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魔法少女リリカルなのはの最終話


なのは(ナレーション)「それは平凡な小学3年生だったはずの私、高町なのはに訪れた小さな事件。信じたのは勇気の心。手にしたのは魔法の力。願ったのは小さな思いが届くこと。旅立ちの始まりはきっといつも悲しくて、だけど思いはきっと通じ合えたから。だからさよならはきっと始まりの言葉。魔法少女リリカルなのは始まります」


エイミィ「お願いみんな!脱出急いで!」

                  なまえをよんで

アルフ「フェイト!フェイト!・・キャッ」

フェイト「う、う・・・」

アルフ「フェイト!フェイト!」

なのはが助けに来た

なのは「フェイトちゃん!」

手を差し出す

なのは「飛んで!こっちに!」

その頃

美由希「うっ」

恭也「地震止まったみたいだな」

美由希「えっ、本当だ」

アースラ内

スタッフA「庭園崩壊終了。すべて虚数空間に吸収されました」

スタッフB「次元震停止します。断層発生はありません」

リンディ「了解」

スタッフA「第三船側で離脱、巡航航路に戻ります」

エイミィとユーノはクロノとなのはの手当てをしていた

なのは「あれ、フェイトちゃんは?」

ユーノ「アルフと一緒に護送室。彼女はこの事件の重要参考人だからね。申し訳ないが、しばらく隔離になる」

なのは「そんな。痛た」

ユーノ「なのは、じっとして!」

なのは「うん」

クロノ「今回の事件は一歩間違えれば次元断層さえ引き起こしかねなかった重大な事件なんだ」

エイミィは包帯で遊んでいた

エイミィ「かわいい」

クロノ「時空管理局としては関係者の処遇には慎重にならざるを得ない、それは分かるね?」

なのは「うん」

クロノ「エイミィ、やり直し!」

エイミィ「ちぇっ」

護送室

フェイト「・・・・」

なのは(ナレーション)「そして、色んな事が終わりました。私とユーノ君が出会ってから今日まで終わってみれば何だかあっという間の日々。次元震の余波が治まるまでの間、私達は数日アースラの中で過ごして・・・それから」

リンディ「今回の事件解決について大きな功績があった者として、ここに略式ではありますがその功績を称え表彰いたします」

なのはは緊張していた

リンディ「高町なのはさん、ユーノスクライア君。ありがとう」

拍手が鳴り渡る

なのは、クロノ、ユーノが廊下を歩いていた時

なのは「クロノ君、フェイトちゃんはこれからどうなるの?」

クロノ「事情があったとはいえ、彼女が次元干渉犯罪の一端をになっていたのは紛れも無い事実だ」

なのは「あっ・・・」

クロノ「重罪だからね。数百年以上の幽閉が普通なんだが・・・」

なのは「そんな!」

クロノ「なんだが!」

なのは「えっ」

クロノ「状況が特殊だし、彼女が自らの意思で次元犯罪に加担していなかったこともはっきりしている。後は偉い人達にその事実をどう理解させるかなんだけど、その辺にはちょっと自信がある。心配しなくていいよ」

なのは「クロノ君」

クロノ「何も知らされずただ母親の願いを叶えるために一生懸命なだけだった子を罪に問うほど時空管理局は冷徹な集団じゃないから」

なのは「クロノ君てもしかしてすごく優しい?」

クロノ「なっ・・・」

クロノが赤くなる

なのは「えへっ」

ユーノ「あははは」

クロノ「し、執務官として当然の発言だ!私情は別に吐いていない!」

なのは「別に照れなくていいのに」

クロノ「照れてない!」

なのは「かわいい」

クロノ「何だよ、笑うなよ!」

食堂で

リンディ「次元震の余波はもうすぐ治まるわ。ここからなのはさん達の世界になら明日には戻れると思う」

なのは「よかった!」

リンディ「ただ、ミッドチルダ方面の航路はまだ空間が安定しないの。しばらく時間がかかるみたい」

ユーノ「そうなんですか・・・」

リンディ「数ヶ月か半年か、安全な航行が出来るまでそれくらいはかかりそうね」

ユーノ「そうですか。その、まあ、うちの部族は遺跡探して流浪している人ばっかりですから。急いで帰る必要もないと言えばないんですが。でもその間、ここにずっとお世話になるわけにもいかないし」

なのは「じゃあ、うちにいればいいよ。今までどおりに」

ユーノ「なのは、いいの?」

なのは「うん、ユーノ君さえよければ」

ユーノ「じゃあ、その、えっとお、お世話になります」

なのは「うん!」

リンディ「うふふ」

クロノとエイミィが入ってくる

クロノ「ったく、あんなに寝てるからだよ!」

エイミィ「だって、ずっと徹夜だったんだよ。まだ眠い」

クロノ「あっ」

リンディ「あの人が目指していたアルハザードって場所、ユーノ君は知ってるわよね?」

ユーノ「はい、聞いたことがあります。旧暦以前、全盛期に存在していた空間で、今はもう失われた秘術がいくつも眠る土地だって」

クロノ「だけど、とっくの昔に次元断層に落ちて滅んだって言われてる」

エイミィ「どうも」

リンディ「あらゆる魔法がその究極の姿に辿り着き、その力を持ってすれば叶わぬ望みは無いとさえ言われた。アルハザードの秘術。時間と空間を遡り過去さえ書き換えることが出来る魔法。失われた命をもう一度甦らせる魔法。彼女はそれを求めたのね?」

なのは「はい」

クロノ「でも、魔法を学ぶものなら誰もが知っている。時間を遡ることも死者を甦らせることも決して出来ないって。だからその両方を望んだ彼女は御伽噺に等しいような伝承にしか頼れなかった。頼らざるを得なかったんだ」

リンディ「でも、あれだけの大魔導士が自分の命さえかけて探していたのだから、彼女はもしかして、本当に見つけたのかもしれないわ。アルハザードの道を。今となってはもう分からないけどね」

なのは、ユーノ「あっ・・・」

リンディ「ごめんなさい。食事中に長話になっちゃった。冷めない内にいただきましょう」

クロノ「なのはには多分アースラでの最後の食事になるだろうし」

なのは「うん」

エイミィ「お別れが寂しいなら素直にそう言えばいいのにな。クロノ君ってば照れ屋さん」

クロノ「な、何を!」

エイミィ「なのはちゃん、ここにはいつでも遊びに来ていいんだからね」

なのは「はい、ありがとうございます」

クロノ「エイミィ!アースラは遊び場じゃないんだぞ!」

リンディ「まあまあ、いいじゃない」

クロノ「えっ」

リンディ「どうせ巡航任務中は暇を持て余してるんだし」

クロノ「か、艦長まで!」

なのは「えへへ」

なのは(ナレーション)「そして、私とユーノ君が帰る朝」

ユーノはフェレットの姿になりなのはの肩の上に乗っていた

リンディ「それじゃ、今回は本当にありがとう」

クロノ「協力に感謝する」

なのはとクロノは握手してなのははにっこりと笑う

クロノ「フェイトの処遇は決まり次第連絡する。大丈夫さ、決して悪いようにはしない」

なのは「うん、ありがとう」

リンディ「ユーノ君も帰りたくなったら連絡してね。ゲートを使わせてあげる」

ユーノ「はい、ありがとうございます」

エイミィ「じゃあ、そろそろいいかな?」

なのは、ユーノ「はい」

クロノ「それじゃ」

なのは「うん、またね。クロノ君、エイミィさん、リンディさん」

なのはとユーノが元の世界に戻る

なのは「帰ろうか、ユーノ君」

ユーノ「うん」

なのは「ただいま」

美由希「なのは、おかえり」

なのは(ナレーション)「そして、戻ってくる私の日常。今までどおりだけどいろんなことがあったから今までとは少しだけ違う日常」

なのは「お母さん、お腹すいちゃった」

桃子「うふふ」

士郎「おかえり、なのは」

桃子「腕によりかけちゃうわ」

なのは「うん」

学校で

すずか「なのはちゃん!」

アリサ「なのは!」

なのは「ただいま、帰って来たよ」

なのは(ナレーション)「夢中だった時のことは過ぎ去ってしまえば何だか一瞬のことのようで。だけど心の中には確かに残っている。出会ったこと、必死だったこと、色んなこと」

なのは「うーん、おうちのベッドも久しぶり。ユーノ君も今日はゆっくり休んでね」

ユーノ「うん」

なのは「レイジングハートも本当にお疲れ」

今までの疲れがどっと出たのかなのはは眠った。ユーノは人間の姿になり

ユーノ「お疲れ様、なのは」

布団をかけて、電気を消した

なのは(ナレーション)「たった一つ、気がかりはあの子の事。綺麗な目をしたきっと優しいあの子の事」

なのは(ナレーション)「数日後」

なのはの携帯が鳴り出す

なのは「うわっ、はい、なのはです!」

ユーノ「うーん・・・」

なのは「えっ、本当?」

クロノ「ああ、さっき正式に決まった。フェイトの身柄はこれから本局に移動、それから事情聴取と裁判が行われる」

なのは「うん」

クロノ「フェイトは多分、いやほぼ確実に無罪になるよ。大丈夫」

エイミィ「クロノ君あれからずっと証拠集めしててくれたからね」

クロノ「エイミィ!そういう余計なことは言わなくていい!」

なのは「ありがとう、クロノ君!」

クロノ「聴取と裁判、その他諸々は結構時間がかかるんだ。で、その前に・・・」

なのは「うん、うん。すぐ行く!うん!」

携帯を切る

ユーノ「どうしたの、なのは?」

なのは「フェイトちゃんが本局に移動になるんだって。しばらくの間。で、その前に少しだけど会えるんだって!」

ユーノ「そうなんだ」

なのは「私に会いたいって言ってくれてるんだって」

レイジングハートも反応する

なのは「フェイトちゃん!」

クロノ「あんまり時間は無いんだが、しばらく話すといい。僕達は向こうにいるから」

なのは「ありがとう」

フェイト「ありがとう」

そしてなのはとフェイトは2人きりになる

なのは「何だかいっぱい話したいことあったのに。変だね。フェイトちゃんの顔見たら忘れちゃった」

フェイト「私は・・・そうだね、私も上手く言葉に出来ない。だけど嬉しかった」

なのは「えっ」

フェイト「真っ直ぐ向き合ってくれて」

なのは「うん、友達になれたらいいなって思ったの。でも今日はもうこれから出かけちゃうんだよね」

フェイト「そうだね。少し長い旅になる」

なのは「また会えるんだよね?」

フェイト「うん・・・少し悲しいけどやっと本当の自分を始められるから」

なのは「あっ」

フェイト「来てもらったのは返事をするため」

なのは「えっ」

フェイト「君が言ってくれた言葉。友達になりたいって」

なのは「あっ、うん、うん」

フェイト「私に出来るなら、私でいいならって。だけど私どうしていいか分からない。だから教えて欲しいんだ。どうしたら友達になれるのか?」

なのは「簡単だよ」

フェイト「えっ」

なのは「友達になるのすごく簡単」

フェイト「あっ」

なのは「名前を呼んで。始めはそれだけでいいの。君とかあなたとかそういうのじゃなくて。ちゃんと相手の目を見てはっきり相手の名前を呼ぶの。私、高町なのは。なのはだよ」

フェイト「なのは」

なのは「うん、そう!」

フェイト「なのは」

なのは「うん!」

フェイト「なのは!」

なのは「うん!」

なのははフェイトの手を握る

フェイト「ありがとう、なのは」

なのは「うん」

フェイト「なのは」

なのは「うん」

フェイト「君の手は暖かいね、なのは」

なのはが泣き出す

フェイト「少し分かったことがある。友達が泣いていると同じように自分も悲しいんだ」

なのは「フェイトちゃん!」

フェイトに抱きつく

フェイト「ありがとう、なのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える。そうしたらまた、君の名前を呼んでいい?」

なのは「うん!うん!」

フェイト「会いたくなったらきっと名前を呼ぶ」

いつの間にかフェイトも泣いていた

フェイト「だから、なのはも私を呼んで。なのはに困ったことがあったら今度はきっと私がなのはを助けるから」

遠くで見ていたアルフは

アルフ「あんたのとこの子はさ、なのはは本当にいい子だね。フェイトがあんなに笑ってるよ」

クロノは立ち上がり

クロノ「時間だ、そろそろいいか?」

フェイト「うん」

なのは「フェイトちゃん!」

するとなのははリボンをほどいて

なのは「思い出に出来るもの、こんなのしかないんだけど」

フェイトもリボンをほどく

フェイト「じゃあ、私も」

お互いのリボンを交換する

フェイト「ありがとう、なのは」

なのは「うん、フェイトちゃん」

フェイト「きっとまた」

なのは「うん、きっとまた」

するとアルフはなのはの肩を叩く

なのは「ありがとう、アルフさんも元気でね」

アルフ「ああ、色々ありがとうね。なのは、ユーノ」

クロノ「それじゃ、僕も」

なのは「クロノ君もまたね」

クロノ「ああ」

なのは「バイバイ、またね。クロノ君、アルフさん、フェイトちゃん」

三人は去っていった

ユーノ「なのは」

なのは「うん」

そしてなのは達は普段の生活に戻った

なのはの両親は喫茶店の営業を順調に続けていた

美由希はユーノで遊んでいた

美由希「なのは!」

なのは「はーい!」

二人は学校へ出かけた

学校での様子もいつもどおりだった

なのはのリボンはフェイトと交換したものに変わっていた

アースラ内も相変わらずエイミィがクロノをからかっていた

フェイトはなのはと交換したリボンをつけていた

フェイトがバルディッシュを見て、また同じ頃なのはがレイジングハートを見てお互いの事を思っていた

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