戻る TOPへ

星獣戦隊ギンガマンの最終回


(前回からのハイライト)

ナレーション「ゼイハブを倒すために、リョウマたちのもとに帰ってきたヒュウガ。だが、地球魔獣が遂に急成長を遂げ、バルバンの黒い野望が地球を包み込む」
レッド「この星を……バルバンの思い通りにはさせないっ!」
ナレーション「今、三千年の戦いに終止符を打つべく、最大の戦いが始まろうとしていた」

地球魔獣にギンガイオーとブルタウラスが挑む。

ブルー「何て力だ!」
黒騎士「魔獣は星を破壊する為だけに生まれてきたんだ」
イエロー「こいつ……早く倒さないとまずいぜ!」
グリーン「だが下手に攻撃すれば、魔獣の破片から新しい魔獣が生まれてしまう」
ピンク「じゃ、どうすれば!?」
レッド「焼き尽くすしか方法はない! ギンガイオーの攻撃に、俺のアースを合わせてみる!」
グリーン「リョウマ! かなり力を使うぞ……」
レッド「これ以上、この星を荒らさせるわけにはいかない!」


最終章
明日あした伝説レジェンド


レッド「超銀鎧剣!! 銀河獣王火炎斬り!!」

レッドのアースを込められた超銀鎧剣が炎の剣と化して炸裂。
だが魔獣には通用せず、逆にギンガイオーが吹き飛ばされる。
そしてブルタウラスも倒される。

ピンク「……効かない!?」

魔獣が街へ向かって歩き出す。

レッド「みんな、奴を街に入れるな!」

魔獣の前にギガフェニックス、ギガライノスが立ちふさがる。
ブルタウラス、ギンガイオーも加勢する。
銃撃が炸裂。 空からバルバンの居城「荒くれ無敵城」が飛来する。

ゼイハブ「ハハハハハ!」
レッド「ゼイハブ!」
ゼイハブ「そこまでだぜギンガマン」

荒くれ無敵城が地球魔獣の頭部に合体する。

レッド「何っ!?」
ゼイハブ「てめぇらには返しても返しきれねぇ三千年分の借りがある! これがその礼だ。遠慮なく受け取りなぁ!!」

ゼイハブの傍らには、グリーンに敗れた操舵士シェリンダの剣。
シェリンダを失ったゼイハブは、自ら舵をとる。

舵に操られた地球魔獣の攻撃がギンガイオーを苦しめる。
ブルタウラスがナイトアックスで魔獣に斬りかかる。

黒騎士「ゼイハブ……お前は俺が倒す!」
ゼイハブ「先生が死んじまって、ベソかいてるかと思ったぜ黒騎士ぃ……!」

魔獣の反撃が炸裂、ブルタウラスが倒れる。
ブルタウラスをギガフェニックスとギガライノスが庇うが、魔獣の攻撃の前に2体も倒れる。

レッド「許さんっ!! ガルコンボーガン・火炎流星弾!!」

ギンガイオーのガルコンボーガンにレッドの炎のアースが込められ、炎の矢が放たれる。
だが魔獣はそれを難なくギンガイオーにはね返す。

黒騎士「みんな、大丈夫か?」
グリーン「あぁ、俺たちは……だがリョウマが!」

レッドが既にフラフラになり、立つのもやっとのような状態になっている。

ピンク「やっぱり力を使いすぎだよ!」
黒騎士「みんな、魔獣を頼む。俺はゼイハブを何とかする!」
イエロー「ヒュウガーッ!!」
黒騎士「野牛烈断!!」

ブルタウラスが猛攻の中を捨て身で突進、ナイトアックスが無敵城に炸裂する。

ゼイハブ「黒騎士、てめぇ……!!」

魔獣の爪がブルタウラスを斬り刻む。

レッド「兄さーん!!」
ピンク「ヒュウガーッ!!」

無敵城が大爆発。

地上へ逃れたゼイハブ。
後を追って地上へ降りた黒騎士が、ナイトアックスを振るって突進する。
その脳裏に、ブクラテスの死に際の言葉が蘇る。

「ゼイハブを倒す方法は、奴の右胸に埋め込まれた『星の命』を砕くことじゃ」

ナイトアックスが振り下ろされる──が、ゼイハブの手がそれを止める。

ゼイハブ「なるほど……狙い所は掴んで来たってぇわけか。だがな、てめぇには俺は殺せねぇ!」


ギンガイオーの中。
力を使い尽くしたレッドが、力を振り絞って立ち上がる。

レッド「この星を……守るんだぁっ!!」

そのとき。
4本の手が差し出され、レッドの手をつかむ。

レッド「みんな……!?」
グリーン「リョウマ、一緒にやろう!」
ブルー「俺たち、ずっと一緒に戦ってきたんだからな!」
ピンク「もう一度合わせよ、私たちのアース!」
イエロー「今度は絶対うまくいくって! アースを信じようぜ!」

ギガフェニックスとギガライノスも、ギンガイオーの肩をつかみ、星獣パワーを込める。

5人「うおおぉぉ──っ!!」

ギンガマン5人のアースがギンガイオーの全身に満ちる。


ゼイハブの猛攻が黒騎士を苦しめる。

ゼイハブ「アースを捨てたのはいいが、俺を倒すにゃ腕が足りねぇようだなぁ」

渾身の力で振るった黒騎士のナイトアックスが、遂にゼイハブの弱点と言われる右胸に命中。
しかし……

ゼイハブ「どこを狙ってるんだ? そんなところに星の命はねぇよ」
黒騎士「何!?」
ゼイハブ「だから言ったろ、てめぇには俺は殺せねぇってな!」


レッド「はずせない、この一撃だけは!!」
グリーン「リョウマ、撃て!!」
レッド「ギンガ大火炎!!」

ギンガイオーの両拳から、灼熱の火炎が降り注ぐ。
火の海に包まれ、地球魔獣が灰と化して消滅してゆく。


ゼイハブ「俺の地球魔獣を……!?」
黒騎士「残念だったな……!」

逆上したゼイハブが黒騎士に猛攻を加える。
止めを刺そうとしたとき──駆けつけたギンガマンがそれを止める。

レッド「兄さん!」
黒騎士「奴は……星の命を埋め変えていたんだ!」
レッド「何だって!?」
ゼイハブ「ギンガマン、せっかく手に入れた魔獣を台無しにしてくれたな! この俺に逆らったことを後悔させてやるぜ!」
レッド「お前を倒して、戦いを終わらせるだけだぁ!」
ゼイハブ「アースを捨てた黒騎士にも倒せなかったこの俺を、てめぇらがか? ハハハハ……てめぇらなんぞにこの俺は倒せねぇよ! 俺がてめぇらをぶっ殺す!」
レッド「何っ!?」
ゼイハブ「その前に……この星を壊して汚して、また魔獣を調達しなきゃなんねぇがな」
レッド「むぅっ……そんなこと絶対にさせないっ!! 行くぞぉ!!」
ゼイハブ「馬鹿が……!」

ギンガマンたちが黒騎士に挑むが、ゼイハブの圧倒的な強さの前に苦戦を強いられる。

レッド「俺たちは……負けない!!」

なおもゼイハブに挑むギンガマン。
ゼイハブ目掛け突進した黒騎士のナイトアックスが、ゼイハブの胸の中央を突く。

ゼイハブ「てめぇ……」

ゼイハブが火を吐き、黒騎士の体を焼く。
ナイトアックスが粉々に砕け散る。

黒騎士「ぐわあぁ──っ!!」

黒騎士が倒れ、転生が解けてヒュウガの姿に戻る。

レッド「兄さん!」
ピンク「ヒュウガ!」
ゼイハブ「死ねぇっ!!」

ゼイハブが左腕の大砲を放つ。

6人「うわあぁ──っ!!」

ギンガマンたちも転生が解け、元の姿に戻って倒れる。


ギンガマンたちのもとへ向かう、晴彦の車。
車内で勇太が、ボックを抱きながら涙をこぼしている。

勇太「リョウマ……ハヤテ……ゴウキ……」
ボック「勇太……」
晴彦「泣くな……勇太が先に負けてどうする。リョウマさんたちは絶対に勝つ。そう信じて応援するんだ。リョウマさんたちに届くように、大きな声で!」
勇太「パパ……」
晴彦「うん……!」

勇太が涙を堪え、車の窓から顔を出して叫ぶ。

勇太「みんなぁー、がんばってぇ──っ!!」


ゼイハブの砲撃に倒れた6人。
ヒュウガが立ち上がり、ブルライアットを抜き、ヨロヨロとした足取りでゼイハブに挑む。

ゼイハブ「よぉーし、てめぇから地獄に送ってやるぜ」

ヒュウガが転生しないままブルライアットを振るうが、到底通用せず、逆にゼイハブの猛攻を生身に浴びる。

リョウマ「兄さあぁん!!」
ゼイハブ「くたばれぇ!!」
リョウマ「でやぁっ!」

ゼイハブが止めを刺そうとした瞬間、リョウマがとっさに放った「炎のたてがみ」がそれを止める。

ゼイハブ「この野郎……!!」

ハヤテ「リョウマ、ヒュウガを安全なところへ!」
リョウマ「兄さん!」
ゼイハブ「フン……無駄なことを」
ヒカル「ゼイハブ! 勝負はこれからだぜ!」
ゴウキ「この星は絶対に渡さない!」
サヤ「私たちの力で、守ってみせる!」
ハヤテ「みんな……行くぞ!」

ハヤテたち4人がゼイハブに挑む。


ヒュウガを連れ、離れた場所へ逃げてきたリョウマ。
傷ついたヒュウガが大きく息をつく。

リョウマ「兄さん……ここで待っててくれ」
ヒュウガ「待て! 俺も行く……」

戻ろうとしたリョウマの手を、ヒュウガがつかむ。
立ち上がろうとしたヒュウガ。だが傷の痛みに耐え切れず、顔が歪む。

リョウマ「兄さん……その傷じゃ無理だ!」
ヒュウガ「俺は戦う! 戦ってゼイハブを倒す! たとえナイトアックスがなくても……たとえアースがなくても……俺はこの星を守りたいんだ……」
リョウマ「兄さん……アースはあるよ……!」
ヒュウガ「!?」
リョウマ「兄さんの中に……アースはある!」
ヒュウガ「……リョウマ」
リョウマ「アースは星を守る力だろ? 星を愛する心があれば、アースは生まれるんだ……星を守って戦っている限り、兄さんの中にも、大きなアースは生まれるはずだよ!」
ヒュウガ「……」
リョウマ「自分を信じるんだ……教えてくれたのは兄さんだろ?」


回想。ギンガマンの称号を得ようとしたヒュウガがバルバンに敗れ、その称号をリョウマに託した時。

ヒュウガ「リョウマ、聞くんだ……お前にも、大きなアースはあるはずだ! 自分を……信じていないだけだ!」
リョウマ「兄さん!」
ヒュウガ「お前の力を、俺は信じてる……」


かつての自分のその言葉が、ヒュウガ自身の脳裏に蘇る。

ヒュウガ「リョウマ……!」
リョウマ「俺たちのアースで……ゼイハブを倒そう!」


戦いの場に到着した勇太たち。
ゼイハブの猛攻が、生身のハヤテたちを容赦なく苦しめる。

ゼイハブ「てめぇらもつくづく馬鹿な野郎たちだな。奪って壊してこその星じゃねぇか。守る価値なんかありゃしねぇ」
ハヤテ「お前には……絶対わからない! この星に……どれだけ大切な物があるか!」
ゴウキ「この星は……絶対守るぅ!」
ヒカル「これぐらいで、負けないぜぇ!」
サヤ「この星が生きてる限り、私たちは戦うっ!」
ゼイハブ「だったら星と一緒に心中でもするんだなぁ」
勇太「やめろ──っ!!」

思わず絶叫した勇太に、ハヤテたちが気づく。

ハヤテ「勇太!?」
勇太「みんな頑張って、負けないで!」
ボック「負けないでボックー!」
ゼイハブ「うるせぇな! 引っ込んでな!」

勇太たちにゼイハブの大砲が向けられる。

リョウマ「待てっ!!」

崖の上にリョウマとヒュウガが現れる。

ゼイハブ「貴様ら……」
リョウマ「ゼイハブ!! お前は終わりだっ!!」
ゼイハブ「何ぃ……!?」
リョウマ「兄さん……行くぞっ!!」

リョウマが「炎のたてがみ」の構えをとる。
そして──ヒュウガも同じ構えを。

ゼイハブ「むぅっ!?」
ハヤテ「あぁっ……!?」

リョウマ・ヒュウガ「炎の……たてがみぃ──っ!!」

リョウマの手から、そしてアースを無くしたはずのヒュウガの手から炎のアースが放たれ、ゼイハブの胴に炸裂する。

ゼイハブ「何ぃ!? 星の命がぁっ!!」

その胸に埋め込まれていた、超パワーの源・星の命が砕け散る。

ゼイハブ「こんな……馬鹿なぁっ……!?」

リョウマ「ゼイハブ!! 星を傷つけるお前から星が離れたんだ!! お前を倒す!!」
ヒュウガ「この星を守るために!!」
5人「ギンガ転生!! ハァッ!!」
ヒュウガ「騎士転生!!」

6人がギンガマンに転生して揃い踏み。

レッド「ギンガレッド・リョウマ!」
グリーン「ギンガグリーン・ハヤテ!」
ブルー「ギンガブルー・ゴウキ!」
イエロー「ギンガイエロー・ヒカル!」
ピンク「ギンガピンク・サヤ!」
黒騎士「黒騎士・ヒュウガ!」
6人「銀河を貫く伝説の刃!!」
レッド「星獣戦隊!!」
6人「ギンガマン!!」

ナレーション「ギンガマン……それは、勇気ある者のみに許された、名誉あるギンガ戦士の称号である!」

ゼイハブ「てめぇら全員……地獄へ叩き込んでやるぜ!」
レッド「唸れ、ギンガの光! 獣装光!!」

ギンガマン5人がギンガの光の力で、獣装光ギンガマンとなる。

黒騎士「黒の一撃!!」
5人「ギンガ炸裂!! 銀河の戦光!!」

6人の必殺技が次々に炸裂。

レッド「炎一閃!!」

レッドの剣が唸り、ゼイハブに止めを刺す。


大爆発──。


勇太・晴彦「やったぁ──っ!」
ボック「やったボック──っ!」


6人が転生を解く。

ゴウキ「勝った……」
ヒカル「勝ったんだ……俺たち……」

6人のもとへ勇太たちが駆け寄る。

勇太・ボック「みんな──っ!」
リョウマ「勇太!」
晴彦「やりましたね……感動です!」
ハヤテ「晴彦さん……」
ボック「みんな、あれは何ボック!?」

ボックが指した方向、山の中腹が光に包まれている。

リョウマ「あ……あれは!」
ヒュウガ「ギンガの森の方向だ……」
サヤ「まさか……!?」

6人が光の方へ駆け出す。
勇太たちも後を追う。


ギンガの森が消えた湖から、まばゆい光があふれている。
そして湖面から──森が現れる。

ゴウキ「森だぁ……!」

言葉を失い、皆が森の蘇る様を見つめる。

リョウマ「ギンガの森っ!!」

湖の底へ消えたはずの森が、完全に元通りに蘇る。
そして森の中から、長老オーギをはじめ、ギンガの森の住民達が現れる。

リョウマ「長老!!」

長老の隣には、ハヤテの婚約者ミハルもいる。

長老「戦士たちよ……よく戦った……!」

ミハルが拍手を送る。
住民達も拍手を送る。

勇太「きっと星が……リョウマたちに返してくれたんだね、森を」
晴彦「繋がってるんだよ……人と星は」

リョウマ「わあぁぁ──っ!!」
ヒカル「みんなあぁ──っ!!」

リョウマ、ヒカル、サヤが皆のもとへ駆け出す。
ゴウキが泣きじゃくっている。

ハヤテ「ほら、行くぞっ!」

ゴウキの肩をハヤテがつかんで駆け出す。
そしてヒュウガも駆け出す。

「お帰りなさーい!」「みんなーっ!」

リョウマ「長老!」

たちまち、リョウマたちが歓声の中に飲み込まれてゆく……。


平和が戻ったギンガの森。

リョウマたちが森の地に種を植える。
枯れた筈のモークが蘇る。

リョウマ「モーク!」
モーク「みんな……また会えて、こんなに嬉しいことはないよ」
ボック「モーク……」


リョウマと勇太が森を駆け回る。

ハヤテがミハルに笛を聞かせている。

ヒカルを追い回すサヤを、ヒュウガがなだめる。

晴彦が星獣たちの絵を描いている。

ゴウキが、戦いの前に交わした約束通り、鈴子先生に森を案内している。


野原に佇むリョウマと勇太。
ふと、勇太が寂しげな顔をする。

勇太「もう……毎日会えないね……」
リョウマ「勇太……俺たちはいつも……」

勇太がリョウマの頭を抱く。

リョウマ「ここにいるよ!」

2人が笑い合う。
ヒュウガたちも駆け寄ってくる。
そして皆が、ギンガの森の野原をどこまでも駆けて行く。


ブランコに乗ったボック。

ボック「また会おうね……ボック……」


(終)
inserted by FC2 system