュドオオオン(全世界の聖霊の力を結集した必殺技が炎に炸裂! しかし・・・・)

爆「!」

  (爆発の粉塵の中に立つ炎の影)

炎「・・・・・・さすがに今のはーー効いたぞ」

  (爆発で服が吹っ飛び上半身裸の炎。その胸には針の塔の紋章がいくつも浮かんでいる)

炎「爆・・・オレのものにならぬのなら」
 「殺す」

  (狂気の表情を浮かべる炎)

炎「死ねえぇッ 爆ぅーッッ!!!!」



  (二本の刀を振るい爆に襲い掛かる炎。迎え撃とうとする爆)



  (二人が激突する寸前、どこからか飛んできた剣が間に割って入った)



爆「な・・・なんだ!? 空中から剣が降ってきた・・・!!??」

天姫(それをお使いなさい爆・・・!)

爆「! 姫かッ・・・・・・!?」

  (宇宙船の発進を食い止めながら爆にテレパシーを送る天姫)

天姫(その剣はその昔ーーーーー)
  (炎の力を封じ込めるために使用したものです!)

炎「フッ・・・姉上 あの時と同じ事を爆を使ってやるつもりか・・・・・・」
 「無駄だあーーーーーッッ!!!」

  (構わず爆に斬りかかる炎)

  バッ(咄嗟に天姫が送った剣を抜く爆)

  キンッ(だが、炎の一撃で爆が抜いた剣は折られてしまった)

爆「!」
炎「ハハハハ あの頃よりオレの力は 数段増しているのだッッ」

  (勝ち誇る炎だが、折れた剣の柄の部分を見て顔色を変える)

炎「何ッ・・・!!??」


天姫(剣よ・・・あるべき姿へーーーーー)


  ドン(折れた剣の柄が新たな剣に姿を変える。それはあの真が使っていた大剣だ)



炎「そ・・・そんな オレの夢を阻止し続けていたのは・・・姉上ではなく真ーー!!!」


  グッ(ショックを受けた炎。それでも動き出す)


炎「うおおおおおおおおおおお」



  (雄たけびを上げ爆に飛び掛る炎)

爆「炎・・・貴様は己の野望を叶えるためにしか刀を振れんのか・・・」

  ググ・・・(剣を握る腕に力を込める爆)




爆「真は己の剣で貴様の野心から全世界を守り続けたんだァァ!!!」




  (渾身の力を込めて剣を振り下ろす爆)

炎「!!!!」

  カーン(今度は炎の刀が折れた)


炎「よく・・・オレを ここまで追つめる程成長したな・・・」

  (目や口から血を流しながら呟く炎)

炎「だが・・・オレは負けぬーーー」
 「もう二度と誰にも敗れぬとオレ自身に誓ったのだ!」
 「その夢を他人に壊されるぐらいならーーーー」
 「自らすべてを壊してやるッ!」

  シュ(忽然と姿を消す炎)

爆「・・・!」






  パッ(炎は宇宙船の外にテレポーテーションしていた)

  (宇宙船の先端に立ち、結界との衝突部分の真下に立つ炎)

炎「結界を破って宇宙船を発進させてやる・・・」
 「オレの野望とともに崩れ去れッ」
 「全世界(ツェルブワールド)!」

  ドボッ(手を天に掲げ、結界にエネルギー波を放つ炎)


爆「やめろッ炎!」
炎「!」

  シュッ(炎の背後に現れる爆)

炎「・・・・・・テレポーテーションもできるようになったか」
 「今度こそオレを斬り殺すつもりか?」
 「無駄だ・・・たかが一瞬の年月しか生きてないオマエにーーー」
 「無限の孤独からはい上がってきたオレは倒せん!」

  ガッ(無言で剣を地面につきたてる爆)

炎「・・・!?」
爆「炎・・・貴様は全世界のどのGCよりも強い・・・」
 「だけどその力を憎しみにしか変えられない貴様は 誰よりも弱い心の持ち主だ!」
 「この星にだっていろんな夢を持ってる奴がたくさんいる・・・」

  ザッ・・・(ゆっくりと歩く爆)

爆「その夢を全部奪うつもりなら」
 「オレたちは命を賭けて貴様を止める!」

  (炎の間近による爆。両手を掲げているジバクくん)

炎「剣ではオレを倒せんので 自分ごと聖霊でふき飛ばすつもりか・・・」

  パア・・・(無言の爆。両手を輝かせるジバクくん・・・・)







現郎「待てッ! 爆ッッ」

  シュッ(いきなりテレポーテーションしてくる現郎。爆を制止する)

爆「!」
炎「現郎・・・オマエも真のようにオレを裏切りにきたか・・・」
現郎「・・・・・・・・・いいえ炎さま 真はアナタを裏切っておりません」
  「真は・・・・・・最後までアナタと姫を守ってーーーー」
  「死にましたッッ」


  (衝撃の真実に何もいえない炎)



現郎「アナタと姫が眠りについた後ーーーー」
  「我々の星を滅ぼした連中がこの星にも追いかけて来たんです」




  (それは何年前か、ツェルブワールドに迫る宇宙船の軍団)


現郎「待て真ッ オレも一緒に戦うぞ!」
真「オマエは残れ・・・現郎!」
 「そしていつの日か目覚める炎と天を守ってやってくれ」
 「それができるのはオマエだけだ」
現郎「真・・・」
真「それになあ・・・オレらの星と同じ悲しみを この星の民に味あわせるわけにはいかんだろ」
 「あーあ 戦争なんて ホントくだらねーな」

  (迫り来る宇宙船の大軍団にただひとりで立ち向かう真)

真「いくつもの夢を呑み込むだけで・・・」
 「生みだすものは何もありゃしない・・・」




  (現郎の話を愕然とした表情で聞いている炎)

現郎「オレは真の言葉通りアナタと姫を守り続けてきました・・・」
  「だけどアイツのように この星の民まで思いやる事はしなかったッ・・・・・・」
  「炎さま・・・」
  「お願いですッ オレに友との約束を果たさせてください!」

  (涙を流す現郎)


天姫(炎・・・)

  (結界を張り続けている天姫の声が炎に届く)

天姫「真が剣を私に託した時・・・」
  「おまえが目覚めたらこう伝えて欲しいとーーーーー」





真「今度こそ本当に・・・オマエの夢に忠実に生きろ!」

  (いつかの幸せな日。真の剣を持ち上げようとする炎と、笑ってそれを見守る真・・・・・)

真「憎しみでも哀しみでもなくーーーーーー破壊でも復讐でもなくーーーーーー」

  (故郷の星を失い宇宙船で脱出した時)

  (炎が自分の無力さを痛感していたあの時、真は彼の背中に手をかけようとしてできなかった・・・・)

真「炎・・・それをやるためにオマエが生まれてきたことをーーーー」
 「やってくれ」







炎「真ーーーー!」

  (苦悶の表情で膝をつく炎)



炎「オレは家族も故郷も・・・」
 「そしてオマエすら失ったと思っていた・・・」

 「だけどオレはーーー」
 「自ら捨てていたのだ!」

 「オレに向けられていた人々の想いをーーー」

 「子供達の純粋な憧れの気持ちをーーーーー」

 「すべてを捨てて得たオレの力はーーーーー」

 「何よりも無力だ!!!」





  ゴワッ(膝をついた炎から凄まじい力が放たれる)

現郎「炎さまッ!!!」

  バッ(炎にかけよろうとする現郎)

炎「止めるな現郎ーーーー」
 「せめて王として死なせてくれ」
 「己れの罪は己れで裁くッ」
 「我が命と引きかえに全世界の悪素をこの身に受ける!!!」


  ズォオオオ(炎の言葉どおり、ツェルブワールド中からモンスターを生み出す源である悪素が集まってくる)


炎「ぐうう・・・」

  (悪素に冒され変色していく炎)

現郎「嫌だぁあ炎さまーッ」


  (なおも炎に駆け寄ろうとする現郎だが何かに気づく)


  (爆が炎の体を抱きとめ、悪素を浄化する光を放っているのだ)

炎「爆ッッ・・・!?」
爆「・・・貴様が吸い込んだ悪素は全部 オレが聖華してやるッッ」

  ゴオオオオ(悪素が再び炎に集まってくる)

炎「離せッッ爆!」「オマエまで巻き込まれるぞ!!!」
爆「・・・・・・・・・・・・・・・」
 「!」


  (悪素に取り込まれるかと思われたその時、爆は自分と炎が浄化の光に包まれていることに気づく)

  (それは、二人の周りに集った各世界のGC達が放っていたものだった)


爆「オマエら・・・・・・」
カイ「すみません爆殿・・・・・・零式兵を倒すのに手間取って遅くなりました」
アリババ「な〜〜に驚いた顔してんのォ 爆ぅ(ハート)」
ハヤテ「オレ達だって今度の戦いで浄華の術ぐらい使えるよーになったさ!」

ピンク「しっかりしなさいよー!」
   「アンタ世界制覇する男なんでしょ」
   「爆!」

  (仲間たちの声を受け笑みを浮かべる爆)


  (GC達の様子を見続けている現郎。その後ろに近づくのは・・・)

激「おーおー ひよっ子達が頑張ってるねえ〜〜〜〜!」
現郎「・・・・・・」
  「ああ・・・GC達が頑張ってるんだ・・・」
  「オレ達GSも力を合わせよう」

  (激、雹、シルバ、それに現郎と4人のGSが浄化の光を放つ)


  ぐい!(一方、爆。炎の腕を掴む)

炎「!」
爆「やるぞっ炎!」
炎「え・・・!?」

  (再び浄化の光を放つ爆)

爆「今度こそ本当に オレ達の夢を叶えるんだ!」






「夢ーーーーーーそれは誰もが願うこと・・・」


  (宇宙船より周囲に放たれる浄化の光)


「誰もが生まれながらにもてるもの・・・」


  フ・・・(モンスター化していた動物が穏やかになっていく)


「オレ達がやらなければいけないのは」


  (浄化の光が美しい花を芽吹かせる)


「誰もが自由に夢を見るこの世界を守ること」


  (光はツェルブワールド全土に届き、悪素はすべて浄化された・・・・)




天姫(これでいいのですね 真・・・)

  ガクッ(宇宙船を押しとどめている結界が消え、手を落とす天姫)

  ゴゴゴ(同時に再び宇宙船が動き出した)

爆、炎「「!」」

天姫(どうやら結界を張り続けるのは・・・もう限界のようです)

  (爆と炎に語りかける天姫)

天姫「炎・・・おまえは宇宙船で旅立ちなさい」
炎「し・・・しかしそれでは地上がッ・・・」
天姫「ツェルブワールドのことならば大丈夫です」
  「私にまかせておきなさい」
  「これから私とあなたは別々の場所で生きるのです」
  「たとえ家族であろうとも 人はいつか自分が決めた道をそれぞれ進むのですから」
  「お行きなさい・・・」
  「もう決して過去を振り返らずに」


天姫(爆・・・みんなを安全な場所へテレポートさせてください)

  (天姫の声を聞く爆。炎の背中をじっと見る)

  (炎は振り返らず、何も言わない・・・・)

現郎「激・・・オメーもテレポートの加勢をしてやんな・・・・・・」
  「オレは炎さまと共に行く」
激「・・・・・・ああ」
 「いくぞ爆・・・!」

  (爆に呼びかける激。だが爆は答えない)


炎「爆ーーーー」
 「今度こそオレは正しいやり方で自分の国を作って見せるよ」

  (背を向けたまま爆に話す炎)


爆「頑張れよ」
 「夢に命を賭けられる奴は本物だ!」


  (同じく背を向けたまま答える爆。その台詞は、かつて彼が炎に言われたものだ・・・・・・・)




  ゴゴゴゴゴ(ついに発進する宇宙船)



天姫(真・・・)
  (これから私は針の塔の代わりにこの世界の支えになります)
  (あなたが命を賭けて守ったこの大地を 私も守り続けていきます・・・)




  (宇宙空間を飛び行く宇宙船)

  (その中に立つ炎と現郎)

現郎「炎さま・・・」
  「ひとつだけお話してない事があります」
  「じつは・・・」
  「眠りにつく前に天姫さまは身篭っておられました・・・」
  「そして10年前あなたがお目覚めになった時ーーー」
  「万が一危害を加えられてはならないと お腹の子を地上へ降ろされたのです」
  「トラブルモンスターが一番少ないファスタへと・・・」
炎「とっくに気づいていたさ・・・」
 「だってアイツは父親にそっくりじゃないか」




天姫(そして)
  (あなたの息子が生きてゆくこの世界をーーーー)
  (私は見守り続けていきます!)




  (宇宙船として飛び立った針の塔。その跡に新しくそびえ立つのは、天姫が姿を変えた大きな花・・・・)

  (花びらを散らせる花をじっと見る爆・・・・・)











「7年後」









  (ここは2の世界セカン。相変わらず脳がとろけそうなお菓子で出来たピンクの家だ)

シルバ「ピンクやーい!」
   「ちょいとお使いに行っとくれ」
ピンク「やーよ! 忙しいんだからーーーー」

  (割烹着姿のシルバ。ソファにすわっているピンク)

シルバ「なんだいまたメールかい? 好きだねー今時の娘は」
ピンク「ほっといてよーーー」

  (携帯電話をいじっているピンク)

シルバ「そんなにいっぱい書いたって どーせ爆からはたま〜に”生きとる”としか返事はこないよ
ピンク「おばーちゃん! 見たでしょッッ」

  バッ(怒って身を乗り出すピンク。意に介さず浮かんで行ってしまうシルバ)

ピンク「もおッ、孫娘のメール隠し見するなんてサイテーだよ!」

  (最後の戦いから7年、大人の女性に成長したピンクだ)



「元気ィーーーー爆ーー」

「こないだひっさしぶりに女同士で集まったんで画像送るね」

  (成長したジャンヌ、ルーシー、あとなぜかアリババが集まっている)

「よけーなのもまざってるけどみんなイイ女になってるでしょ(ハート)」




「男連中も頑張ってるみたいよ」

「ダルタニアンと乱丸は立派にお城のご当主様やってるしー」

  (凛々しく成長したダルタニアンと乱丸。お付きの者たちも元気そうだ)



「ライブなんか今や超有名ミュージシャンだもんねーーーー!」

スタッフ「本番ですよ」
ライブ「オッケー」

  (ギターを抱えたライブ。と思ったら・・・)

デッド「今日はこっちでいくか・・・」

  (いきなりライブからデッドに姿が変わる)


「呪い解けた今でも ステージ上ではときどきデッドになってるけど やっぱあの姿にも愛着あるのね」



「そーそー、ハヤテが雹と一緒に暮らしてるのには驚きよねー」

  (「水みょ〜」などとしゃべる顔のついた花が鉢植えに咲いている)

雹「ハヤテーっ! またチャラに水をやり忘れてるぞッッ」
ハヤテ「いつまでココにいるんですか雹さん・・・」

  (雹の言葉にうんざりした様子のハヤテ。なんだかメルヘンチックな格好をしている)

「雹の弟の瑠璃くんの代わりに変な服ばっか着せられてるみたい」


雹「爆くんと結婚したら出ていってやるさあ(ハート)」
ハヤテ(死ぬまでおるんかい)

  (相変わらずの雹に絶望的な表情を浮かべるハヤテ)


「悪素が浄化されたからず〜〜〜〜っと一緒に長生きするわね」





「カイは相変わらず師匠(ヒゲ)と特訓の毎日よーーーー」


  (どこかの洞窟らしき場所。激の指導を受けているカイが棒を振るっている)

激「オラぁ! もっと気合いれろーッ」
カイ「あっ」

  (何かに気づいたカイ)

  (激の背後に近づく人影。それは・・・・)

激「よお・・・元気そーじゃねーか・・・」
現郎「オメーもな・・・!」

  (零の領域から解放された元GSたちも、元GCたちと同じく成長していた)




「アタシ達はもうGCじゃないけれど みんなそれぞれ自分の道を進んでるわーーーー」

「爆ーーーあなたは夢に向かって進んでる?」





  (ツェルブワールドの中心、天姫が変わった花が見える原っぱで寝転んでいる一人の男)

  (男の指をいじっているのは、”丸い物体”ことジバクくん。ということはこの男は・・・・)

爆「ん・・・・・・」
 「うるさいぞナマモノー」
 「昼寝の邪魔をするな!」

  (ジバクくんを指で転ばせる爆)

爆「!」

  ザ・・・(真の刀を枕代わりに寝転がっている爆。その側に立つ一人の男)

  (長髪に鎖で繋がった刀を持つこの男は・・・・・やはり炎だ)

  (上半身を起こす爆)

爆「なんだ来とったのか!」
炎「ハハハ・・・相変わらずな奴だな!」
 「今なにをしてるんだ?」
爆「ん・・・全世界一の冒険家を目指してる」

  (立ち上がって炎と対峙する爆)

爆「オマエの方は?」
炎「ああ、新しい国作りなら軌道に乗ってきた」
 「なぁ爆・・・・・・オレ達の決着はまだついてなかったぞ」
 「どちらが強いかもう一度勝負をしよう」
 「今度は殺し合いではなくーーーーー」
 「お互いの夢と誇りを賭けて!」

  (7年前の歪んだ笑みではなく、穏やかな表情で爆に勝負を申し込む炎)

爆「ああ・・・よかろう」

  ぐい・・・(真の剣を手に取る爆)






爆「俺の夢はーー世界制覇だ!」





  (逞しく成長した爆と、彼の掌に乗って歯をむき出した笑顔を浮かべるジバクくん・・・・)






                   END





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