戻る TOPへ




●前回のあらすじ

突然の体調悪化により倒れた小姫。それは彼女の体内にある機械部分が、生体反応により故障したことによるものだった。

サイボーグの機械部分が無ければ生きていけない小姫は、徐々に弱っていく。

そして、父・大王や甘悟ら友人たちの願いも空しく、小姫は二度目の生を終えたのだった・・・・・






  (石橋家。小姫の亡骸を抱きかかえた甘悟)

甘悟「瀧! オレにロケットと背負わせてくれ」
瀧「何?」「何考えてんだ、おまえっ ロケットで何しようってんだよ!」
甘悟「オレは小姫が苦しんでいる間、何一つしてやれなかった・・・」
  「だからよーーーーせめて・・・」
  「こいつが一番好きだった場所に連れてってやりてえんだ!」

  (言いながら微笑を浮かべる甘悟)









●Last No.HAPPY HAPPY BIRTHDAY











  (出会いをはじめ、小姫との数々のエピソードを思い起こす甘悟)




  (小姫の亡骸を抱え庭に立った甘悟。背中には小姫のロケット”小小姫”を背負っている)

大王「やめるんだ甘悟君! 以前そいつは小姫以外使いこなせないと言ったはずだ!」
  「君の気持ちは小姫もきっとわかってくれる! だからーーー」

  スッ(大王の言葉を手で遮る美甘。その目からは涙が溢れている)

美甘「あいつは小姫ちゃんの力になってあげられなかった自分が許せないです。好きな様にさせてあげましょう」
大王(甘悟君ーーーーーー)


甘悟「さーーーーて!」
  「いくぜっ小姫!!」


  ギャンンッ(一気にロケットをふかし、夜空に舞い上がる甘悟と小姫)


甘悟「見えるか小姫? おまえの空だ!」
  「苦しかったろうな つらかったろうな・・・・・・・・・」
  「オレはそんなおまえにかけてやる言葉さえ見つけられなかったけど・・・・・・」
  「おまえの告白に対するオレの返事だけーーー」
  「照れくせーけどここで答えてやるよ」
  「石橋甘悟はーーーー」
  「大空小姫が・・・」


  シュッ・・・ン(その時、小小姫のエンジンに異常が)

甘悟「!?」

  (機能停止したらしい小小姫。落下していく甘悟と小姫)


瀧「甘悟ぉおっ!!!!」
友人「おっ、落ちてる!?」


甘悟「おおおおおおおおお!!?」


大王「手を離せ!! レバーを使って早く噴射させないと!!」
  (だからやめろと・・・・・・!!)
帝「甘悟っ!!」
古村「石橋っ!!」



  

甘悟「くぅああああああっ!!」

  ガシッ(頭から落下していく甘悟。だが小姫を離さずしっかりと抱きかかえる)

甘悟(離さねえぞ・・・!!!)
  (たとえどんな事になったってもう離さねえ!)
  (ここでおまえを離して助かったって、少っしもうれしかねえ!!)

  「これ以上おまえに、負い目作れねぇからな」









「・・・・・・・・・コ・・・ヒ・・・メ・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・コヒメ・・・・・・」



「あなたを心から想ってくれる人がいます」

「そしてーーーーーあなたのために今、命を捨てようとしている人がいます」

「あなたはそれをどう思うのでしょうか」

「目をあけなさい。小姫!」



  (甘悟とともに落下していく小姫の亡骸。彼女に語りかける声)



「あなたを待っている人がいます」

「それとも悲しみの輪を・・・これ以上広げてもいいのですか?」




  (次第に輝きを発する小姫の亡骸。驚く甘悟)



「目をあけなさい」

「みんなの為に」



  キイイイイイイ(地面まであとわずか・・・・)



「甘悟君の為に!!」



  (その時、小小姫に伸びる手が。それは・・・・)



「自分の為に!!!」





小姫「はいっ」






  ぎゃん(地面との激突直前、小小姫を再点火したのは小姫!!)

  ぞりっぞりっ(勢い余ってすっ飛んでいく小姫と甘悟)



小姫「勢いあまってこけちった」
  「シッパイシッパイ」
甘悟「小姫・・・・・・おめー小姫だよな?」

  (涙を流し笑顔を浮かべる甘悟)




(夢じゃない・・・・・・)




小姫「あーーーっ 甘ちゃんカオくしゃくしゃだあ」
  「男前がだいなしだよぅ!」

  (同じく涙と笑顔を浮かべる小姫)




(私は今ーーーーー生きてる)




甘悟「こぉひぃめぇえええええええ」
小姫「いててててててて!!!」

  (嬉しさのあまり小姫に飛びつく甘悟。勢いあまってすっころぶ二人)


人々「「「「「小姫ぇーーーーーーっ!!」」」」」


  (歓声を上げて駆け寄ってくる人々)


小姫「心配かけてごめんねーーーーーっ、私は元気だよーーーーーー!!!」


  (嬉し涙で喜びを分かち合う仲間たち・・・・の中で一人そっぽを向いている素直じゃない古村)



小姫「みんな・・・・・・ただいま!」




  (いつの間にか差していた朝日の中、笑顔で小姫を持ち上げる甘悟)








「一度死んだ人間が生き返る。奇跡と言わず何と言おうかーーーーー」




  (一夜明けた石橋家)

大王「少し調べたんですが・・・完全に機械は停止しているんですよ」
  「なぜか・・・・・・臓器が本来あるべき能力をとりもどしているんです」
伊予甘「それって・・・普通の人間と何ら変わりないってこと?」
美甘「かたっ苦しい事はいらないよ!「生きてる! それでいいじゃないか!」



小姫「いってきまーす!」

  (いつもどおり学校に出かける小姫と甘悟)



小姫「お父さん、私ねーーーー」
  「聞こえたんだよ」
  「みんなの声と・・・それからねぇ・・・」
  「お母さんの・・・・・・・・・声!」



大王(奇跡と言わずーーーーー何と言おうか・・・・・・・・・)



甘悟「あれ? 小姫おめーロケット忘れてんぞ」
小姫「ん?」
  「いいんだ!」
甘悟「・・・・・・・・・ふーーーん」




  (こちらはピエール学園)

古村「まったくいい迷惑だよっ!!!」
  「あいつのおかげでせっかくの海外留学が流れちまったじゃないさ!!」


「古村千里(17) 7月28日生 獅子座 血液型B型」


古村「あのヤロー今日という今日はとっちめてやらん事には気が済まん!!」
  「今日の古村様はプリプリだよォ!」

  (生徒会室でいつものように怒っている古村。それを眺める高山)


「高山浩之(16) 6月25日生 蟹座 血液型A型」


高山(古村さんあんな事言ってますがーーーーー実はとってもうれしいのを僕は知ってます)
  (顔に出ちゃう人なんですよねぇーーーーーウソのつけない人って言うんでしょうか?)

高山「かわいい古山さん」

  ボソ(古村に見とれて思わず小声で言ってしまう高山。だが古村千里はその言葉を聞き逃さなかった)

古村「なめてんのかてめえーーーっ!! 小姫の前にまずおまえをぶっ殺してもいいんだよ!!」
高山「ひええーーーっ ごめんなさああい!!」


  (と、二人のいつもの様子を生徒会室の外で察したのは生徒会長の水谷)


「水谷留以(17) 1月29日生 水瓶座 血液型AB型」


水谷(またやってる・・・今は入らない方がいいみたいだね)


「余談ではあるが・・・後に古村と高山は夫婦となる(当然カカア天下)」



  (さて、こちらは・・・)


「瀧則正(15) 1月15日生 山羊座 血液型A型」


  ダシィ(渋くきめている瀧の前には、たたきつけられた10点の答案用紙)


「石橋美甘(24) 11月23日生 射手座 血液型O型」


美甘「瀧よぉ〜〜〜おめぇこんな点とってみっともなかねぇか?」
  「勉強勉強ゴリゴリ言う気はねえが、せめて赤点はクリアしろよ!」
瀧「全教科あわせれば100点なんだがな!!」
美甘「・・・・・・・・・」
  「イヤ・・・それでも100点いってねえよお前・・・・・・」

  (まったく反省の色を見せない瀧)

美甘「こういう言い方良くないがね。2点差で甘悟に負けてるよ」
瀧「何ィ!? 甘悟に!!!」
 (それだけは・・・・・・許せん!!!)

瀧「家に帰って猛勉強するのだっ!!」
美甘「まだ学校終わってねぇぞお!!」

  (美甘の怒りの声も届かず、ものすごい勢いで職員室を出て行く瀧)

美甘「ったく!!」
教師「石橋にだけは負けたくないないんですなァ」
  「思い出しますわい! 入学式の時の事」


  (ピエール学園の入学式。今とは別人のように荒れていた甘悟と瀧は大喧嘩をやらかした)


教師1「しかし何ですな。あいつも割りと仲はいいように見えますね」
教師2「最近はケンカもあまりしていない」
美甘「ああいうのをね、『類は友を呼ぶ』って言うんですよ」
  「『毒を以って毒を制す』ともいいますがね!!」
教師たち「さっすが現国教師!」

  パチパチ(拍手を送る教師たちにドヤ顔の美甘)




  (さて、今度は・・・・)


「<スクリューレディ>船木海(15) 12月27日生 山羊座 血液型A型」


「石橋甘悟との出会いにより、己の気の弱さを克服する事を決意した少女」
「今現在のところは・・・・・・・・・」

?「海ちゃんっ!!」

  どん(道を歩く海に声をかけたのは・・・・)

「くまタンちゃん ちなみに『くまタンちゃん』がフルネーム。ちゃん付けする時は『くまタンちゃんちゃん』となる」


くまタンちゃん「ワ、ワシと・・・・・・っ!!」「ケッコンするんやああーーーーっ!!」

  (花を捧げプロポーズするくまタンちゃんだが・・・・)

  パタリコ(その場で目を回して倒れてしまった海)

くまタンちゃん「・・・・・・・・・」
海(くまさんが・・・・・・くまさんのお人形が・・・・・・)

「歩みは遅かろう・・・だがしかし!」
「ガンバレ! ガンばるのだ海ちゃんっ!!」




「<キャタピラクイーン>大地帝(16) 10月28日生 蠍座 血液型B型」


  (長髪をばっさりと切った帝)

友人「ど、どしたの帝!? その頭!!」
  「失恋でもしたのォ!?」
帝「ああ。とびきりのでかいヤツをな!」
 (くやしいがあの二人にゃかなわねえからな。ここは男らしく身を引いてやるよ)

帝(それにしても・・・・・・)

  
帝父「ホレた女ぐらいモノにできんのかっ!?」
帝母「○○○するまでお前だけ残りなさい!!」


帝(どーしよっかねェ・・・)

  (ムチャクチャなことをいう両親に頭を悩ませる帝)

帝「お」

  (ふと教室の外を見る帝。海が歩いている)

帝(海か・・・今はまだまだガキんちょだが・・・・・・)
 (あの資質! しばらくまちゃあかなりの女になりそうだなぁ・・・・・・・・・)



  (以下、帝の妄想)

海「私も石橋君にフラれちゃいました。えーん」
帝「互いの心の傷をなめあっていかないか?」「お前が大人になるまで待つぜ」
海「牛乳でこんなになりましたよ!」(ボインボインになった乳を見せる海)
帝「うおぅつ!!」
 「揉んでやるっ! 揉んでやるっ!! うおおおおん!!」
海「ああーん 海ははずかしいですーーー」



帝(決・め・た マイ・ハニーっ)

  はあはあ(妄想に興奮して息を切らせる帝)

海「?」

  ぞく(寒気を感じる海)

「ガンバレ海ちゃん・・・・・・・・・・・・」





  (この他、石橋伊予甘、石橋良枝、石橋甘吉といった石橋家の人々)


  (そしてなぜか登場する忍者下着泥棒・城池勝幸。留置所に入れられている)

城池「今日はいい天気だな・・・」



  (最後に大空大王)




「そして再びーーーーー」





  でんっ(テーブルのうえに所狭しと並べられたのは、ローストチキンや寿司、ケーキなどごちそうの山)

小姫「うひゃ! スっゴイ!!」
甘悟「全快祝いだ!! みんなで銭出しあってよ! 先生達にゃナイショだぜ!」
小姫「ありがとみんなっ!!」

  あーん、パクン(さっそくお箸でつまんで食べる小姫

  (固唾を呑んで小姫を見守る友人たち。サイボーグだったころは普通の食事は食べられなかった小姫だが・・・・)

小姫「うんっ すっごくおいしい!!!」

  (満面の笑みで返す小姫)

  (浮かれまくる仲間たち・・・・・・の背後で空っぽになった財布に青くなる小村)





「そして再び人間になった君にーーーーーー」




「石橋甘悟(16) 8月18日生 獅子座 O型」

「<ロケットプリンセス>大空小姫(16) 12月8日生 射手座 O型」





「HAPPY HAPPY BIRTHDAY!!」





inserted by FC2 system