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ジャッカー電撃隊の最終回


大勝利 !
 さらばジャッカー


ジャッカーの桜井とカレンは
クライム要塞島を発見し 調査に潜入した
しかし桜井は 捕虜にされてしまった
カレンは必死の思いで桜井を救出し 脱走するが
イカルス大王と追跡隊に 追い詰められてしまった


銃撃で気を失ったカレン水木を抱いたまま、身動きのとれない桜井五郎。
戦闘員クライマーたちを率いたイカルス大王が、桜井を追いつめる。

イカルス「銃殺用意!」

そのとき、彼方から閃光とともに首領シャインの声が轟く。

シャイン「待て、イカルス大王!」
イカルス「おぉ、シャイン! ついにジャッカーめを追いつめましたぞ!」
シャイン「たわけ! お前がそこでうろうろしている間に、乱入されてしまったぞ!」
イカルス「乱入!?」
シャイン「今は鉄の爪が防衛中じゃ! そんなケガ人は放っておけ!」
イカルス「はっ! 者ども、本部へ急行せよ!」
クライマーたち「はっ!」

本部へ向かうイカルス大王たち。だがその目の前に光が現れ、シャインの声が響く。

シャイン「待てぇ! このたわけ者!」
イカルス「おぉ!? シャインが2人……?」
シャイン「奴はニセ者だ。だまされるな!」
イカルス「ニセ者……?」

最初にシャインの声を出していた光が、怪しくゆらめく。

イカルス「何者だ、貴様!?」

光が消え、番場壮吉が現れる。

番場「ハッハッハッハ! ジャッカー電撃隊行動隊長、番場壮吉!」
イカルス「貴様が番場か!?」
番場「そして、またの名を……」

番場が赤バラをイカルス大王に投げつけるや、一瞬にして白い鳥人・ビッグワンに変身を遂げる。

ビッグワン「ビッグワン! 相手になるぜ!」
イカルス「よくも俺をだましたな! やれぃ!」

その間に桜井は、番場とともに駆けつけた女性隊員9号、10号とともに脱出を図るが、またもクライマーたちに取り囲まれる。

桜井「しまった……」

そこへクローバーキングが駆けつけ、クライマーたちをなぎ倒す。

桜井「キング!」

続いてダイヤジャックも現れ、キングとともにクライマーたちを一掃する。

キング「カレンは大丈夫か!?」
桜井「急がねば!」
キング「向こうにボートがある、急げ!」
桜井たち「よし!」「はい!」
ジャック「早く!」

桜井たちがボートに乗り込む。

桜井「早く出すんだ!」
10号「はい!」

ボートが島を発つ。依然、気を失ったままのカレン。

桜井「カレン……カレン!」


ビッグワンとイカルス大王の戦い。

イカルス「行くぞ、イカワッパー!」

イカルスの放った手錠を、ビッグワンがバトンで叩き落とす。
ダイヤジャック、クローバーキングも参戦する。

ジャック「電光キック!」
キング「キング回転投げ!」
イカルス「やめろぉ……!」

連続攻撃を浴びたイカルス大王が、要塞本部へ退散して行く。

イカルス「覚えとれぃ!」

ジャッカーもそれを追い、イカルス大王が姿を消した本部の入口へ。

ビッグワン「危ない!」

入口から火が吹き出す。危うく身をかわす3人。

ビッグワン「深追いするな!」


本部内の指令室へ帰って来たイカルス大王。アイアンクローが椅子に掛けている。

イカルス「なぜ助太刀に来なかった!? なぜだ!?」
アイアンクロー「敵に背を向ける腰抜けの助太刀などできぬ!」
イカルス「えぇい、黙れ! 私の使命は、地球を移動させるスターダスト計画の遂行にある。だから、無用な争いは避けたのだ」
アイアンクロー「腰抜けが、何を」
イカルス「えぇい、無礼な! その椅子はわしの者! どけぃ!」

イカルス大王が剣を抜く。
だが一瞬早く、アイアンクローが右手の鋼鉄の爪を撃ち出し、イカルス大王の喉を突く。

イカルス「クッ…… 鉄の……爪!」
アイアンクロー「力なき者は去れ!」

アイアンクローが机上のボタンを操作すると、床が開き、抵抗する間もなくイカルス大王が地下へと落とされる。

そこへ閃光とともに、シャインの声が響く。

シャイン「イカルス大王を死刑にしたな!?」
アイアンクロー「イカルスはジャッカーと戦えず、逃げ腰になりました。クライムに腰抜けは無用です!」
シャイン「わかった。鉄の爪よ、お前を太陽系のエンペラーに任命しよう」
アイアンクロー「それはまことでござりまするか!?」
シャイン「エンペラーは、常に勝たねばならぬ。わかるな?」
アイアンクロー「ははぁ! ジャッカーをこの手で、必ず倒してご覧にいれます!」
シャイン「よぉし、期待しているぞ!」

シャインの光が消える。

アイアンクロー「目にもの見せてやるぞ、この太陽系のエンペラーがな!」

アイアンクローが全身銀色の戦闘態、戦士鉄の爪へと姿を変える。


ジャッカー基地。

手術室に横たわるカレン。桜井、大地文太が見守る中、医師が診察にあたる。

桜井「どうです?」
医師「とにかく、一刻も早く手術をしないと危険です」
大地「カレン…… もう少しすれば鯨井長官がニューヨークから来る。がんばるんだ、がんばるんだ!」


クライムに狙撃された弾が 磁力回路に損傷を与えていた
早く弾を取り除かないと カレンの命が危ないのだ


成田空港。
帰国した鯨井大助長官を、東竜、女性隊員2人、そして鯨井の夫人と娘のマリが迎える。

一同「お帰りなさい」
東「長官!」
マリ「パパ、おかえりなさい」
夫人「ごくろうさま」
鯨井「ただいま。それで、カレンの容態はどうだ?」
東「はい…… 極めて危険な状態です」
鯨井「このまま直行する」
東「はい。失礼します……」
鯨井「先に帰ってなさい」
夫人「はい……」
10号「どうぞ」

女性隊員2人が、鯨井を東の車に招く。

マリ「パパ、早く帰って来てね」
鯨井「行こう」
東「はい」

東の運転で、車が空港を発つ。

9号「奥様、お送りいたします」
夫人「すみません」
10号「さぁ、マリちゃん」
マリ「はい」

4人が車に乗り込む。
だが運転席の10号に鋭い爪が突きつけられる。窓から覗き込む、戦士鉄の爪。


東の車のもとに、通信が届く。

東「はい、こちら東」
鉄の爪『鯨井長官の妻と娘を預かっている』
東「!? 誰だ、貴様!」
鉄の爪『第3埠頭へすぐに来い! すぐにだ!』

通信が切れる。

東「これは鉄の爪の声……」
鯨井「そんな脅迫には乗らんぞ。直行しろ」
東「しかし……!」
鯨井「カレンの手術が先だ! 急げ」
東「鉄の爪は冷血な男です。虫けらのように人間を殺す男です! 第3埠頭へ向かいます」

指示された場所に東の車が到着。東、鯨井が降りる。

東「鉄の爪、出て来い!」

停められているトラックの上に、鉄の爪が現れる。
そしてクライマーたちも現れ、トラックのコンテナを開ける。中には女性隊員2人、鯨井夫人、マリが捕われている。

夫人「あなた!」
マリ「パパ!」
東「どういうつもりだ、これは!?」
鉄の爪「文句を言わずに乗れ!」
クライマー「早くしろ!」

東と鯨井が突きつけられ、やむを得ずコンテナに乗り込む。

鉄の爪「さて、ジャッカーに連絡しろ。『鯨井長官を人質にされた』と」
東「……」
鉄の爪「早くするんだ!」

東が通信機を手にする。

東「こちら東……」


ジャッカー基地に、東からの通信が届く。

番場「何ぃ!? 人質にとられた!?」

電話が鳴る。

大地「はい、こちら本部。──えぇっ、カレンが!? カレンの容態が悪いそうです!」

番場、桜井、大地が手術室に駆け込む。

桜井「カレン!」
医師「動力エネルギー回路が熱を持ち始めたんです」
桜井「カレン……」
医師「長官は? 鯨井長官を助け出すことは、できないんですか!?」
番場「鉄の爪の狙いはこれなんだ。鯨井長官しか手術できないことを知って……」
医師「手術をしないと、回路自体が爆発してしまいますよ!」
大地「そ、そんなぁ!?」
桜井「……キング、君は科学者の卵だった…… 手術をしてくれ」
大地「カレンの手術を!? ……僕が!?」
桜井「そうだ」
大地「……冗談じゃない」
桜井「俺は本気だ! ……頼む」
番場「このまま放っておけば、カレンは死ぬ…… 大地、やってくれ」
大地「……」


白衣に身を包んだ大地に、医師がメスを手渡す。
大地の顔がこわばる。

桜井「頼む……」

メスを手にした大地の手が、次第に震え始める。

桜井「キング!」
大地「……失敗したら、カレンは死ぬ。死なせたくないんだ……死なせたくないんだ!」

そこへ炊事係の姫玉三郎が、スープを運んで来る。

玉三郎「あのぉ、カレンさんにと思ってスープを作ってきたぞなもし。レバーと野菜をぐずぐず煮込んで、栄養もりもりぞなもし」
桜井「ありがとう…… そこに置いといてくれ」
玉三郎「はい…… 早く良くなるといいぞなもし」

医師「この調子じゃ、あと2時間もつかどうか」
桜井 (カレン……)
番場「あるぞ! 救出の方法が一つだけ!」


夜。
静まり返った第3埠頭に、ジャックタンクが到着。
番場、桜井、大地、隊員たちが降りる。

番場「急げ」
隊員たち「はっ!」

コンテナの中で勝ち誇る、鉄の爪。

鉄の爪「フフフ……そろそろくたばる頃だ、カレン水木がな! わしはジャッカーに勝ったんだ!」

そこへ突然、コンテナの中に管が突き入れられ、白煙が噴き出す。


番場隊長は 爆弾の信管を
凍結させることを考えた
無論 人質も凍結状態になるが
短時間なので 命に別状はないのである


番場「よぉし、ドアを開けてみるか」
大地「爆発はしないでしょうね?」
番場「爆弾も凍ってるさ」
桜井「よし、開けるぞ」

コンテナが開く。一同が完全に凍結している。

桜井「すぐに病院に運ぶんだ」

桜井たちは鯨井たち人質を助け出す。
さらにほかの隊員たちは、鉄の爪を運び出す。

番場「鉛の箱にぶち込め」
隊員「はっ!」

鉄の爪が、鉛の箱に閉じ込められる。

番場「おっと待った! このまま置いとくわけにもいかない。どこかに埋めてしまえ!」
隊員「はっ!」


鯨井たちは病院での加熱処理により、凍結状態から蘇生。
早速、鯨井がジャッカー基地で、カレンの手術にあたる。
手術の末、肩に突き刺さった銃弾が摘出される。

鯨井・医師「エネルギーチャージ」

カレンの体にエネルギーが充填される。うっすらと目を開くカレン。

カレン「鯨井長官……」
鯨井「よぉし…… もう大丈夫だ」
桜井「カレン、気分はどうだ?」
カレン「長い眠りから覚めたみたい…… すっきりした気分よ」
番場「ふぅ…… 鉄の爪は、今頃処分されてます。残るはクライム要塞島!」


鉄の爪の処分のため、彼を閉じ込めた箱を隊員たちが山中へ運んでいる。
突如、箱から爆発音。

隊員たち「うぁっ!?」「調べてみろ!」

箱の蓋を開く。中から蘇生した鉄の爪が現れ、隊員たちをなぎ倒す。


一方で桜井たちは、空中要塞スカイエースでクライム要塞島を目指す。

東「あの島だ!」
桜井「行くぞ!」
東「よし!」

スカイエースが着陸。
桜井、東、大地、カレンがそれぞれスペードエース、ダイヤジャック、クローバーキング、ハートクインに変身し、ジャッカーマシンで出動する。

エース「攻撃!」

ジャッカーマシンの一斉砲撃。
応戦に現れたクライマーたちがたちまち、蜂の巣になる。
4人は手薄になった要塞へ侵入。

エース「あっちだ!」

だが突如、シャインの光が閃く。

エース「シャイン!?」
シャイン「くたばれ、ジャッカー!」


ジャッカー基地。

玉三郎「大変ぞなもし! ててて、鉄の爪が、せ、攻めて来ました!」
番場「何ぃ!? 長官!」
鯨井「うむ!」

本部入口。
警備にあたる隊員たちを、鉄の爪が次々に倒してゆく。
果敢に挑む玉三郎を、鉄の爪が捕える。

鉄の爪「貴様もジャッカーの一味か!?」

玉三郎は声にならない声をあげ、ぶるぶる震える。

鉄の爪「本当か!? どうなんだ、はっきりしろ!」

そこへバトンが飛来し、鉄の爪を直撃。番場が現れる。

玉三郎「隊長!」
鉄の爪「番場め、貴様と決着の時が来たな!」
番場「望むところだ!」

群がるクライマーたちを、番場はあっという間に一掃する。
そして番場と鉄の爪の一騎打ち。

玉三郎「隊長!」

玉三郎の放ったバトンを番場が受け止め、鉄の爪に挑む。
鉄の爪の、文字通り鋼鉄製の右手の爪が番場を襲う。
番場が攻撃をかわし、ひらりと体を一回転させ、またたく間にビッグワンへと姿を変える。

ビッグワン「ビーッグワーン!」


要塞島。

エース「よぉし、突撃だ!」
一同「おぅ!」

4人が要塞党本部の中へ突入。
一室で、ジャックとキングがクライマーたちを倒す。

ジャック「よし、セッティングだ!」
キング「よし!」

ジャックが室内に爆弾を仕掛ける。

ジャック「引き揚げるぞ!」

一方で、エースとクインは指令室へと乗り込む。

エース「シャインはどこだ……?」

突如、シャインの光が閃く。

エース「シャイン……!?」

その光の中から球状の通信機が姿を現し、シャインの声が響く。

シャイン「死ね、ジャッカー……死ね!」
エース「スペードアーツ!」

エースが通信機を撃ち落とす。


ジャッカー基地前では、ビッグワンと鉄の爪の戦いが続いている。

玉三郎「この勝負、引き分けだな」

だがそこに、スペードエースたち4人が現れる。

鉄の爪「来たか、ジャッカー!」

エース「スペードエース!」
ジャック「ダイヤジャック!」
クイン「ハートクイン!」
キング「クローバーキング!」

ビッグワンも列に加わり、そろい踏み。

ビッグワン「ビッグワン!」
一同「我ら、ジャッカー電撃隊!」

鉄の爪「わしは太陽系のエンペラーだ、皇帝なのだ! 貴様ら、頭が高い!」
エース「シャインの正体はこれだ!」
鉄の爪「何!?」
エース「よく見ろ、アイアンクロー!」

エースが鉄の爪に、シャインの声の主である通信機を投げつける。

鉄の爪「これが……バカな!?」
シャイン「鉄の爪よ! お前は太陽系のエンペラーだ! ジャッカーを倒せ!」
ビッグワン「貴様は操り人形だったのさ!」
鉄の爪「そうだったのか……くそぉ!」
ビッグワン「正義の怒りを受けてみろ!」
鉄の爪「わしの怒りを受けてみよ!」

クライマーたちが現れる。

ビッグワン「ゴー!」
一同「おぅ!」

ビッグワンの指示で、4人がクライマーたちに立ち向かう。

エース「真っ赤に燃える正義の血潮、悪を切り裂けアトム射ち! スペードアーツ!」
ジャック「ダイヤソード回転斬り! 怒りのエレキで鍔鳴りさせて、守って見せるぜ、青い地球!」
クイン「ハートキュート磁力パワー! 娘18涙を捨てて、戦場に咲く桃の花!」
キング「重いパンチが唸りを上げりゃ、緑の風が渦を巻く!」

クライマーたちが4人の攻撃で一掃される。今度こそ、残るは鉄の爪1人。

ジャック「ダイヤソード回転斬り!」
キング「クラブメガトン!」
エース「スペードアーツ・アトム射ち!」
ジャック「ダイヤソード稲妻斬り!」
キング「重力プレス!」
クイン「ハートキュート!」

4人が次々に攻撃するものの、鉄の爪にはまったく通用しない。

エース「ジャック、キング、ジャッカークロスだ!」
ジャック「OK!」

エースのパンチとジャック、キングの同時キック。

エース「ジャッカーアタック、時間差攻撃だ!」

四方から4人が時間差攻撃をかけるが、鉄の爪は瞬時に姿を消し、攻撃をかわす。

エース「よぉし、電光キックだ!」
一同「電光──キック!!」

4人が同時キックを繰り出すが、鉄の爪はそれを浴びても、まったく動じない。

鉄の爪「とどめだ!」

そのとき、空から光が閃く。
驚いて空を見上げる鉄の爪、光の中からビッグワンが現れる。

ビッグワン「ビ──ッグワン!!」

鳥のように空を舞うビッグワン。
鉄の爪も身を宙に躍らせ、ビッグワンのバトンと鉄の爪の右手の爪がぶつかり合う。

エース「隊長!?」
ビッグワン「ビッグボンバーだ!」
エース「よし、ビッグボンバーだ!」
一同「ビッグボンバー!」
ジャック「セット1!」
キング「セット2!」
クイン「セット3!」
エース「行くぞコンバイン! セーットオン!」

4人がそれぞれ手にした部品をくみ上げ、必殺砲ビッグボンバーが完成。
ビッグワンが砲弾を装填する。

ビッグワン「ジャッカー必殺武器、ドブネズミ! ビッグボンバー!!」

砲弾が放たれる。
空中で砲弾がドブネズミに変身、鉄の爪に食らいつく。

鉄の爪「うぁっ!? うおぉぉ──っっ!!」

大爆発──

ビッグワン「ビッグワン!」
一同「ジャッカー!」


犯罪組織クライムは壊滅した。

番場、桜井たち5人が、夕陽に照らされる街並みを見渡す。
玉三郎と女性隊員2人が一同を追う。


自由の戦士ジャッカーよ
君たちの活躍は 平和を愛する人々によって
これからも長く語り継がれるであろう

さらば ジャッカー電撃隊


おわり

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