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新機動戦記ガンダムW
G-
(
ジー
UNIT
ユニット
)
の最終回
#11 平和な時代のために
MO-V
エムオーファイブ
と
OZ
オズ
プライズとの最終決戦。
MO-Vからアディン・バーネットのガンダムグリープ、オデル・バーネットのガンダムアスクレプオス、ロッシェ・ナトゥーノのガンダムL.O.ブースターが出撃。
破壊将軍ヴァルダー・ファーキルの乗るハイドラガンダムに、アディンのグリープが立ち向かう。
アディン「ヴァルダー オレはオマエを許せない── だがオマエが軍を引き 死んでいった人々に謝罪するというのなら」
ヴァルダー「フン── われらが今この戦場にいるということは── 決着をつけるためのはず」
アディン「
わかったぜ! もう迷わない オレは戦うっ!!
みんなを守るために
オマエをたおすっ!!
」
ヴァルダー「ムダなことだ少年!」
アディン「
でやあああっ
」
グリープの放ったハイパーメガ粒子ランチャーをハイドラがかわし、逆にサーベルの一撃を浴びせる。
アディン「
ヴァルダー!! うおおおおっ
」
次第にハイドラがグリープを圧倒し始める。
アディン「くっ ……強いな やはりこのままじゃ……」
一方、OZプライズの旗艦グランシャリオでは……
ペルゲ「始まったな ここはヤツにまかせて ワシはMO-Vをつぶすとするか」
オデル「そうはさせんぞ ペルゲ!!」
ガンダムアスクレプオスが現れる。
オデル「MO-Vには近づかせはしない!!」
ペルゲ「
二号機
(
アスクレプオス
)
!? オデルか! オデルよ オマエは消すにはおしい人材じゃ ワシの片腕として使ってやる 共に来い!」
オデル「すべてが思い通りになると思っている── それだから あなたのことを好きになれない」
ペルゲ「ワシの用意した仮面をつけ 故郷を捨てれば覇者となれたものを…… マークのようにあくまでも ワシに反抗すると言うのだな
気にいらんなっ!!
」
モビルドールたちがアスクレプオスを取り囲む。
オデル「!!
PXオンッ!!
」
ペルゲ「バカめ」
モビルドールたちがアスクレプオスを次々に攻撃する。
オデル「何っ!? 動きが読まれているのか」
ペルゲ「ワシの作ったGユニットじゃ しかもオマエのデータは分析ずみじゃよ
MD
モビルドール
ならデータにあわせて攻撃プログラムを組めばいい」
オデル「くうっ」
ペルゲ「
オデル 敗れたり
」
次第にアスクレプオスが追い詰められる。
グランシャリオの窓が開き、ペルゲが姿を現す。
ペルゲ「完成されたパイロットゆえ プログラムは簡単じゃったぞ ざまはないな もう一度だけ訊く──ワシに仕えろ」
オデル「何度も言わせるな! その気はない!!」
ペルゲ「ではオマエの父──マーク・バーネットと同じように ワシがあの世に送ってやろう」
オデル「何っ!? ではあのシャトル事故は……!?」
ペルゲ「そうじゃ ワシがMO-Vを利用するにはマークがじゃまだったからな シャトル事故に見せかけてワシが消したのじゃ おかげで計画通りにGユニットを完成できた これからワシはMO-Vを消し 地球圏制覇にのりだす ワシの偉業を見せられぬのは残念じゃが…… オデルよ 父親のもとへゆくがいい!」
オデル「……オレはオマエの悪行など見たくもない……
オマエだけは許さない!! PXオーバードライブ!!
」
ペルゲ「バ……バカな クラーツと同じことになるぞ!!」
オーバードライブしたアスクレプオスが、ペルゲ目掛けて突撃。
オデル「ここから先にはいかせないっ!!」
ペルゲ「ワシを殺す気か!? 地獄が始まるぞ〜〜っ!!」
ペルゲが炎に包まれ、最期を遂げる。
ペルゲ「このワシがGユニットにやられるとは…… そうじゃ そうじゃよ Gユニットこそ最強! それを理解しなかったおろかな者たちよ── 思い知るがいいっ!!」
グランシャリオ内。
死んだはずのペルゲの姿が、あちこちのスクリーンに表示される。
兵士たち「
特佐!!
」
ペルゲ「グランシャリオの兵士諸君に告ぐ! ただ今よりこの艦はワシの意志により運行する ジャマをする者はだれであろうと自動防衛装置のえじきになるであろう 死にたくなければ退艦しろ! もうだれにも止められはしない── コロニー経由地球行き航海の始まりじゃ」
グランシャリオの異変に気づくアディン。
アディン「なんだ!? グランシャリオか? 兄さんは!? 二号機の反応は── 兄さん! 答えてくれ」
オデル「だ……大丈夫だ なんとか生きてはいる…… アディン──グランシャリオを止めてくれ…… ペルゲは自分の死と同時に起動する
装置
(
プログラム
)
を組んでいたのだ…… 自滅プログラムで動き出した
亡霊戦艦
(
グランシャリオ
)
は── 無人のままで航行し 進路上のコロニーを主砲で破壊しつくし
最後には地球に落下し核爆発を起こす……
」
アディン「
なんてことを……!
」
ヴァルダー「見苦しい老人だ しょせんは悪あがき──」
MO-Vのルシエ・アイズリーから託されたプログラム・カードを、アディンが手にする。
アディン「悪あがき……だな アレを止めるにはさっさと アンタをやっつけないといけないか」
ヴァルダー「フン」
アディン「悪あがきしてやるぜ 全力でね」
プログラム・カードをコクピットに装填。
アディン「
PXシステム オーバードライブ
」
オーバードライブしたグリープが、ハイドラを圧倒し始める。
アディン「
負けられないんだよオレは!! 負けられないんだァ──!!
」
ヴァルダー「クッ パワーが──これは! このわたしと対等に剣を交えるとは── 何者だこのMSは──
何者だっ
」
ハイドラの反撃がグリープに直撃。
アディン「
ぐあああっ
」
ヴァルダー「わたしとわたりあえるのは
あの男
(
トレーズ
)
のみ! それをっ!!」
「
トレーズは死んだよ
」
ヴァルダー「何?」
それはロッシェの声であった。
ロッシェ「今 宇宙通信を傍受した 世界国家軍は降伏宣言したよ 元OZ総裁はガンダムに倒されたらしい── もはやOZもトレーズもこの宇宙には存在しないのさ キサマの決着はあの世でつけろ!!
いけ!! アディン!!
」
アディン「
オマエの相手は このガンダムグリープだっ
」
ヴァルダー「
ガンダムだとォ!! ガンダムッ
」
ハイドラの猛攻が炸裂する。
グリープがその中を、捨て身で突撃する。次々にボロボロになっていくグリープ。
アディン「
でやあああああっ
」
グリープの振るう渾身のビームランサーが、遂にハイドラを斬り裂く。
ハイドラが大爆発──
アディン「ハハ……なんとかやったか グラン……シャリオを追わなくちゃ だめだ……このグリープじゃPXも使えない くそォ……ここで終わるのかよォ……」
「MO-Vを救えるのはオマエだけだ」
「ホントにバカだなオマエは!」
アディン「え?」
アスクレプオス、L.O.ブースターが現れる。
アディン「兄さん!! ロッシェ!! ふたりのガンダムもボロボロじゃないか── これでどうやってMO-Vを救えるんだい」
オデル「アディン 忘れたか わたしたちの機体はただのMSじゃない
G-UNITだ!!
」
MO-V内。宇宙空間の彼方から、グランシャリオが次第に接近してくる。
「第二防衛線突破されました」「グランシャリオの主砲射程距離に入ります」
アリサ「だめです Dユニットでは相手の侵攻を止められません」
ディック「なんてことだ!」
トリシア「敵艦主砲発射準備中!!」
トリシア「あれは!! 戦艦後方より急接近する反応──Gユニットです」
ルシエ「アディン!!」
猛スピードでMO-Vへ向かうGユニット。
アディン「三機のパーツを組み合わせてできた最後のGユニット オーバードライブで機体もオレも限界だ 一発だ──この一発にかける
キメろ!! Gユニット!!
」
アディンの放ったランチャーが、グランシャリオを貫く──!
AC195年12月──
宇宙を揺るがせた大戦は終結し
新生地球圏統一国家は
MSをはじめとするすべての
兵器の廃棄を決意した
AC 196年 2月──
MO-V内。ロウ・サーナン特士が通信をしている。
ロウ「──ハイ 通信もクリアになりました 周辺宙域の航行も問題ありません── MO-VのMS生産設備はすべて宇宙船用のものに変更しました」
通信相手「そうか 新しい時代のため MO-Vの協力を期待していると伝えてくれ ──ところでプライズがそこに侵攻した理由はなんだったのだ?」
ロウ「──さあ
MO-V
(
ここ
)
には何もありませんでしたよ では失礼します 式が始まりますので 特佐──いえ レディ・アンさまによもろしく」
MO-Vそばの宇宙空間。2機のリーオーが待機している。
MO-Vの中では、花嫁姿のトリシア・ファレルをはじめ、正装姿の一同がそれを眺めている。
オデル「こちらオデル機──準備完了」
アディン「こちらアディン──Gリーオー01 いつでもいけるぜ」
ハーマン「ふたりともケガはせんでくれよ〜〜」
ディック「最後の二体のリーオーだ ぶっこわしてくれていいぞ!」
ルシエ「アディン 負けるんじゃないわよ♪」
アディン「おう ドレスの似合わないダレかさんは だまって見てろって!」
ルシエ「
悪かったわね! そういうアンタだって
」
アディン「だまってろっ」
ロッシェ「結婚式に解体前のリーオーで模擬戦とはな── まったくこいつらの考えることといったら くだらん いこうアリサ」
アリサ「ロッシェ──お別れのあいさつをしないのですか?」
ロッシェ「あのバカとは また会うこともあるさ」
別れの言葉もなく、賑わう皆を後にするロッシェたち……。
オデル「ペイント弾十発勝負 これっきりだ 心残りのないように思いっきりいくぞ」
アディン「花婿だからって手かげんしないよ──これは みんなを平和な時代へ導くための最後の戦いなんだ」
賑わうMO-V一同。トリシアが感涙を拭っている。
アディン「そしてオレは兄さんをやっつけてエースパイロットだ」
オデル「──そうだ そのいきだ」
アディン「いくぜ兄さん 今回もオレが──」
「
オレがキメるぜっ!!
」
G-UNITという名の
もうひとつのガンダムが
存在したことを語る人は
ここにはいない──
それは平和にむけて
歩みだした人類のために
歴史の中に封印された
MSの名だからである
GUNDAM WING DUAL STORY
G−UNIT
〜 THE END 〜
『新機動戦記ガンダムW G-UNIT』 完