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時空警察ヴェッカーD-02 メモリーズ


オリジナルDVD作品。
TV版最終回より続くもうひとつの最終回。


西暦2004年
時空の彼方より
1枚のディスクが発見された


ANOTHER PHASE


D-02本部。

カナ「皆! 皆、本当にメイのこと覚えてないの?」
一同「……?」
サキ「覚えてるも何も、初めからそんな名前の時空刑事、D-02には存在しないわ」
カナ「私ははっきり覚えてる! 時空刑事メイ……榊 明は、自分勝手でわがままですぐ怒るけど、本当に優しい子だった……」
サキ「……」
カナ「私はメイから大切な物を、たくさんたくさん貰ったんだ……」

立ち去ろうとするサキの前で、カナが両手を広げて行く手を塞ぐ。

アム「カナちゃんがそんなに言うんだったら、アメスケちゃんに聞いてみたらどうにゃ?」
ハル「アメスケ?」

エリーが蛙のぬいぐるみ「アメスケ」を差し出す。

エリー「A・M・e・S・C・E (Absolute Memory Storage Contrivance Equipment)。重大な時空犯罪によって起こる歴史改変の影響が、時空刑事にまで及んだ時、そこから記憶を取り出して、歴史の修復を行なうバックアップシステムのことです」

カナがアメスケを抱きしめる。

カナ「無かったことなんかにしたくない……メイとの想い出……そして私たち6人の、かけがえの無い時間の記憶……」
ケント「ちょっとぉ、7人でしょ? 7人」
ハル「あんたはいいの。女の子だけのひ・み・つ!」
ケント「……皆で見ようよ。ねぇ?」

ケントが壁のスクリーンに向かってリモコンのボタンを押すが、なかなか映らない。

サキ「貸しなさい、貸してみなさいって」

業を煮やしたサキがケントの頭をポカリと叩き、リモコンを奪ってボタンを押す。


「時空警察ヴェッカーD-02」TV本編の映像が始まる。
PHASE-1。カナとメイが出逢ったばかりの頃の映像。

カナ「メイはいつも1人だった……メイとコンビを組むことになった私は、メイと行動を共にする内にわかったんだ。私たちとても似てる……私もいつも、1人だったから……」

PHASE-2。
カナとメイが、互いが辿ってきた過去を吐露する場面。

PHASE-4。
カナの初恋の相手であるユウキ・トーマや、かつて名を上げる前の宮本武蔵の姿。

カナ「ユウキ・トーマは、パパとママの助手をしていた。私の……初恋の人だった」
アム「あぁ〜! このイノシシ男がぁ、宮本武蔵だったんだよぉ。アムちゃんのお陰で、二刀流を開眼できたんだにゃ」

PHASE-5。
時空刑事リリーが宇宙人扱いされて病院に収容されてしまった際の場面。

アム「わ〜! この人はアムちゃんの憧れ、先輩時空刑事のリリーさんだにゃ!」
ハル「アムにはひどい目に遭わされてたよねぇ」
ケント「でも凄腕の時空刑事だったんだよな。バディも凄かったし」

ハルがケントの足をグリグリと踏みつける。

ケント「痛!」
ハル「ちょっとだけ先輩の活躍も見てみない?」
アム「うん!」

「時空警察ヴェッカーD-02」の前作、「時空警察ヴェッカー」の時空刑事ユリー、ミリー、リリーの活躍が映し出される。

アム「リリーさんはバイオロイドだったけど、エリーちゃんのようなアンドロイドは、この時代にはまだ作られてなかったにゃ」
サキ「そう言えばエリー、家出したことあったよね……」
エリー「エリーは……絶対に忘れません。琴乃のことは……」

PHASE-6。
自分の妹の幸せを守る為に自ら命を絶った少女・琴乃。

ハル「サキはライバル、マヤとも再会した……」

PHASE-8。
サキの旧友でありながら、彼女を憎悪していたマヤ。

ハル「昔のサキとマヤって、まるでカナとメイのようだったね」
カナ「……? ハルさん! メイのこと思い出したの!? 良かったぁ……!」

「思い出したって何よ……?」

声の方を振り向くと、リモコンを手にしているのはサキではなく──メイ!

メイ「私……ずっとここにいたよ?」
カナ「メイ……!」

カナがメイに抱きつく。

メイ「ちょ……何よぉ?」
カナ「もう逢えないと思った! 私たちのことも、二度と思い出せないと思ってた!」
メイ「……あんたの顔だけは絶対に忘れないよ。何があってもね」
カナ「……」
メイ「本当に色んなことがあった……」

PHASE-7、PHASE-9。
カナとメイの交流の場面が映し出される。

カナ「私もメイのお陰で、大事なものを取り戻せた」
メイ「私も! カナのお陰で、自分の未来を信じることが出来た……」

カナ「私たちがD-02として一緒に過ごしたこの時間を、一生忘れることは無いだろう。歴史は変わってゆく……未来も変わってゆく。これからこの6人が離れ離れになったとしても、この記憶は絶対に消えることはないだろう」
ケント「はは、だから7人だって!」


突如、警報が鳴り響く。

エリー「規定外のクロノライナー確認。2002年へ向かっています」

サキの前にD-02メンバー一同が整列する。

サキ「ケント」
ケント「俺たちは、戦い続ける!」
サキ「ハル」
ハル「歴史を守る為に」
サキ「アム」
アム「あっかるい未来のためにぃ〜!」
サキ「エリー」
エリー「皆の幸せの為に──」
サキ「メイ」
メイ「……私たちの未来の為に」
サキ「カナ」
カナ「1人1人の明日の為に!」

サキ「時空警察ヴェッカー、出動!!」


サキの号令のもと、一同が出動する。


時間の秩序を、人々の未来と幸せを守る為、少女達は時空を駆け続ける──


(終)
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