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〜らんま1/2 38巻 最終話 らんまとあかね〜
(…の途中 らんま達が日本に帰ってきてから。)



サフランとの戦いの後、乱馬達が日本に帰国してきた。

どかっばきっ!!

天道道場から なんとも鈍い音が響いてきた。
乱馬が頭にこぶをつくり、廊下に倒れこんだ。(さっそくかい!)
「よぉしっ、気絶しとる間に…。」
「こうして、こうしてっ。」
早雲(あかねの父親)と玄馬(乱馬の父親)は何をたくらんでいるのか、乱馬の服を脱がし始めた。
そして―…、乱馬が気がつくと、なんと乱馬は純白のタキシードに身を包んでいた!
「な、なんだこれは―――っ!!!!」
すると早雲がさらっと乱馬に答えた。
「いや、あかねが祝言あげてもいいって…。」
「え?」
玄馬も乱馬の母も その場にいた。
「断じてウソではない。」
「男らしいわ、乱馬。」
乱馬の母は、涙を流して喜んでいた。

―…、あかねの部屋。
「くぉら、あかねぇっ!!」
乱馬があかねの部屋のドアを壊す勢いで部屋に入ってきた。するとそこには、純白のウェディング・ドレスに身を包んで、少し化粧を施したあかねの姿があった。
「乱馬…。」
乱馬の体が硬直した。
「やっぱり和服の方が良かったかなぁ…?」
「い、いや、俺はどっちでも…、かっ、かわいいと……。」
「本当…?嬉しい…。」
黙って 下を向く二人・・・。

一方、天道道場とは全く関係ないところで、結婚式の招待状を眺めている男の姿があった。良牙だ。…どうせまた、迷子にでもなっているのだろう。
「結婚式の招待状…か。ふっ…。」
良牙は 遠〜い目で空を見上げた。
――…あかねさん、おれは このまま旅立ちます…。しあわせになってください。そして……すまん、あかりちゃん。きみへのみやげの賞味期限は切れてしまった……――。
そう言って良牙は、行き先のない旅へ(行き先の決められない旅へ)と出発していった……。

お好み焼きうっちゃん―――……。
そこには じゅーじゅーと音を立ててお好み焼きを焼いている右京の姿があった。その姿は とても悲しいものがあった。右京は あかねと乱馬への祝いのスペシャルモダン焼きを焼いているのだ
―――…いつかこんな日がくるって思ってた…。もう…うちにできるのは心を込めてお好み焼きを焼くことだけや。……―――。

猫飯店……。シャンプーとムースが店の中に残っている。
「のう、シャンプー。すぐには乱馬をあきらめきれんじゃろうが…。」
ムースは シャンプーを優しく慰める。
「おらは いつもおまえだけを見つめている。そのことだけは…。」
シャンプーは 少し寂しげな背中を見せながら、ムースに語りかけた。
「そんなこと…、わかてるある。」
そして、ムースの方に向き直り、にこっと微笑んだ。
「ムース、手伝うよろし。お祝いの肉まん作るね。」

そしてまた、あかねの部屋に戻る―――…。
二人はまだもじもじとした会話を繰り返していた。
「あ、あのさ…。」
沈黙を破ったのは乱馬だった。
「なんで素直に…、祝言あげる気になったんだ?」
あかねは少し顔を赤らめて答えた。
「だって……、乱馬…、あたしのこと好きなんでしょ?」
「へ?」
乱馬はとっぴょうしもないことを言われ、なんとも情けない顔になってしまった。
「え…?なにそれ。」
「だって呪泉洞で泣きながら……。」
乱馬はいろいろとぐるぐる考えてみる……。
「言ってねぇ!!」
「言ったも同然よ!!!」
「なんだとやるかっ!」
乱馬はばっと構えた。
「ふっ、いいのよ無理に祝言あげなくたって…。そのかわり、後悔するからね。」
「ん…?」
乱馬は首を傾げた。

結婚式会場――…、天道道場。
「しっかしおとーさん。」
なびきの伸びた声が聞こえた。
「なにもそんなの、乱馬君に隠さなくたって…。」
早雲は気色の悪い笑みを浮かべた。そして、目の前にある『男溺泉』と書かれた樽をみて、もっと不敵な笑みを浮かべた。
「男溺泉一人分…。これにて披露宴の鏡割りをするまでは、乱馬くんには男溺泉の水 渡さーん!!」
「そー言ってあかねを説得したのね。」
なびきは 呆れ顔で納得した。
「天道くん、わしにまで隠しておいたとは……。」
そう言って早雲の肩をたたいたのは玄馬だった。(始まった始まった)
「わしが奪うとでも思ったのか――ッ!もらったぁ!!」
そう言って玄馬は樽を奪い、早雲の頭を蹴飛ばして走り去った!…とそこへ「ここはどこだー!」などと言いながら、良牙が壁を壊して道場に入ってきた。その残骸に躓いて、玄馬は樽を投げ出した。…とそこへ!
「くぉら、乱馬にあかねっ、気がかわらぬうちにさっさと祝言を…。」
と いいながらムースが道場に入ってきた!
「男溺泉!!」
「ああ!!」
樽が宙を舞っている。
と そこへ、男溺泉のことをあかねに聞いて始めて知った乱馬が、道場に向かって走ってきた。
「男溺泉があるだぁぁ〜〜!!ばっきゃろー!それを早く言えーーー!!」
その乱馬に向かって、肉まんとモダン焼きが飛んできて…。
どーーーん!!ちゅどーーーん!!
―――…、爆発した。
「あいやー、あかねを狙たのに!!」
「まだまだあるで、祝いのスペシャルモダン焼き!!」
…、右京とシャンプーだった。
その攻撃をくらって倒れている乱馬に小太刃がのっしと覆い被さった。
「しっかりなさってあなた!!」
…と、落ち着いている暇は無い。その乱馬に向かって、久能が真剣を振りかざした!
「この久能帯刀の許可無く祝言をとりおこなうなど…ゆるさ―――ん!!」
そう言って久能は真剣を振り回した。
「ばっきゃろー、今はそれどころじゃ…。」
必死に逃げ回っている乱馬の足元に、『防火』と書かれた、水の入ったバケツが。…乱馬はその水をかぶって女になった(汗
「おさげの女、この場で僕とW挙式を!!」
久能が女乱馬に抱きついたが、乱馬の一撃が顔面にヒット。
「おねーちゃんでしょ!招待状ばらまいたの!!」
あかねがなびきにかぶりつく。
「だってほら。」
なびきの手には沢山のご祝儀が握られていた。
一方、男溺泉の樽の方は、玄馬、良牙、ムースの手によって、再び空中へと投げ出された。とその時、中身がこぼれてしまった!!
「男溺泉!!」
「祝い酒じゃー――!!」
と、そのこぼれた男溺泉の水は、酒と間違えた八宝菜の腹の中へと消え去ってしまった。
その後、乱馬とあかねの挙式に招待された面々が、天道道場にやってきたが……。ひっちゃかめっちゃかな会場に、ただ目を丸くすることしか出来なかった――――………。


「…ま、そういうわけなんで。」
茶の間。早雲があかねと乱馬に向かって、話をしている。
「祝言はもう少し身辺整理をしてからとゆーことで…。」
そういってプカー…っとタバコを吹かした。
「だいたいあんたがねー。」
「おめーのせいだ。」
乱馬とあかねの喧嘩が 絶えることは無かった。

―――そーゆーわけでこれから先は、延長戦…。


「「いってきマース!!」」

二人は元気よく、学校への道を急いだ。


END

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